2007年07月
2007年07月23日
岡山理科大学のRIDAIトピックスで坂根の演示実験が紹介されました
岡山理科大学の公式ホームページのトップで、7/18(水)に松山で開催されたオープンキャンパスの記事(理学部化学科の坂根の演示実験)が紹介されました。
詳しくは、RIDAIトピックスページをご覧下さい。
2007年07月19日
松山で岡山理科大学のオープンキャンパス開催
松山で開催された加計学園・高梁学園グループのオープンキャンパスから帰ってきました。
大勢の高等学校生徒の皆様、先生方、保護者の方々、岡山理科大学理学部化学科のブースにご来場いただき誠にありがとうございました。化学と物理と地学に関する実験、お楽しみいただけましたでしょうか。
液体酸素の常磁性を観察する実験は好評だったのですが、13時の開演と同時に何度も実験を繰り返すうちに持参した液体窒素が無くなってしまい、15時〜18時に起こしいただいた方々にはこの興味深い演示実験をご覧に入れることができず、申し訳ないことをいたしました。
13:00〜18:00という長丁場ながら、理学部化学科の坂根の実験ブースには大勢の方々に来ていただきました(合計57名の方に来ていただきました)。
岡山理科大学では、8月4日(土)、8月5日(日)、9月30日(日)にもオープンキャンパスを行います(会場:岡山理科大学)。
特に、9月30日(日)のオープンキャンパスでは、再び私(坂根)が松山で行ったのと同じ演示実験・生徒実験を行いますので(11:00〜15:00)、皆様是非ご来場下さい。
2007年07月18日
松山でオープンキャンパス(岡山理科大学)
本日は愛媛県松山市まで出張です。
なんと、岡山理科大学や倉敷芸術科学大学などが松山の「いよてつ高島屋」でオープンキャンパスを開催するのです。
このオープンキャンパスの準備のために、先週末の土曜日〜月曜日の三連休は丸潰れでした。
しかし松山の高校生の皆様に化学の楽しさを少しでもお伝えできればと、我ながら準備は万端です。
「世界一美しい周期表」もご来場の皆様へのプレゼント用に用意いたしました。
私のブースでは、以下の実験を準備しております。
・電気と磁石に関する不思議な実験(酸素の常磁性、石墨の反磁性、電磁ブレーキ、ガウスライフルほか)
・電磁波に関する楽しい実験(フォトルミネセンスとエレクトロルミネセンス)
・地球の化学・ケイ素の化学(化学の庭園(珪華園))
愛媛の皆様、どうぞご来場下さい。
2007年07月11日
VESTAがベスト! 次世代・統合3D可視化システムVESTAがついに正式リリース!
2007年7月11日、次世代・統合3D可視化システムVESTA(ベータ版)が正式リリースされました!
これでどなたでも、ごく普通のWindowsパソコンで高精度な分子軌道計算を容易に行い、分子軌道や静電ポテンシャルマップ(電子の僅かな偏りを色で表現した図)などを三次元可視化できるようになったのです。
研究・教育目的であれば必要なソフトはすべて、ほぼ無償で入手できます(唯一秀丸エディタのみシェアウェアです)。
西暦2007年現在、学校や家庭にあるパソコンは一昔前のスーパコンピュータよりも高性能です。HD・メモリ容量, 計算速度も一昔前から思えば想像だにできないスペックです。ネットサーフィンや文書作成にしか使っていないとしたら、あまりにももったいなさすぎます。
高等学校では情報科目が必修となりましたから、きっと十分な台数の“普通のWindowsパソコン”があることでしょう。大学においても情報リテラシー科目はたいていあるでしょうから、同じく十分な台数の“普通のWindowsパソコン”があることでしょう。
例えば本間・川端氏共著の下記書籍添付DVD-ROMを使わせていただき、約3000種類もの身近な分子を片っ端から電子状態計算して、分子の中身(電子の本当の姿)を見てみませんか。
本書初版ではCD-ROMが添付されておりましたが、2007年9月20日(木)にWindows Vista対応版として改訂版が出版されました。分子の数も大量に追加されていますので、是非ご入手されることをお薦めいたします。
この本の添付DVD-ROMにはすぐに計算に使える分子の原子座標データ(*.mol)がてんこ盛りに入っています。この座標はMM2計算で構造最適化されたとのことです。
パソコンで見る動く分子事典 Windows Vista対応版―分子の三次元構造が見える・わかる (ブルーバックス 1562)
以下のソフト・文書をネット経由で入手し、『DV−Xα法計算支援環境利用の手引き』を見ながら環境を構築してみてください。『DV−Xα法計算支援環境利用の手引き』の22〜62ページに具体的な計算方法と三次元可視化方法が解説してあります。
まずは難しいことはさておき、見えない世界を見る楽しさ、ミクロの電子の世界(量子化学の世界)の美しさを味わうだけでも百聞は一見にしかず、体験してみる価値は十二分にあります。
私はこの素晴らしい分子軌道計算・三次元可視化環境が、広く一般の科学愛好家の皆様、高校のクラブ活動、そして大学の教育現場で使われることを願っております。
市販量子化学ソフトウェアは一般に高価で、教育現場で導入することは大変困難です。
以下に紹介する環境は秀丸エディタにアカデミックフリー制度(団体)を認定していただければ、学校現場で教育に使われる分には完全に無償で構築ができます。
秀丸エディタは優れたマクロ機能を有したエディタであり、これをプラットフォームとすることで以下に紹介する分子軌道計算・三次元可視化環境は誰にでも容易に使いこなせる環境となりました。個人で秀丸エディタを使われる方はそれほど高価な金額ではありませんので、今後とも秀丸エディタが発展していくことを支援する意味もこめて、秀丸エディタのシェアウェア料金を是非ご送金ください。
分子軌道計算・三次元可視化環境の構築方法
西暦2008年(平成20年)05月19日(月)現在
- 【私(岡山理大の坂根)のWebサイト】より、利用の手引き(pdf文書, 2008/05/19; 146頁; 51.9 MB)をダウンロードしてください(西暦2007年5月31日(木)正式リリース,西暦2008年5月19日(月)改訂)。
- 書籍「はじめての電子状態計算」の【サポートWebサイト】から、dvxa_v1_04.zip(2007/09/04; 17.9 MB)(西暦2007年7月7日(土)正式リリース, 西暦2007年9月4日(火)改訂)およびdisplat_full.zip(2007/07/07; 804KB)(西暦2007年7月7日(土)正式リリース)をダウンロードしてください。
- 【私(岡山理大の坂根)の教育用分子軌道計算システムeduDV Webサイト】より、eduDV.zip(2007/11/05; 7.55 MB)をダウンロードしてください(西暦2006年8月4日(金)正式リリース, 西暦2007年11月05日(月)改訂)。
- 【秀丸Webエディタサイト】より、秀丸エディタ最新版 Ver. 7.08, hm708_signed.exe(2008/04/09; 1815 KB)をダウンロードしてください(西暦2007年9月5日(水)正式リリース,西暦2008年4月9日(水)改訂)。
- 【東北大の門馬綱一氏のWebサイトJP-Mineral】より、VESTA.zip(ver. 1.4.4, 2008/05/18; 2.85 MB)をダウンロードしてください(西暦2007年7月11日(水)(β版)正式リリース, 西暦2008年5月18日(日)改定)。さらにユーザマニュアル(英文)(VESTA_Manual.pdf, 2008/05/18; 23.1 MB)もダウンロードし,VESTAフォルダ内に置いてください(西暦2008年3月11日(火)正式リリース, 西暦2008年5月18日(日)改定)。
- 【構造ファイル変換ユーティリティOpen Babel Webサイト】より、OpenBabel2.1.1_Windows_Installer.exe(2007/07/07; 5.31 MB)をダウンロードしてください。
- 【泉富士夫先生のWebサイト粉末回折情報館】の【VENUSページ】より、DV-Xa.zip(2008/01/31; 328.3 KB)をダウンロードしてください(西暦2007年5月31日(木)正式リリース, 西暦2008年1月31日(木)改訂)。
- あとは1.の利用の手引き、もしくは7.に同梱されているReadme_DV.txtを読みながら環境を構築してください。
見えるぞ!これが分子の電子の姿だ!
どうぞ皆様お楽しみください。
そしてこの素晴らしい分子軌道計算・三次元可視化の環境を広くお知り合いの方々にお伝えいただければ幸甚です。
DV-Xα法プログラムの入出力ファイル解説は書籍「はじめての電子状態計算」にあります。
DV-Xα法につきましてはDV-Xα研究協会の公式ホームページをご参照ください。
広く高等学校でのクラブ活動(物理・化学・科学部など)や、大学での教育(物理・無機・有機・量子化学)にこの環境をお使いになられますことを強くお勧めいたします。
なにしろこの環境、あまりに本格的で研究の最先端でも同様に使っていけるのですから、これを教育現場で使わない手はありません。ホンモノにはそれなりの風格があり、それに触れることは極めて刺激的であり教育的です。
化学実験を体験しなければ本当の化学の楽しさが実感できないのと同様、原子の内部構造、分子の内部構造、化学物質・すなわち化学結合の本質、電子の本当の姿を実感するためには、このホンモノの量子化学計算・三次元可視化環境を生徒・学生の皆様が自ら使って体験するのが一番です。
これは私の個人的な意見になりますが、高等学校の化学・物理で未だ跋扈する長岡半太郎・ラザフォードの原子モデル(電子の土星モデルもしくは惑星モデル)は科学史教育としては重要かとは思いますが、西暦2007年現在の化学・物理教育として果たして教えるに適切な概念であるのか、疑問を抱いております。
電子の本当の姿は量子化学の基づく姿なのですから、最初からそのイメージを与えるわけにはいかないのでしょうか。
計算例につきましては、以下私のブログをご参照いただけましたら幸甚です。
如何に容易か、如何に迫力があるか、如何に美しいか、如何に楽しいかなどを実感していただけるものと思っております。
- ビタミンAとビタミンE
- ベンゼンとピリジン
- キュバン
- albatrossene(2)
- albatrossene(1)
- DV-Xα支援環境テストユーザの集い
- eduDV, VESTA, DV-Xα支援環境
- DV-Xα支援環境テストユーザ募集開始
- DV-Xα支援環境
- 化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線
- パソコンで見る動く分子事典の分子をそのままパソコンで分子軌道計算
2007年07月07日
07年07月07日、次世代版DV-Xα分子軌道計算実行ファイルがついに正式リリース!
というミニ授業書が仮説社から出版されています。目から鱗のとても面白い授業書ですので、是非書店で見かけたら購入してお読みになることをお勧めいたします。
ところで、日本では「虹は七色」とよく言われます。
1週間は月曜日から日曜日までの7日間、音階はドレミファソラシで7音階ですよね。
7という数字は宗教的な関連もあって好ましく感じている人が多い数字です。ラッキーセブンとも言いますね。
本日は2007年07月07日、070707とまさに7尽くしの七夕です。
この覚えやすい記念すべき日、07年07月07日に、DV-Xα分子軌道計算の世界では、記憶に残る記念すべきことが起こりました。今日ここにこの栄えある記念日を迎えられたことを、私は涙腺が緩みながら嬉しく感じています。
ついに、次世代版DV-Xα法プログラムの実行ファイル一式が正式リリース(一般公開)されたのです。Windows Vistaにも対応しており、さらに様々な改善・改良がなされています。
公開されたファイルは以下の2つです。
1.dvxa_v1_04.zip (2007/09/04; 17.9 MB)
2.displat_full.zip (2007/07/07; 804 KB)
この2つのファイルをダウンロード入手後、
泉富士夫先生の粉末回折情報館の3D Visualization System VENUS(11.1.2)で
3.DV-Xa.zip (2008/01/31; 328.3 KB)
をダウンロード入手してください。
あとは、門馬綱一氏のウェブサイト JP-Mineral でVESTAのベータ版が正式リリースされた際には(7月11日(水)にベータ版が正式リリースされました!)(2008年3月27日(木)についにベータ版を脱し、安定版 Version 1.4 がリリース、その後2008年5月18日(日)にVersion 1.4.4がリリースされました!!)
Windows版, VESTA.zip(ver. 1.4.4, 2008/05/18; 2.85 MB)
ユーザマニュアル, VESTA_Manual.pdf(2008/05/18; 23.1 MB)
をダウンロードを入手してください。
そして、私(坂根)のウェブサイトの教育用分子軌道計算システムeduDVで
5.eduDV.zip (Fortran Source 付き; 2007/11/05; 7.55 MB)
をダウンロード入手してください。
あとは秀丸エディタホームページより、秀丸エディタ最新バージョン Ver. 7.08
6.hm708_signed.exe(2008/04/09; 1815 KB)
および、Open Babel GUI (Windows版)のこのページより
7.OpenBabel2.1.1_Windows_Installer.exe (2007/07/07; 5.31 MB)
をそれぞれダウンロード入手してください。
1.dvxa_v1_04.zip (2007/09/04; 17.9 MB)
2.displat_full.zip (2007/07/07; 804 kB)
3.DV-Xa.zip (2008/01/31; 328.3 KB)
4.VESTA.zip(ver. 1.4.4, 2008/05/18; 2.85 MB)
5.VESTA_Manual.pdf(2008/05/18; 23.1 MB)
6.eduDV.zip (Fortran Source 付; 2007/11/05; 7.55 MB)
7.hm708_signed.exe(2008/04/09; 1815 KB)
8.OpenBabel2.1.1_Windows_Installer.exe (2007/07/07; 5.31 MB)
以上のファイルをすべてダウンロード入手したうえで、「タブエディタ(秀丸エディタ)上で使うDV-Xα法計算支援環境」の簡易マニュアルを、私(坂根)のウェブサイトより
9.HidemaruDV.pdf(2008/05/19; 146頁; 51.9 MB)
なお、6.の秀丸エディタはシェアウェアですので、料金をお支払いの上、正式ユーザとなる必要があります。
※最新の情報につきましてはこちらをご参照下さい。
2007年07月02日
ビタミンAとビタミンEの分子軌道計算
ビタミンA(Vitamin A, レチノール(Retinol))とビタミンE(vitamin E, トコフェロール(tocopherol) )の原子座標をパソコンで見る動く分子事典―デジタル3D分子データ集の決定版から取ってきて、タブエディタ(秀丸エディタ)DV−Xα法計算支援環境で電子状態を計算してみました。
ビタミンAはC20H30O1, 原子数=原子種数=51, 原子軌道数93, サンプル点数124万点のSCFS計算を行いました。
ビタミンEはC29H50O2, 原子数=原子種数=81, 原子軌道数143, サンプル点数80万9千点のSCFS計算を行いました。
ビタミンAのHOMO-LUMO近傍の情報は以下の通り。
**************************
*** HOMO - LUMO GAPS ***
************************** [eV] No.Electron
*** LUMO+1 81 3.86141 0.0
*** LUMO 80 1.89782 0.0
*** HOMO 79 -0.05652 2.0
*** HOMO-1 78 -0.67710 2.0
*** HOMO-2 77 -1.79556 2.0
*** f r o m *** ==> *** t o *** [eV] [cm-1] [nm]
79 ==> 80 1.954 15762.8 634.4
79 ==> 81 3.918 31600.2 316.5
78 ==> 80 2.575 20768.1 481.5
78 ==> 81 4.539 36605.6 273.2
77 ==> 80 3.693 29789.1 335.7
77 ==> 81 5.657 45626.5 219.2
ビタミンEのHOMO-LUMO近傍の情報は以下の通り。
**************************
*** HOMO - LUMO GAPS ***
************************** [eV] No.Electron
*** LUMO+1 122 5.19462 0.0
*** LUMO 121 4.40152 0.0
*** HOMO 120 0.38514 2.0
*** HOMO-1 119 -1.37246 2.0
*** HOMO-2 118 -1.56690 2.0
*** f r o m *** ==> *** t o *** [eV] [cm-1] [nm]
120 ==> 121 4.016 32394.3 308.7
120 ==> 122 4.809 38791.1 257.8
119 ==> 121 5.774 46570.3 214.7
119 ==> 122 6.567 52967.1 188.8
118 ==> 121 5.968 48138.6 207.7
118 ==> 122 6.762 54535.3 183.4
ビタミンA(左)およびビタミンE(右)の棒球モデル
ビタミンA(左)およびビタミンE(右)のHOMO
ビタミンA(左)およびビタミンE(右)のLUMO
ビタミンA(左)およびビタミンE(右)の静電ポテンシャルマップ
食べているんですよね、飲んでるんですよね、こんな分子を私たち。
ビタミンAは肝油、バター、牛乳、チーズ、鶏卵、緑黄色野菜、レバー、鰻などに多く含まれているそうです。
ビタミンEは、豆類(落花生、大豆)、アーモンドなどに多く含まれているそうです。
かくも美しくも不思議な分子・電子の世界、三次元可視化できるところがDV−Xα法計算支援環境(含・三次元可視化システムVENUS)の凄いところです。
今回の作画は、VESTA version 0.99.9で行いました。