昨日(7/1)は、中古住宅購入予定(H様)からのご依頼で、上尾市でホームインスペクションを行いました。


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本契約を交わし売主さんが退去されて空き家の状態になった後、改めて物件をじっくり見たところ「基礎ひび割れ」が多いことが判明

このまま物件を購入しても大丈夫なのか?耐震性は大丈夫なのか?不安になり、金銭諸費貸借契約を延期して、当社ホームインスペクションを申し込まれました。

物件は、築10年のミサワホームの注文住宅です。


IMGP4109基礎を調べたところ、確かにひび割れが多い・・・

ほとんどが0.3mm前後でしたが、0.55mmと0.6mmのレベル3の構造クラックも2ケ所あります。

引き渡し前で、「地盤調査データー」や「基礎の寸法が記載された図面」などはまだ受け取っていないということでしたので、現況で可能な範囲で原因を探ります。




シュミットハンマーにて確認したコンクリートの圧縮強度は、高強度コンクート並みの40.8N/mm2。かなり強頑丈である。

鉄筋の被り厚さも気になるが、当社が使用しているボッシュのセンサーでは、そこまでは判らない・・・
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ジオテック社のデータ(GEODAS)によれば、地盤は一般的には安定している「台地・上位面」に位置している。 しかし、物件所在地の区画内に「地盤改良工事あり」となっており、地耐力30kN/m2以下の可能性がありそうだ。
基礎を掘り下げたところ、カチカチに固まった土の層がでてきた。「表層地盤改良」を行っているようである。

底盤(フーチング)の寸法を確認すると、厚さは18cmと十分だが、巾は9cm(基礎立ち上がりより外)+15cm(基礎幅)+9m(内)で33cmの計算である。現在の木造住宅の基準が45cmと比べると12cmも狭い。


基礎クラックの発生要因は、「地盤の影響」「設計(強度計算不足)」「施工上の問題」など多岐に渡るので、ホームインスペクションの調査で原因を特定するのは難しいですが、底盤の巾が一番引っかかる・・・

購入予定のH様には『売主様から設計図書を引き継いだら図面通りに施工されているか確認して、もし図面通りでなかったらミサワホームに見解を出してもらってください』とお伝えする。

IMGP4070IMGP4055その他、詳細調査および補修が望ましいと指摘させていただいたのは「浴槽の配管下の防湿シート状の埃が湿り気を帯びており軽微な漏水の可能性がある」ことと「天井裏の断熱材が所々めくれて断熱欠損が生じている」の2点で、全体的には良いコンディションの建物でした。




IMGP4051(1)IMGP4052他には1階天井裏に小動物のフンがあり。 周囲を見渡すと、犯人がいました!
コウモリです。 コウモリは蚊などを食べてくれる益獣としての役割もありますがやはり家に住みつかれると糞尿害や夜中の音が気になりますので、忌避剤等で退去していただくのがよろしいと思います。