■だりやすかれんシリーズ(仮)
モバP「悪い夢のあとに」
モバP「疲れたときの特効薬」
モバP「だりやすかれんと年始め」
モバP「だりやすかれんの日常」
モバP「だりやすかれんと恵方巻き」
モバP「だりやすかれんの贈りもの」
北条加蓮「煌めくセカイが鮮やかに」
モバP「だりやすかれんがだらだら」
加蓮「かわいいね」李衣菜「うん、かわいい!」
多田李衣菜「理想なんて飛び越えて」
モバP「だりやすかれんととある夏の日」
岡崎泰葉「虹を作っている場所が在る」
モバP「やすはすやすや」
モバP「だりやすかれんと秋の空」
加蓮「こたつと」泰葉「みかんと」
加蓮「まだ?」李衣菜「うん、まだ」


1:2014/08/22(金) 21:45:15.64 :N4fJMkMRo

――― 


ブロロロ… 


泰葉「――道、混んでますね」 

P「んー……だなぁ。すっかり渋滞に嵌まっちゃったな」 

泰葉「ですね……」 

P「いつもならもう事務所に着いてるんだけど……ごめんな、疲れてるだろ?」 

泰葉「あ、いえ。私は平気です……けど」 

P「ん? ……あぁ」チラッ 


李衣菜「……くぅ……くぅ……」 

加蓮「すー……すー……んぅ……」 


P「……うん、後ろは気持ち良さそうに寝てるよ」 

泰葉「ふふ。そうですか」クス


2:2014/08/22(金) 21:48:26.59 :N4fJMkMRo

P「泰葉も、寝たかったら寝てもいいぞ。着いたら起こすからさ」 

泰葉「ん……ありがとうございます。でも……」 

P「でも?」 

泰葉「今日のライブの熱が、まだ残ってるみたいで。眠れそうにないです」 

P「ふふ、そっか」 

泰葉「……えへ」


3:2014/08/22(金) 21:51:31.15 :N4fJMkMRo

P「初めての単独ライブ、楽しかったか?」 

泰葉「……はい、もちろん」 

泰葉「ステージを作るのも、ファンのみんなを盛り上げるのも、全て私たちに掛かっている……」 

泰葉「そういうプレッシャーもありましたけど」 

P「うん」 

泰葉「……そんなもの、全部吹き飛んでしまうくらい……本当に楽しかったです」 

P「……うん。そう言ってくれると俺も嬉しいよ」


4:2014/08/22(金) 21:54:32.64 :N4fJMkMRo

泰葉「サイリウムの光と、天井のたくさんの照明で……」 

泰葉「まるで宇宙に浮かんでいるような、不思議な感じでした」 

P「ああ。星空の下で歌ってるみたいだったぞ」 

泰葉「ふふ、綺麗なステージでしたね……」 

P「いや、キラキラしてる泰葉たちが一番綺麗だったよ」 

泰葉「……そういうの、ずるいです」プイ 

P「あはは」


5:2014/08/22(金) 21:57:43.79 :N4fJMkMRo

泰葉「……本当、夢みたいな時間でした」 

P「夢、か」 

泰葉「はい。どこか現実離れしているというか……白昼夢、みたいな」 

P「……でも、ちゃんと現実だったろ?」 

泰葉「ふふ、そうですね。スポットライトの熱、声援……それに」 


泰葉「私たち三人の気持ちが合わさった瞬間を……確かに感じましたから」


6:2014/08/22(金) 22:03:07.63 :N4fJMkMRo

P「うん、俺も感じたよ。みんなの熱い心」 

泰葉「それなら、良かったです。……ファンのみんなにも、伝わったかな?」 

P「うーん、それは泰葉たちが一番分かってるんじゃないか?」 

泰葉「ふふふ、そうでした。みんな喜んでたと思います。……ううん、喜んでました」 

P「ああ、そんなの当然だろっ」 

泰葉「ふふ♪」


7:2014/08/22(金) 22:09:07.40 :N4fJMkMRo

泰葉「まぁ、でも……」 

P「ん?」 

泰葉「終わってみて、私たちもまだまだだな……って思い知りました」 

P「んー……うん」 

泰葉「もっともっと、上を目指せるんじゃないか、って」 

P「……そっか」 

泰葉「もっとみんなを楽しませたい。もっと自分たちも楽しみたい……」 

泰葉「そんな想いが、どんどん湧いてくるね……なんて、控室で話しました」


8:2014/08/22(金) 22:12:56.10 :N4fJMkMRo

P「…………」 

泰葉「李衣菜の、何事にも挑戦していきたい気持ち……」 

泰葉「加蓮の、夢は叶えるためにあると伝えたい気持ち……」 

泰葉「それに、私の……誰かを笑顔にしたい気持ち。その全部を持ち寄ったら……」 

P「……うん」 

泰葉「きっと、どこまででも行ける。……そう信じてるんです」


9:2014/08/22(金) 22:17:02.97 :N4fJMkMRo

P「……俺だって」 

泰葉「はい」 

P「俺だって信じてるよ」 

泰葉「…………」 

P「どこへでも羽ばたいて行けるって。いつも信じてるんだ、俺は」 

泰葉「……はい。信じてください、あきれるくらい。もっともっと、見ていてください」 


泰葉「私たちのその先を……一緒に!」 

P「……ああ!」


10:2014/08/22(金) 22:22:35.38 :N4fJMkMRo

――― 


ブロロンブロロン… 


泰葉「……ふふ」 


P「ん、どした」 

泰葉「いえ……さっきの話、昔の私が聞いたらなんて言うかなって、ふと思ったんです」 

P「昔の泰葉かぁ」 

泰葉「たぶん、冷たくあしらったりとか、そんなの無理って決めつけたりとか。ふふ」 

P「はは……もう随分時間が経ったように感じるなぁ」


11:2014/08/22(金) 22:25:57.51 :N4fJMkMRo

泰葉「そ、そうでしょうか……」 

P「あはは、今のイメージが強いんだよな」 

泰葉「……聞いてもいいですか?」 

P「うん。いつも笑顔でふにゃってしててかわいい」 


泰葉「ふにゃってなんですかふにゃってっ」ペシペシ 

P「痛い痛い叩かないで」


12:2014/08/22(金) 22:28:29.25 :N4fJMkMRo

泰葉「もう」 

P「ま、まぁ……ほんと、変わったよ。いい意味でさ」 

泰葉「……みんなのおかげです」 

泰葉「ずっと前からアイドルに憧れてはいました。……でも、あのときの私は、何も出来なかった」 

泰葉「……いえ。どうすればいいか、分からなかったんですね、きっと」 

P「……うん」


13:2014/08/22(金) 22:31:10.20 :N4fJMkMRo

泰葉「誰かの意思に依っていれば、楽でしたから。それとも、逃げていたのかも」 

泰葉「臆病だったんです、私」 


泰葉「でも、だから……」 

泰葉「今、こうして……みんなに出会えたこと。感謝してもしきれないんです」 


泰葉「Pさんにも、ちひろさんにも。李衣菜にも加蓮にも……」 

泰葉「いっぱいいっぱい、笑顔をもらいました」 

泰葉「だから今度は……私の番」 


泰葉「いつか、たくさんの人を笑顔にしたいな……ふふっ♪」


14:2014/08/22(金) 22:33:43.01 :N4fJMkMRo

P「……泰葉……」 

泰葉「……あっ、ご、ごめんなさいPさん。私ったら一人で喋って……」 


P「今俺が運転してなかったら、お前を思いっきり抱きしめて頭撫でまくってたと思う」 

泰葉「え、……えぇ!?」 

P「泰葉お前、可愛すぎるよ……。くそぅ、早く事務所着かないかな……!」ソワソワ 

泰葉「あ、あのっ……その……う、うぅぅ……!」


15:2014/08/22(金) 22:35:11.12 :N4fJMkMRo

P「……まぁ、なんだ。泰葉」 

泰葉「……はぃ」 


P「これからも笑顔でいてくれ。それだけでいい。……ずっと見てるから」 

泰葉「……!」 


泰葉「はいっ♪」


16:2014/08/22(金) 22:37:50.65 :N4fJMkMRo

――― 
―― 
― 


ブロロブロンロ… 


P「ふー……ようやく見慣れた景色になってきたな」 

P「泰葉、ほんとに寝なくて良かったのか?」 

泰葉「ええ、平気です。Pさんとお話しできて、疲れも吹き飛びましたから」 

P「……ふふ、誰かさんと同じこと言うんだな」 

泰葉「え、……ど、どっちですか? どうせ後ろのどっちかでしょうっ?」


17:2014/08/22(金) 22:41:18.80 :N4fJMkMRo

P「さあなー? あとで聞いてみたらどうだ?」 

泰葉「むぅ……。じゃ、じゃあ……Pさんと話すのは幸せですから。これでどうですっ」 

P「あはは、なに張り合ってるんだよ」 

泰葉「は、張り合ってなんかっ……」 

P「負けず嫌いというかなんというか……。ちなみに、それも誰かさんと一緒な」 

泰葉「なっ……!?」ガーン 


泰葉「Pさんなんかきらいですっ」 

P「何故に!?」


18:2014/08/22(金) 22:43:03.36 :N4fJMkMRo

泰葉「うぅ……」 

P「ほ、ほら泰葉。もうすぐ事務所着くぞ」 

P「ちひろさんが『単独ライブおめでとうパーティ』やるって言ってたからさ、な?」 

泰葉「…………」ツーン 

P「はぁ、泰葉ぁ……」


19:2014/08/22(金) 22:45:00.92 :N4fJMkMRo

泰葉「……さっきのこと」 

P「え?」 

泰葉「さっき色々話したこと、ここだけの秘密にしてください。私とPさんだけの秘密」 

P「う、うん……?」 

泰葉「二人に私の想いを伝えるのは、まだ出来そうにないですから。……恥ずかしくて」 

P「……ん、了解」


20:2014/08/22(金) 22:46:49.85 :N4fJMkMRo

泰葉「これから先、ずっと一緒にいられるなら……いつでも話せますしね」 

泰葉「……ずっと一緒にいましょう? ね、Pさんっ」ニコッ 

P「……ああ、一緒にいようなっ」 

泰葉「ふふふっ、はいっ。信じてますから♪」 


ブロロロ… 


21:2014/08/22(金) 22:48:59.27 :N4fJMkMRo

P(……さて……)チラッ 


李衣菜「…………」ニコニコ 

加蓮「…………」ニヤニヤ 


P(いつから起きてたか知らないけど、顔を見るに……) 

P(泰葉、強く生きろ。たとえイジり倒されようとも……!) 


李衣菜「♪」 

加蓮「♪」 


泰葉「♪」 



おわり


22:2014/08/22(金) 22:51:54.76 :N4fJMkMRo

というお話だったのさ 
だりやすかれんの泰葉編ってことでひとつ 

こっちも合わせてどうぞ


23:2014/08/22(金) 22:59:35.17 :N4fJMkMRo

イメージソングは『Dramatic daydream』 
良かったら聴いてみてね


元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408711505