1:2013/02/16(土) 00:54:21.41 :we303mJp0

P「…くぅ、やっぱこの時期は熱いお茶だなぁ。うまい」 

雪歩「えへへ、ありがとうございますぅ」 

P「いつもありがとうな、雪歩」ナデナデ 

雪歩「…ふふ」 

小鳥「…」 


2:2013/02/16(土) 00:56:34.15 :we303mJp0

―翌日 

小鳥「プロデューサーさん、コーヒーどうぞ」 

P「あ、ありがとうございます」 

P「どうかしました?処理しなきゃいけない仕事が溜まってるとか…」 

小鳥「そ、そんなことないですよ!」 

P「そうですか?珍しいじゃないですか、お茶淹れてくれるなんて」 

小鳥「なんとなくですよ、なんとなく」 

P「?」 

P「」カタカタ 

小鳥「」カリカリ 

P「」カタカタ 

雪歩「おはようございますぅ」ガチャ 

P「お、おはよう雪歩」 

小鳥「おはよう、雪歩ちゃん」 

雪歩「今日も寒いですねぇ」 

P「そうだなぁ…あー、雪歩?」 

雪歩「はぃ?」 

P「来てそうそう悪いんだが、その…」 

雪歩「?」 

P「あ、やっぱりなんでもないよ。すまんすまん」 

雪歩「どうしたんですかぁ?気になりますよぅ」 

P「あー…その」 

P「…お茶、入れてほしいなと思って」 


3:2013/02/16(土) 00:58:24.97 :we303mJp0

雪歩「」 

小鳥「」 

P「い、いや悪い。自分でやるよ」 

雪歩「私がやります!!」 

P「!?」 

雪歩「すぐにやります!少々お待ちください!」タタタ 

P「あ、ああ…じゃあすまんが」 

P「…」 

小鳥「あの、プロデューサーさん?」 

P「は!?お、音無さん」 

小鳥「なんだかすごい気合でしたね、雪歩ちゃん」 

P「え、ええ。ちょっとびっくりしました」 

小鳥「でも…ふふ、よっぽど雪歩ちゃんのお茶が待ち遠しかったみたいですね、プロデューサーさん?」 


4:2013/02/16(土) 01:03:58.18 :we303mJp0

P「…やっぱ来てそうそう悪かったですかね?」 

小鳥「(否定しないピヨ…)」 

小鳥「あ~あ、私もコーヒー入れたんだけどなぁ」 

P「あ!?いやその…お、美味しかったですよ、すごく!」 

小鳥「いいですよ、無理しなくて」 

P「あー…」 

P「いやあの…慣れというかなんというか」 

P「このデスク!仕事!書類!そして雪歩のお茶!」 

P「って、なんだかいつの間にかセットになっちゃってて…はは」 

雪歩「はい、おまち!ですぅ!!」ドン! 

P「おぁ!?あ、ありがとう雪歩」 

雪歩「ふぅ…あ、すいません!お話中のところを…!」 


5:2013/02/16(土) 01:11:54.50 :we303mJp0

P「いやいや」 

小鳥「雪歩ちゃんはいいわねぇ、思われてて」 

雪歩「はい?なんの話ですかぁ??」 

小鳥「いやね、プロデューサーさんが私のコーヒーより『雪歩ちゃんの』お茶が…」 

P「ちょ、音無さん!?違いますって!」 

小鳥「おほほ」 

雪歩「むー…なんだか2人で楽しそうですぅ」 

P「いやーなんでもないぞなんでも!」 

雪歩「じゃあなんのお話してたんですかぁ?」 


6:2013/02/16(土) 01:17:34.43 :we303mJp0

小鳥「」ニヤピヨ 

P「そ、れは」 

P「そう、雪歩にいつもお茶淹れてもらって悪いなぁって話をな!うん!」 

雪歩「え…?」 

P「そうそう、いつもいつも淹れてもらってなぁ!」 

雪歩「う…」 

P「今度からは自分で…」 

雪歩「」ジャキ 

P「淹れって…って…」 

雪歩「ぅう…うわーん!!」ザクザクザクザクザク!! 


7:2013/02/16(土) 01:23:15.10 :we303mJp0

・ 
・ 
・ 
・ 
P「戻りましたー…」 

小鳥「誤解…解けました?」 

P「ええ、なんとか。現場に着くギリギリまでかかりましたが…はぁ」 

小鳥「お疲れさまです♪」 

P「いえいえ…」 

小鳥「かわいいですね、いつもお茶淹れてるのが迷惑だと勘違いしちゃうなんて」 

P「まぁ…思い込みが激しいのが雪歩らしいっちゃらしいんですけどね…」 

P「しかし…」 

小鳥「?」 

P「なにか思い入れでもあるんですかね」 


8:2013/02/16(土) 01:31:11.19 :we303mJp0

P「今回は結構誤解解くのに時間がかかったというか…」 

P「『私…私…喜んでもらおうと思って…』って言ってしばらく話出来る状態じゃなかったですからね」 

小鳥「あー、プロデューサーさん?」 

P「はい?」 

小鳥「私今から独り言いうんで、気にしないでくださいね」 

P「…は?」 

小鳥「あれはプロデューサーさんが入社する少し前」 

小鳥「雪歩ちゃんがきて、1ヶ月経ったくらいですかねぇ」 


10:2013/02/16(土) 15:22:34.51 :8QgSVPYT0

―回想 

雪歩「あ、あの音無さん…お茶どうぞ」 

小鳥「ありがとう雪歩ちゃん。本来は私がお茶ぐらい入れるべきなのにね」 

雪歩「いいんですぅ。私あんまり仕事もないし…」 

小鳥「雪歩ちゃんならすぐに忙しくなるわよ」 

雪歩「うぅ、そうなればいいんですけど」 

小鳥「雪歩ちゃんぐらい可愛ければすぐよすぐ!お姉さんが保証しちゃう!」 

雪歩「はい、ありがとうございますぅ…」 

小鳥「…ん、おいしい。雪歩ちゃん、お茶入れるの上手よね。誰かに習った事ある?」 

雪歩「はい…おばあちゃんに…」 


11:2013/02/16(土) 15:29:01.81 :8QgSVPYT0

小鳥「へぇ、おばあちゃんっ子なのかな?雪歩ちゃんは」 

雪歩「はい、おばあちゃん大好きでした」 

雪歩「うちってお父さんもお母さんも忙しくて…」 

雪歩「よくおじいちゃんおばあちゃんと一緒にいることが多かったんですぅ」 

小鳥「そうなの」 

雪歩「はい…お茶の淹れ方とかいろいろ教えてくれて」 

雪歩「それだけじゃなくていろいろお話もしてくれて」 

雪歩「私その話を聞くのが大好きだったんですぅ」 

雪歩「昔話とかもしてくれたんですけど、私はおばあちゃん自身のお話を聞くのが好きでした」 

雪歩「それであるとき、おじいちゃんとおばあちゃんの出会いのお話をしてくれたんです」


12:2013/02/16(土) 16:06:58.04 :8QgSVPYT0

雪歩「おじいちゃんとおばあちゃんは会社の仕事仲間だったんですけど」 

雪歩「おばあちゃんはおじいちゃんのことが好きで」 

雪歩「でも自分から話しかけることはできなかったって言ってました」 

雪歩「だからおばあちゃんはおじいちゃんにお茶を出し続けたそうです」 

雪歩「おじいちゃんが朝会社に来たとき」 

雪歩「おじいちゃんが仕事に悩んでいるとき」 

雪歩「おじいちゃんが遅くまで残って仕事してるとき」 

雪歩「『お疲れさまです、がんばってください』って言いながら」 

雪歩「私にはそれぐらいしかできなかったのよ、って」 


13:2013/02/16(土) 16:09:02.93 :8QgSVPYT0

雪歩「…実はおじいちゃんってすごく怖い顔してるんです。えへ」 

雪歩「私は小さかったから、別に怖いとは思わなかったんですけど」 

雪歩「若い頃は今よりもっともぉ~っと怖かったのよ、っておばあちゃんは言ってました」 

雪歩「そんなおじいちゃんは、おばあちゃんがお茶を持って行っても」 

雪歩「黙って頷いたり、ああ、とか言うだけだったそうです」 

雪歩「でもおばあちゃんはそれでも十分だった、って」 

雪歩「…ある日、おばあちゃんがいつも通りお茶を持っていくと、」 

雪歩「いつもと違っておじいちゃんに呼び止められたそうです」 

雪歩「おばあちゃんはドキっとして、でもすぐに」 

雪歩「どうしたのかな、なにかしちゃったかな、って思ったって」 


14:2013/02/16(土) 16:28:20.31 :8QgSVPYT0

雪歩「ふふ、おじいちゃん普段はムスっとしてるから」 

雪歩「おじいちゃんしばらくもごもごしてたらしいんですけど、」 

雪歩「『君のお茶はいつもうまい。ありがとう』って」 

雪歩「おばあちゃんの方を見ずに、ぼそぼそと言ったそうです」 

雪歩「おばあちゃんびっくりしちゃったらしくて、」 

雪歩「しばらく何も言えなかったんですって」 

雪歩「嬉しいとかより、びっくりしたって」 

雪歩「ようやくおばあちゃんが『いえ』とだけ言ったら」 

雪歩「『これからもお茶を淹れてくれないか』って言われたそうです」 

雪歩「その時はおばあちゃんも『もちろんです』って言っただけだったんですけど」 


15:2013/02/16(土) 16:37:49.14 :8QgSVPYT0

雪歩「そしたら数日後に、またおじいちゃんから声をかけられたそうです」 

雪歩「ふふ、おじいちゃんなんて言ったと思います?」 

雪歩「なんと」 

雪歩「『式はいつにする?』」 

雪歩「って、言ったんです」 

雪歩「おばあちゃんあっけにとられちゃって、その時は」 

雪歩「『逃げちゃった』」 

雪歩「そうです。ふふふ」 

雪歩「落ち着いてからちゃんと2人で話したら、」 

雪歩「どうやらおじいちゃんは『これからもお茶を淹れてくれないか』って」 

雪歩「プロポーズのつもりだったらしくて」 

雪歩「『もちろんです』っておばあちゃんが言ってくれたから」 

雪歩「気持ちは伝わったと思ったらしいです」 


16:2013/02/16(土) 16:58:19.90 :8QgSVPYT0

雪歩「おばあちゃん一応納得したらしいんですけど」 

雪歩「それよりどうしても譲れなかったのが」 

雪歩「一生に一度のプロポーズを自覚のないまま受けてしまうなんて、って」 

雪歩「そう思ったらなんだか悲しくなって、泣いちゃったんですって」 

雪歩「それをおじいちゃんに話すと」 

雪歩「おじいちゃんこう言ったんですって」 

雪歩「『いつもありがとう。おれの体の半分ぐらいは君の淹れてくれたお茶でできてるかもしれない』」 

雪歩「『だからこれからも一緒にいて、いつでもおれのためにお茶を淹れてくれないか』」 

雪歩「『…結婚しよう』って」 


18:2013/02/16(土) 17:40:32.47 :8QgSVPYT0

雪歩「その話を聞いたとき、『あぁ、いいなぁ』って思ったんです」 

雪歩「恥ずかしくてお茶を淹れることでしか気持ちを表現できなかった若いころのおばあちゃんも」 

雪歩「ちょっと的はずれなことを言っちゃった、でも真剣な若いころのおじいちゃんの言葉も」 

雪歩「それに、今でもその思い出を照れながらお話するおばあちゃんも」 

雪歩「素敵だなぁって思ったんです」 

雪歩「あと、『やっぱり私ってこの人たちの孫だなぁ』とも思いました、えへへ」 

雪歩「だって、私もよく早とちりしちゃうし、よく誤解もしちゃいますし…うぅ」 


19:2013/02/16(土) 17:44:50.55 :8QgSVPYT0

雪歩「…おばあちゃん言ってました」 

雪歩「『雪歩も、大切な人には気持ちを込めてお茶を淹れてあげなさい』」 

雪歩「『言葉にしなくても、気持ちはきっと伝わるから』って…」 

雪歩「だから私…お茶を入れるのが大好きなんです」 

雪歩「…私、ちょっとお話するの苦手で」 

雪歩「初対面の人とか…特に、お、男の人とか…」 

雪歩「…ほんとに若い頃のおばあちゃんみたい」 

雪歩「だからありがとう、って気持ちを少しでも伝えようと」 

雪歩「…伝わればいいなぁって」 

小鳥「…」 

雪歩「…はわっ!?す、す、すいませぇん私ったらなんかひとりで…!」 


20:2013/02/16(土) 17:49:24.18 :8QgSVPYT0

小鳥「うぅ…いい話だわぁ」ウルウル 

雪歩「すいません…音無さん?」 

小鳥「小鳥!!」 

雪歩「はぃい!?」 

小鳥「小鳥でいいわよ、雪歩ちゃん!がんばりましょう!!」 

雪歩「は…はい…」 

雪歩「えっと…小鳥…さん?」 

小鳥「うんうん!」 

雪歩「小鳥…さんかぁ、えへへ」 

小鳥「(かわいい)」 

雪歩「じゃあ、これからもがんばってお茶淹れますね」 

小鳥「ありがと、雪歩ちゃん」 


21:2013/02/16(土) 18:18:17.95 :8QgSVPYT0


小鳥「てなことがありましたねぇ」 

P「…」 

小鳥「懐かしいなぁ」 



雪歩「も、戻りましたぁ…」 

小鳥「お疲れさま、雪歩ちゃん」 

P「お帰り雪歩」 

雪歩「お疲れさまですぅ」 


23:2013/02/16(土) 18:25:23.66 :8QgSVPYT0

P「さて…」ガタ 

雪歩「ふぅ…」 

小鳥「お疲れね。今日は雑誌の取材だったかしら?」 

雪歩「は、はい」 

小鳥「どうだった?」 

雪歩「はぃい…緊張しましたけど大丈夫だったと思います…ふー」スリスリ 

小鳥「あら、外寒かった?」 

雪歩「そうですねぇ…けっこう」 

P「ほい」コト 


24:2013/02/16(土) 18:33:39.35 :8QgSVPYT0

雪歩「ほぇ…?」 

P「おつかれ」 

雪歩「…」 

P「たまにはおれが淹れてみた」 

雪歩「あ、ありがと…ございます…」 

P「ん、いつも淹れてもらってるしな」 

雪歩「…」ズズズ 

P「さーて仕事仕事…」 

雪歩「あのー…小鳥さん、プロデューサーなにかあったんですか?」 


25:2013/02/16(土) 18:39:40.97 :8QgSVPYT0

雪歩「はっ…まさか朝のこと気にして…?」 

小鳥「さぁ…ふふ」 

小鳥「…雪歩ちゃんのことを『大切な人』だと思ってるからじゃないかしら」 

雪歩「っつ…!?ごほごほっ!?」 

雪歩「こっ、小鳥さん!?///」 

小鳥「さーざんぎょーざんぎょー。大変ピヨー」 

雪歩「…」 

雪歩「」ズズズ 

雪歩「…おいしい」 

P「あー雪歩」 


26:2013/02/16(土) 18:48:35.05 :8QgSVPYT0

雪歩「ひゃ、ひゃい!!」 

P「なんだかおれもお茶飲みたくなっちゃったなー」 

P「やっぱまだまだだなー、自分で淹れるとなんかちがくてなー」 

小鳥「あー私もですねー。いつものお茶が飲みたいなー」 

雪歩「…!」 

雪歩「はい!今とびっきりおいしいやつ淹れますね!!」 


27:2013/02/16(土) 18:54:21.66 :8QgSVPYT0

以上でした!読んでくれた人多謝!!


元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1360943661