2014年06月10日
DV-Xα法に関する情報紹介(14)
周期表の元素の原子軌道のデータ(DV-Xα法で計算したもの)がクリック一つで無償でダウンロードできます。
あとは三次元可視化システムVESTAをダウンロード・解凍して起動して、上記の原子軌道のデータを読み込むだけで、原子軌道を三次元可視化できます。
http://www.chem.ous.ac.jp/~gsakane/fun/e00/e00_08.html#ED8
パソコンで実際に量子化学計算をするほどではないが、原子軌道の形状をとりあえず把握してみたいという生徒・学生の皆様にお薦めです。
百聞は一見に如かず、まずは原子軌道というものをVESTAで眺めてみてみて下さい。
VESTAの使い方(DV-Xα法で計算した波動関数を読み込む方法)は、こちらのマニュアル(PDF)をご覧ください。
2014年06月09日
DV-Xα法に関する情報紹介(13)
原子・イオン・有機分子・有機金属分子・錯体・錯イオンなどの電子の軌道(オービタル)の本当の姿を見てみませんか
※正確には電子の軌道というよりは、原子軌道(AO)または分子軌道(MO)の形です。あるいは、原子または分子の波動関数の形、という言い方もします。簡単に言うと、波動関数を二乗したものが電子の発見される確率の大小(いわゆる電子雲)になります。
◆生徒さん・学生さんなら、完全に無償で環境が構築可能です◆(教育現場(授業・実習用パソコン)でも無償で環境構築が可能です)
http://www.chem.ous.ac.jp/~gsakane/fun/index.html
◆周期表の全元素を同じ精度で(しかも999原子種まで!)取り扱える本格的な第一原理計算(密度汎関数法の一種)の分子軌道計算プログラムです◆
◆化学計算初心者の方でも絶対にできます◆
◆生徒さん・学生さんなら、完全に無償で環境が構築可能です◆(教育現場(授業・実習用パソコン)でも無償で環境構築が可能です)
http://www.chem.ous.ac.jp/~gsakane/fun/index.html
2014年06月08日
DV-Xα法に関する情報紹介(12)
坂根弦太,
"硫黄架橋金属クラスター錯体の有機小分子との反応、およびDV-Xα法による電子状態の計算",
学位論文, 岡山理科大学大学院, 1995年.
全文、無料でご覧いただけます。
2014年06月07日
DV-Xα法に関する情報紹介(11)
坂根弦太,
"DV-Xα分子軌道計算プログラムと三次元可視化システムVENUSの大学基礎化学教育での活用",
日本教育情報学会第22回年会(岡山市・岡山理科大学),
(教育方法・授業分析・学習評価(2)),
2D3, 198-199頁, 2006年.
2D3, 198-199頁, 2006年.
全文、無料でご覧いただけます。
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006856469(プレビューをクリック)
2014年06月06日
DV-Xα法に関する情報紹介(10)
坂根弦太,
"DV-Xα法による不完全キュバン型モリブデンクラスター錯体[Mo3X4(H2O)9]4+ (M = O, S) の電子状態",
The Bulletin of the Information Processing Center, Okayama University of Science
(岡山理科大学情報処理センター研究報告, ISSN 1341-6839),
第14号, 65-69頁, 1993年.
全文、無料でご覧いただけます(pdf, 23.4 MB)。
2014年06月05日
DV-Xα法に関する情報紹介(9)
坂根弦太,
"混合金属クラスター錯体の分子軌道計算−DV-Xα法による[Mo3MS4(H2O)10]4+ (M = Fe, Ni) の電子状態の計算",
The Bulletin of the Information Processing Center, Okayama University of Science
(岡山理科大学情報処理センター研究報告, ISSN 1341-6839),
第15号, 51-60頁, 1994年.
全文、無料でご覧いただけます(pdf, 19.4 MB)。
http://www.center.ous.ac.jp/pdf/bulletin/bulletin_15.pdf 2014年06月04日
DV-Xα法に関する情報紹介(8)
坂根弦太,
"硫黄架橋キュバン型モリブデンクラスター錯体[Mo4S4(H2O)12]n+ (n = 4, 5, 6) の電子状態",
The Bulletin of the Information Processing Center, Okayama University of Science
(岡山理科大学情報処理センター研究報告, ISSN 1341-6839),
第16号, 79-85頁, 1995年.
全文、無料でご覧いただけます(pdf, 29.0 MB)。
2014年06月03日
DV-Xα法に関する情報紹介(7)
坂根弦太,
"モリブデン錯体のDV-Xα計算におけるパラメーターの効果",
The Bulletin of the Information Processing Center, Okayama University of Science
(岡山理科大学情報処理センター研究報告, ISSN 1341-6839),
第17号, 35-38頁, 1996年.
全文、無料でご覧いただけます(pdf, 29.4 MB)。
2014年06月02日
DV-Xα法に関する情報紹介(6)
坂根弦太,
"DV-Xα法によるX線光電子スペクトル計算",
The Bulletin of the Information Processing Center, Okayama University of Science
(岡山理科大学情報処理センター研究報告, ISSN 1341-6839),
第18号, 11-16頁, 1997年.
全文、無料でご覧いただけます(pdf, 25.0 MB)。
2014年06月01日
DV-Xα法に関する情報紹介(5)
坂根弦太,
"DV-Xα法による[MoCl6]3-の電子状態計算",
The Bulletin of the Information Processing Center, Okayama University of Science
(岡山理科大学情報処理センター研究報告, ISSN 1341-6839),
第19号, 27-37頁, 1998年.
全文、無料でご覧いただけます(pdf, 16.3 MB)。
2014年05月31日
DV-Xα法に関する情報紹介(4)
坂根弦太,
"教育用分子軌道計算システムeduDVの開発(4)",
The Bulletin of the Information Processing Center, Okayama University of Science
(岡山理科大学情報処理センター研究報告, ISSN 1341-6839),
第34号, 1-37頁, 2013年.
全文、無料でご覧いただけます(pdf, 3.05 MB)。
2014年05月30日
DV-Xα法に関する情報紹介(3)
坂根弦太,
"教育用分子軌道計算システムeduDVの開発(3)",
The Bulletin of the Information Processing Center, Okayama University of Science
(岡山理科大学情報処理センター研究報告, ISSN 1341-6839),
第33号, 1-31頁, 2012年.
全文、無料でご覧いただけます(pdf, 4.98 MB)。
2014年05月29日
DV-Xα法に関する情報紹介(2)
坂根弦太,
"教育用分子軌道計算システムeduDVの開発(2)",
The Bulletin of the Information Processing Center, Okayama University of Science
(岡山理科大学情報処理センター研究報告, ISSN 1341-6839),
第32号, 11-36頁, 2011年.
全文、無料でご覧いただけます(pdf, 36.3 MB)。
2014年05月28日
DV-Xα法に関する情報紹介(1)
坂根弦太,
"教育用分子軌道計算システムeduDVの開発",
The Bulletin of the Information Processing Center, Okayama University of Science
(岡山理科大学情報処理センター研究報告, ISSN 1341-6839),
(岡山理科大学情報処理センター研究報告, ISSN 1341-6839),
第31号, 9-17頁, 2010年.
全文、無料でご覧いただけます(pdf, 25.5 MB)。
2013年12月24日
塩素が含まれるもの調べ
独立行政法人科学技術振興機構(JST)が運営する「SciencePortal」(サイエンスポータル)の「科学教育」ページに本日(2013年12月24日)、「塩素が含まれるもの調べ(著・坂根弦太)」と題する記事が掲載されました。
JST Science Portal 「塩素が含まれるもの調べ」
有機化合物(プラスチックやラップなど)に、塩素などのハロゲン原子が含まれているのか否かを、100円ショップで買い集められる道具で、容易に検出できる実験方法を紹介したものです。
古くから知られている有機定性分析法の一つで、覚えておいて損は無い実験だと思います。
岡山理科大学理学部化学科の無機化学実験では、この「塩素が含まれるもの調べ」を受講者全員が体験しています。
2013年12月20日
β-カロテン(β-carotene)の電子状態
ニンジンは英語でcarrot、ニンジンのオレンジ色の原因色素カロテン(carotene)はcarrotが語源です。
中でも豊富に含まれているのがβ-カロテン(β-carotene)、ビタミンAの前駆体でもあるこのβ-カロテン(β-carotene)が、炭素と水素のみからできている炭化水素だってご存知でしたでしょうか。
今回は、β-カロテン(β-carotene)の電子状態(分子軌道)をDV-Xα法計算支援環境で計算してみました。
今回は、β-カロテン(β-carotene)の電子状態(分子軌道)をDV-Xα法計算支援環境で計算してみました。
参考:野菜の周期表
計算に用いた原子座標は、本間善夫先生、川端潤先生の「パソコンで見る動く分子事典(Windows Vista 対応版)」(講談社ブルーバックス, 2007年)の添付DVD-ROMに収録されていたものです。
Electronic Structure of β-carotene
- Discrete Variational Xα (DV-Xα) Cluster Calculation -
β-カロテン(β-carotene)のHOMO-1(143) エネルギー固有値:-0.82129 eV
(複数の等値表面を同時表示したもの)
β-カロテン(β-carotene)のHOMO(144) エネルギー固有値:-0.22399 eV
β-カロテン(β-carotene)のHOMO(144) エネルギー固有値:-0.22399 eV
(複数の等値表面を同時表示したもの)
β-カロテン(β-carotene)のLUMO(145) エネルギー固有値:2.07948 eV
β-カロテン(β-carotene)のLUMO(145) エネルギー固有値:2.07948 eV
(複数の等値表面を同時表示したもの)
β-カロテン(β-carotene)のLUMO+1(146) エネルギー固有値:2.82823 eV
β-カロテン(β-carotene)のLUMO+1(146) エネルギー固有値:2.82823 eV
(複数の等値表面を同時表示したもの)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(1)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(2)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(3)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(4)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(5)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(6)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(7)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(8)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(9)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(10)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(11)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(12)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(13)
β-カロテン(β-carotene)の等電子密度表面を、isosurface levelを変えて、複数枚、重ね書きしたもの。
β-カロテン(β-carotene)の等電子密度表面を、isosurface levelを変えて、複数枚、重ね書きしたもの(分子の棒球モデル表示を消去)。
β-カロテン(β-carotene)の等電子密度表面を、isosurface levelを変えて、複数枚、重ね書きしたもの(複数の炭素が乗っている平面で切断)。
β-カロテン(β-carotene)の等電子密度表面を、isosurface levelを変えて、複数枚、重ね書きしたもの(複数の炭素が乗っている平面で切断)。
β-カロテン(β-carotene)の等電子密度表面を、isosurface levelを変えて、複数枚、重ね書きしたもの(複数の炭素が乗っている平面で切断)。
全ての図は VESTA Ver. 3.1.7 で描きました。
β-カロテン(β-carotene): 1,3,3-Trimethyl-2-[3,7,12,16-tetramethyl-18-(2,6,6-trimethylcyclohex-1-en-1-yl)octadeca-1,3,5,7,9,11,13,15,17-nonaen-1-yl]cyclohex-1-ene
分子式:C40H56
分子量:536.87
CAS登録番号:7235-40-7
原子数:93
原子軌道数:171
サンプル点数:680,000
総電子数:288
使用した原子基底関数:
炭素(C)原子:1s, 2s, 2p
水素(H)原子:1s
以下に、β-カロテン(β-carotene)の最高被占軌道の一つ下の分子軌道(HOMO-1)、最高被占軌道(HOMO, Highest Occupied Molecular Orbital)、最低空軌道(LUMO, Lowest Unoccupied Molecular Orbital)、最低空軌道の一つ上の分子軌道(LUMO+1)、静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map, 等電子密度曲面に静電ポテンシャルの大小で彩色したもの)などを示します。
β-カロテン(β-carotene)のHOMO-1(143) エネルギー固有値:-0.82129 eV
(複数の等値表面を同時表示したもの)
β-カロテン(β-carotene)のHOMO(144) エネルギー固有値:-0.22399 eV
β-カロテン(β-carotene)のHOMO(144) エネルギー固有値:-0.22399 eV
(複数の等値表面を同時表示したもの)
β-カロテン(β-carotene)のLUMO(145) エネルギー固有値:2.07948 eV
β-カロテン(β-carotene)のLUMO(145) エネルギー固有値:2.07948 eV
(複数の等値表面を同時表示したもの)
β-カロテン(β-carotene)のLUMO+1(146) エネルギー固有値:2.82823 eV
β-カロテン(β-carotene)のLUMO+1(146) エネルギー固有値:2.82823 eV
(複数の等値表面を同時表示したもの)
HOMO - LUMO gap = 2.303 eV = 18578.7 cm-1 = 538.2 nm
HOMO-1 - LUMO gap = 2.901 eV = 23396.3 cm-1 = 427.4 nm
HOMO - LUMO+1 gap = 3.052 eV = 24617.8 cm-1 = 406.2 nm
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(1)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(2)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(3)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(4)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(5)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(6)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(7)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(8)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(9)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(10)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(11)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(12)
β-カロテン(β-carotene)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(13)
β-カロテン(β-carotene)の等電子密度表面を、isosurface levelを変えて、複数枚、重ね書きしたもの。
β-カロテン(β-carotene)の等電子密度表面を、isosurface levelを変えて、複数枚、重ね書きしたもの(分子の棒球モデル表示を消去)。
β-カロテン(β-carotene)の等電子密度表面を、isosurface levelを変えて、複数枚、重ね書きしたもの(複数の炭素が乗っている平面で切断)。
β-カロテン(β-carotene)の等電子密度表面を、isosurface levelを変えて、複数枚、重ね書きしたもの(複数の炭素が乗っている平面で切断)。
β-カロテン(β-carotene)の等電子密度表面を、isosurface levelを変えて、複数枚、重ね書きしたもの(複数の炭素が乗っている平面で切断)。
全ての図は VESTA Ver. 3.1.7 で描きました。
Rosa Martha Perez Gutierrez
Nova Science Pub Inc
2010-07
2013年12月17日
化合物の元素分析結果を考察するためのエクセルファイル
新しい化合物(結晶)を合成した場合、どのような元素がどれぐらい含まれているのかを調べるために、元素分析を行います。
錯体の場合は、金属イオン+(架橋原子)+配位子+結晶溶媒となっている場合が多く、特に結晶溶媒の数については、単結晶X線構造解析の結果からは一義的に決まらないため、通常は元素(炭素、水素、窒素、硫黄、できれば金属元素)分析および比重(密度)を調べ、結晶溶媒の数を最終的に確定します。
実験で得られた元素分析結果(および比重)と、単結晶X線構造解析で求めた単位格子の体積とZ値を合い照らし、結晶溶媒の数を検討するときに便利なエクセルファイルを一般公開しています。
錯体用(錯体以外も可)元素分析考察テーブルccCHNS
これは私が大学院生(M2)のころ(1992年)、私自身や後輩たちの必要に迫られて、私が作成したものです。
当時はNECかEPSONのPC-9800シリーズのパソコン(OSはMS-DOS)にLotus 1-2-3 という表計算ソフトをインストールし、そこでこの元素分析考察テーブルを作成しました。
まだWindowsが世間一般に普及する前(普及したのは、Windows 95)で、ワードプロセッサーといえばジャストシステムの一太郎、表計算と言えばLouts 1-2-3という時代でした。
その後、Windows 95が発売された1995年に、この元素分析考察テーブルをExcelに移植(いわゆるDOS/Vパソコン)、IUPACが公表する原子量の値が変更されるたびにアップデートを繰り返し、現在に至ります。
今回は、IUPACの2013年原子量表の値にデータをアップデートしました。
このIUPACの2013年原子量表では、水素、リチウム、ホウ素、炭素、窒素、酸素、マグネシウム、ケイ素、硫黄、塩素、臭素、タリウムについては、試料によって同位体組成に変動があるとして、原子量が変動幅(最小値〜最大値)で示されています。
しかし、この最小値〜最大値というデータでは、元素分析考察テーブルの中で化合物の分子量(式量)が一義的に求まらないために、支障をきたします。
幸い、IUPACの2013年原子量表では、原子量に変動幅がある元素の原子量も、意味のある有効数字の範囲でえいやっと言う原子量が記載してあるので、元素分析考察テーブルではその値を利用しています(ただし、原子量の不確かさはなし)。
教育、研究目的に、この元素分析考察テーブルをご活用いただければ幸甚です。
2013年12月13日
元素図鑑イン・アクション(世界一迫力ある化学実験動画集)
iPadかiPhoneで、「元素図鑑」アプリを使っておられる方に朗報です。
元素の単体に関する迫力ある化学実験動画集のアプリ「元素図鑑イン・アクション」がダウンロード、購入できるようになりました。
価格は400円です。
この「元素図鑑イン・アクション」は単独でも使えますが、あの有名な「元素図鑑」のアプリと一緒に使うことをお勧めします。
両方のアプリをインストールすると、自動的にアプリ同士がリンクし、「元素図鑑」で元素をオブジェクトとしてじっくり眺めたり、続編の「元素図鑑イン・アクション」で動く映像を観たりを、自由に行き来しながら楽しめます。
下記書籍「ケミストを魅了した元素と周期表」では、タブレット端末で楽しめる周期表として、元素図鑑アプリを紹介しましたが、もし「元素図鑑イン・アクション」が世の中に出ていれば、絶対に追加で紹介していたと思います。
小学校、中学校、高等学校の理科・化学の授業でも、iPadかiPhoneをプロジェクターや大画面に接続して、この「元素図鑑イン・アクション」を児童・生徒に見せたら、周期表、元素、化学、理科が好きになる人が続出すると思います。
学校現場でタブレット端末を使う事例が増えてきていますが、「元素図鑑」および「元素図鑑イン・アクション」をインストールして使うことが出来たら素晴らしいですね。
迫力の化学実験動画(79本!)は、大学の施設でも実現できないような素晴らしいものが多く、大学での講義でも活用できると思います。
元素の単体に関する迫力ある化学実験動画集のアプリ「元素図鑑イン・アクション」がダウンロード、購入できるようになりました。
価格は400円です。
この「元素図鑑イン・アクション」は単独でも使えますが、あの有名な「元素図鑑」のアプリと一緒に使うことをお勧めします。
両方のアプリをインストールすると、自動的にアプリ同士がリンクし、「元素図鑑」で元素をオブジェクトとしてじっくり眺めたり、続編の「元素図鑑イン・アクション」で動く映像を観たりを、自由に行き来しながら楽しめます。
下記書籍「ケミストを魅了した元素と周期表」では、タブレット端末で楽しめる周期表として、元素図鑑アプリを紹介しましたが、もし「元素図鑑イン・アクション」が世の中に出ていれば、絶対に追加で紹介していたと思います。
小学校、中学校、高等学校の理科・化学の授業でも、iPadかiPhoneをプロジェクターや大画面に接続して、この「元素図鑑イン・アクション」を児童・生徒に見せたら、周期表、元素、化学、理科が好きになる人が続出すると思います。
学校現場でタブレット端末を使う事例が増えてきていますが、「元素図鑑」および「元素図鑑イン・アクション」をインストールして使うことが出来たら素晴らしいですね。
迫力の化学実験動画(79本!)は、大学の施設でも実現できないような素晴らしいものが多く、大学での講義でも活用できると思います。
2013年12月12日
クロロフィル(chlorophyll)の電子状態
植物が緑色である原因物質で、植物の光合成において太陽光のエネルギーを吸収している色素クロロフィル(chlorophyll)、そう、葉緑素のことです。
今回は、クロロフィルa(chlorophyll a)の電子状態(分子軌道)をDV-Xα法計算支援環境で計算してみました。
参考:クロロフィルのTシャツ(Chlorophyll Women's Pink T-Shirt)
参考:クロロフィルのTシャツ(Chlorophyll Women's Pink T-Shirt)
計算に用いた原子座標は、本間善夫先生、川端潤先生の「パソコンで見る動く分子事典(Windows Vista 対応版)」(講談社ブルーバックス, 2007年)の添付DVD-ROMに収録されていたものです。
Electronic Structure of chlorophyll a
- Discrete Variational Xα (DV-Xα) Cluster Calculation -
クロロフィルa(chlorophyll a)のHOMO(241) エネルギー固有値:-0.01119 eV
クロロフィルa(chlorophyll a)
SMILES:CCC1=C(C2=NC1=CC3=C(C4=C([N-]3)C(=C5[C@H]([C@@H](C(=N5)C=C6C(=C(C(=C2)[N-]6) C=C)C)C)CCC(=O)OC/C=C(\C)/CCCC(C)CCCC(C)CCCC(C)C)C(C4=O)C(=O)OC)C)C.[Mg+2]
分子式:C55H72MgN4O5
分子量:893.49
CAS登録番号:479-61-8
原子数:137
原子軌道数:270
サンプル点数:433,000
総電子数:482
使用した原子基底関数:
炭素(C)原子:1s, 2s, 2p
水素(H)原子:1s
マグネシウム(Mg)原子:1s, 2s, 2p, 3s, 3p, 3d
窒素(N)原子:1s, 2s, 2p
酸素(O)原子:1s, 2s, 2p
以下に、クロロフィルa(chlorophyll a)の最高被占軌道(HOMO, Highest Occupied Molecular Orbital)、最低空軌道(LUMO, Lowest Unoccupied Molecular Orbital)、静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map, 等電子密度曲面に静電ポテンシャルの大小で彩色したもの)を示します。
クロロフィルa(chlorophyll a)のHOMO(241) エネルギー固有値:-0.01119 eV
クロロフィルa(chlorophyll a)のLUMO(242) エネルギー固有値:1.60445 eV
HOMO-LUMO gap = 1.616 eV = 13031.0 cm-1 = 767.4 nm
クロロフィルa(chlorophyll a)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(1)
クロロフィルa(chlorophyll a)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(2)
クロロフィルa(chlorophyll a)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(3)
クロロフィルa(chlorophyll a)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(4)
クロロフィルa(chlorophyll a)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(5)
クロロフィルa(chlorophyll a)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(6)
クロロフィルa(chlorophyll a)の等電子密度表面を、isosurface levelを変えて、複数枚、重ね書きしたもの(MgN4を含む平面で切断, VESTAではこのように任意の平面で簡単に切断できます)。
30°回転させて、斜めから切断面を観察してみました。
全ての図は VESTA Ver. 3.1.7 で描きました。
クロロフィルa(chlorophyll a)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(1)
クロロフィルa(chlorophyll a)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(2)
クロロフィルa(chlorophyll a)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(3)
クロロフィルa(chlorophyll a)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(4)
クロロフィルa(chlorophyll a)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(5)
クロロフィルa(chlorophyll a)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(6)
クロロフィルa(chlorophyll a)の等電子密度表面を、isosurface levelを変えて、複数枚、重ね書きしたもの(MgN4を含む平面で切断, VESTAではこのように任意の平面で簡単に切断できます)。
30°回転させて、斜めから切断面を観察してみました。
全ての図は VESTA Ver. 3.1.7 で描きました。
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の電子状態
特有の強い芳香がある無色の液体で、菓子やチューインガム、歯磨き粉などの香料として用いられるほか、筋肉などの炎症を抑えるための鎮痛用外用塗布剤(湿布薬)に用いられているサリチル酸メチル(methyl salicylate)の電子状態(分子軌道)をDV-Xα法計算支援環境で計算してみました。
岡山理科大学理学部化学科の無機化学実験では、この冬緑油(wintergreen oil)を含んでいるアメ(Wint-O-Green Life Savers)のトライボルミネッセンス(摩擦発光, triboluminescence)に関する実験を行っています。
スクロース(sucrose)のトライボルミネッセンス(摩擦発光)、サリチル酸メチルのフォトルミネッセンス(光発光)、サリチル酸メチルの塩化鉄(III)(iron(III) chloride)による呈色反応(赤紫色)などが体験できる人気の実験です。
参考文献:
ウィンターグリーン(wintergreen)(学名:Gaultheria procumbens)という植物のエッセンシャルオイルは冬緑油(wintergreen oil)と呼ばれ、その主成分はサリチル酸メチル(methyl salicylate)です。
岡山理科大学理学部化学科の無機化学実験では、この冬緑油(wintergreen oil)を含んでいるアメ(Wint-O-Green Life Savers)のトライボルミネッセンス(摩擦発光, triboluminescence)に関する実験を行っています。
スクロース(sucrose)のトライボルミネッセンス(摩擦発光)、サリチル酸メチルのフォトルミネッセンス(光発光)、サリチル酸メチルの塩化鉄(III)(iron(III) chloride)による呈色反応(赤紫色)などが体験できる人気の実験です。
参考文献:
- Linda Marie Sweeting, "Scientific Experiments at Home: Wintergreen Candy and Other Triboluminescent Materials"
- Linda Marie Sweeting, "Light Your Candy", ChemMatters, 8(3), 10-12 (1990).
- J. T. Dickinson, L. B. Brix, L. C. Jensen, "Electron and Positive Ion Emission Accompanying Fracture of Wint-O-Green Lifesavers and Single Crystal Sucrose", Journal of Physical Chemistry, 88(9), 1698-1701 (1984).
計算に用いた原子座標は、本間善夫先生、川端潤先生の「パソコンで見る動く分子事典(Windows Vista 対応版)」(講談社ブルーバックス, 2007年)の添付DVD-ROMに収録されていたものです。
Electronic Structure of Methyl Salicylate
- Discrete Variational Xα (DV-Xα) Cluster Calculation -
サリチル酸メチル(methyl salicylate):methyl 2-hydroxybenzoate
分子式:C8H8O3
分子量:152.1494
CAS登録番号:119-36-8
原子数:19
原子軌道数:41
サンプル点数:2,840,000
総電子数:80
使用した原子基底関数:
炭素(C)原子:1s, 2s, 2p
水素(H)原子:1s
酸素(O)原子:1s, 2s, 2p
以下に、サリチル酸メチル(methyl salicylate)の最高被占軌道(HOMO, Highest Occupied Molecular Orbital)、最低空軌道(LUMO, Lowest Unoccupied Molecular Orbital)、静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map, 等電子密度曲面に静電ポテンシャルの大小で彩色したもの)を示します。
サリチル酸メチル(methyl salicylate)のHOMO(40) エネルギー固有値:-0.04277 eV
「パソコンで見る動く分子事典(Windows Vista 対応版)」に入っていたこの原子座標でも、DV-Xα法計算支援環境でサリチル酸メチル(methyl salicylate)の電子状態を計算してみました。
以下に、サリチル酸メチル(methyl salicylate)の最高被占軌道(HOMO, Highest Occupied Molecular Orbital)、最低空軌道(LUMO, Lowest Unoccupied Molecular Orbital)、静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map, 等電子密度曲面に静電ポテンシャルの大小で彩色したもの)を示します。
サリチル酸メチル(methyl salicylate)のHOMO(40) エネルギー固有値:0.07397 eV
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(1)
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(2)
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(3)
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(4)
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の等電子密度表面を、isosurface levelを変えて、複数枚、重ね書きしたもの(X-Y平面で切断)。
全ての図は VESTA Ver. 3.1.7 で描きました。
サリチル酸メチル(methyl salicylate)のHOMO(40) エネルギー固有値:-0.04277 eV
サリチル酸メチル(methyl salicylate)のLUMO(41) エネルギー固有値:3.40225 eV
HOMO-LUMO gap = 3.445 eV = 27785.9 cm-1 = 359.9 nm
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(1)
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(2)
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(3)
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(4)
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の等電子密度表面を、isosurface levelを変えて、複数枚、重ね書きしたもの(X-Y平面で切断)。
サリチル酸メチル(methyl salicylate)には、分子内に水素結合があります。
フェノールのオルト位のメチルエステル基は炭素−炭素結合軸で自由に回転できるので、分子内水素結合を考えると、もう一つの構造が想定されます。
この形でも、それなりに安定そうです。
本間善夫先生、川端潤先生の「パソコンで見る動く分子事典(Windows Vista 対応版)」(講談社ブルーバックス, 2007年)の添付DVD-ROMには、この分子内水素結合を考慮した2種類のサリチル酸メチル(methyl salicylate)の座標が入っています。
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(1)
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(2)
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(3)
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(4)
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の等電子密度表面を、isosurface levelを変えて、複数枚、重ね書きしたもの(X-Y平面で切断)。
サリチル酸メチル(methyl salicylate)には、分子内に水素結合があります。
フェノールのオルト位のメチルエステル基は炭素−炭素結合軸で自由に回転できるので、分子内水素結合を考えると、もう一つの構造が想定されます。
この形でも、それなりに安定そうです。
本間善夫先生、川端潤先生の「パソコンで見る動く分子事典(Windows Vista 対応版)」(講談社ブルーバックス, 2007年)の添付DVD-ROMには、この分子内水素結合を考慮した2種類のサリチル酸メチル(methyl salicylate)の座標が入っています。
「パソコンで見る動く分子事典(Windows Vista 対応版)」に入っていたこの原子座標でも、DV-Xα法計算支援環境でサリチル酸メチル(methyl salicylate)の電子状態を計算してみました。
原子数:19
原子軌道数:41
サンプル点数:2,840,000
総電子数:80
使用した原子基底関数:
炭素(C)原子:1s, 2s, 2p
水素(H)原子:1s
酸素(O)原子:1s, 2s, 2p
以下に、サリチル酸メチル(methyl salicylate)の最高被占軌道(HOMO, Highest Occupied Molecular Orbital)、最低空軌道(LUMO, Lowest Unoccupied Molecular Orbital)、静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map, 等電子密度曲面に静電ポテンシャルの大小で彩色したもの)を示します。
サリチル酸メチル(methyl salicylate)のHOMO(40) エネルギー固有値:0.07397 eV
サリチル酸メチル(methyl salicylate)のLUMO(41) エネルギー固有値:3.27327 eV
HOMO-LUMO gap = 3.199 eV = 25804.1 cm-1 = 387.5 nm
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(1)
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(2)
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(3)
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(4)
サリチル酸メチル(methyl salicylate)の等電子密度表面を、isosurface levelを変えて、複数枚、重ね書きしたもの(X-Y平面で切断)。
全ての図は VESTA Ver. 3.1.7 で描きました。
Hephaestus Books
2011-08-31
Hephaestus Books
2011-08-31