2007年05月

2007年05月31日

ついにリリースされたDV-Xα法計算支援環境

DV-Xα法計算支援環境_1泉 富士夫 先生のウェブサイト「泉 富士夫の粉末回折情報館」で、ついにタブエディタ(秀丸エディタ)上に構築されたDV-Xα法計算支援環境が正式リリース(一般公開)されました。

DV-Xα法プログラムの歴史にとって、このDV-Xα法計算支援環境の一般公開は、一つの大きなターニングポイントになると私は思っております。

広い分野の方に、広い年代の方に、低い障壁でDV-Xα法を使い始めていただける環境だからです。

このDV-Xα法計算支援環境、私は開発の初期段階から唯一のテストユーザとして使わしていただいており、自分で言うのも何ですが、かなり使い込んでいる超ヘビーユーザーです。

DV-Xα法計算支援環境そこで、本日「DV-Xα法計算支援環境」が正式リリース(一般公開)されたのと時を同じくして、私の使用上の経験をメモした簡易マニュアルを一般公開することにいたしました。

 

以下のリンクをクリックし、ダウンロードしてご覧いただけましたら幸甚です。146頁のpdf文書で51.9 MBです。

DV-Xα法計算支援環境利用の手引き



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2007年05月23日

Windows Vistaにおける、原子数190の有機分子“albatrossene”のDV-Xα法分子軌道計算とLUMOおよび静電ポテンシャルマップの三次元可視化

パソコンで見る動く分子事典―デジタル3D分子データ集の決定版

の添付CD-ROMに入っていた“albatrossene”という有機分子のmolファイル(座標ファイル)を元に、“albatrossene”の電子状態計算を、Windows Vistaパソコンを用いて、タブエディタ(秀丸エディタ)上に秀丸エディタマクロで構築されたDV-Xα法計算支援環境で計算してみた件、昨日に引き続きLUMOおよび静電ポテンシャルマップを次世代・統合3D可視化システムVESTAで三次元可視化してみました。

見えるぞ、これが分子の電子の姿だ!

“albatrossene”という有機分子、何と言っても形がユニークです。このシリーズの分子群につきましては、川端潤氏のおもしろ化合物 第11話:「アホウドリの羽ばたき」をご参照下さい。

albatrossene原子数190、対称軌道ファイル(F25)は用いませんでしたので、原子の種類の数(NEQ)も190です。原子軌道の数は418、総電子数は760個になります。こんな巨大分子の分子軌道計算が、Windows Vistaパソコンでいとも簡単に実行できるのです。

以下のURLに、“albatrossene”のLUMOおよび静電ポテンシャルマップをアニメーション化したGIFファイルを置いておりますので、ファイルサイズにご注意の上、是非ご覧下さい。

albatrossene_LUMO【albatrosseneのLUMO, LLサイズのアニメーションGIF, 2.81 MB

http://www.chem.ous.ac.jp/%7Egsakane/dvxa_watcom1.6/albatrossene_LUMO_100.gif

【albatrosseneのLUMO, LサイズのアニメーションGIF, 836 KB

http://www.chem.ous.ac.jp/%7Egsakane/dvxa_watcom1.6/albatrossene_LUMO_50.gif

【albatrosseneのLUMO, MサイズのアニメーションGIF, 268 KB

http://www.chem.ous.ac.jp/%7Egsakane/dvxa_watcom1.6/albatrossene_LUMO_25.gif

【albatrosseneのLUMO, SサイズのアニメーションGIF, 60 KB

http://www.chem.ous.ac.jp/%7Egsakane/dvxa_watcom1.6/albatrossene_LUMO_10.gif

albatrosseneの静電ポテンシャルマップ_1【albatrosseneの静電ポテンシャルマップ】

( LLサイズのアニメーションGIF, 12.9 MB

http://www.chem.ous.ac.jp/%7Egsakane/dvxa_watcom1.6/albatrossene_POTMAP_100.gif

【albatrosseneの静電ポテンシャルマップ】

LサイズのアニメーションGIF, 3.6 MB

http://www.chem.ous.ac.jp/%7Egsakane/dvxa_watcom1.6/albatrossene_POTMAP_50.gif

【albatrosseneの静電ポテンシャルマップ】

MサイズのアニメーションGIF, 1.05 MB

http://www.chem.ous.ac.jp/%7Egsakane/dvxa_watcom1.6/albatrossene_POTMAP_25.gif

albatrosseneの静電ポテンシャルマップ_2【albatrosseneの静電ポテンシャルマップ】

SサイズのアニメーションGIF, 252 KB

http://www.chem.ous.ac.jp/%7Egsakane/dvxa_watcom1.6/albatrossene_POTMAP_10.gif

くれぐれもファイルサイズにご注意の上(特に静電ポテンシャルマップのアニメーションGIFファイルのサイズは巨大です)、ご覧いただければ幸甚です。

どうです、この美しさ!

2007年04月18日の私のブログ「パソコンで見る動く分子事典の分子をそのままパソコンで分子軌道計算」2007年05月01日の私のブログ「タブエディタ(秀丸エディタ)上に構築されたDV-Xα法計算支援環境」にも書きましたが、原子種(原子番号)と原子座標の情報(例えば前述のの添付CD-ROMに入っている数多くの*.molファイルやX線構造解析結果のCIFファイルなど)さえあれば、いかに容易に高精度の電子状態計算(分子軌道計算)を行って、その計算結果を数値で見たり、美しく三次元可視化できることか。

しかも2007年05月16日の私のブログ「Windows Vista上で動き出したeduDV, VESTA, タブエディタDV-Xα支援環境」にも書きましたとおり、現在入手可能な普通のWindowsパソコン=Windows Vista上でこれが容易にできるようになったわけですから(当然、WindowsXPでも動作します)、どれだけこれが感動的なことか、DV-Xα法の世界もいよいよこのような段階に達したかと私は感無量です。

いずれこの素晴らしい環境、多くの方々に使っていただければと思っております。

準備していただくものは、以下の6点です。

1.普通のWindowsパソコン(一般家庭用スペックで十分)

2.書籍はじめての電子状態計算―DV‐Xα分子軌道計算への入門および添付CD-ROM(2007年7月7日(土)からはCD-ROMは不要、ここから入手できるようになりました)

3.秀丸エディタ(シェアウェア)およびDV-Xα法計算支援環境(2007年5月31日(木)に一般公開されました)

4.次世代・統合3D可視化システムVESTA(2007年7月11日(水)にβ版が一般公開、2008年4月8日(火)には、最新版Version 1.4.2がリリースされました)

5.教育用分子軌道計算システムeduDV(2006年8月4日に一般公開、2007年11月5日(月)に最新版がリリースされました)

6.DV-Xαプログラム本体(2007年7月7日に一般公開、2007年9月4日に最新版Version 1.04がリリースされました)

(市販)と(市販本)秀丸エディタ(シェアウェア)および坂根のウェブサイトにてダウンロード公開中)は、現在どなたでもご入手いただける状態です。

のDV-Xα法計算支援環境も、2007年5月31日(木)以降は泉富士夫先生のウェブサイトで公開されており、入手可能です。

のVESTAも、2007年7月11日(水)以降は東北大学の門馬綱一氏のウェブサイトで公開されており、入手可能です。

なお、のDV-Xα法計算支援環境とのVESTAは、7月9日(月)〜11日(水)に東京理科大学神楽坂キャンパスで開催される「粉末X 線解析の実際」講習会の参加者には、テストユーザとして配布される予定とのことです。

OpenWatcom1.6ビルド版DV-Xα実行ファイル群は、DV-Xα法研究協会spd部会のメンバーである大阪大学の水野正隆先生により準備作業が進められております。2007年7月7日(土)以降は、書籍はじめての電子状態計算―DV‐Xα分子軌道計算への入門サポートウェブサイトで公開されており、入手可能です。

今年は1988年に第1回DV-Xα研究会が開催されてから20年目になります。私は第3回のDV-Xα研究会(1990年(平成2年)8月8日(水)〜9日(木), 神戸市・舞子ビラ)に大学院修士課程1年生の時に初めて出席・講演発表して以来の長い参加になります。

この20回目の記念大会、今年の8月2日(木),3日(金),4日(土)に兵庫教育大学で開催されます。DV-Xα法にご興味をお持ちの方、とても気楽で有意義かつ情報密度の濃い研究会ですので、是非ご参加をご検討下さい。

この記念大会の開催までには、上記6点がすべて一般公開されていると素晴らしいな、と私は個人的には思っております(プログラム開発は予定通りにはいきませんので、あくまで予定は未定です)。

5/25(金)追記:泉富士夫先生の5月25日(金)付の掲示板によりますと、少なくとものDV-Xα法計算支援環境は第20回DV-Xα研究会までには正式リリース(一般公開)される公算が大きいとのことです。これはDV-Xα界にとっては、より幅広い分野・年代の方にDV-Xα法を使っていただくための一つの大きな転機(きっかけ)になることと思います。

2008年4月10日(木)追記:現在、必要なプログラムはすべてウェブサイト上で一般公開されています。研究・教育目的にお使いの場合、どなたでもダウンロードして使用することが可能です(秀丸エディタのみシェアウェアです)。必要なプログラムは、こちらのリンク集からご入手ください。



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2007年05月22日

Windows Vistaにおける、原子数190の有機分子“albatrossene”のDV-Xα法分子軌道計算とHOMOの三次元可視化

パソコンで見る動く分子事典―デジタル3D分子データ集の決定版

の添付CD-ROMに入っていた“albatrossene”という有機分子のmolファイル(座標ファイル)を元に、“albatrossene”の電子状態計算を、Windows Vistaパソコンを用いて、タブエディタ(秀丸エディタ)上に秀丸エディタマクロで構築されたDV-Xα法計算支援環境で計算してみました。

もちろん、大阪大学の水野正隆先生が構築作業中の最新VersionのDV-Xα法実行ファイル(Open Watcom Fortran Version 1.6でビルドされたもの)を用いております。

この“albatrossene”という有機分子、原子数は190、対称軌道ファイル(F25)は用いませんでしたので、原子の種類の数(NEQ)も190です。原子軌道の数は418、総電子数は760個になります。

albatrosseneこのシリーズの分子群の形の面白さについては、川端潤氏のおもしろ化合物 第11話:「アホウドリの羽ばたき」をご参照下さい。

こんな巨大な分子の計算でも、Windows Vistaパソコン(SONYのノートパソコン VAIO VGN-G1, Intel Core Solo CPU U1500(動作周波数 1.33 GHz), メモリ 2038 MB, ハードディスク容量 51.2 GB, OS: Windows Vista Business)を用いてDV-Xα法計算支援環境で計算したら、サンプル点数を95000点もとったのに、比較的短時間(測っていなかったので正確には分かりませんが、1〜2時間程度)で完全にセルフコンシステントに収束しました。

albatrossene_HOMO次世代・統合3D可視化システムVESTAでHOMOを三次元可視化してみました。

まったく問題なく動作します。Windows Vista上でも、DV-Xα法、秀丸エディタDV-Xα法計算支援環境、次世代・統合3D可視化システムVESTA、いずれも問題なく動作することが検証できました。しかも原子数=原子種数=190という巨大分子でも何のその、こんなにも容易に電子状態が求まるとは、ハードウェアとソフトウェアの進化の凄さには舌を巻くばかりです。

以下のURLに、“albatrossene”のHOMOをWindows Vista上で次世代・統合3D可視化システムVESTAで三次元可視化し、アニメーション化したGIFファイルを置いておりますので、ファイルサイズにご注意の上、是非ご覧下さい。

【albatrosseneのHOMO, LLサイズのアニメーションGIF, 2.43 MB】

http://www.chem.ous.ac.jp/%7Egsakane/dvxa_watcom1.6/albatrossene_HOMO_100.gif

【albatrosseneのHOMO, LサイズのアニメーションGIF, 718 KB】

http://www.chem.ous.ac.jp/%7Egsakane/dvxa_watcom1.6/albatrossene_HOMO_50.gif

【albatrosseneのHOMO, MサイズのアニメーションGIF, 226 KB】

http://www.chem.ous.ac.jp/%7Egsakane/dvxa_watcom1.6/albatrossene_HOMO_25.gif

【albatrosseneのHOMO, SサイズのアニメーションGIF, 52 KB】

http://www.chem.ous.ac.jp/%7Egsakane/dvxa_watcom1.6/albatrossene_HOMO_10.gif


 



tgs0001 at 20:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 自然科学 | 分子軌道

2007年05月17日

タブエディタ(秀丸エディタ)上に構築されたDV-Xα法計算支援環境テストユーザの集い

DOS明日(5月18日(金))夕方(18:00〜)、岡山市内にて、

「タブエディタ(秀丸エディタ)上に構築されたDV-Xα法計算支援環境テストユーザの集い」

と題する研究集会が開催されます(主催:石井先生坂根)。

これを岡山弁に翻訳すると、

「ほんまの話をすると、要するに、理大の柴研香川大の石井研の合同コンパっちゅうことじゃのー、でーれー楽しみにしておるで、盛り上がるとえーじゃのーほんまに楽しみじゃ」

とも言います(岡山理科大学のことは岡山では一般的に“理大”と呼ばれています)。

DV-Xα法計算支援環境_1高松弁に翻訳するならば、

「会費3000円ちょっきしやけど、よーけ料理もお酒もあるから、まんでがん、しのべとってね、もう食べれん、おなかおきたなるぐらい、よーけな」

といったところでしょうか。

両研究室では、単結晶X線構造解析によって様々な化合物の原子種と原子位置を決定した後、タブエディタ(秀丸エディタ)上に構築されたDV-Xα法計算支援環境で化合物の電子状態計算を行って、その計算結果を実験結果(物性)の理解にフィードバックさせるという作業を日夜行っております。

どちらかというと岡山理科大学の柴原隆志研究室は合成に、香川大学の石井知彦研究室は計算により重きを置いて仕事をしておりますので、両研究室の密接な情報交換はとても有意義であると考えております。

eduDV両研究室(岡山理科大学理学部化学科の柴原隆志研究室香川大学工学部材料創造工学科の石井知彦研究室)はどちらも

「タブエディタ(秀丸エディタ)上に構築されたDV-Xα法計算支援環境」

のヘビーなテストユーザ集団ですので、この

「タブエディタ(秀丸エディタ)上に構築されたDV-Xα法計算支援環境」

についても使用してみての忌憚ない意見・感想などを集め、この支援環境の開発者である泉富士夫先生に報告申し上げる予定にしております。

hajimete学生さんの場合、学生である間は申請すれば、秀丸エディタは無償で使うことができます。あとは岡山理科大学理学部化学科の柴原隆志研究室もしくは香川大学工学部材料創造工学科の石井知彦研究室のメンバーであれば、泉富士夫先生の開発された

「タブエディタ(秀丸エディタ)上に構築されたDV-Xα法計算支援環境」

をはじめ、東北大学の門馬綱一氏泉富士夫先生と共に開発された次世代・統合3D可視化システムVESTAの最新のベータ版がテストユーザとして使えます。そして岡山理大の坂根のウェブサイトで公開している教育用分子軌道計算システムeduDV、あとは黄色い書籍はじめての電子状態計算―DV‐分子軌道計算への入門のCD-ROMの環境を入手すれば、自分のWindowsパソコンで、研究室のWindowsパソコンで、この次世代電子状態計算環境をいち早く(しかもほとんど無償で)使うことができるといった次第です。

しかも何と言ってもVESTAの画像が美しい!この美しさに感動できるだけでもDV-Xα計算が楽しくなります。さらに楽しいだけではなく、計算結果から物性を理解・説明できたとしたら、もぉ至れり尽くせりの幸せに浸れるといった次第です。

DV-Xα法計算支援環境_2新しい化学物質を合成して、X線回折実験から原子種と原子位置を特定して、あとはWindowsパソコンの画面上、マウスカーソルでボタンを押したりプルダウンメニューを選択していくだけでここまで得られる上質な成果、違いの分かる研究者には感動的な環境です。

私(坂根)が学生時代岡山理科大学情報処理センター大型計算機FACOM M-380で、幾晩も徹夜で他の研究室の待機ジョブと競争の上、ジョブクラスを変えるなどしてなんとかTSS(タイムシェアリングシステム)に割り込んで自分のジョブを回し、何時間も何時間もかけてジョブが終了したらラインプリンタ室に走っていって計算結果を取りに行き、その結果を見て次のジョブを回すべくJCL(ジョブ・コントロール・ランゲージ)を作成して、再びサブミット!リストジョブ!リストジョブ!とひたすら繰り返してやっていた時代、そんな方法で何ヶ月もかけてX線構造解析、DV-Xαによる電子状態計算をしていた時代(しかも凄まじく高額な計算機使用料金!)を振り返ると、思わず岡山弁でドスをきかして

「でぇれぇーしょべーんじゃ!」

と叫びたくなります。

たった十数年しかたっていないのに、ハードウェアもソフトウェアも、それだけ著しい進化を遂げたということです。

現代の学生諸氏から見れば、私(坂根)の学生時代FACOMでX線構造解析&DV-Xα計算なんて、逆に想像もつかない、あり得ない環境と思えるでしょうね。私が大好きな映画(3部作)Back to the Futureのデロリアン(あるいはHerbert George WellsThe Time Machineでも可)で実際に1980年代に行って見てみない限りは実感できないことでしょう(私は1986年に岡山理科大学に入学いたしました)。

Fortran77フォートランの1行が穴の開いたカード1枚で表現されていた時代、まだブラウン管のディスプレイというものがなくてテレタイププリンターといってキーボードで入力した結果は1行ずつ感熱紙にプリンター印刷して入力確認していた時代、DV-Xαプログラムのフォートランのソースプログラム一式を当時・兵庫教育大学足立裕彦先生のところから「長巻の磁気リールテープ」でいただいてきて、岡山理科大学情報処理センターFACOMにインストールしたあの時代(長巻の磁気リールテープは記念に、現在でも大事にとってあります)、たった十数年しかたっていないのに・・・。

DV-Xα法計算支援環境_3是非、岡山理科大学理学部化学科の柴原隆志研究室および香川大学工学部材料創造工学科の石井知彦研究室のメンバーの皆様には、何気なく手に入れて使っている現在の計算環境が、ちょっと前(ほんのちょっと前ですよ)の時代の人間から見れば、いかに次世代の夢のような凄い環境であるのか、実感していただければありがたいと思っております。

そして願わくば、あまりの便利さに「ブラックボックス化」してしまっている計算過程(何を、どうやって、そんな数字やグラフやVESTA画面が出てくるのか)を、少々辛くても調べて勉強して理解する努力と苦労を惜しまないで欲しいと思っております。本当の意味でこの便利な環境を使いこなすためには、必要最低限の「中身の理解」が必要です。プログラムの作者ほどの理解には遠く及ばないにしても、必要最低限のユーザのマナーとして、ブラックボックスを覗く努力と苦労を惜しまないことをお勧めします。

昨日の私のブログ「Windows Vista上で動き出したeduDV, VESTA, タブエディタDV-支援環境」で冒頭紹介したSHARPのサイクロン掃除機EC−VX1、私はもちろんただのユーザにすぎませんが、購入するに当たってはほぼ全メーカの最新機種の性能・特長を調べて比較検討しました。だから使っている現在も、この部分でこんな仕組みで、こんなことが行われているから、こんなによくゴミを吸い取るんだ、とある程度理解しながら使うことができております。

これがいきなり家電量販店に行って、お店の人の勧めるがままに購入して、何気なく使って、何となく性能がいいね、と感じるのとはちょっとレベルが違う、満足度が違うと思うわけです。

世の中何もかも、あまりに便利で快適ですが、その裏方には、製品開発のドラマがあり、泥臭い努力と苦労があって、様々な人々の様々なアイデアが詰まっていて、そしていざ現場で実際に作るという段階を経て、営業販売されて結果的に私たちの手元に届いているわけです。

X線構造解析や電子状態計算のハードウェアやソフトウェアの著しい進化の陰には、同様な物語が隠れているのだということに、是非思いを至らせてください。

DV-Xα法計算支援環境_4例えばDV-の世界で言えば、足立裕彦先生および歴代の足立研の皆様方の試行錯誤、努力と苦労の結果、現在公開されているソースプログラムが存在しているわけです。そして泉富士夫先生およびRuben A. Dilanian氏、そして門馬綱一氏の努力と苦労の結果、三次元可視化システムVENUSおよび次世代・統合3D可視化システムVESTAが今ここに存在しているわけです。もちろんこの両者を橋かけするデータ変換ソフトCONTRD, CONTRDALL, MAKEC04Dなどを作成された大阪大学の水野正隆先生のご努力があってこそ、DV-の計算結果はこんなにもスムースにVENUSVESTAで美しく三次元可視化できているわけです。そしてここ数ヶ月の間に、泉富士夫先生秀丸エディタマクロを使って構築された「DV-Xα法計算支援環境」によって、ほとんど全てのDV-Xα法に関わるプログラム類がタブエディタ(秀丸エディタ)というプラットフォーム上に見事に美しく整理整頓されました。百里の道も一足から、千里の行も一歩から、やがて時は流れいつの間にか、ついにここまで来たかと感無量です。

DV-の一つの到達点であるこの秀丸エディタマクロで構築された「DV-Xα法計算支援環境」、これからDV-Xαをはじめてみようかという学生さんや研究者にも、パソコンといえばWindowsでしょ、といったGUI世代の方々にも、極めて低い敷居で気楽に使い始めていただける素晴らしい環境です。

「DV-Xα法計算支援環境」には、DV-Xα本体プログラムSCATはもちろんのこと、入力データを準備するユーティリティプログラム類、計算結果を数字やグラフなどで表示するための数多くのユーティリティプログラム類、高等学校のクラブ活動や大学での講義・実習での利用を想定して私が作成した教育用分子軌道計算システムeduDV、データ変換ソフトMAKEC04D, CONTRD, CONTRDALL、そして次世代・統合3D可視化システムVESTAまでがタブエディタ(秀丸エディタ)上のボタンやプルダウンメニューを選択、クリックしていくだけで使えてしまうのです。至れり尽くせりここに極まりけりといった素晴らしく便利な環境です。

ところで話は変わりますが、独立行政法人科学技術振興機構

サイエンスチャンネル

はご存知でしょうか。これの

THE MAKINGシリーズ

(現在221話もあります!)が私は大好きです。みな14分間の番組です。

1万円札(現在視聴不可)、マヨネーズ、一眼レフカメラ、ミルクティー、ホッチキス、鉛筆、段ボール箱、板ガラス・鏡、アルミなべ、雑誌、レンズ付フィルム、口紅、ピアノ、くつ下、発泡スチロールトレー、アルミ缶、自動車、時計、ミシン、セロハンテープ、万年筆、ぬいぐるみ、ランドセル、蛍光ランプ、歯ブラシ・歯ミガキ、トランペット、石けん、スニーカー、オルゴール、ストッキング、ティッシュペーパー、お菓子、コンビニエンスのお弁当、缶詰、おもちゃ、自転車、麺、Tシャツ、原子力発電所、パイ、シャンプー・リンス、羽子板、レトルト食品、食品サンプル、消火器、ペットボトル、カップめん、墨、ファスナー、ハイテク野菜、乾電池(現在視聴不可)、蚊取り線香、新500円貨幣(現在視聴不可)、化粧品、ポテトチップ、信号灯器、ストロー、ばね(自動車用)、ブラインド、スプーンとフォーク、使い捨てマスク、コンタクトレンズ、スチールボール、輪ゴム、フォークギター、チョコレート菓子、バット、ローソク(現在視聴不可)、ハサミ、救急バンソウコウ、人工芝、柿の種、耐火レンガ、かまぼこ、茶わん、ハーモニカ(現在視聴不可)、琴、七輪、判子(ハンコ)、草刈機、鍵盤ハーモニカ(現在視聴不可)、グミキャンディー、釣竿、卓球ラケット、メガネフレーム、野球グラブ、手袋、ボウリングの球、金属バット、硬式野球ボール、しょう油、プラモデル、電球、スピーカ、ビデオテープ、パン粉、魔法瓶、パスタ、割りばし、レコード、マッチ、リコーダー、かつお節、ワイングラス、そろばん、かい中電灯、紙コップ、とび箱、粒ガム、毛布、手のべそうめん、プチケーキ、おもち、スティック菓子、みかんの缶詰、缶コーヒー、地球儀、ボールペン、マシュマロ(現在視聴不可)、清涼菓子、バレーボール(現在視聴不可)、ガラスびん、ノート、ローラチェーン(現在視聴不可)、便器、絹糸、ジーンズ、トイレットペーパー、自転車タイヤ、ピンポン球、たまごパック、ふりかけ、ドレッシング、自動車用ホイール、石油ファンヒーター、トウフ、グラスビーズ、冷凍たこ焼き、消しゴム、下水道管、ドラム缶、たいこ、さきイカ、バウムクーヘン、かりんとう、瓦(かわら)、こんにゃく、消防ホース、塩、たわし、まんじゅう、ブリキロボット、冷凍ぎょうざ、将棋盤、コーンフレーク、剣道具、カーブミラー、お菓子(ウエハースとボーロ)、どら焼き、だて巻き、布粘着テープ、プロセスチーズ(現在視聴不可)、紅茶ティーバッグ、カニ風味かまぼこ、こんぶ菓子、納豆、いちごジャム、こいのぼり、ごま油とラー油、ラップとアルミホイル、えのぐ、アルミサッシ、アイスクリーム、テニスボール、黒板とチョーク、ドッグフード、トマトジュース、コーンの缶詰、野球ヘルメット、テニスラケットのガット、カイロ、イカの塩辛、冷凍ハンバーグ、マネキン、梅ぼし、スクーター、砂糖、タオル、ふ菓子、木琴、フッ素樹脂加工のフライパン、駄菓子、システムキッチン、木のお皿、ゴルフクラブ、ぬい針(現在視聴不可)、冷凍焼きおにぎり、日本茶、駄菓子(2)、朱肉、気泡緩衝シート、桃の缶詰、天体望遠鏡、コアラ型チョコ菓子、ドラム、鉄筋、フェルトペン、ボタン、カーペット、和紙、ピーナッツ、画鋲、オブラート、硯(すずり)、寒天(かんてん)、ソーセージ、ちくわ、焼き海苔、ルアー・毛針、ゴム手袋(現在視聴不可)、麦わら帽子(現在視聴不可)

身近な様々な製品が実際にはどこでどうやって作られて私たちの手元に届いているのか、目から鱗が落ちる情報満載ですので、是非お時間のあるときに1話ずつでもご覧下さい。

THE MAKINGスペシャル版

(現在6話)というものもあります。こちらは長編44分間の番組です。

ボーイング777、フェラーリ(現在視聴不可)、豪華客船(現在視聴不可)700系新幹線消防自動車巨大貨物船

最近のテレビ番組、際だった芸のない芸能人と呼ばれている人々(一種のキャラクター)がたいした脚本もなくだらだらと遊んだり騒いだりしている風景を見せるだけの、番組製作側の製作意図不明な面白くも何ともない軽薄な番組が多いと思いませんか。

そのような番組、見ている方は何か新しい情報や知見を得るわけでもなく、自分の人生に何か豊かさをもたらすわけでもなく、脳味噌は停止状態にあり、見るだけ時間の無駄です。

そのようなテレビ番組を何となく見るよりは、もしご家庭に比較的高速のインターネット接続環境があるならば、THE MAKINGTHE MAKINGスペシャル版を視聴することをお勧めします。

化学はセントラルサイエンス世の中の便利さを少しでもブラックボックス化しない、少しでも興味を持って中身(仕組み)を覗いて理解して自分の視野を少しでも拡げる、これこそが「自然科学」を学んで活かそうとしている私たちの人生において、常に求められる(必要な)態度なのだと思っております。

今月号(2007年6月号, Vol. 62)の月刊誌「化学」化学同人)のp.34〜35に、DV-Xα研究協会副会長河合潤先生が「専門の計算屋や計測屋にはならないでほしいと思います.」「どんなに簡単なプログラムでも,自分で書いたものはそれなりに価値があります.」と書かれています。

DV-Xα分子軌道計算「DV-Xα法計算支援環境」によって初心者にも熟練者にも、CUI世代にもGUI世代にも、皆にとって使い勝手が良く、これからDV-を始める方にとっては使い始める敷居が極めて低くなりました。しかし「DV-Xα法計算支援環境」の中で何が行われているのか、なるべくブラックボックス化しないよう、両研究室(岡山理科大学理学部化学科の柴原隆志研究室香川大学工学部材料創造工学科の石井知彦研究室)の学生の皆様には努力は惜しまないでいただきたいと思っております。

計算機化学は計算機を使って行う化学実験です。入力する数字、出力されてくる数字やグラフや3D画像、これらを自分の手や脳味噌を動かして理解に努め、試行錯誤して使ってこそ、「DV-Xα法計算支援環境」の本当の意味でのユーザとなれることでしょう。

特に「化学」は、「物質」を扱う学問分野です。化学を志す皆様には、是非「DV-Xα法計算支援環境」など便利なツールを利用しながらも、巷に溢れる「モノ」を化学の視点、量子化学の視点から眺め、原子核と電子の世界を想像しつつ「モノ」が理解できるようになっていただきたいと思っております。

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2007年05月16日

Windows Vista上で動き出したeduDV, VESTA, タブエディタDV-Xα支援環境

f71dcfe1.gif

先週末の日曜日、久々に近所の家電量販店に行き、最新型の掃除機を買いました。SHARPのサイクロン掃除機EC−VX1です。月曜日の朝から我が家ではこの最新型掃除機を使い出しましたが、その音の静かさと吸込みのパワー、そして肝心の清掃能力と使い勝手の良さに感動いたしました。いやはや久しぶりに良い買い物をしました。

さてその時、ぶらりとパソコンコーナーに立ち寄ってビックリ、すっかり世の中はMicrosoft Windows Vistaな世界になってしまっていたのですね(少なくとも、これから新規購入するWindowsパソコンについては)。もうWindows XP搭載パソコンはほとんど販売されていません。すなわち、現状では、

普通のWindowsパソコン=Windows Vistaパソコン

となってしまっていることに改めて気付かされたのでした。

hajimeteCD-ROM実は黄色い本の書籍はじめての電子状態計算―DV‐Xα分子軌道計算への入門に添付されているCD-ROMに入っているDV-Xα法プログラム一式は、Windows Vistaのコマンドプロンプト上では、エラーが発生して動かないことがあるようなのです。

この原因は、書籍はじめての電子状態計算―DV‐Xα分子軌道計算への入門に添付されているCD-ROMに入っているDV-Xα法プログラムの実行ファイル(objectフォルダ内の*.EXEファイル群)が、主に1998年頃にWatcom Fortran Version 10.5でビルドされた実行ファイルであることに起因するものと考えております。つまり、ビルドに使われたFortranのコンパイラーがWindows95〜Windows98の時代のものであり、さすがに古すぎるのです。それでもWindows XPまでは問題なく動作していたのですが、さすがにWindows Vistaでは動かない場合があるようです。

現在Watcom Fortranは、Open Watcomと名前は変わって、Open Watcom Version 1.6が最新版です。このOpen Watcom Version 1.6でDV-Xα法プログラムを改めてコンパイルして実行ファイルを作成し直せば、Microsoft Windows VistaでもDV-Xα法プログラム一式は何の問題もなく動作します。

SPD現在DV-Xα研究協会spd部会では、Open Watcom Version 1.6による最新の実行ファイル群の準備作業が進められています。準備作業が終わり次第、DV-Xα研究協会の書籍はじめての電子状態計算―DV‐Xα分子軌道計算への入門サポートページで公開されることになるかと思いますので、今しばらくお待ち下さい。

教育用分子軌道計算システムeduDVは、取り急ぎOpen Watcom Version 1.6でビルドした最新の実行ファイルを昨日坂根のウェブサイト公開いたしました。もちろんこれらの実行ファイルは、Microsoft Windows Vistaで問題なく動作します。

秀丸エディタは現在、先行開発バージョンはVersion 7.00 β6 (2007/05/14)となっています。

私はこの秀丸エディタの先行開発バージョンVersion 7.00 β6 (2007/05/14)をWindows Vista機にインストールし、泉富士夫先生の開発された「DV-Xα法計算支援環境」および次世代・統合3D可視化システムVESTAを組み込んでみました。DV-Xα法プログラム一式に関しては、現在DV-Xα研究協会spd部会(主に大阪大学の水野正隆先生)が準備作業中の「Open Watcom Version 1.6でビルドされた実行ファイル」を組み込んであります。教育用分子軌道計算システムeduDVも、Open Watcom Version 1.6でビルドした実行ファイルを組み込みました。

とりあえず、一通りのプログラム動作を現在確認中です。ほぼ問題なく全てのプログラムが動作します。ちょっとだけ修正作業が必要なので、一般公開までにはいましばらくお時間をいただきたく存じます。

あまりにシェアを独占しているオペレーティングシステムの(独善的とも思える)一方的なversion upにより、動かなくなるプログラムを動くようにする作業に苦しんでいる方々は全世界に数知れずおられると思いますが、仕方がないですものね、前向きにプログラム整備の良い機会と考えて作業するしかないようです。

ハードウェアも進化し、ソフトウェアも進化し、特に私の関与する分野ではX線回折実験による構造解析計算や分子軌道法をはじめとする量子化学計算が極めて大きな恩恵を受けています。10年一昔、10年も経てば別世界というような進化を続けています。

DV-Xα研究協会spd部会では、主に大阪大学の水野正隆先生がWindows Vistaでも動くDV-Xα法プログラム実行ファイル一式を準備されております。ただWindows Vistaで動くようになるだけではなく、いくつかの改良も施されておりますので、公開まで今しばらくお待ち下さい。

私(坂根)は、この水野先生が準備されている実行ファイル一式の、唯一人のテストユーザとしてWindows Vista機ですでに様々な錯体・有機分子の計算を行っておりますが、実に良い感じで動作しております。便利で楽しい改良もなされておりますので、是非皆様お楽しみにお待ち下さい。



tgs0001 at 00:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 自然科学 | 分子軌道

2007年05月11日

岡山理科大学(半田山山頂)の大変貌

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理学部化学科の建物(13号館)の横にあった二棟のクラブハウス、その横にあった小体育館ともうひとつのクラブハウス、そして「理大生の命の親玉」横綱食堂および学生寮、その前にあった研修館、短い期間にこれらの建物は跡形もなく消滅してしまいました。

そして左の写真は今年の3月28日に撮影した同地点の風景ですが、現在ではこの空き地に芝生も植えられ、さらに進化を続けています。

理大会館は生き残りましたが、理大会館は「3学舎」という教室棟になってしまっております。

明日から二日間は、理大は「皐月祭(文化局祭)」ですね。私も学生時代は天文部での生活にずっぽりと入り込んでおりましたので、皐月祭には数々の思い出があります。

皐月祭、盛会となると良いですね。



tgs0001 at 17:13|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 岡山理科大学 | 教育

2007年05月10日

どろめにめろめろ5

岡山の郷土料理 - livedoor Blog 共通テーマどろめ1岡山も含め、瀬戸内海地方ではこの季節、「どろめ」がスーパーマーケットの魚売り場に並びます。

この「どろめ」、私は先日紹介した「べらた」に勝るとも劣らぬほど大好きです。

べらた」は透き通る透明感、細長くてぬめりがあって滑らか、咬むと甘い食感でのど越し爽やかなのに対して、「どろめ」は不透明で白濁、長さも短く細くて脆く、口の中に入れて咬むと少し苦味があって、ざらっとした食感、「べらた」とは実に対照的です。

地球の地殻の主成分である珪素の酸化物に喩えるなら、「べらた」は美しい石英(quartz), SiO2(二酸化珪素)の完璧なる単結晶である「水晶(rock crystal)」のような崇高さ、気高さを感じさせますが、「どろめ」は水ガラス(water glass)(珪酸ナトリウム水溶液)のようにどろっとアルカリ性で苦味があって、べたべたな庶民派といった雰囲気を感じさせます。水ガラスは塩酸を加えてゲル化した後に乾燥させれば乾燥剤のシリカゲルになりますが、「どろめ」も乾燥させると、ある身近な食材になるところまでそっくりです(詳細は後述)。

しかしこの「どろめ」、食べだしたら一口一口にけっこうインパクトがあって、忘れられない病み付きになります。値段も結構高いので、スーパーで一パック購入しても一口分ぐらいしかないのですが、「うぅ〜どろめを丼(どんぶり)いっぱい一気喰いしたい〜」と心の中で欲求がわきあがってくるような魅力があるのです。

どろめ2さて「どろめ」の正体、そろそろ明かすことにいたしましょう。

実は「どろめ」って、鰯(いわし)、具体的にはマイワシ(sardinops melanostictus)、ウルメイワシ(round herring)、カタクチイワシ(anchovy)などの稚魚なんです。

生でそのまま食べるんですよ。ポン酢で食べるのもいいですが、何と言っても生醤油をちょっと垂らして食べるのが最高です。

いわば「生しらす」「生チリメンジャコ」といったところでしょうか、この「どろめ」を乾燥させたものが「しらす(dried young sardine)」「チリメンジャコ(boiled and dried baby sardines)」です。イワシの稚魚は餌を求めて河口沿岸にやってきます。このイワシが食べるプランクトンが、「どろめ」を食べたときに感じるほのかな苦味の原因ではないかと私は思っています。

いやぁ〜可哀想に、こんなに集団で私の胃袋に収まってしまうなんて、立派な鰯にまで成長させてから、塩焼きにしたり刺身にしたりして食べたら凄い量になるのになぁ、もったいないなぁ〜、などと毎回同じ事を考えながら、私は「どろめ」に舌鼓を打ちます。ポンポンポン

瀬戸内地方に4月下旬〜5月上旬にお越しの際には、是非「どろめ」をご賞味下さい。

味には少々クセがあり、ちょっとじゃりっとした食感で泥を食べているかの如く美味しく食べられます。咬むと少し苦い味が感じられ、歯ごたえはそれほど強くありません。もちろんお酒の肴としては最高でしょうが、お酒が無くても十分楽しめる味ですよ。

知らない人がみたら、何これ?!と思う「どろめ」、この「どろめ」を毎年食べられるというだけでも、瀬戸内海地方に住み続ける価値はあると、案外私は本気でそう考えています。愛媛県、高知県などでもこの「どろめ」は人気の食材のようですね。岡山でも「どろめ」ファンは多いと思います。

ところで私、休日には時々下津井に行きます。大学院生時代には、院生仲間と下津井港まで海釣りに行ったこともありました。ちょうど瀬戸大橋の岡山側の起点が下津井です。とても静かで味わい深い良い雰囲気の漁村です。

何をしに下津井に行くのかって?

それはもちろん、下津井名物の「たこ」を食べに行くためです。

たこ1たこ2

岡山では「たこ」と言えば、生で食べるのが普通です。

生で食べる新鮮なたこの刺身の美味さといったら、もう筆舌に尽くしがたい、表現の仕様もない絶品です。

吸盤部分はコリコリ、コリコリ、お肉の部分は歯ごたえがあって甘くてトロリ、全国に流通している「ゆでだこ」とは別の食材かと思ってしまうほど、生で食べる「たこ」の食感は最高です。たまり醤油につけて食べるのが美味いですね。

このたこの刺身の方は、「べらた」や「どろめ」に比べれば、長い期間スーパーに並んでいますので、「べらた」や「どろめ」ほど季節を感じさせるわけではないのですが、「べらた」や「どろめ」が実に少量で高価なのに対して、思いっきりたくさん食べられるところが魅力といえば魅力です。

その他岡山では、一年を通して新鮮で美味な様々な魚介類を気軽に入手、食べるとこができます。子供時代は父親に連れられて毎週のように東京湾のあちらこちらで海釣りをしておりましたが、その時代に比べれば岡山での生活は夢のようです。

東京湾で釣り上げる魚介類(シロギス、カレイ、ハゼ、アナゴ、シャコ、サッパ(岡山でいうママカリ)、鰯に鯵に鯖にサヨリ等々)、苦労して釣り上げてそれはそれで美味しかったですけど、釣り場に行くまでの交通費、つりえさ代、沖合いの堤防までの渡船代、帰りの交通費、ウン万円かけて大した漁獲量ではなかったですから、それに比べれば岡山のスーパーマーケットで手に入る新鮮で美味で安価で豊富な種類の魚介類、私にとっては天国です。

私はどちらかというと、牛肉、豚肉、鶏肉よりは魚介類が好きです(牛丼や豚のしょうが焼きや焼き鳥も好きですけど)。

フィッシュアンドチップス英国滞在時代はそういった意味では苦難の日々でした。新鮮な魚介類など、入手することは不可能でしたから・・・。まぁ揚げたてのときだけはまぁまぁ美味しいコッド(cod)やハドック(haddock, 一種のたら)の唐揚げに、もういらんっちゅーぐらいの芋(chips, 米語で言うwedged potato, くさび型のジャガイモの油揚げ)を一緒くたにした「フィッシュ&チップス」、漁村で売っているウナギのぶつ切りを塩水で茹でただけのウナギの塩水煮(salted eel)などは、まぁ食べられるほうでしたが、基本的に、牛肉、豚肉中心の食文化の国ですから、私は苦労しました(おかげで日本では、生涯献血のできない身体になってしまいました。狂牛病発生期に1年間も英国に住んでいましたので。)。

Sainsbury虹鱒ティラピア

 

 

 

 

英国のスーパーマーケット(たとえばセインズベリー(SAINSBURY))で手に入る、まぁまともな生魚といえば、レインボートラウト(虹鱒)レッドティラピアぐらいのものでした。レッドティラピア、日本流に料理すれば相当に美味でしたよ。雑食性で成長が極めて早く、淡水でも海水でも養殖が容易にできる丈夫な魚だそうで、将来日本が食糧危機になったら、このティラピアの養殖というのも一案でしょうね。私のレッドティラピアの料理レシピを公開しておりますのでご覧ください。ついでにレインボートラウトの料理レシピも公開しております

ティラピア2このティラピア、漢字では“仁魚”と書きます。これは今上天皇陛下が皇太子時代にタイを訪れたときにタイでのタンパク源不足を聞いて50匹のティラピアを同国に贈ったことがその名の由来だそうです(陛下のお名前“明仁”の“仁”をとって“仁魚”)。その後同国ではティラピアの養殖に成功し、広く国民に親しまれるタンパク源として普及したとのことです。このティラピア、現在でもタイ国内でさかんに養殖されており、現在ではタイだけではなく、東南アジア各国で食べられているようです。1973年にタイ王国(Kingdom of Thailand)からバングラデシュ人民共和国(People's Republic of Bangladesh)への食料支援としてティラピア50万尾が贈られたという話も聞いたことがあります。

ティラピアの煮付け日本でも養殖して食べましょうよ、見た目は少々グロテスクかもしれませんけど、ホント美味しい魚なんですから。味は私(坂根)が保証します。ただしこのティラピア、薄味でみりんと美味しい醤油でコトコト煮る料理法が好適だと思いますよ。

同じ料理法で美味しい魚といえば、秋田の名産の「はたはた」ですね。身離れが良くて薄味で甘辛く煮ると最高の美味です。私が幼児時代など、ほとんどタンパク源は「はたはた」から摂取していたようなものです。それぐらい毎日毎日、我が家では「はたはた」の煮付けが夕食のメニューに並びました。東京都足立区の綾瀬に居住していたその頃、商店街の魚屋さんのところに母と妹と私の三人で行くと、「へぃいらっしゃい、ハタハタの坊やっ!」といつも声をかけられたものです。

当時、ハタハタは安くて美味い魚でした。一般的には卵の入ったメスが人気だったようです。しかし我が家では何と言っても「オスの白子」が好きで好きで、魚屋さんが見事にオスの「はたはた」を選り分けて売ってくれたものです。しかも値段も、オスの方が安いんですよ。

そんな風に、主に「タンパク源は魚類!」という家で育った私、岡山理科大学の学生だった時代など、私は旭川のすぐそばの下宿に住んでいたのですが、毎日のように旭川で、クチボソ、タナゴ、カワムツなどを釣り上げてきて、下宿で唐揚げにして食べていました。旭川の魚は寄生虫が多いですから少々危険なのですけど、頭部、内臓、鱗もしっかりと除去し、カリカリになるまで唐揚げにしてましたから、まぁ大丈夫だったのでしょう。

学生時代に私の下宿は、天文部仲間(先輩、同輩、後輩)のたまり場と化していた時期もあり、鍋だのカレーだのを大鍋で作って皆で食べておりましたが、あるとき、前述の「旭川のクチボソやタナゴの唐揚げ」を私は来客者に振舞ったことがあります。「ワカサギ(hypomesus pretiosus japonicus)の唐揚げだよ!」と嘘をつきながら・・・これぞほんまに“ワカ詐欺の唐揚げ”。

あれからウン十年、皆さん元気で生活されているようですから、きっとあのときの唐揚げは大丈夫だったのでしょう。皆さん胃腸は丈夫そうでしたし・・・。だいたい私自身、毎日のように食べていたのですから。私にとっては若き貧しかりき時代のソウルフードです。



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「タブエディタ(秀丸エディタ)上に構築されたDV-Xα法計算支援環境」のテストユーザ募集開始

DV-XaDOSeduDV

 

 

 

 

 

2007年05月01日の私のブログ「タブエディタ(秀丸エディタ)上に構築されたDV-Xα法計算支援環境」で紹介申し上げた泉先生が作成された「DV-Xα法計算支援環境」、現在はDV-Xα研究協会のspd部会メンバー5名でテストユーザを勤めておりますが、泉先生5月8日(火)付の掲示板によりますと、テストユーザの追加募集が開始されました。

素晴らしく便利で快適な「DV-Xα法計算支援環境」を一般公開前にいち早く使ってみたいという方は、是非泉先生宛てに「DV-Xα法計算支援環境」を試用したい旨、連絡・申し込みをされてはいかがでしょうか。

百聞は一見にしかずと申します。プログラムに関しては、いくら読んだり聞いたりするよりも、たった一度でもいいから実際に動かして経験された方がよく分かります。

特にこの「DV-Xα法計算支援環境」は、これからDV-Xα法を使ってみよう、分子軌道計算をしてみようという方にとって、極めて障壁の低い、使い始めやすいシステムです。



tgs0001 at 01:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 自然科学 | 分子軌道

2007年05月01日

タブエディタ(秀丸エディタ)上に構築されたDV-Xα法計算支援環境

2007年4月26日(木)、大阪大学豊中キャンパス基礎工学部凜曄璽襪燃催された研究会化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線から帰ってきました。

Mo3S4_Mo3O4私の講演「DV-Xα法による錯体の電子状態計算と計算結果の三次元可視化」では、まず私が学生時代に岡山理科大学情報処理センター大型計算機FACOM M-380DV-Xα法プログラムを動かすことによって、合成の実験室の現場での疑問に対して、DV-Xα法の計算結果が見事なまでに答えを出してきたという、いくつかの事例を紹介いたしました。

Mo3S4_Mo3O4_UV-Vis620Niなぜ、この硫黄架橋不完全キュバン型モリブデン三核アクアクラスター錯体([Mo3S4(H2O)9]4+)は周期表の様々な金属(Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Ga, In, Sn, Sb, Hg, ...)やアルキン類(アセチレンおよびその誘導体)とは反応するのに、この酸素架橋不完全キュバン型モリブデン三核アクアクラスター錯体([Mo3O4(H2O)9]4+)は反応しないのか、なぜこの錯体([Mo3S4(H2O)9]4+)緑色なのにこの錯体([Mo3O4(H2O)9]4+)赤色なのか、なぜこの硫黄架橋混合金属キュバン型ニッケル・モリブデンアクアクラスター錯体([Mo3NiS4(H2O)10]4+)は一酸化炭素やアセチレンなど様々な有機小分子と反応するのにこの硫黄架橋混合金属キュバン型鉄・モリブデンアクアクラスター錯体([Mo3FeS4(H2O)10]4+)反応しないのか、なぜこの鉄錯体([Mo3FeS4(H2O)10]4+)常磁性なのにこのニッケル錯体([Mo3NiS4(H2O)10]4+)は反磁性なのか等々、実験室で抱く数々のなぜなぜ、なぜなの?という疑問は、DV-Xα法で電子状態計算をしてみようかというモチベーションになります。そしてDV-Xα法は、実験室で抱く「なぜ?なぜなの?」に、見事なまでに明快な解答を出してくれることが多いのです。DV-Xα法は化学の合成・物性実験室でとても役立つ計算ツール(道具)です。DV-Xα法の計算に必要な入力情報は原子種原子位置(座標)、それだけです(対称軌道やマーデルングポテンシャルを使わない計算の場合)。

xray私も学生時代、DV-Xα法の計算の仕事が本業だったわけではありません。日々の仕事は合成、合成、また合成、そしてやっと単結晶を得て4軸型自動X線回折装置で単結晶X線構造解析を行って、ほほぉ〜こんな構造の錯体ができていたのか、とX線回折実験により原子種原子位置(座標)を決定することで大満足していたのが日常です。

しかし原子種原子位置(座標)の情報だけでは、なぜその錯体はそのような性質を有しているのか、物性や反応性の説明はできませんでした。原子間距離や角度を他の錯体の情報と比較して、長いね、短いね、大きいね、小さいね、だからどうしたという世界でした。


やはり量子化学計算(分子軌道計算)を行わなければ

得られない情報は多いのです。


Mo3_1幸いDV-Xα法は当時の大型計算機で、重原子をいくつも含むクラスター錯体であっても、高精度な電子状態計算のできる(当時、日本で入手可能なほぼ唯一の)プログラムでした。当時、ab-initio法(Gaussian)も大型計算機で運用されていましたが、Mo312+といったモデルでさえ、まともにプログラムは動きませんでした。その点、[Mo3S4(H2O)9]4+といった当時としては驚くほど巨大なモデル(水素原子も含めて総原子数34, 総電子数 276)でも、見事に高精度な電子状態計算のできたDV-Xα法の実力は相当なものです(その魅力と実力は現代においても色褪せていません)。

Mo3_2Mo3_3ab-initio法に比べて、桁違いに短い計算時間で重原子をいくつも含む分子・イオンの電子状態計算ができるのです。

量子化学に基づいたDV-Xα法の計算結果からいかに多くの知見が得られるか、それが合成・物性研究の実験室現場でいかに役に立つか、たとえばHOMO(highest occupied molecular orbital, 最高被占分子軌道)LUMO(lowest unoccupied molecular orbital, 最低空分子軌道)の形状、化学結合に使われている電子の数(結合次数)、ネットチャージ(net charge)、そして美しく情報量の多い静電ポテンシャルマップ等々、研究会化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線では限られた時間で数少ない事例しか紹介できませんでしたが、聴衆の皆様に多少なりともご理解・ご納得いただけたとしたら幸甚です。

620515粉末であろうと、微結晶であろうと、X線回折実験で電子密度に基づいて原子種原子位置(座標)を決定できているのであれば、そのままパソコン上でDV-Xα法を使って、高精度な電子状態計算を行ってみてください。簡単なこの作業を行うことによって、どれだけ多くの知見が得られるか、どれだけ多くの議論ができるか、どれだけ実験現場に多くの情報をフィードバックできるか、これはもう原子種原子位置(座標)の情報があるなら、量子化学計算を行わないなんてもったいなさすぎると私は思っております。

4月25日の私のブログ「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」でも述べましたが、


X線回折実験で原子種と原子位置が決まったら、

すぐにそのままDV-Xα法で電子状態計算をしましょう!


なお、化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線の参加者の皆様には、泉先生とも相談の上、私の講演で用いたスライド(ppsファイル)を公開することにいたしました。

さらに私が講演で喋った内容を、もっと丁寧に記述したpdf文書化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線の参加者の皆様には公開しております。

DV-Xa上記pdf文書ppsファイルをご覧になりながら作業されれば、昔私が学生時代に大型計算機で時間的にも予算的にもひぃひぃ言いながら苦しんで行っていたような比較的重原子を多く含むようクラスターの電子状態計算であっても、泉先生が作成されたタブエディタ(秀丸エディタ)上で動く「DV-Xα法計算支援環境」が皆様のパソコン上に準備できていれば、いとも簡単にボタンを押したり、プルダウンメニューからコマンドを選択クリックしていくだけで、簡単に行うことが出来ます(もちろんモデルの大きさとパソコンスペックによって、DV-Xα法のセルフコンシステントになるまでの繰り返し計算にかかる時間は異なります)。

しかも「DV-Xα法計算支援環境」には次世代・統合3D可視化システムVESTAが組み込まれていますので、描きたい分子軌道を、ボタン一つで美しく三次元可視化したり、静電ポテンシャルマップを描いて電子の偏り具合を見て楽しんだりと、至れり尽くせりのサービスメニューが整っています。

Rg現在のごく普通のWindowsパソコン(普通の家庭向けスペックで十分)は、昔の大型計算機に比べて比較にならないほど高性能です。しかもDV-Xα法はもともと周期表のすべての元素を扱うことが出来(左図(Rgの7i軌道(n = 7, l = 6, m = 0)のように、原子番号111のレントゲニウム(Rg)の電子状態計算とて容易にできます)、重原子をいくつも含むクラスターであっても、現実的な計算時間で計算が終了します。

レントゲニウム(Rg)の原子軌道関数のGIFアニメーションをウェブで公開しておりますのでご覧下さい。

例えば身近な例で言えば、原子力発電所で使う燃料を用意するために遠心分離法、拡散法によるウラン濃縮に用いる六フッ化ウラン(UF6)、これの電子状態だってとりあえずシュレーディンガー方程式(波動方程式)を用いた非相対論版DV-Xα法プログラムでよろしければ、普通のWindowsパソコンで「DV-Xα法計算支援環境」を用いれば、あっという間に計算して、計算結果を三次元可視化できます。もちろんディラック方程式(波動方程式)を用いた相対論版DV-Xα法プログラムで六フッ化ウラン(UF6)の電子状態を計算することもできます。相対論版DV-Xα法プログラムDV-Xα研究協会会員限定で配布されております。

eduDVさらに「DV-Xα法計算支援環境」には、私が作成した教育用分子軌道計算システムeduDVも組み込まれておりますので、高等学校の化学系・物理系のクラブ活動や大学での実習・講義などにも便利にお使いいただけるものと思います。

教育現場でお使いになる場合は教育用分子軌道計算システムeduDVも便利ですが、書店で売っている以下のブルーバックス書籍に添付されているCD-ROMの分子座標ファイル(*.mol)を使って「DV-Xα法計算支援環境」をお使いになることもお勧めいたします。

パソコンで見る動く分子事典―デジタル3D分子データ集の決定版

cys4月18日の私のブログ「パソコンで見る動く分子事典の分子をそのままパソコンで分子軌道計算」にも書いたとおり、有名どころの分子をピックアップ(*.molファイルを秀丸エディタ上にドラッグ&ドロップ、左図はアミノ酸の一種、L-システイン分子)して、たちどころに「DV-Xα法計算支援環境」で高精度な量子化学計算を行い(普通の有機分子なら、順番に並んでいるボタンを押していくだけで、数分間とかからないでしょう)、分子軌道や静電ポテンシャルマップなどを次世代・統合3D可視化システムVESTAで三次元可視化して楽しむことができるのです。


見えるぞ、これが(分子の)電子の姿だ!


DOS21世紀の現在、分子の棒球モデルを見るだけで満足していてはもったいなさすぎます。「DV-Xα法計算支援環境」で高精度の分子軌道計算を行ってみてください。そして電子(分子軌道)の本当の姿(電子状態)を「DV-Xα法計算支援環境」次世代・統合3D可視化システムVESTAで眺めてみてください。現代の普通のWindowsパソコンは、そんなことができるだけの能力を十二分に有しているのです。

「DV-Xα法計算支援環境」次世代・統合3D可視化システムVESTAは現在はまだ開発段階のため一般公開されておりませんが、7月9日〜11日に東京理科大学神楽坂キャンパスで開催される「粉末X 線解析の実際」講習会では、参加者に配布されるとのことです。一般公開前にいち早く「DV-Xα法計算支援環境」および次世代・統合3D可視化システムVESTAを入手してみたい方は、上記講習会への参加をご検討されてはいかがでしょうか。

もっとも、「DV-Xα法計算支援環境」および次世代・統合3D可視化システムVESTAいずれもかなりの完成度にあり、完成直前だと思われます。一般公開されるのも、そう遠い日ではないかもしれません。

私のウェブページ「DV-Xα分子軌道計算をこれから始める方へ、とりあえず第一歩の利用マニュアル」は「DV-Xα法計算支援環境」および次世代・統合3D可視化システムVESTAが正式リリースされた後、全面的に書き換える予定です。

MOLDAは基本的にもう不要となりました。VICSとVENDは完全に次世代・統合3D可視化システムVESTAに置き換えられます。しかも「DV-Xα法計算支援環境」を使うことにより、コマンドプロンプト画面さえ起動する必要がなくなりました。何もかもが進化したのです。

短い期間にここまでDV-Xα計算環境が進化を遂げたことを、DV-Xα法ユーザの一人として心から嬉しく思っております。

DV-Xα法の熟練ユーザにとっても、DV-Xα法をこれからはじめてみようという初心者にとっても、UNIXやMS-DOSに慣れたCUI世代にとっても、Windowsしか知らないGUI世代にとっても、教育現場では教える側の教員にとっても、教わる側の学生にとっても、みんなにとって使いやすい分子軌道計算システム、これまで敷居の高かったDV-Xα法を誰もが容易に使いこなせるシステム、原子種原子位置(座標)さえ入力すれば容易に美しく分かりやすい計算結果が得られる電子状態計算システム、そんなユニバーサルデザイン「DV-Xα法計算支援環境」(含・次世代・統合3D可視化システムVESTA)は、リリース後には広く理科・科学・化学分野の研究者、教育者、愛好家に愛用されていくものと思っております。

私の趣味の一つは月面を天体望遠鏡で観測し、月面クレーターのスケッチを描いたり写真を撮ったりすることですが、ユニバーサルデザイン「DV-Xα法計算支援環境」(含・次世代・統合3D可視化システムVESTA)が世の中に普及した後は、「私の趣味は、分子の電子状態計算およびその計算結果の三次元可視化することです」という愛好家も出現するのではないでしょうか。

私が月面クレーターを、美しい故に感動しつつ趣味で楽しく観測・記録するのと同様、分子の波動関数の等値表面や静電ポテンシャルマップを、美しい故に感動しつつ趣味で楽しく計算・三次元可視化する方が現れてもおかしくありません。

天体観測も電子状態計算も、極大と極微の違いこそあれ、自然科学の真理の探究行為に他なりません。それは人間を惹き付ける何か魅力を持っているのだと私は思っています。



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