2013年12月02日

抗生物質α-アボパルシン(α-avoparcin)の電子状態

F01


牛、豚、鶏の飼料効率の改善を目的に飼料添加されていたグリコペプチド系抗生物質アボパルシン(avoparcin)。

アボパルシン(avoparcin)を摂取していた動物からグリコペプチド系抗生物質耐性の腸球菌が発見され、バンコマイシンも同系統に属する抗生物質であるため、この耐性腸球菌の食物連鎖を通じたヒトの健康に対する懸念(バンコマイシン耐性腸球菌に感染する懸念)から、現在は多くの国で、飼料添加物としての使用が禁止されています。

アボパルシン(avoparcin)は、α-アボパルシン(α-avoparcin)とβ-アボパルシン(β-avoparcin)の混合物です。

今回は、α-アボパルシン(α-avoparcin)の電子状態(分子軌道)をDV-Xα法計算支援環境で計算してみました。


F012


参考:抗生物質分子データ集(Jmol版) - 生活環境化学の部屋

計算に用いた原子座標は、本間善夫先生、川端潤先生の「パソコンで見る動く分子事典(Windows Vista 対応版)」(講談社ブルーバックス, 2007年)の添付DVD-ROMに収録されていたものです。

Electronic Structure of minocycline
- Discrete Variational Xα (DV-Xα) Cluster Calculation -

α-アボパルシン(α-avoparcin)

分子式:C89H102ClN9O36

分子量:1909.28

CAS登録番号:73957-86-5

原子数:237

原子軌道数:510

サンプル点数:232,900

総電子数:1,004

使用した原子基底関数:
 炭素(C)原子:1s, 2s, 2p
 水素(H)原子:1s
 塩素(Cl)原子:1s, 2s, 2p, 3s, 3p
 窒素(N)原子:1s, 2s, 2p
 酸素(O)原子:1s, 2s, 2p

以下に、α-アボパルシン(α-avoparcin)の最高被占軌道(HOMO, Highest Occupied Molecular Orbital)、最低空軌道(LUMO, Lowest Unoccupied Molecular Orbital)、静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map, 等電子密度曲面に静電ポテンシャルの大小で彩色したもの)を示します。


HOMO


α-アボパルシン(α-avoparcin)のHOMO(502) エネルギー固有値:0.50046 eV


LUMO


α-アボパルシン(α-avoparcin)のLUMO(503) エネルギー固有値:3.43730 eV

HOMO-LUMO gap = 2.937 eV = 23687.2 cm-1 = 422.2 nm


POTMAP1


α-アボパルシン(α-avoparcin)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(1)


POTMAP2


α-アボパルシン(α-avoparcin)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(2)


POTMAP3


α-アボパルシン(α-avoparcin)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(3)


POTMAP4


α-アボパルシン(α-avoparcin)の静電ポテンシャルマップ(Electrostatic Potential Map)(4)

図は VESTA Ver. 3.1.7 で描きました。





The Antibiotic Paradox
Stuart B Levy
Da Capo Press
2002-01-08














tgs0001 at 13:59│Comments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 分子軌道 | 電子

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