分析化学

2013年07月10日

情報量が多い元素周期表

AGNE1


DV-Xαユーザーには「X線分析の進歩」でお馴染みの(株)アグネ技術センター発行、新版アグネ元素周期表です。

周期表ポスターとしては豊富な情報量で、解説書も含めれば、データ量は一冊のデータブック並みかもしれません。どれぐらいのデータ量が掲載されているかは、アグネ元素周期表ウェブサイトをご覧ください。


AGNE2


アグネという社名は、アリストテレス、ガリレオ、ニュートン、アインシュタインという、4名の科学者の名前に由来します。

それぞれの頭文字、アリストテレスのA、ガリレオのG、ニュートンのN、アインシュタインのEを連結すると、AGNE(アグネ)になります。

思いあぐねてつけられた社名かどうかは不明。

解説書には、周期表の歴史、(この周期表の)化学の立場からの見方と使い方ほか、金属物理、半導体、磁性の立場からの見方と使い方も掲載されています。


X線分析の進歩 44 (X線工業分析)X線分析の進歩 44 (X線工業分析) [単行本]
出版:アグネ技術センター
(2013-04)



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2013年06月26日

ブルカーの周期表

BRUKER2


昨日に引き続き、分析機器メーカーの周期表を紹介いたします。

ブルカー(BRUKER)の周期表ポスター。

ブルカーと言えば、核磁気共鳴装置(NMR)の印象が一番強いですね。

私も学生時代、ブルカーのNMRを毎日のように使っていました。

NMRは、原子核のスピンから、いろいろな情報を得ます。
試料に磁場をかけ、電波をあてて、その吸収を測定します。

ブルカーのNMRで私は、合成した錯体の中の、水素、炭素、リンの原子核から情報を得ていました。

原子核のスピンって言われても、なかなかイメージがしにくいですね。

電荷をもった原子核が、フィギアスケートの選手のように、くるくるとスピン(回転)している様子に例えられます。
電荷が動くと(電場が変動すると)、磁石になる(磁場が発生する)のだそうです。

そんな原子核に、強い磁場をかけると、原子核のエネルギーが、高い方と低い方、二つに分裂する。

低い方の原子核に電波をあてると、エネルギーを受け取って、高い方に飛び上る。

高い方の原子核が低い方に戻るには、時間がかかる。

自由に動ける水分子の水素の原子核は、わりとすぐに戻ってくる。

束縛されてあまり自由に動けない水分子の水素の原子核は、戻ってくるのに時間がかかる。

この戻ってくる時間の違いを画像化したものが、人間の身体の輪切り写真で有名な医療用のMRI(核磁気共鳴画像法)。

私も一度、自分の脳みそを病院で、MRIで画像化してもらったことがあります。

※医療用のMRIと、私が学生時代に使っていたブルカーのNMRとでは、装置の仕組みも使い方も、かなり違います。

あと学生時代に、精魂込めて使っていたのが、マックサイエンスの単結晶X線回折装置、MXC-18。
(株)マック・サイエンスは、ブルカーに吸収合併して今に至ります。


BRUKER1


ブルカーの周期表、確かイギリス(スコットランド)のグラスゴーで学会があったとき、ブルカーのブースでいただいたような記憶があります。

学生時代に使っていたブルカーの装置の好印象と相まって、ブルカーの周期表には愛着を感じます。

エックス線に関する情報に特化して作成された周期表です。

私は現在でも、エックス線を使った分析を行っています。

単結晶X線構造解析、粉末X線構造解析など。

エックス線作業主任者の免許も持っています。広島県福山市で大昔に取得しました。

自分たちで合成した化合物(錯体)を、光学顕微鏡を使って、その分子構造を直接目で見ることはできませんが、X線構造解析の手法を用いれば、まるで目で見ているかのごとく、分子構造(結晶構造)が分かります。

硫酸銅五水和物(CuSO4.5H2O)の結晶を、単結晶X線構造解析で調べてみました。

硫酸銅五水和物(CuSO4.5H2O)の結晶構造(坂根)

まるでミクロの世界で見てきたように、硫酸銅五水和物の結晶の中での原子の並び方が分かります。



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2013年06月25日

パーキンエルマーの周期表

PerkinElmer1


パーキンエルマー(Perkin Elmer)の周期表ポスターです。

パーキンエルマーといえば、私の専門分野(錯体化学)でいえば、元素分析装置がまず頭に浮かびます。

自分たちが合成した錯体(新規錯体、世界で初めて合成した錯体)が、いったいどのような化合物であるのかを調べるとき、必ずと言って良いほど調べるのが、その化合物に含まれる炭素(C)、水素(H)、窒素(N)の割合です(もちろん錯体である以上、金属元素の割合も調べる必要がありますが、それは他の手法で測定します)。

他の分析手段(単結晶X線構造解析、核磁気共鳴装置など)で、その錯体の構造の推測はついています。

新規化合物の基本情報として、本当にそのような化合物が合成できたのかどうかを他の人々に信じてもらうためにも、CHN元素分析を行う必要があります。

精密な天秤で、合成した錯体(純度の高いもの)を精秤し、カプセルに詰めて、全自動元素分析装置にセットします。

最初はヘリウムガスで満たされています。途中から雰囲気を酸素ガスに切り替えて加熱します。

すると、錯体の中の炭素(C)は二酸化炭素(CO2)に、水素(H)は水(H2O)に、窒素は窒素酸化物(NOx)になります。

そのあと発生した気体を還元すると、窒素酸化物(NOx)は窒素(N2)になります。

窒素(N2)、二酸化炭素(CO2)、水(H2O)の量を精密に測定することにより、錯体の中に含まれている炭素(C)、水素(H)、窒素(N)の割合が実験値として求まります。

この測定(分析)結果が、推定している化学式と一致したときに、間違いなくその錯体が合成できたということについて(炭素、水素、窒素について)、自信が持てるようになります(一致していなかったら、推定している化学式が間違っています!)。

推定している化学式で、炭素(C)、水素(H)、窒素(N)の割合がいくらになるのか、元素分析の実験値と比較するために、予め計算しておかなければなりません。

そんな時にとても便利なプログラム(エクセルファイル)を坂根が開発し、Web上で公開しています(無料でダウンロードし、ご自由にお使いいただけます)。

錯体用・元素分析結果考察テーブル“ccCHNS” 
〜元素分析結果の考察に便利なエクセルファイル〜
(錯体のみならず、有機分子、有機金属分子、高分子、無機固体材料などでもお使いいただけます) 

このプログラムは、1992年(21年前!)に私が作りました。

岡山理科大学大学院理学研究科化学専攻(修士課程)2年生の時だと思います。

そのころは、まだWindows 95が世の中にない頃で、NECの98パソコン、MS-DOSで動いていたLotus 1-2-3という表計算ソフトで作った覚えがあります。

パーキンエルマーでは、元素分析装置以外にも、赤外線、可視光線、紫外線などの電磁波の吸収を測定する分光装置、ICP分析装置(こちらの装置では、周期表の多くの金属元素の同時定量分析ができます)など、いろいろな分析装置が販売されています。


PerkinElmer2


話戻ってパーキンエルマーの周期表、元素記号と元素名のフォントの大きさが同じというのは、珍しいかもしれません。

普通、周期表では元素名は小さいフォントで読みづらいものですが、パーキンエルマーの周期表では、とても読みやすいですね。



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