1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18 20:06:21 :f2F4u90h0

南条光「……」 

P「……」 

光「……何だよ」 

P「こんな所に、女の子一人で居たら危ないぞ」 

光「アタシは……そうか、女の子だからな……」 

光「そこはどうやっても変わらない……変えられないんだ……」 

P「なんだ、男になりたいのか?」 

光「なぁアンタ。質問があるんだ。ヒーローになる為の資格ってなんだ?」 

P「……いきなり何を?」


2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18 20:10:44 :f2F4u90h0

光「答えられない、か。なら、いい……もう……」 

P「…………どんな資格が必要か、分からないな。俺にはさっぱりだ」 

P「だけど、資格なんて下らない物、必要なのかどうかも分からないけどな」 

光「……」 

P「答えは持ってない。でもお前は、俺の思い描くヒーロー像にピッタリなんだ」 

光「どこが。こんな、人に必要とされずに薄汚い路地裏で一人で居るアタシのどこが」 

P「じゃあお前の環境を変えてやれば、納得してくれるんだな」 

P「俺がお前を必要としている。薄汚い路地裏から輝くステージに連れて行ってやる」 

光「……!」 

P「お前、名前は?」 

光「南条……光」


3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18 20:14:13 :f2F4u90h0

P「良い名前だ……光。まずは俺だけのヒーローになってくれないか?」 

光「ヒーロー、に?」 

P「ウチの貧乏事務所を、助けてくれ」 

光「……行く」 

P「ホントか!?」 

光「ヒーローに、なれるのかな? アタシ」 

P「きっと、なれるさ。なるんだ」 

光「……そうか」 

光「アタシを頼ってくれた……それに応えなきゃヒーローじゃない!」 

光「まだ絶望するには早いんだ! よし、アタシはやる!」 

P「よろしくな、光」 

光「……よろしくな、相棒!」


4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18 20:19:04 :f2F4u90h0

成宮由愛「……」カキカキ 

P「……へぇ、上手だなぁ」 

由愛「えっ……!?」バッ 

P「あ、怪しい者じゃないよ。ちょっとそこのアイドル事務所でプロデューサーやってるんだけど」 

由愛「……そう、ですか……」 

P「君、どうしたの? こんな夜に一人で」 

由愛「……捨てられました……」 

P「……そっか。絵を描くのが好きなの?」 

由愛「……何をしたらいいのか……分からなくなって……持ってるの、これだけですから……」


5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18 20:24:20 :f2F4u90h0

P「なら、アイドルやりたくない?」 

由愛「別に……やりたいことなんて何も……」 

P「やりたいことが無いなら、何でもやってみよう。君の天職かもしれない」 

由愛「……やりませんっ……」 

P「……一目見た時から、君はアイドルになれると思った。俺はしつこいから、明日も明後日もずっと君をスカウトしに来るよ」 

P「でもとりあえず、ウチの事務所に来ないか? せめて屋根のある所で寝た方がいいだろう?」 

P「大丈夫。『家賃』とか言って強制するようなことはしないよ」 

P「どうかな」


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18 20:29:31 :f2F4u90h0

由愛「……もう家に帰れないし……それなら……」 

P「ありがとう。君、名前は?」 

由愛「……成宮、由愛です……」 

P「可愛い名前じゃないか、これからよろしく」 

由愛「……あ、アイドルはやりませんから……」 

P「引っ掛からなかったか。それじゃ事務所に案内するよ」 

由愛「……はいっ……」 

P「そうだ、良かったらそのスケッチブック見せてくれないか?」 

由愛「だ、駄目ですっ……!」 

P「はは、ごめんごめん」


9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18 20:35:41 :f2F4u90h0

城ヶ崎美嘉「……」 

P「……」 

美嘉「何? ナンパ? それとも誘拐犯?」 

P「違う違う、ちょっとアイドルのスカウトやってる者だよ」 

美嘉「あぁ、そう言って女の子を釣るんだね」 

P「だから違うっての……ほら名刺。こっから見えるけど、アレがウチの事務所」 

美嘉「……ふーん……で、アタシをスカウトしようって?」 

P「あぁ」 

美嘉「いいよそういうの。もう妹の事で懲りてるから」


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18 20:39:59 :f2F4u90h0

P「妹?」 

美嘉「城ヶ崎莉嘉。アタシの妹だよ。知ってるでしょ?」 

P「あ、あの有名アイドルのお姉さんなのか……」 

美嘉「自分で言うのも何だけど、結構懐いてくれててさ。ずっと一緒だった」 

美嘉「オーディションも一緒に受けに行ったかな。でもアイドルとしての素養は莉嘉の方が上らしくって」 

美嘉「アタシは悉くダメでねー。どうやら需要が無いらしいよ?」 

P「随分……込み入った事情があるらしいな」 

美嘉「!……ま、まぁ軽ーい気持ちでアイドル目指したアタシも悪いんだけど、とにかくそれで懲りたの! だからスカウトは受けないから!」


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18 20:44:17 :f2F4u90h0

P「うーん……そうかな……」 

美嘉「な、何が?」 

P「いや、俺には需要が無いようには見えないんだけどな」 

美嘉「あのね、結果が散々だったアタシにはとても信じられないよ?」 

美嘉「莉嘉の方が顔も良いしね。今はちょーっと子供っぽいけど成長したら超モテるのは間違いないね」 

P(本当は自分もアイドルやりたいだろうに……才能がある妹へあたるわけにはいかないもんな) 

P「じゃあウチの事務所に来てくれないか?」 

美嘉「いやいや、話聞いてたの?」 

P「聞いてたさ。落ちっ放しでまだ何もしていないんだろう?」 

美嘉「あ、アンタね……」 

P「なら才能の有る無しが分かる訳ない。俺なら君をトップアイドルにしてやれる」


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18 20:49:49 :f2F4u90h0

美嘉「言うねー……トップにならなかったら? 私絶望して自分で人生終わらせちゃおっかな」 

P「トップになるからそっから先は必要無い」 

美嘉「……」 

P「やってみないか?」 

美嘉「人の気持ちも知らないで好き勝手言ってくれちゃって……」 

P「悪いな。スカウトってのは多少の強引さも必要でね」 

P「おっと、君に実力があるって思っているのは本当だからな」 

美嘉「……あはっ、グッと来るなぁ……」 

P「頼む」 

美嘉「……もーっ……」


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18 20:54:30 :f2F4u90h0

美嘉「分かった。やる、やりますってば」 

P「本当か!?」 

美嘉「わっ、ちょ、近いっ!」 

P「っと……悪い」 

美嘉「はぁ……なんだかなー我ながら単純だわ……求められたのは初めてだし……」 

美嘉「あーメイク崩れちゃってるし……最悪」 

P「……良い子だな、お前。見た目に反して」 

美嘉「見た目に反して、は余計だよ」 

P「名前は?」 

美嘉「城ヶ崎美嘉、よろしくね」 

P「よろしくな、美嘉」 

美嘉「……いきなり名前で呼び始めるし……はぁ」


17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18 20:59:16 :f2F4u90h0

智絵里「……」 

P「……」 

智絵里「……ぐす」 

P「君……ちょっといい?」 

智絵里「ひっ……!?」 

P「あぁ、驚かせるつもりはなかったんだ。ごめん」 

P「四つ葉のクローバー探し?」 

智絵里「……っ」フイッ 

P(……変わった子だな……よし)


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18 21:04:34 :f2F4u90h0

――― 


P「ほい見っけ」 

智絵里「……!」 

P「あげるよ」 

智絵里「あ……ありがとう、ございます……」 

P「しかし、久しぶりだなー四つ葉のクローバー探しなんて」 

智絵里「見つけるの……上手なんですね……」 

P「コツがあるんだよコツが」 

智絵里「ありがとうございました……どうしてもこれが見つけたくて……」 

P「ん? 何かあったのか?」 

智絵里「幸せに……なりたかった……」


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18 21:09:46 :f2F4u90h0

智絵里「……帰る場所……無くなっちゃったんです……」 

智絵里「子供っぽいって、言われるかもしれませんけど……その、小さい時から……四つ葉のクローバーを信じてきて……」 

智絵里「助けてくれるかも、って……」 

P「……」 

智絵里「……ぁ……えっと、ごめんなさい……そ、それじゃ……」 

P「待った待った」 

智絵里「は……はい……?」 

P「なら丁度良い。ウチに来ないか?」 

智絵里「…………え……?」 

P「帰る場所が無いなら、ウチに来ればいい」 

智絵里「……だ、駄目ですっ……そんな、ごめっ、ご迷惑を掛ける訳には……!」


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18 21:14:12 :f2F4u90h0

P「おっと……話が飛び過ぎた。俺はアイドル事務所のプロデューサーをやってる者なんだけど」 

P「君をスカウトしたいんだ。寮があるからそこに住めばいい」 

智絵里「あい、どる……?」 

P「あぁ」 

智絵里「……私が……?」 

P「もうじき日も暮れる。少なくとも、こんな所で一晩過ごすよりよっぽど良いだろうとは思うけどな」 

智絵里「……アイドル……アイドル?」 

P「そっちの話は後でもいい。とりあえずウチの寮に泊まっていけばいいよ」 

智絵里「アイドル……その、や、やりますっ」


27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18 21:20:29 :f2F4u90h0

P「お、本当か?」 

智絵里「……四つ葉のクローバー……見つけてくれた恩返しをしないと……」 

P「あー……あれは俺の気まぐれだから、そこまで気を張る必要は無いんだぞ?」 

智絵里「スカウトされたのは……きっと、四つ葉のクローバーが私を幸せにしてくれたから……」 

智絵里「……だから、アイドル……頑張って、なりますっ」 

P「……そうか」 

智絵里「私……頑張りますからっ」 

P「君、名前は?」 

智絵里「緒方、智絵里……です」 

P「そうか。よろしく、智絵里」 

智絵里「……な、なま、え……!///」 

P「っと、いきなり呼び捨ては悪いか」 

智絵里「……いえ……ち、智絵里って、呼んでください……///」


30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18 21:26:23 :f2F4u90h0

おわり


元スレ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1353236781