1:2014/02/24(月) 22:22:12 :aJmt142Q

千早「え……っと。それは、私がオフという意味ではなく」

P「ああ。765プロ自体がお休みという意味だ」

千早「プロデューサーも、音無さんもですか?」

P「もちろん、社長もだな。765プロの全員がお休みだ。来ても誰もいないし、事務所の鍵も閉まってるから」

千早「え」

P「明日は千早は、誰かと遊びにでも行くか、家でゆっくりすること」

千早「しかし、急に言われましても私は……」

P「ゆっくりすること。分かったな?」

千早「……はい」 


2:2014/02/24(月) 22:25:20 :aJmt142Q

小鳥「……いいんですか? あんな嘘ついちゃって」

P「しょうがないじゃないですか。最近の千早はどう考えてもオーバーワークなんですから」

小鳥「確かに、そうですよね。千早ちゃん、自分がオフの日でも毎日事務所に来るか、レッスン場借りてましたし」

P「あいつ、頑固ですから。こうでも言わないと休まないでしょうしね」

小鳥「……似たもの同士なんですね」

P「似たもの同士ですか? 俺と千早が? まっさかぁ」 


3:2014/02/24(月) 22:30:22 :aJmt142Q

小鳥「だってプロデューサーさん、ああ言っておきながら明日もお仕事なさる気でしょう?」

P「うぐっ。なんでそれを……」

小鳥「分かりますよ。私がどれだけ一緒にお仕事してると思ってるんですか」

P「いや、これはですね。自分が好きでやってることですから、その」

小鳥「はいはい、分かってますよ。お体に障らない限りは、止めたりしません」

P「それから、このことは千早には……」

小鳥「言いませんとも」

P「良かった……」

小鳥(私でも分かるようなことが、千早ちゃんに分からないはずがないですしね) 


4:2014/02/24(月) 22:33:57 :aJmt142Q

~翌日~

P「」かたかた

P「」かたかた

P「……」

P「」かたかたかた

きぃぃ

千早「……」

ひょこっ

千早(やっぱり……) 


5:2014/02/24(月) 22:36:55 :aJmt142Q

千早「……プロデューサー」

P「……」かたか、た

P「……今日は休みって伝えたはずだぞ、千早」

千早「その言葉、そっくりそのままお返しします」

P「参ったな……。音無さん、喋っちゃったのか?」

千早「音無さん、ですか?」

P「あれ、違うのか?」

千早「何のことを言っているのか分かりませんが……。いきなりあんなことを言われれば、ふつう気付きます」

千早「プロデューサーが無理やり私を休ませようとしている、と」

P「……」

千早「……そもそも、事務所が空になるようなことがあるとは思えませんし」

P「……そっか。ばれてたか」 


6:2014/02/24(月) 22:40:00 :aJmt142Q

P「でも、今日は帰れ」

千早「嫌です」

P「……」

千早「……」

P「帰って、やす 千早「嫌です」」

P「……」

千早「……」

P「参ったな。自分でも分かってるだろ? 最近の千早は、根を詰めすぎだ」

千早「ええ、それは分かっています。ですが、プロデューサーはもっと肝心なことを分かっていません」

P「?」 


7:2014/02/24(月) 22:44:21 :aJmt142Q

千早「プロデューサーだって、今日は休みだと言いながら事務所に来ているじゃないですか」

P「いや、それはだな……。どうせ家に居ても、寝るだけで終わっちゃいそうだし」

千早「私だって同じです。私には……。歌しか、ありませんから」

P「……」

千早「ですから。私は今日、事務所に『休みに』来たんです」

P「……は?」

千早「私とプロデューサーは、仕事のパートナーなんでしょう?」

P「……まあ、そうだな」

千早「でしたら、プロデューサーがお仕事をなさるのなら、私もせめて事務所に居たい。……そう思っただけのことです」

千早「ここなら、トレーニングをしないまでも雑誌や楽譜、番組の録画なども見られますから」

千早「こうして、充実した『休み』を過ごしに来ただけのことです」

P「……」 


8:2014/02/24(月) 22:46:28 :aJmt142Q

千早「駄目……ですか?」

P「……」

P「……俺は、仕事中だぞ?」

千早「はい」

P「質問に答えたりとかは、あまりしてあげられないかもしれないし」

千早「分かっています」

P「もしかしたら、夕方までかかってしまうかも」

千早「関係ありません」

P「世間一般で言う休みとはほど遠い休日になるぞ?」

千早「元々そのつもりです」

P「……」

千早「……」

P「……はあ。分かったよ。もし何かあったら呼んでくれ」

千早「はい。お仕事の邪魔にならないようには心がけます」

千早(……良かった) 


9:2014/02/24(月) 22:48:54 :aJmt142Q

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ 


10:2014/02/24(月) 22:51:36 :aJmt142Q

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「ん。んー……」かた、かた

千早「……」

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ 


11:2014/02/24(月) 22:52:14 :aJmt142Q

P「……なあ、何を読んでるんだ?」

千早「これですか? この前、春香がインタビューを受けたという雑誌です」

P「ああ、この前の」

千早「はい。たまたまそこに置いてあったものですから」

P「そっか」

千早「はい」

P「……」

千早「……」 


12:2014/02/24(月) 22:53:39 :aJmt142Q

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ 


13:2014/02/24(月) 22:54:27 :aJmt142Q

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「……あれ」かた

千早「……」ぺらっ

P「間違えたかな……」かたかたかたかた

千早「……」ぺらっ 


14:2014/02/24(月) 22:55:12 :aJmt142Q

千早「……プロデューサーは、何をなさっているんですか?」

P「ん、これか? この前のイベントの報告書をまとめてるところだ」

千早「この前のというと、あの大きな会場での」

P「そうそう。よく分かったな」

千早「この雑誌で、春香も言っていますから。とても楽しかった、と」

P「そうなのか? それは良かった。普段より大きなイベントだったからな」

千早「はい。……私も、同じ気持ちです」

P「そうか」

千早「ええ」

P「……」

千早「……」 


15:2014/02/24(月) 22:57:45 :aJmt142Q

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」

P「」かたかたかた

千早「……」

P「」かたかたかた

千早「……」ぺら 


16:2014/02/24(月) 22:58:22 :aJmt142Q

P「……そういえば、千早」

千早「はい」

P「今日、昼ご飯はどうするつもりだ?」

千早「……まだ、特に何も考えていません」

P「そっか。今日はたるき亭がお休みだから、俺は店屋物でも取ろうと思ってたんだが、千早もそうするか?」

千早「そうですか。では、それで」 


17:2014/02/24(月) 23:00:49 :aJmt142Q

P「んじゃ、電話の横にメニューがあるから。頼みたいものを決めておくといい」

千早「電話の、横……。これですか?」

P「あ、そっちじゃなくて……。そうそう、その緑のやつ」

千早「これですね。……ちなみに、プロデューサーは何を注文なさるんですか?」

P「俺か? いつもはてんぷらそばかきつねそばで悩む所だけど……。今日はきつねそばな気分かな」

千早「きつねそば、ですか」

P「ん。おすすめだ」 


18:2014/02/24(月) 23:03:18 :aJmt142Q

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P(……今度は、音楽雑誌を読み始めたのか) 


19:2014/02/24(月) 23:04:20 :aJmt142Q

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「……あれ」

千早「……」ぺらっ

P「……どこやったっけな」がさごそ

千早「……」

P「……ない」がさがさ 


20:2014/02/24(月) 23:05:01 :aJmt142Q

千早「……何をお探しなんですか?」

P「んー……。目薬が見つからないんだ」

千早「プロデューサーの目薬、というと……。あの、青いキャップのですか?」

P「そうそう。ドライアイの予防にと思って、いつも持ち歩いているんだが……。まあ、急いで必要なものでもないし気にしないでくれ」

千早「はあ」

P「悪いな、邪魔して」

千早「いえ」 


21:2014/02/24(月) 23:06:43 :aJmt142Q

P「ついでに冷蔵庫から飲み物を取ってくるけど、千早は何か飲むか?」

千早「では、お茶を」

P「お茶な」がちゃっ

千早「すみません」

P「気にするな、ついでだから。……あれ、缶コーヒーがない」

千早「そういえば、昨日音無さんが切らしたと言っていたような」

P「そっかー。なら、俺もお茶にするかな。はい、千早の分」すっ

千早「ありがとうございます」 


22:2014/02/24(月) 23:09:49 :aJmt142Q

P「」かたかたかた

千早「……」

P「」かたかたかた

千早「……」こくこく

P「」かたかたかた

千早「……」

P「」かたかたかた

千早「……」こくん 


23:2014/02/24(月) 23:10:22 :aJmt142Q

P「」かたかたかた

千早「……」こく

P「」かたかたかた

千早「……」ちら

P「」かたかたかた

千早「……」

P「んー」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「よし、っと」かたかた、たん

千早「……」 


24:2014/02/24(月) 23:11:19 :aJmt142Q

千早「終わったんですか?」

P「ん、まあキリのいいところまで」

千早「そうですか。お疲れさまです」

P「ちょうどいいから、少し早いけどお昼を取ろうと思うんだが。千早は、おなか空いてるか?」

千早「ええ、少し。届くまでの時間もあるでしょうし、私もそれで構いません」

P「そっか。もう何を頼むかは決めたのか?」

千早「私は、普通のざるそばでいいです」

P「……遠慮しなくていいんだぞ」

千早「そうですか? では……。てんぷらそばで」

P「ん、分かった」 


25:2014/02/24(月) 23:14:22 :aJmt142Q

~・~

\きつねそばとてんぷらそば、合わせて1600円になりまーす!/

P「はい、1600円……。ちょうどで」

\ありがとうございましたー!/

ぱたん

P「ふう。じゃあ、さっそく食べるとするか」

千早「はい。私も少しお腹が空いてしまいました」 


26:2014/02/24(月) 23:18:56 :aJmt142Q

P&千早「いただきます」

ぱきん

P「」ずるずる

千早「……」つるつる

P「」ずるずる

千早「……」つるつる

P「」ずるずる

千早「……」つるつる

P「」ずるずる

千早「……」つるつる 


27:2014/02/24(月) 23:19:35 :aJmt142Q

P「」ずるずる

千早「……」つるつる

P「」ずるずる

千早「……」つるつる

P「」ずるずる

千早「……」つるつる

P「」ずるずる

千早「……何だか、変な感じがしますね」

P「変?」 


28:2014/02/24(月) 23:22:59 :aJmt142Q

千早「いえ……。なんと言いますか」

千早「この広い事務所でプロデューサーと2人でおそばを食べている、というのが」

千早「普段からすると、なかなか無い状況のような、そんな気がして……」

P「んー、まあなあ。いつもは大抵、音無さんか誰かがいるわけだし」

P「……というか」

千早「?」

P「そもそも、今日千早がここにいること自体がイレギュラーだからなあ」

千早「……それ、プロデューサーにも同じことが言えるはずです、と昨日も言いましたよね」

P「それを言われると弱いけどさ」

千早「はい」 


29:2014/02/24(月) 23:25:05 :aJmt142Q

P「」ずるずる

千早「……」つるつる

P「」ずるずる

千早「……」つるつる

P「」ずるずる

千早「……」つるつる

P「」ずるずる

千早「……」つるつる 


30:2014/02/24(月) 23:27:53 :aJmt142Q

P「」ずるずる

千早「……」つるつる

P「」ずるずる

千早「……」つるつる

P「」ずるずる

千早「……」つるつる

P「」ずるずる

千早「……あの」

prrrr prrrr

P「おっと、電話だ。悪い」

千早「いえ。どうぞ」 


31:2014/02/24(月) 23:29:52 :aJmt142Q

P「もしもし、大変お待たせいたしました。こちら765プロです」

千早「……」つるつる

P「はい。……はい。ええ」

千早「……」つる

P「はい。えっ、本当ですか!?」

千早「……」

P「2人か、3人……。はい。はい」

千早「……」

P「分かりました。1時に、そちらの会議室ですね。すぐに伺います」

千早「……」ずるずるずる

P「はい。では、後ほど」

千早「」つるつる

がちゃ 


32:2014/02/24(月) 23:31:38 :aJmt142Q

千早「……仕事のお電話ですか?」

P「ああ。どうやらある番組のアイドル枠に病欠が出たみたいで、そこに765プロから何人か使ってもらえるみたいだ」

P「その打ち合わせのために、ちょっと今から出なくちゃいけなくなった」

千早「そうですか」

P「ごめんな。千早1人になるけど、これ」

ちゃらっ

千早「鍵、ですか?」

P「事務所の合鍵。多分戻ってくるまでそんなにかからないけど、もし帰りたくなったらいつ帰っても構わないから、戸締りだけはしておいてくれ」

千早「はあ。合鍵なんて、そんなに簡単に預けてしまっていいんですか?」

P「まあ、ほんとはいけないんだろうけど……。千早のことは、信用してるから」

千早「そうですか。……まあ多分、私は帰りませんけれど」

P「それならそれでいいんだ。もしもでいいから」

千早「分かりました」 


33:2014/02/24(月) 23:32:53 :aJmt142Q

P「じゃあ、行ってくるな」

千早「あ、ちょっと待ってください」

P「すまん、時間ないから。話ならまたあとで」

千早「いえ、そうではなく」

ひょい

千早「肩に、糸くずがついていました。身だしなみには気をつけてください」

P「す、すまん。それじゃ、行ってくる」

千早「はい。お気をつけて」 


34:2014/02/24(月) 23:34:14 :aJmt142Q

P「……っと、そうだ」

千早「何ですか?」

P「俺の油揚げ、残ってるけど食べるんじゃないぞ。冷めてもおいしいんだから」

千早「……心配しなくても、食べませんから。早く行ってください」

P「頼んだぞー」ひらひら

ぱたん

千早「……全く」 


35:2014/02/24(月) 23:35:52 :aJmt142Q

千早「…………」

千早「……」つるつる

千早「……」つるつる

千早「……」

千早「……」つるつる

千早「……」つるつる 


36:2014/02/24(月) 23:36:54 :aJmt142Q

千早「……」つるつる

千早「……」つるつる

千早「……」つるつる

千早「……」つるっ

千早「……ごちそうさまでした」ぱん 


37:2014/02/24(月) 23:37:55 :aJmt142Q

千早「……」

千早「……」

千早「……」

千早「……」

千早「……」


千早「……そうだ、プロデューサーのぶんはラップに包んでおかないと」 


38:2014/02/24(月) 23:38:50 :aJmt142Q

千早「……」じいっ

千早「……」

千早「……」

千早「……」

千早「……」 


39:2014/02/24(月) 23:40:27 :aJmt142Q

千早「……」

千早「……」

千早「……」

千早「……ふぁ」

千早(次は、私もきつねそばにしようかしら) 


40:2014/02/24(月) 23:42:14 :aJmt142Q

千早「……」ぺらっ



千早「……」



千早「……」ぺらっ



千早「……」



千早「……」ぺらっ 


41:2014/02/24(月) 23:43:15 :aJmt142Q

千早「……」ぺらっ



千早「……」



千早「……」ぺらっ


千早(……そうだ、そういえば)



千早「……ええと」がさごそ



千早「一番近いのは……。あそこね」

千早「戸締りをしっかりして……」

千早「行って、きます」

きぃ

ばたん

がちゃ 


42:2014/02/24(月) 23:44:28 :aJmt142Q

~・~

がちゃがちゃ、がたん

がちゃ


P「ただいまー……。って、言ってはみたけど」

しぃん

P「ま、鍵閉まってたから分かってたけどな。何時間か経っちゃってるし」

P「それでも、千早が帰る気になったならよかった」

P「出演も決まったし、ナイスタイミングで電話が来たことに感謝しないとな」 


43:2014/02/24(月) 23:45:14 :aJmt142Q

P「さて、それじゃ食べそびれた昼飯でも……」

たん、たん、たん

P「階段を上る音? また誰か来たのか……?」

がちゃ

千早「プロデューサー……。戻っていたんですね」

P「千早……。お前、帰ったんじゃ」

千早「まさか。少し買い物に行っていただけです」

P「そうなのか……。鍵がかかってたから帰ったのかと思ったよ」

千早「戸締りはしっかり、と言われましたから」

千早「あ、お昼ですが。まだ食べていないなら冷蔵庫に残りを入れておきましたので」

P「ああ。ありがとう」 


44:2014/02/24(月) 23:46:49 :aJmt142Q

千早「それと、缶コーヒー。買い足しておきましたので、お好きなときに」

P「千早が買ってきたのか? ……悪いな、いくらだった?」

千早「いえ、ついででしたから」

P「ついで?」

千早「ええ、ついでです。ですから、気にしないでください」

P「いや、でも」

千早「本当にいいですから、店屋物のお代の代わりだとでも思ってください」

P「え」

千早「経費では、落ちないんでしょう?」

P「気付かれてたのか。参ったな」 


45:2014/02/24(月) 23:47:58 :aJmt142Q

~・~

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」

P「」かたかたかた

千早「……」 


46:2014/02/24(月) 23:48:58 :aJmt142Q

P「」かたかたかた

千早「……」

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」

P「」かたかたかた

千早「……」

P「」かたかたかた

千早「……あ、あの」

P「どうした?」

千早「……先ほど、目薬がないと仰ってましたが」

P「ああ、そうそう。結局まだ見つかってないんだ」 


47:2014/02/24(月) 23:50:10 :aJmt142Q

千早「もしよろしければ、私のをお使いになりますか?」

P「千早のを?」

千早「ええ。たまたま、同じものを持っていましたから。これ、ですよね?」すっ

P「んー……。厳密に言うと、同じではないんだけど」

千早「えっ」

P「まあ、目薬なんて似たものも多いから。貰っていいなら貰うけど……。いいのか? 見たところほとんど新品みたいだけど」

千早「え、ええ。私は構いません」

P「そうか。ありがとう」 


48:2014/02/24(月) 23:51:12 :aJmt142Q

ぽたっ

P「~~っ! やっぱり効くなぁ」

千早「そんなに効くものなんですか? 少し、お疲れなのでは……」

P「いやいや、このタイプはこういうもんなんだよ。だから千早もこれにしたんじゃないのか?」

千早「え? ええ、そうですね」

P「ありがとう、ちょっとリフレッシュできたよ」

千早「それは良かったです。では、片付けますね」

P「あれ、千早は差さないのか?」

千早「……え」 


49:2014/02/24(月) 23:52:07 :aJmt142Q

P「てっきり、自分が差すから出してきたのかと」

千早「……いえ。私は、特に疲れていませんし」

P「それでも、差せるうちに差しとくといいぞ。目の疲れって、気付きにくいからな」

千早「いえ、しかし……」

P「……?」

千早「……分かりました」 


50:2014/02/24(月) 23:53:04 :aJmt142Q

千早「……」すぅっ、はぁっ

千早「……では、いきます」ぐっ

P「いや、そんなに身構えなくても」

ぽた、ぽたっ

千早「~~~~っ!!」

P「……大丈夫か、千早?」

千早「だ、だいじょうぶ、です」

P「ならいいけど……」

千早(……め、目薬ってこんなに刺激の強いものだったのね)

P「おーい?」

千早「大丈夫ですから、気になさらないで、ください……」 


51:2014/02/24(月) 23:54:04 :aJmt142Q

P「」かたかたかた

千早「……」しゃかしゃか

P「」かたかたかた

千早「……」しゃかしゃか

P「」かたかたかた

千早「……」しゃかしゃか

P「」かたかたかた

千早「……」しゃかしゃか

P(今度は音楽を聴き始めたのか) 


52:2014/02/24(月) 23:55:29 :aJmt142Q

P「」かたかたかた

千早「……」しゃかしゃか

P「」

千早「……」しゃかしゃか

P「」ちらっ

千早「……」しゃかしゃか

P「んー……」かたかたかた

千早「……」ちら

P「」かたかたかた

千早「……」しゃかしゃか



千早「……」 


53:2014/02/24(月) 23:56:35 :aJmt142Q

P「」かたかたかた

千早「……」しゃか

千早「……」ぱちっ

P「」かたかたかた

千早「……ふぅ」

P「……あれ、やめちゃうのか?」

千早「えっ? ……ええ。少し聴きたい曲があっただけですから」

P「そっか」

千早「はい」 


54:2014/02/24(月) 23:57:44 :aJmt142Q

千早「プロデューサー。……ええと、その」

P「どうした?」

千早「……すみません。何を言おうとしていたのか、忘れてしまいました」

P「はは、よくあるよな。千早がそんなことを言うのは、珍しい気もするけど」

千早「そうですか?」

P「ああ。ま、俺の個人的な意見だけどな」

千早「それは、私が変わっているという意味なのでしょうか」

P「違う違う。単に、千早は何かを言いよどんだりするイメージがないってだけだ」

千早「それはいいことなのかどうか……」

P「まあ、いいことなんじゃないか?」 


55:2014/02/24(月) 23:58:39 :aJmt142Q

P「そういえばさ、千早」

千早「はい」

P「最近、事務所のみんなとはどうだ?」

千早「どう、と言いますと」

P「ん? どうって言ったら、ほら……。仲良くしてるか、とか。調子が悪そうな子はいないか、とか」

千早「調子が悪そうな人は……。あまり、感じません。どちらかというと、全員上り調子という気がします」

P「そっか。それならよかった」 


56:2014/02/24(月) 23:59:50 :aJmt142Q

千早「きっと、プロデューサーのおかげですね」

P「いやいや。それほどでも」

千早「……ふふっ。そこは普通、否定するところなのでは?」

P「かもな。でも、千早からお褒めの言葉をいただくとは思わなかったからさ」

千早「わ、私だって人を褒めることくらいあります」

P「わかってるわかってる」

千早「……むう。私って、そんなに無愛想に見えるんでしょうか」 


57:2014/02/25(火) 00:00:25 :0RywfKjM

P「そんなことないだろ。初めて会ったときはそう感じることもあったけど……。特に最近は、昔とは全然変わってきてるんじゃないか」

千早「……はい。それは自分でも思います」

P「春香たちのおかげかな?」

千早「ええ、きっと。春香はこんな私にも、優しくしてくれますから」

千早「春香や、律子。高槻さん。この事務所のみんなに会えて、本当によかったと思います」

P「そっか。じゃあ、明日は何かいいことがあるかもしれないな」

千早「明日、ですか? どうして……。あ」 


58:2014/02/25(火) 00:01:28 :0RywfKjM

P「そう。お前の誕生日だろ? きっとみんな、すごい気合いを入れて準備していると思うぞ」

千早「すっかり忘れていました……」

P「え、忘れてたのか? しまった、それならサプライズにして、驚かせるべきだった……!」

千早「相変わらず、肝心なところが抜けていますね」

P「うわー……。悔やんでも悔やみきれないな、これ」

千早「……大丈夫です。嬉しいという気持ちに、きっと変わりはありませんから」

P「違うんだよ。折角の、千早の驚いた顔が見られるチャンスを逃してしまったと思うと……!」

千早「もう。なんですか、それは」


千早「……ふふっ」 


59:2014/02/25(火) 00:02:34 :0RywfKjM

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ 


60:2014/02/25(火) 00:04:03 :0RywfKjM

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「ん、んー」

千早「……」ぺらっ

P「」ぐっ、ぐっ

千早「……」ぺらっ

P「」ぐるんぐるん

千早「……」 


61:2014/02/25(火) 00:05:35 :0RywfKjM

千早「……あの」

P「?」

千早「肩が、凝っているんですか?」

P「ん、まあ……。パソコンとにらめっこしてると、どうしてもな」

P「ストレッチとか、一応するようにはしてるんだけどなあ」

千早「そう、ですか。それでは」すっ

P「?」 


62:2014/02/25(火) 00:07:29 :0RywfKjM

とん、とん、とん

P「!」


千早「……本当ですね。すごく、肩、固くなっています」

P「千早、お前……」

千早「こうすると、少しでも楽になると聞きました。……合っていますか?」

P「いや、合ってる……。もう少し強くても、いいかもしれない」

千早「もう少し強く、ですね。分かりました」

とん、とん、とん、とん 


63:2014/02/25(火) 00:09:13 :0RywfKjM

P「ぁぁぁ……」

千早「くすっ。なんですか、今の変な声」

P「いや、ほんとに気持ちいいんだって……」

千早「そうですか。それなら、よかったです」

P「あー、肩たたきかぁ。もしも俺に……。……っと」

千早「もしも、なんですか?」

P「……いや、何でもない」

千早「そうですか」

P「ああ」

千早「……」

P「……」 


64:2014/02/25(火) 00:10:46 :0RywfKjM

千早「プロデューサー」

P「何だ?」

千早「……優しいんですね」

P「……そんなことないよ」 


65:2014/02/25(火) 00:12:07 :0RywfKjM

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかた

千早「……」ぺらっ 


66:2014/02/25(火) 00:13:12 :0RywfKjM

P「」かたかたかたかたかた

千早「……」ぺらっ

P「」かたかたかたかたかたかたかた!

千早「……」

P「」かたかたかた、たんっ!!

千早「……?」

P「いよっし、終わった!」

千早「もう、終わったんですか?」 


67:2014/02/25(火) 00:14:44 :0RywfKjM

P「もともと、今日は溜まってた報告書を上げるだけのつもりだったからな。ちょっと予定外で外出しちゃったけど」

千早「そうですか。お疲れ様です」ぱたん

P「うわ、もう外完全に暗くなっちゃってるな、もう少し早く終わらせるはずだったのに」

千早「本当ですね」

P「……」

千早「……」

P「……なあ、千早」

千早「何ですか?」

P「本当にこんな休日でよかったのか?」 


68:2014/02/25(火) 00:16:00 :0RywfKjM

千早「……どういう意味か、分かりません」

P「結局、大したこともできていないじゃないか」

千早「それは、そうかもしれませんけれど」

P「せっかく、リフレッシュする時間をとったんだからさ。もっと何かしたいことがあったんじゃないか?」

千早「そう言われましても、急には思いつきませんし」

千早「それに、ひとりきりであの部屋にいるよりは、きっと充実した一日ですから」

P「ここに居ても、ほとんど一人で過ごしてるようなものだったと思うけど」

千早「そんなこと、ありません」

P「そうか? ……なら、いいのかな」

千早「はい。今日はこれ以上ない、私にとっての休日でしたよ」 


69:2014/02/25(火) 00:18:07 :0RywfKjM

P「そうか。じゃあ、その締めくくりくらいは、ちゃんと二人で」

千早「?」

P「どこか、おいしいものでも食べに行くか?」

千早「……!」


千早「はいっ」




おわり 


70:2014/02/25(火) 00:19:44 :0RywfKjM

明日、もとい今日は千早の誕生日ですよー
誕生日ssはきっと他の方が書かれると思うので、それらの宣伝がてら、たまにはのんびり系を

個人的にはこのくらいの距離感の千早が好きです
コミック蒼い鳥とか、いい感じの千早でしたよね(すてま)


お付き合いいただいた方がもしいらっしゃれば、本当にありがとうございました
おやすみなさい 


元スレ
http://jbbs.shitaraba.net/internet/14562/storage/1393248132.html