2008年02月

2008年02月26日

理科の探検(RikaTan)2008年3月号に実験記事を執筆しました5

58f88037.jpg

現在書店にて発売中の(株)星の環会の理科実験に関する月刊誌『理科の探検(RikaTan)』2008年3月号(特集:火と燃焼の実験をしよう)に、私の担当している岡山理科大学理学部化学科のGコース3年次『無機化学実験』の実験ネタを2ページ分、執筆しました。

「銅線1本で成分に塩素が含まれているものをチェックしてみよう−バイルシュタイン法によるハロゲンの検出−」

左の表紙写真も私の記事の実験写真です。その他、口絵ページにも実験写真がカラーで掲載されています。

最初、(株)星の環会から執筆依頼を受けたとき、まぁ簡単に書けるだろうと安請け合いをしてしまったのですが、いざ原稿を書き出してみると、参考となる文献が手元になかなかないのです。

分析化学の書籍を片っ端から読んでみても、バイルシュタイン法によるハロゲンの検出についてはどこにも掲載されていないのです。世の中は機器分析の時代、大型分析機器で正確な定量分析を全自動で行う時代となり、バイルシュタイン法のような古き良き定性分析についてはどこにも記載されていないのです。

私は、分析化学実験の入り口は定性分析だと思っています。まずは大雑把に何が含まれているのかを簡便に、敏速に調べることは重要です。

結局、古書店を漁り、昭和30年代から昭和40年代頃にかけての『有機定性分析』に関する多くの書籍を入手し、それらを元に今回の原稿を執筆しました。

どの学問分野でもそうでしょうが、年月の経過と共に研究は進歩していき、新しい知見、新しい研究方法が開拓されていきます。

しかしそれらは過去の土台の上に積み上げられるべきものであって、過去の土台を知らずしては本質を掴むことはできません。

コンピュータの世界でもそうですよね。大型計算機やパソコンならCP/M 86, MS-DOSの時代からCUIによるプログラミング経験のある世代(たぶん、私の世代がその最後だと思います)は、現代のUNIX、Macintosh、WindowsといったOSでも、CUIを知った上でGUIを使っていけますが、物心ついたときからWindows95, 98といった現代の学生さんは、古い時代のCUIの感覚を学び取ることは実際問題困難になっています。

単結晶X線構造解析の世界でも同様ですね。現代では何もかもが全自動、プログラムの完成度は高く、X線回折計の原理や結晶学的な知識がほとんどなくても、マニュアル通りにボタンを押していけば構造解析ができてしまう時代です。学生さんはその土台となっているX線回折や結晶学について、苦労して学ぶチャンスが奪われています。

いずれの分野でも、最先端の成果だけを学んでいると、中身はブラックボックス化してしまいます。

そうした意味で、時間と場所を超越して、過去のその当時の(現在の土台となっている)知見、過去の著者の思惟を直接学び取るためには、古書を読むことはとても重要です。だから図書館には、過去の書籍を貴重な知的財産として大事に保管し続けて欲しい、しかし実際には多くの図書館で、書架のスペース不足などという理由で、貸出回数の少ない過去の古書がどんどん古紙として廃棄されているのが実情です。せめて古書店に流して欲しいのですが。

私の家には図書室があります。小学校時代から現代まで読み重ねてきた書籍は全部保管してあります。良書との出会いが現在の自分を構成しており、良書は私の脳味噌の分身でもあります。そして私にとっては多くの良書が、昭和30年代から昭和40年代前後に出版されていた本です。

最近出版される書籍は、本から本が作られるといった風情で、ただ新しい知見が羅列されているだけで文章的深みに欠け、著者の思惟が伝わってこないのです。

人間は考える動物です。著者の思惟が伝わる良書は、何十年後、何百年後になっても、きっと時間と場所を越えて読み手に伝わるに違いありません。

RikaTan (理科の探検) 2008年 03月号 [雑誌]



tgs0001 at 06:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 自然科学 | 教育

2008年02月21日

好きこそものの上手なれ

c7a1c77e.jpg
  • ぜろけー!こだまぁー!
  • ひゃっけー! こだまぁー!
  • さんびゃっけー! ひかりぃー!
  • ごひゃっけー! のぞみぃー!おかおながいねぇー!
  • ななひゃっけー! のぞみぃー!
  • ひかりれーるすたぁー!
  • どったーいえろー!ぜろけー!
  • どったーいえろー!ななひゃっけー! 
  • えぬななひゃっけー! のぞみぃー!
  • はっぴゃっけーつばめ! きゅーしゅーしんかんせんっ!
  • いーさんけーはやてー!
  • よんひゃっけーはやてー! 
  • にひゃっけー!
  • いーさんけーつばしゃー! ばたばたばた
  • よんひゃっけーつばしゃー!ばたばたばた
  • いーさんけーこまちぃー!あきたいきぃー!
  • いーよんけーまっくしゅー!
  • いーいちけーまっくしゅー!
  • えーとすあいっ!(East i
  • ふぁすてっくぅーおみみぃー!
  • きびしぇん、ちゃいろのでんしゃー!
  • はしぃーまりんらいなぁー!
  • きんたろー! ながいよねぇー!
  • ももたろー! ながよねぇー!
  • かんかんかん!
  • おかやまえきー!
  • がたんごとん、がたんごとん!
  • とんねるう!とんねるう!

以上、私の長男(二歳九ヶ月)の脳味噌にインストールされ、彼のノドからアウトプットできる単語集です。はっきりいって、私にも妻にも見分けがつかない車種を彼は一瞬で間違いなく見分けます。一番すきなのは、いーよんけーまっくしゅー!のようです。

ま・負けた・・・。さすがにJR東日本系までは私も妻も分かりません。

鉄道マニア専門雑誌を朝から晩まで熱中して眺めている二歳九ヶ月。

元素記号だったら負けないのだが。

しかしある特定分野に深化して、脳味噌がそればっかりになってしまう息子には自分や妻の遺伝子を強く感じます(私も妻も、好きな分野だけにのめり込むタイプ)。

私の理科遍歴についてはここに詳しく書いてありますが、自分の成長と共に、ある日ある時ある場面で、ズボッと深みにはまることが度々あり、それが人生の岐路となってきました。

そして深みにはまった後、新幹線のようにぐいぃ〜っと加速する主たるエネルギー源は、その分野の良い本との出会いです。

私が人生の岐路で出会った書籍ここで紹介してありますが、小学校時代から読み重ねてきた書籍は私の人生の足跡そのものの宝物です。

どちらかというと最近出版されている書籍より、昭和の戦争前後から昭和40年代ぐらいまでの書籍が私は一番心を惹かれます。書籍は時代と場所を越えて、書き手(著者)の思惟が直接自分の脳味噌に届きます。良書との出会いは自分の成長そのものです。

そういった意味で息子には良い本と出会って、幅広い教養を身につけて欲しいと思うのですが、昨日も今日も明日も、彼は鉄道マニア雑誌に没頭中・・・。あの集中力はタダモノではない。

最近はパソコンのマウスカーソルを自在に操り、ゆーちゅーぶで新幹線の動画を自分で選択、クリックして一人で何時間も動画を楽しんでいます。二歳からGUIを操る男・・・将来が楽しみなような怖いような・・・。



tgs0001 at 21:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 教育 | 自然科学

2008年02月05日

坂根弦太の出張講義・実験5

坂根弦太の出張講義・実験私(坂根弦太)は毎年岡山近県(岡山県、広島県、兵庫県、鳥取県、島根県、香川県、徳島県、愛媛県など)の高等学校(中学校)に出張講義・実験に訪れています。

確定している今後の予定も含めると、鳥取県立八頭高等学校には3回、兵庫県立姫路飾西高等学校にも3回、岡山県立総社南高等学校には2回訪問させていただき、生徒さんと一緒になって化学や物理や地学に関するとっても楽しい実験を満喫してきました。

 

坂根弦太の出張講義・実験その他広島県立因島高等学校岡山県立岡山芳泉高等学校武田高等学校島根県立三刀屋高等学校兵庫県立高砂南高等学校徳島県立鳴門高等学校岡山県立矢掛高等学校岡山県立邑久高等学校岡山県立高梁高等学校徳島県立富岡西高等学校岡山理科大学附属高等学校岡山理科大学附属中学校などの生徒さん達ともそれぞれ同じような楽しい実験を楽しみました(岡山理科大学での実験(研究)体験で岡山理科大学理学部化学科(岡山県岡山市理大町1−1)の坂根の所にお越しに頂いたケースも含みます)。

 

坂根弦太の出張講義・実験自分で言うのも何ですが、生徒さん達の反応の良かった実験を残し、あまり良くなかった実験は削除し、また新しいネタを開発して生徒さんの反応を見る、といったことを繰り返していくうちに、私の出張講義・実験は相当にこなれてきて精鋭化されています。

いつも5点満点で生徒さんにアンケートを書いていただいておりますが、点数は回を重ねるごとに徐々に高まり、最近では4.80点(5名)、4.85点(40名)、4.86点(14名)、4.68点(22名)、5.00点(7名)、4.81点(21名)、4.73点(22名)、4.62(42名)と安定して4.6点は超えるようになってきました。

坂根弦太の出張講義・実験最初の頃は4.38点(39名)、4.58点(12名)、4.32点(25名)、4.40点(30名)、4.42点(31名)、4.44点(39名)など、なかなか4.6点の壁を越えられなかったものです。

内容は高等学校の教科書の枠にとらわれず、自然科学(理科・科学)を横断する内容(宇宙の話、銀河系の話、太陽系の話、地球の話、周期表の話、元素の話、原子の話、電子の話、電気と磁石(電場と磁場)の話、電磁波の話、電子の励起状態の話、ルミネッセンス(発光)の話、結晶化の話などについて、高等学校の生徒さん達に届く言葉で、生徒さんが感動する実験と共に、テンポ良く進んでいき、自然科学(理科・科学)を学ぶ(研究する)楽しさ、幅広さ、奥深さを伝えます。大学生でも学ぶのが難しい量子化学の世界(電子とは何か)だってチラッとお見せしちゃいます。

坂根弦太の出張講義・実験具体的には、周期表と個性豊かな元素たちを紹介後、地球の主成分であるケイ素に関する生徒実験をお楽しみいただきます。さらに、電場や磁場を体感できる電気と磁石に関する不思議な実験から光(電磁波)へと物語は展開し、最後にルミネセンス(発光)の実験で本講義(実験)は終わります。生徒さんたちには、自らミクロの原子のサイズになって、原子と電子の存在や動きが想像できるようになっていただければと思っております。

最近、新ネタを岡山県立総社南高等学校で披露し、これが私の想定を超えた大受けでした。部屋を真っ暗にして、希ガスの入ったプラスチックボールの中心部にある金属コイルに高電圧をかけ、希ガスをプラズマ化し、放電によるエレクトロルミネッセンスが観測できるいわゆるサンダーボール・プラズマボールを持参し、私(坂根)がそれを持って、生徒さん達には検電器ドライバーを持っていただき、ゆっくりゆっくり一歩一歩私(坂根)に近づいていただいたのですが、10cmから20cm程度まで近づくと一斉に検電器ドライバーが赤く光るのです。うわぁ〜すご〜い!と生徒さんたちからは驚きの歓声が上がりました。

坂根弦太の出張講義・実験プラズマボールと検電器ドライバーの間には、雑誌一冊ぐらいの紙を挟んでも、全く検電器ドライバーの点灯赤色LEDの明るさは変わりませんでした。

私の出張講義・実験は不思議な実験満載です。そして美しく感動的な実験がたくさんあります。なぜ、なぜ、と考えたくなるような不思議で美しい実験がとても楽しいのです。

大学の理学部というところは、そういった、なぜ、なぜ、という自然科学の不思議を探求する場所です。4年次の卒業研究では、答えの未だ分からない実験テーマを与えられ、教員や大学院生の先輩や卒業研究の同輩と一緒に、試行錯誤しながら暗中模索していきます。そんな中で「大発見!」があったりするのです。楽しくなければ理学部ではありません。理学部は楽しんで(途中に苦労はありますが)自然科学と戯れ、人類の英知を一歩一歩高め、整理・集積していく場所です。

坂根の出張講義・実験では、そんな理学部の楽しさを、生徒さんに実感を持って味わってもらうことを主眼としております。

坂根の出張講義・実験の詳細・申込み方法などにつきましては、こちら【坂根弦太の出張講義・実験】をご参照下さい。生徒さん達の生の声(受講しての感想文)も掲載してあります。



tgs0001 at 22:29|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 教育 | 化学実験