2007/01
2007/01/30
どろろ
手塚治虫原作の漫画を映画化。
奪われた身体を取り戻すために魔物と戦う男”百鬼丸”(妻夫木聡)と自称天下の大泥棒”どろろ”(柴咲コウ)の血塗られた珍道中を描く。
原作は10年以上前に一度だけ読んだことがある。
百鬼丸の魔物と戦いを通して人のエゴや業を浮き彫りにするような内容だったかと記憶している。三巻で突拍子もなく結末を迎えた気がする。最後の方はよく覚えていない。
さて、映画版「どろろ」であるが、いや〜・・・面白いねぇ。
すごいわ。
何がすごいって、アクションがすごい。
魔物との闘いのアクションシーンがすごい。
魔物のCGやキグルミがとってもチープで素敵なのがすごい。
そのチープさを生かした仮面ライダーやウルトラマンを彷彿とさせる戦闘シーンがすごい。
往年の特撮ヒーローものを見て育った俺としては、感涙モノ以外の何者でもない。
魔物三連戦のクライマックスで、百鬼丸の放ったツマブキ・ライダーキックにはシビれたわ。
つうか、劇場でたぶん俺だけ大爆笑!!
あまりのバカバカしさに、往年の特撮ヒーローものに対する深い愛情を感じた。
この百鬼丸VS魔物三連戦のシーンは、1970年代特撮ヒーローものに対するオマージュと看たが、深読みしすぎだろうか?
ツマブキ・ライダーキックは中盤のクライマックスなわけですが、これ以降は俺的にはどうでもいいメロドラマになっていて残念。
つまらなくはないけどね。
本作で、柴咲コウは”どろろ”というマニッシュな役どころを好演している。どう見ても女にしか見えないのは愛嬌として、この女優さんは歌うたわせても上手いし、器用な人だな。
妻夫木聡は、百鬼丸演るには甘すぎるマスクかと思ったが、悪くなかった。
脇役も中井貴一、原田芳雄、原田美枝子、瑛太、劇団ひとり(笑)などちゃんとした俳優さんを起用しているので、安心して観れました。
でも、土屋アンナはイマイチだな。
オススメ
★★★☆
主観
★★★★
2007/01/29
幸せのちから
どんぞこの淵から、一流企業への就職を果たした男の物語。
事実に基づかれた作品らしい。
主演はウィル・スミスと実子のジェイデン・スミス。親子初共演らしい。
人生は思うようには行かない。
医療機器のセールスマンである主人公クリス・ガードナーは、売り上げもままならず、家賃も滞納気味だ。
苦しい生活のせいで妻との関係もうまくいっていない。
5歳になる最愛の息子クリストファーのためにも必死に商品を売り込む毎日を送るのだが、商品は売れず、車は駐車禁止のため、レッカー移動されて、まさに踏んだり蹴ったり・・・
そんなある日、クリスに転機が訪れる。
大手証券会社のスタッフ養成プログラムの募集を目にした彼は、さっそく履歴書を持って、オフィスへ駆け込むのだった。
しかし、養成プログラムは過酷を極める。
6ヶ月の間、給料無し。研修終了後に正社員として採用されるのは20名中たったの一名。
愛する息子のため、人生を賭けたクリスの奮闘は果たして身を結ぶのか・・・・・・
主人公クリスの崖っぷち人生が非常に痛い。痛みを伴って共感できる。
クリスは、経済的には崖っぷちの生活を送っているが、その持てる資質は高い。
ただとにかくツキがない。基本的には悪い男ではないのだが、ツキがない。
襲い来る災難に次ぐ災難。
面接の前日にあんなことになるし、セールスの商品の骨密度測定器はあんなことになるし、ヒッピー追いかけたら車に轢かれるし、税金滞納であんなことになるし・・・
こんな表現だと御幣があるかもしれないが、とにかくスリリングなんだよ。
スリリングな演出の中で、主人公クリスを応援している自分に気づいた。
けっこう感情移入しちまった。
(ただ、無賃乗車はよくないよ・・・)
なんにせよ、世の中にはその才能を生かしきれずに野に潜んでいる人たちはたくさんいるんだろうな。
思ったより感動作ではなかったが、感情移入度は高かった。
いかにもアメリカ的な映画だが、いい作品だと思う。
オススメ
★★★☆
主観
★★★★
2007/01/28
不都合な真実
俺は時々こう思う。
人類は潜在的な総意として、自らの滅亡を望んでいるんじゃないのだろうか?
人々は、少しだけ楽をするだけの理由で、自らの脚で歩く事をやめ、その代わりに地球温暖化の一因ともなる物質を放出している。
人はその生活圏を広げるに際して生態系を破壊し、破壊された環境を取り戻すことは、破壊行為に比べて呆れるほどに難しい。
アメリカは目先の利益の為に京都議定書に調印をする事はなく、中国はその発展の過程で地球環境を顧みない。
人々がほんの少し何かを我慢すれば、今よりマシな状況になるかもしれないのに、人々は対極的な帰結から目を背けている。
負の遺産を次世代に残して、ツケを次世代に支払わせることに疑問を持たない人々が、あまりにも多すぎる。
そんな人々を見ていると、俺は時々こう思う。
人類は潜在的な総意として、自らの滅亡を望んでいるんじゃないのだろうか?
俺もそんなに偉そうな事を言える生活はしていないけどな・・・
さて、映画の話をしよう。
「不都合な真実」は、”一瞬だけ大統領になった”(この辺の顛末はマイケル・ムーア監督の「華氏911」でも触れられていた)アル・ゴア元副大統領の地球温暖化に関する講演の模様をドキュメンタリーとして映像化した作品である。
地球温暖化の深刻な状況と、それよって起きる異常気象や自然災害について語られる。
このまま温暖化が進み、寒冷地や極の氷が解けてしまったら、地球の多くの都市が水没するらしい。
大統領候補にまでなるだけあって、アル・ゴアのプレゼンは堂に入ったものがある。時にユーモアを交え、時に深刻に訴えかける。
講演の最後に、ゴアは結論付ける。
最悪の状況は避けられる。
対策を講じれば、CO2排出量は1970年代のレベルにまで落とせる。
それには、みんなが少し我慢しなければならない。
ゴアの描いた未来予想図は、以外にも明るい。
が、人類にそこまでの叡智があるだろうか?
人は、そこまで賢くはないだろう。
きっと、この映画を観て何かを感じ、少しだけでも生活を変えようと思った日本人たちも、飯喰って糞して寝たら、そんなことも忘れちまってるよ・・・・・・(※)
それが人の背負った性、カルマってヤツかもしれないな。
ヌルい日本の生活圏では温暖化なんて、今のところは差し迫った問題ではないしな。
若い友人は言った。
「あの地球温暖化の映画でしょ?ん〜、でもつまんなそう・・・」
所詮その程度の認識だ。
(※)一般の認識はアマいかもしれないが、日本製品の省エネ率は非常に高いです。日本の技術はバカに出来ません。
譬えるなら、現在の人類は、宿題を残した夏休み終了10日くらい前の小学生といったところかもしれないな。まだ10日ある、まだ一週間あると思っているうちに8月31日を迎えちまったりしてな・・・
そこではじめて本気で宿題と向き合うと・・・
(8月31日の小学生くらい本気になれば、課題もクリアできるかもしれないな。)
最後にエンドクレジットで、一般の人でもすぐに始められそうな行動が提言として表示されていた。
”出来るだけ徒歩や自転車で移動しよう”とか”省エネ家電”を使おう”などという提言に紛れて”環境問題に取り組む政治家に投票しよう”だってさ・・・
結局はそこか・・・
まあいいんだけどさ・・・
”環境問題に取り組む政治家に投票しよう”=”私に投票しなさい!!byゴア”と曲解せざるを得なかった・・・
穿ちすぎか?
2007/01/27
ダーウィンの悪夢
淡水湖としては世界第2位の大きさを誇るヴィクトリア湖。
この湖に外来魚であるナイルパーチが放流された。
肉食のナイルパーチは、在来種を駆逐し、湖周辺の生態系は崩壊した。
一方、湖畔にはナイルパーチを加工して、欧州へ輸出するという一大産業が誕生。
ナイルパーチがもたらす利益を求めて湖畔には人々が集まる。
しかし、そこでは貧困、売春、ドラッグ、ストリートチルドレン、エイズといった様々な問題がドミノ倒しのように連鎖するのであった・・・・・・
それは、まさに光と影。
湖畔周辺のスラムでは、ストリートチルドレンが生活している。
蔓延するHIVウイルス、親をエイズで亡くした子供たちも多い。
少女は年長の少年から性的虐待を受け、それを避けるために年少の少年たちと行動を共にするという。
子供たちは、ナイルパーチを欧州へ送る際の梱包材を火で溶かして、シンナーのような劇物を作成する。気化したその劇物を吸引することによって、生きていく痛みから逃れるという。
この過酷な現実から目を背けたくなった。胸が痛んだ。
ナイルパーチという魚は日本にも輸出されているという。
日本では白スズキという名称流通しており、レストランや加工食品に使用されているという。
我々の生活は、後進国からの搾取によって成り立っている。
多かれ少なかれ、この映画で語られている現実は、世界のどこかで常に起こっていることなのだろう。
そして、これからも起こり続けることなのだろう。
世界は苦しみに満ちている。世界は痛みに満ちている。
どうすれば世界を変えることが出来るのか、そんなこと俺には分からない。
すべての人を救うことは出来ないし、自分自身の苦しみすらも払拭できない。
おそらく世界なんて変えられない。
それでも出来る事からやって行くとするか・・・
1クリック救える命がある。
http://www.dff.jp/
映画はドキュメンタリー映画としては、掘り下げが甘い気もするが、欧州からアフリカへの武器密売などにも言及していて興味深く観れた。
2007/01/26
しばじゅん、あたりました!
HMVのポイントカードには期限がある。
今月、1月25日までに使用しないと、せっかく溜めた99ポイントが無駄になってしまう。
しばらくお気に入りアーティストのリリースがないので、ツアー先行予約の通知が封入されているという柴田淳の「HIROMI」というシングルを購入したのは、先日の記事の通り。
このシングルには2月9日に渋谷で執り行われるというPV上映会&トークショーの入場権が当たる応募ハガキが付いていた。
何気なく応募していたのだが、今日当選ハガキが届いていた。
奇しくもこの日は、会社の半期に一度の立食パーチーの日だ。
ハガキを出した時点では、そんなこと気にも留めなかった。
というか当たると思わなかった。
dorlisのプレミアムCDも、mihimaru GTのラジオCDも、俺が応募するお気に入りアーティストの懸賞は、けして当たる事が無かった。
今回もハズれると思っていた。
むしろ、しばじゅんよりdorlisの方が思い入れは深い。
村上春樹風に言うと、
”ほんとうに当選して欲しい時には、決まって当選しない。
そういうものだ。”
ってところだな・・・
20:30OPENということなので、時間的に言ってパーチーを喰うだけ喰って退散すれば、間に合うな。
職場の熱心なしばじゅんファンと誘い合わせて、渋谷 シネマGAGA!に突撃するか。
2007/01/21
それでもボクはやってない
周防正行監督の最新作は、痴漢に間違われるという世の男にとっては悪夢のようなシチュエーションを、淡々と進行していく取調べと公判を通して描く社会派法廷サスペンスドラマ。
周防監督自身による脚本は、緻密にして臨場感に溢れている。綿密な取材を行ったことがうかがえる。
主人公は、満員電車の中で痴漢行為を疑われてしまった26歳の不運なフリーター金子徹平(加瀬亮)。
彼がどれだけ犯行の否認をしても、取調べの警察官も当番弁護士(最初だけ無料で相談にのってくれる当番制の弁護士さん)も耳を貸そうとしない。
金子の有罪を前提に進行していく取調べや公判な中で、金子は叫ぶ。
”それでもボクはやってない”
周防監督が、伝えたかったのは、この国の司法制度の矛盾。
ずさんな取調べ、事務的な裁判。
無実を訴える被告側が、無罪の立証をしなければならないという事実。
調書を意図的に有罪の立証へと誘導できる検察側から比べると圧倒的なビハインド。
巧妙に仕掛けられた罠に嵌まりこんでいく恐さ。
考えれば考えるほど恐ろしいシチュエーションだ。
なんというか、違う意味で”ソリッド・シチュエーション・ホラー”だな・・・
”十人の真犯人を逃すとも 一人の無辜(むこ)を罰すなかれ”
”疑わしきは罰せず”
裁判の処理件数によって裁判官の査定が行われているという現在、効率主義の前に司法の理想や理念は揺らぎつつある。
いや、最初から人が人を裁くことには限界があるのだろう。
だからこそ、基本理念が重要なのである。
司法制度は完全ではない。
それは仕方がない。
完全は望まないが、なんとか改善してほしいものだ。
つうか、痴漢したり、手鏡でパンツの中を覗いたり、「ミニにタコが・・・」とか言い訳するような人たちが一番いけないんだけどな。
俺的には興味深く鑑賞する事が出来たけど、ちょっと淡々としすぎていて、周防監督の前作「Shall We ダンス?」的なコメディを期待すると、ちょっと肩透かしを食らうかもしれない。
オススメ
★★★☆
主観
★★★★
2007/01/20
ディパーテッド
監督:マーティン・スコセッシ。
出演:レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーク・ウォールバーグ、マーティン・シーン、アレック・ボールドウィン他。
香港映画「インファナル・アフェア」のハリウッド版リメイク。
基本的なストーリーは同様だ。
マフィアに潜入した捜査官と警察に潜入したマフィアのスパイ。それぞれの葛藤を軸にストーリーは進む。
オリジナルが存在するだけに、どうしてもオリジナル版とハリウッド版の比較になってしまうのだが、ハリウッド版はソツがない作りになっている代わりに、大事な何かを失ってしまったようだ。
何というか、全体的にドライなんだよな。
各登場人物の関係性が希薄なんだよな。
オリジナル版は、脚本に多少の粗さはあるが、人間関係やそれぞれの思いが巧く表現されていたように思う。
例えば、ディカプリオの表情からは苦しみは感じ取れても、深い哀しみは感じ取れない。(トニー・レオンは偉大だと思う)
例えば、マット・デイモンの表情や行動からは、何も共感するところはない。
例えば、潜入捜査官ビリー(ディカプリオ)とクイーナン警部(シーン)は、ただ単に上司と部下というだけで、それ以上の絆が無い。
例えば、ディカプリオとデイモンのクライマックスの絡みからは、何の哀愁も感じない。
こういった点から見てもオリジナル版に大きく劣る。
ただ、ジャック・ニコルソンとマーク・ウォールバーグの存在感は面白かった。
オリジナル版を観ていなければ、「レザボア・ドッグス」みたいなフィルム・ノワールとして、もうちょっと楽しめたかもしれない。
とはいえ退屈はしませんでした。
オススメ
★★★
主観
★★★★
オマケ
上映後、40代くらいの紳士が妻らしき女性に向かってしきりにこう話していた。
「韓国版の方を見た方から言わせてもらうと・・・」
「韓国の方はあれだな・・・」
「韓国は・・・・・・」
すんごいツッコミたかった・・・
するってぇとお前さんの耳には、”ワーイ?(広東語で『誰』)”も”トイブチー(北京語で『すみません』)”も、すべてハングル語に聞こえるんですカムサムニダ?
ネタバレなので、これ以降の記事は、未鑑賞の方はご注意ください。
そして、結末について・・・(「インファナル・アフェア」と「ディパーテッド」双方のネタバレ)
オリジナル版のテーマである無間地獄(絶え間ない責め苦に苛まれ続ける)という観念をバッサリ切り落としている。
生き残ることこそ、最大の地獄であり、その苦しみを抱えて生きていくことこそが”罪”に対する”罰”であるというテーマは、おそらくスコセッシには理解できなかったんじゃないか?
いや、一般的なアメリカ人には理解できないものとして切り捨てたか?
2007/01/18
インファナルアフェア3
本日は三作目。
三作目は、一作目のラストシーンを境に時間軸が前後する。
新キャラクターを加えて、一作目の謎を解き明かす。
アンディ・ラウとトニー・レオンが帰ってきたので、俄然物語が引き締まる。
スタイリッシュな映像も復活して、飽きさせない展開だ。
が、後づけ感は否めないな。
それでも、前作を逆手に取ったオチにはやられた。
ただしヤツは何をしたかったのか・・・?
さっぱり解らん。
まあ、ネジが外れちまったんだろうな。
ラストはやっぱり無間地獄な感じ。
さて、この仏教的観念をテーマにした無間道(原題?)をマーティン・スコセッシがどう料理してくれるのだろうか?
違う意味で楽しみだ。
2007/01/17
インファナルアフェア1と2
俺とスコセッシ作品は、非常に相性が悪いのだが、きっと観に行くと思う。
「ディパーテッド」は、香港映画「インファナルアフェア」のリメイクである。
そんなわけで、DVDをレンタルしてきた。
シリーズ三作まとめてレンタルしてきた。
一作目を昨日、二作目を今日鑑賞した。
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説明しよう。
「インファナルアフェアシリーズ」は、マフィアに潜入した捜査官と警察に潜入したマフィアのスパイが紡ぎ出す苦悩に満ちた闘いを仏教思想の”無間地獄”になぞらえたクライムサスペンスなんだ。
”無間地獄”という言葉は、オ○ム真理教の信者達がよく口にしていたので耳にしたことのある人もいるかもしれない。罪人が堕ちる地獄の一つで絶え間なく苦しみに苛まれるゆえに、無間地獄と呼ばれているんだねぇ。(ナレ:富山敬)
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一作目は、さすがに面白かったが、ラストは消化不良。
釈然としないが、どうやら謎は三作目まで引っ張るらしい。
トニー・レオンとアンディ・ラウは、さすがにすごい存在感。
俺はレオンの憂いを含んだ表情に惚れた。
映像やカット割りも何だかスタイリッシュ。
二作目は、一作目の過去の話。
一作目のレオンとラウの役は、若手俳優が演じていた。
やはりレオンとラウの抜けた穴が大きい。
前作のスタイリッシュさもどこ吹く風だ。
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三作目はすべての謎が明らかになるらしい。
明日にでも観るか。
2007/01/16
柴田淳という名のシンガーソングライター
それほど大きなタイアップ曲はないのだが、じわじわと売れてきて、最近ではシングルを出せば、確実に週間チャートのトップ10入りするくらいになってきた。
俺の職場には、柴田淳のデビュー当時からのファンがいる。
仮にHさんとしておこう。
Hさんのおかげで俺も柴田淳を知ることができたのだが、今のところ、俺は彼ほどの熱は上げていない。
柴田淳の独特のしっとりとしたボーカルは美しいと思う。ピアノの音色との相性も素晴らしくよい。
が、彼女の紡ぎだしたメロディは、俺の音楽的スウィートスポットからはちょっと外れている。
ただ、ベスト盤とも言える「シングルコレクション」の中には、かなりツボなナンバーも存在するにはする。
先日、柴田淳の新譜「HIROMI」というマキシシングルがリリースされた。この新譜には柴田淳デビュー3年目(5年だっけ?)にして初となるらしい有料ライブの先行販売のチラシが封入されていた。
「HIROMI」を聴きながら、美しいボーカルとピアノに心をたゆたわせていると、Hさんの言葉が脳裏をかすめた。
お金とってやるライブは初めてなんですよ。
ツアーなんて最初で最後かもしれませんよ・・・
せんよ・・・
えんよ・・・
えんよ・・・
んよ・・・
んよ・・・
よんよんよんよんよんよんよん・・・
クワッ!!
こりゃ、チケ取るか。
急遽そんな気持ちになったので、14日の13時から電話かけた。
専用ダイヤルにかけてみた。
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
つながんないや(*´д`*)
某SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のコミュニティを見たら、みんなつながってない模様。
まあ、のんびり構えて電話をかけ続けた。
約35分後につながった。
夜ローソンに行ってチケット購入してきた。
1階13列右ブロックだった。
今日、Hさんにチケ取れたか訊いてみた。
携帯と公衆電話(HさんちはIP電話なので専用ダイヤルにはかけられなかったらしい)でかけ続け、つながったのが2時半くらい。
2階席だって・・・
ごめん、Hさん。
Hさんの方が熱心なファンなのに、俺の方がいい席取っちまった。
つうか、連絡取りあって協力して取ればよかったかもね・・・
もうひとり職場にいるHさんと同じくらい柴田淳の熱心なファンのSさんは、チケット取れただろうか?
今は、名古屋に行っているそうなので、俺には知る由も無いのだが・・・
2007/01/14
ラッキーナンバー7
映画を鑑賞した。
「ラッキーナンバー7」、
インディーズ作品ながら、メジャーでも主役級の役者が多数出演している話題作だ。
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あらすじ
ニューヨーク、この街の暗黒街にふたりの大物が存在した。
ひとりは、”ボス”と呼ばれるアフリカ系マフィアの親玉(モーガン・フリーマン)。
もうひとりは、”ラビ”と呼ばれるユダヤ系の親玉(ベン・キングスレー)。
ふたりの大物は、互いに暗殺されることを恐れて、向かい合う高層ビルの屋上を一歩も出ることなく、手下に命令を下していた。
しばらくの間、保たれていた均衡は、ある事件をきっかけに崩れ始める。
”ボス”の息子が狙撃されて命を落としたのである。
息子の暗殺を”ラビ”の命令だと疑う”ボス”は、”ラビ”の殺害を伝説の殺し屋”グッドキャット(Goodkat)”(ブルース・ウィリス)に依頼するのだった・・・
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職を失い、住んでいる部屋を追い出され、恋人に浮気されたスレヴン(ジョシュ・ハートネット)は、友人のニックをたずねてNYを訪れる。
不在のニックの部屋で過ごしていると、ふたり組のマフィアが現れて、スレヴンをニックと間違えて”ボス”の元へ連行する。
連行された先で、”ボス”はスレヴンに命令する。
借金を返す代わりに、”ラビ”の息子を殺害しろ・・・
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物語は、ニックの隣人リンジー(ルーシー・リュー)やNY市警の刑事ブリコウスキー(スタンリー・トゥッチ)を巻き込んで、思わぬ方向へむかって行くのだった・・・
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映画ファンなら垂涎モノのキャスティングと、謎めいたストーリー。
マフィアの抗争を縦軸に、ジョシュ・ハートネットとルーシー・リューの恋愛を横軸に、物語はスリリングに展開される。
この物語の裏のからくりは、きっと勘がいい人なら中盤あたりで気づくと思う。
それでも面白いプロットだと思う。
おぼろげながら見え隠れするヒントが、ジグソーパズルのピースの様に、カチリとはまり込んで行くのは、気持ちいい。
ハードボイルドな世界観も含めて、この映画はけっこう好きだな。
主演のジョシュ・ハートネットとルーシー・リューの関係がなかなかに素敵だった。
ただひとつ、この物語の起点となるエピソードに疑問を感じる。
それが無ければ、あのラストシーンもあり得ないんだけどな。
オススメ
★★★
主観
★★★★
2007/01/13
愛してよ
監督 福岡芳穂
出演 西田尚美、塩顕治、松岡俊介
シングルマザーの美由紀は、10歳の息子ケイジをモデルとして成功させようと習い事やオーディションに忙しい毎日を過ごすステージママ。
一方ケイジの方は、そんな毎日に不平を言うわけでもなく、ただ無気力に過ごしていく。無気力に過ごす中で、大人たちの行動や心情を冷静に観察し、分析している。
子供を愛する事が出来ない母親、愛される事を望みながらそれを表面に出さずに無気力に生きる息子。
揺れ動くシングルマザーの心情と子供の視線の対比が面白いが、ふたりの関係性は、観ていて少し痛い。
由紀子は語る。
「母親だから子供を愛さなきゃいけない。
じゃあ、私のことはいったい誰が愛してくれるの?」
違うだろ?
お前は子供を飛び越えて自分の幸せしか考えていないだろう?
ケイジと由紀子の元夫沢木(ケイジの実父)との関係も、どこか欠落している。
久しぶりにあった、息子に小遣いを渡して、お茶を濁す父親。
そうじゃねぇだろう?
子供が欲しがっているのは金じゃねぇんだよ・・・
数日後、沢木はケイジと共に父親らしいひと時を過ごすのだが、別れ際ケイジの目の前である行動を起こす・・・・・・
押し付けがましい作品じゃないが、”親になる資格”を観るものに問う内容になっている。
登場人物のほとんどが、それぞれ痛みや悩みを抱えている。
その痛みゆえに、とってもイヤなヤツらだ。
服飾デザイナーの人(鈴木砂羽)だけ、すごくいい役なんだが、 この人、イヤな役の方が似合うんですけど(笑)
ラストはちょっと急ぎすぎな感じで、納得はいかない。
もう少し丁寧に母親の心情の変化、心の機微ってヤツを表現して欲しかったな。
冒頭の子役によるナレーション、「人生はくじ引きの連続で、当たりの日もあれば外れの日もある」のように、フレーズ単位で聞くと面白い台詞が散りばめられている。
なので、その寄せ集めの予告編の出来が非常によろしい。
公式HPの監督のインタビューもなかなか面白かった。
主人公の子役には、台本を渡さなかったという演出方法には驚かされた。
http://www.aishiteyo.com/
オススメ
★★★☆
主観
★★★☆
2007/01/12
ヒストリー・オブ・バイオレンス
監督は鬼才デビッド・クローネンバーグ。
主人公は、『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルン役で有名になったヴィゴ・モーテンセン。
脇を固めるエド・ハリス、ウィリアム・ハントの演技も物語を絞めていた。
主人公の妻役のマリア・ベロも巧いね。
妻とふたりの子供と共に静かに暮らす一人の男、トム・ストール(ヴィゴ・モーテンセン)。
彼には、人には明かせない過去がある。
ある日、経営するカフェに二人組みの強盗が押し入り、反射的にその場を鎮めたトム・ストールは一躍時の人になってしまう。
数日後、見るからに堅気ではない男たちが彼を訪ねてやってくる。
黒尽くめの男(エド・ハリス)は、 トムをジョーイ・キューザックと呼ぶのだが・・・
この物語からは何の教訓も得られなし、生きていく上での足しにはならないのかもしれない。
そもそも実際の”ヒストリー・オブ・バイオレンス”(暴力の歴史)から、人類は何も学んではいない。
9.11以降の迷走した世界と重ね合わせてそんな風に思った。
主人公は息子に「暴力では何も解決してはならない」と説教を垂れながらも、議論が白熱すると激昂して殴りつける。
きっとそれは人の背負った業なのかもしれない。その背負った業からは何者も逃れられない。
最終的に、主人公は帰るべき場所に戻るわけだが、そこは以前と同じような場所かは分からない。
それでも主人公と家族は、あの場所でその関係性を修復して生きていくんだろうな。
そんな結末だった。
登場人物を勝手にイラク戦争における各国の対応に当てはめてみた。
夫・・・米(いざとなれば、血がたぎるのを隠し切れない)
妻・・・仏・独(意見は対立するも、離れる事は出来ない)
長男・・・英(なんなら一緒に闘うか?)
長女・・・日(もうお父さん大好き!!)
マフィア・・・イラク(とりあえず大嫌いな奴にちょっかい出したいです)
ちょっと強引か・・・
オススメ
★★★☆
主観
★★★★
(レンタルDVDにて鑑賞)
2007/01/11
グランドスラム(12/2〜12/30までの軌跡)
12/2(土)、TOHOシネマズ系列の1ヶ月フリーパスを手に入れた俺は、とにかく映画を鑑賞しまくった。
猿のように鑑賞しまくった。
それから4週間が経過した。
そして、ついにTOHOシネマズでその期間中に上映している作品をすべて観尽くすという快挙を成し遂げた。
この4週間、フェイバリットアーティストのライブも重なり、スケジュールは多忙を極めた。
その代わりに得た達成感と満足感は深く大きい。
あくまで自己満足に過ぎないことは否定できないが、それでも大満足である。
そういえばグランドスラムを達成したのは、8年ぶりくらいかな。
当時はまだTOHOシネマズ海老名は無かったころだ。
ワーナーマイカル海老名で上映中の作品を全作品鑑賞してひとり悦に入ったものだ。
さて、以下は無料で鑑賞した映画の履歴である。
1 2006/12/30 劇場版どうぶつの森
2 2006/12/23 大奥
3 2006/12/23 リトル・ミス・サンシャイン
4 2006/12/23 シャーロットのおくり
5 2006/12/23 王の男
6 2006/12/19 NANA2
7 2006/12/18 プラダを着た悪魔
8 2006/12/17 犬神家の一族
9 2006/12/17 劇場版BLEACH
10 2006/12/16 エラゴン(字幕版)
11 2006/12/16 デスノート(後編)
12 2006/12/16 (吹)ライアンを探せ!
13 2006/12/12 SAW3
14 2006/12/10 硫黄島からの手紙
15 2006/12/10 オープン・シーズン(日本語版)
16 2006/12/09 敬愛なるベートーヴェン
17 2006/12/08 武士の一分
18 2006/12/08 007/カジノ・ロワイヤル
19 2006/12/06 トゥモロー・ワールド
20 2006/12/03 木更津キャッツアイ ワールドシリーズ
21 2006/12/03 涙そうそう
22 2006/12/02 7月24日通りのクリスマス
23 2006/12/02 ただ、君を愛してる
24 2006/12/02 椿山課長の七日間
25 2006/12/02 手紙
これに加え、川崎チネチッタでポイントで無料鑑賞した「麦の穂を揺らす風」と、合計26本の映画を一月で無料鑑賞したことになるな。
26×1200円(レイトショー料金換算)として、31200円分を観たおした事になる。
我ながらすげぇ鑑賞量だ・・・
2007/01/10
劇場版どうぶつの森
年末の押し詰まった時期に姪っ子を連れて『劇場版 どうぶつの森』を鑑賞してきた。
当初、5歳になる子だけの予定が12歳の子も同行する事となった。
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説明しよう。
『どうぶつの森』とは任天堂社の誇る携帯ゲーム機ニンテンドーDS用のゲームソフトである。
プレイヤーは”どうぶつの森”の住人となって、気軽にのんびり田舎暮らしを楽しむという自由なゲームである。
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劇場版は、ゲーム版のシチュエーションをフィーチャーしてアニメ化したような印象。
テーマは、”夢を持つことの大切さ”。
前半、状況を説明するためにゲームと同じような流れで話が進み単調。かなり退屈だ。
後半は、よどみなく話が進むが、大人の鑑賞には堪えない。
テーマも、夢を持つことの大切さとか言っているが、主人公の夢があいまいでちっぽけ過ぎる。説得力が足りない。しょせん子供だましだ。
多彩なゲームキャラが出演していたのは面白かっただろうけどね。(リセットさんは、様々なルール違反に説教する役だった。劇場版でリセットするのはあり得ないからね)
とはいえ、姪っ子ふたりともそれなりに楽しんでくれたようだ。
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この作品を鑑賞することで、TOHOシネマズの1ヶ月フリーパスを使い切った。
1ヶ月間のすべての上映作品を観尽くした。
満足である。
2007/01/09
2007/01/08
大奥
江戸時代の大奥の話。
あらすじ(超適当)
時は第七代将軍・家継の時代。
六代将軍・家宣の正室・天英院(高島礼子)には子供が居ない。
将軍・家継の母は、先代の側室・月光院(井川遥)である。
庶民の出である月光院は、天英院の派閥から執拗な嫌がらせを受けて、月光院の側近・大奥総取締の絵島(仲間由紀恵)も気苦労が多い。
そんなある日、月光院と家継の後見でもある能役者出身の家老・間部詮房(まなべあきふさ:及川ミッチー)がデキてるんじゃないかという噂が立つ。
噂はあっても証拠が見つからない天英院サイドは、絵島に歌舞伎役者の生島新五郎(西島秀俊)をあてがい口説かせて、口を割らせようと画策する・・・・・・
ん〜〜〜、なんか無駄に絢爛豪華だね。
ギバちゃんとかチョイ役ででてるし、カメオ(友情&特別)出演多いし。
とりあえず、無理やり火事になったけど、火事のシーンは必須だったんだろうな。
まあ、ドロドロとした女の情念と権力闘争が入り混じって、目も当てられないシチュエーションを醸し出している。
そこが見所なんだろうな。
とにかく、高島礼子サイドのイジワル軍団がスゴい。
高島はじめ、杉田かおる、浅野ゆう子、松下由樹、木村多江・・・
最強軍団だ。
影の軍団だ。
こえぇ・・・
げに恐ろしきは女の情念、ってか?
オススメ
★★☆
主観
★★☆
2007/01/07
シャーロットの贈り物
仔豚が主人公。
ヒロインが蜘蛛(声:ジュリア・ロバーツ)という動物もの。
アニマトロニクスを使用してヒットした「ベイブ」の後継作品か?
テーマは食物連鎖から生命の輪、人間の都合によって翻弄される家畜の運命、差別、本質とは何か、など、多岐に渡る。
子供向けと思っていたら、意外に面白かった。
字幕版を鑑賞したのだが、シャーロット(蜘蛛)役の声優がジュリア・ロバーツだったり、アヒル夫婦の、旦那がアフリカ系アメリカ人的なHipHopな喋り方で、妻がイギリス英語でお上品だったりして面白かった。もしかしたら有名な俳優が声を当てているのかもしれない。
テーマ性から考えるに、子供の情操教育には最適の佳作かもしれない。
この冬の子供向け映画では、俺はこれが一番好きかな。
オススメ
★★★☆
主観
★★★☆
2007/01/06
リトル・ミス・サンシャイン
アリゾナ州に住むオリーヴ・フーヴァー(推定年齢10歳)の夢は、ビューティー・クィーンになること。
ある日、オリーブはカリフォルニアで開催されるミスコンに繰り上げ参加をすることが決定し、家族そろってオンボロのフォルクス・ワーゲン・ミニバスに乗り込み、一路カリフォルニア、レドンド・ビーチへ目指すのだが・・・
社会の構成単位としては最小とも言える”家族”の絆を描いたロードムービー。
オリーブを取り巻くフーヴァー家の面々は皆、強烈な個性を放っている。
父親のリチャード(グレッグ・キニアー)は、成功するための9ステップのプログラムという成功論を考案し、出版社に売り込もうと躍起になっている。
母親のシェリル(トニ・コレット)は、毎晩の夕食にファーストフードを饗し、兄のドウェーンは、パイロットになる夢を叶えるための願かけとして数ヶ月前に言葉を発することをやめてしまった。
グランパ(アラン・アーキン)は、マリファナ片手にポルノ雑誌をめくるファンキーじじい。
伯父のフランク(スティーヴ・カレル)は、ふられた挙句に自殺未遂をしてしまったゲイの文学者。
オンボロのミニバスは、道中早い段階でぶっ壊れる。
クラッチ系のトラブルで、発車するには坂道発進で坂を下ってからクラッチを入れるか、家族全員による押しがけをするしかない。
一見バラバラな家族も、押しがけをする時だけは団結している。
その画が限りなくシュールだ。
カリフォルニアまでの道のりは長く険しい。
ミニバスのトラブルどころではない事件も起こるのだが、大きな困難を乗り越えてたどり着いたフーヴァー一家の前途は、きっと明るい。
家族全員負け組かもしれないけど、きっと明るい。
ラストシーン、心をひとつにした一家の姿にニヤリとさせられた。
人生は勝ち組や負け組という範疇では括れない。
そんなメッセージが、シュールでシニカルな演出と共に散りばめられた、インディーズらしい作品だ。
オススメ
★★★☆
主観
★★★☆
2007/01/05
『しあわせの箱を開くカギ』植村花菜
2007年1月4日、植村花菜の24回目のBirth Dayに彼女の新譜がリリースされた。
メジャー2枚目となる『しあわせの箱を開くカギ』は、彼女が先日のライブで語ったように、バラエティに富んだ内容で、中には新境地とも言える楽曲も含まれている。
1stアルバム『いつも笑っていられるように』と比べると、だいぶ垢抜けた印象だ。
これは、アレンジャー(先日のライブでのKey担当澤近泰輔さん)の力かな?
1stの荒削りな印象も大好きだが、今作もいい”ねっ!”
植村花菜のメッセージはいつもシンプルだ。
『いつも笑っていられるよう』に続く『しあわせの箱を開くカギ』。
彼女の”しあわせの箱を開くカギ”は”いつも笑顔でいること”らしい。
そして、1stアルバムの楽曲『歌いたいから歌うだけ』に続く2ndアルバムM-11『花』で、植村は歌う。
”私はずっと ずっとここにいるよ
何があっても 夢を信じるから
私はずっと ずっと変わらないよ
どこに行っても 歌い続けるから”
植村花菜の音楽に対する姿勢が窺える。
植村花菜が歌い続ける限り、俺も彼女を応援していこう、先日のライブでそう想った。
”みんなの声が いつだってチカラになる”
彼女もそう歌っているからな。
ちなみにM-11『花』の編曲は、ALFEE坂崎幸之助さん。演奏は、植村花菜と坂崎さんのツインギター。
01.紙ヒコーキ
02.物語(ストーリー)
03.私でよければ・・・
04.やさしさに包まれたなら
05.ホントの気持ち
06.プカプカ
07.想い
08.冷たい雨
09.しあわせのカギ
10.光と影
11.花
EX.ヘイホー(隠しトラック)
M-1、M-4、M-10以外は、すべて新曲という構成。
正直、脱帽です。
アリガトウエムラ、ガンバロウエムラ(※)です。
(※)2006/12/31大阪にて”アリガトウエムラ2006”、2007/01/04東京にて”ガンバロウエムラ2007”と題されたライブが開催されました。
”ガンバロウエムラ2007”については当ブログの2007/01/04の記事をご参照ください。
2007/01/04
植村花菜 ガンバロウエムラ2007@品川プリンス ステラボール
植村花菜。
本日24歳の誕生日を迎えたシンガーソングライターである。
俺は、植村の少し土の匂いのするストレートな感情表現が気に入っている。
彼女の節回しは独特で、俺の心に直接語りかける。
初めて「キセキ」と言う曲を聴いた時、俺の中で時が止まった。聴覚以外のすべての感覚が停止した。
12月にリリースされた「光と影」がPSP用ゲームソフトのテーマソングに採用され、彼女の声を耳にする機会も増えてきた。
1月20日からは、昨年8月にリリースされた「紙ヒコーキ」が「世界ウルルン滞在記」のEDテーマとしてオンエアーされることも決定したらしい。
少しづつだが着実に、ステップアップしているね。
(「ウルルン」を見ている人は是非EDテーマもチェックしてください。)
さて、植村のライブは昨年7月31日の「ギターと私」ギター弾き語りライブ以来2回目の参加となる。
今回は前回参加したライブと違って、ガッツリとしたバンド編成。
植村(ボーカル&アコギ)、加納さん(エレギ兼アコギ)、あとは名前覚えられませんでした・・・。そして、キーボード、ベース、ドラム、パーカッションの6人編成で、時々サポートメンバーがコーラス。特にパーカスの女性とギターの加納さんのコーラスが印象的だった。
座席の位置が左スピーカー下方だったので、左からの音ばかりが強調されて少し残念だったが、そんなことはライブが進むにつれて気にならなくなっていた。
バンド編成で聴く植村の楽曲も聴き応えがある。ロマンスグレイ(初老ではなく中年だが)・エレギの加納さんが非常にカッコよかった。
途中、ギターと植村(Vo.のみ)やキーボードと植村(Vo.のみ)など普段と違ったプレイスタイルで演奏といった趣向も凝らされていて飽きさせない。
アンコール
「光と影」に続いて、隠しトラックのメドレーを演奏。
「ヘイホー」〜「腹ペコブギウギ」と歌い終わると、スタッフやサポメンからケーキやプレゼントの贈呈。
ロウソクの火を吹き消す植村に一同お祝いの拍手。
会場は和やかなムードに。
サプライズパーティに引き続き、隠しトラック「ヘイホー」のラストを演奏。
その直後、本日リリースされたアルバムの最後に収録されている「花」という楽曲を演奏。
サビをみんなで合唱しているうちに、何だかよくわからないけど、非常に心が動くのを感じた。
たぶん、美しいメロディが心を打ったんだと思う。
その時、確かに会場と植村花菜とは音楽で通じ合った。
飛んだり、跳ねたり、叫んだり、高速で腕を振ったりしないけど、こんな一体感っていうのもあるんだな。
植村が、マイクから離れてみんなに合唱を促しながら、涙ぐむのを見ながら、再び大きく心が揺り動かされた。
ステージ終了後、スタンディングオベーションの観衆、鳴り止まない拍手の中、マイクを通さずに、「最高の誕生日になりました。これからも頑張るので応援してください。今日は本当にありがとうございました。」(要約)と涙ながらに語る植村の姿は、夢に向かって一途に突き進む者の美しさがあった。
深々と頭を下げる植村花菜を目に焼き付けつつ、暖かな気持ちを抱えて帰宅の途に着いた。
素晴らしいステージだった。
品川から横浜に移動して、植村の新譜「しあわせの箱を開くカギ」を購入し、呑み処でビールを2杯ほど引っかけて帰った。
新年早々、こんな素晴らしいステージに立ち会うことが出来たのは、この上ない僥倖だ。
今年も、いい一年になりそうだな。
セットリスト
01.紙ヒコーキ
02.大切な人
03.トゲと花
04.ミルクティー
05.ねっ!
06.キセキ
07.やさしさに包まれたなら
08.会いたい
09.月のない夜
10.melody
11.冷たい雨
12.しあわせのカギ
13.歌いたいから歌うだけ
(みんなでゴスペル)
14.恋の魔法
15.いつも笑っていられるように
ENCORE
01.光と影
02.ヘイホー〜腹ペコブギウギ〜ヘイホー(メドレー)
03.花
おまけ
「月のない夜」は、作詞の時に植村花菜自身が聴きながら歌詞を書いていたそうだが、聴いていると寝てしまうために作詞に時間がかかったという。
レコーディングの際も、録った音をチェックする際に寝てしまったという。
彼女にとっては子守唄らしい。
つうか、睡眠不足だったから、俺もちょっと眠くなった。
心地いい音だな。
2007.01.04
ミルクティーを飲みながら記す。
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追加(某所からのコピー)
植村花菜(ボーカルとギター)
狩野良昭(ギター)
恵美直也(ベース)
佐藤強一(ドラムス)
中山幸(パーカッション)
澤近泰輔(キーボード)
2007/01/03
ある子供
新年早々からハリウッドの能天気な馬鹿映画を鑑賞する気持ちになれない。
凡百というタイトルの中から俺が撰択したのは、ベルギー=フランス合作の「ある子供」という作品。
ベルギー出身のダルデンヌという名の兄弟が監督・脚本・製作を務めた作品だ。
ダルデンヌ兄弟の作品を鑑賞するのは、これで三作品目となる。
すなわち、
1995年度作品「ロゼッタ」
北野武がカンヌのパルムドールをカッさらわれて、ちょっとふて腐れていた作品だ。
この作品はあまり印象に残っていない。
2002年度作品「息子のまなざし」
少年犯罪と犯罪被害者の遺族という2つのテーマを軸に、リアルな描写が胸に迫る。深い作品だった。
そして、2005年度作品「ある子供」である。
生まれたばかりの赤ん坊を胸に抱いた少女が、誰かを探している。
少女の名はソニア、18歳。
どうやら、赤ん坊の父親を探しているらしい。
唐突な始まりに、観る側は、一瞬状況を把握することができない。
どうやら、ソニアの探していた年若い父親は、盗みで生計を立てているらしい。
男の名はブリュノ、20歳。
その日暮らしを続けるブリュノは、人生に対してまともに向き合おうとしない。
物事を短絡的に考え、判断を下す。
そして、その短絡的な考えゆえに軽率にも生まれたばかりの子供を売り払ってしまう・・・
卒倒するソニアを見て、子供を取り戻すべく奔走するブリュノであったが・・・
って内容。
俺の持っていた予備知識と先入観では、少女の母としての強さとか優しさがテーマなのかと思っていたが違った。
80%くらいは、男の短絡的な犯罪傾向と軽率な行動が描かれる。
これが結構見ていてイライラする。
イライラはするけど、このリアルな描写は並の監督じゃ出せねぇよな、と感心する。
ラストシーン、やっぱり唐突に終了する演出に舌を巻く。
唐突に終了するんだけど、ラストシーンに思うところは大きい。
やっぱ、この兄弟すげぇ。
エンドクレジットが無音なのも含めてすごい余韻だ。
深さや分かり易さでは、「息子のまなざし」の方が上だが、「ある子供」もいい作品だな。
すべての人にはススメられないけど。
オススメ
★★☆
主観
★★★★
2007/01/02
ライアンを探せ!
本作はライオンの親子の絆を描いたディズニーの最新作。
十数年前のヒット作「ライオン・キング」とは、対極に位置する内容。
悪いスライムじゃないホイミンが王宮戦士ライアンを探す映画ではない……。
【あらすじ】
NY動物園には、ライオンの親子がおりました。
仔獅子のライアンは、いつも父親のサムソンの武勇伝を目を輝かせて聴いていましたが、未だにうまく咆えることが出来ません。
ある夜、いたずらをしてひどく怒られたライアンは、園内に停まっていたトラックのコンテナに入り込んでしまいます。
動き出したトラックに連れ去られたライアンを探して、お父さんのサムソンはNYの街に飛び出します。
それを観ていた仲間たち、リスのベニー、キリンのブリジット、コアラのナイジェル、ヘビのラリーもサムソンを追いかけるのでした・・・・・・
さてさて、ライアンを探す動物たちの珍道中はどうなる事やら・・・・・・
【感想】
子供向けアニメーションだな。
夜の動物園で動物たちが、カーリングに打ち興じるなんてあり得ねぇしな。
特に語ることもないが、クライマックスで獅子がその野生を取り戻すシーンは、スッキリした。
上映時間が短いのが救いだな。
やべ、あらすじに比べて感想が短かすぎる。
おざなり過ぎる・・・
まあいいや。
オススメ
★★☆
主観
★★☆
2007/01/01
或る街の群青
人が生活する上で、一年と言う区切りがあれば都合がよい。
ただそれだけの事だ。
年が明けようが明けまいが、人生は続く。
ただそれだけの事だ。
未明に眠った俺は、昼過ぎに覚醒した。
ふと思いついて、映画「鉄コン筋クリート」を観に行くことにした。
漫画を原作にした作品らしいが、原作についてはよく分からない。
俺は、横浜みらとみらい地区の外れにある109シネマズMM横浜に赴いた。
まずはチケットを確保。
上映まで時間があるので、ランドマークタワーまで歩く。
再開発から取り残され、空き地と高層ビルの入り混じる景色を眺めながら、時速約6.5kmのスピードで歩いていると、ふと空き地だらけで不完全なこの街が愛しく思えた。
大型ショッピングモール、ランドマークプラザやクイーンズモールは、明日が初売りらしい。
休日にしては人出も少ない。
映画「鉄コン筋クリート」は、再開発の波にのまれていく”宝町”を舞台に、開発を推し進めるヤクザと街に暮らす”ネコ”と呼ばれるふたり組の少年の抗争を描いた物語だ。
淀み無く流れ行く世界の中で、人の闇の象徴であるクロという名の少年と善の象徴たるシロという名の少年を軸に、それを取り巻く人たちの人間模様が浮き彫りにされていく。
クライマックスシーンは、クロの心の闇を視覚的に表現しているようだ。
少し、実験的な作品のような気がするが、原作もこんな感じだったんだろうか?
上映後、場内で5歳くらいの少女と10歳くらいの少年を見かけた。こんなの年端も行かぬ子供たちに、こんなにも黒い映画を見せる親はどうなのか疑問に思ったが、幼いうちから現実に慣れさせるのも、それはそれで間違った選択ではないのかもしれないと考え直した。
帰り道、クロの持つ闇に引きずりこまれそうになりながらも、何かを振り切るように全速力で夜の横浜を駆け抜けた。
そんな元日・・・
謹賀新年_2007
細々とコッソリ営業している自己満足的なブログも早い物で、2度目の新年を迎える事と相なりました。
つうわけで、今年もよろしくお願いします。
さて、2007年の目標は・・・・・・
一つ、BENNIE Kの全国ツアーに出来る限り参戦。
5/26横浜BLITZ
6/30ZEPP TOKYO
7/1 ZEPP TOKYO
この3つは外せねぇな。
一つ、秋に開催されるdorlisのツアーに参加。
未だ詳細は不明。
一つ、BUMP OF CHICKENのライブを生で聴く。
無理っぽいが。
今のところ、そんなところか。