2009/07

2009/07/31

突入、夏期休暇。

今週の業務を終えて、私は家路に就いた。
これから一週間の休暇に入る。
だが、わくわくした気持ちは少ない。
なぜなら今年の夏期休暇は旅に出ないから。

今年の夏期休暇は、逗子海岸の音霊 SEA STUDIOのライブスケジュールを元に計画を立てた。
八月四日の奥華子と八月七日のKOKIA。
残念なことに八月七日は私の心をひく音楽イベントが三つほど重なっている。その中で私は、KOKIAを選択した。KOKIAの情報が一番早かったせいもあり、チケットを先に押さえてしまったこともあるが、どのような順序で情報を耳にしていたとしても、私はKOKIAを選んだことだろう。

ちなみ他のイベントのひとつは、百年に一度の0987の日(09年8月7日)に千葉県の津田沼というところで奥華子がフリーライブを行うというもの。こちらも気になるが、津田沼までのアクセスもよく分からないし(調べればすぐに分かるだろうが・・・)、音霊でも奥華子と会うので優先順位は下げざるを得ない。もうひとつの気になるイベントは隣街の厚木市の鮎祭りの前夜祭。この場所で植村花菜や西条秀樹やいきものがかりやクレイジーケンバンドや奥華子たち(聴いた順)の音を聴いたけれど、今年は前夜祭にも行けないし、翌日の花火のカウントダウンには興味をひくミュージシャンは出演しないので、河原口あたりで打ち上げ花火だけ観ることになりそうだ。ちなみ前夜祭にはMey.JとかBENIとかR&B系のシンガーも出演するらしい。まあ鮎祭りの前夜祭は、暇だったら行っていたかもしれないという程度に好奇心を持っているだけだけど。

それにしても、旅に出たくて仕方がない。
奥の華のほう・・・、じゃなくて、鼻の奥のほうがむずむずする。
昼間の高速バスで安く京都とかに行けないものかと思って検索したが、出発希望日が明日とかだと難しいらしい。

まあいいや。
逗子の音霊行くついでに、久しぶりに鎌倉でも観光してみよう。


thanks_dude at 22:58|Permalink 気が狂う程まともな日常 | 音楽

【ドラクエIX日記】その三、すれちがいヒーロー

私は『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』を私なりのやり方で堪能している。
私がRPGをプレイしている時、本当にその物語を楽しんでいる時ほど、ストーリー進行とは関係のないわき道を目指して突き進む。
私は『ドラクエ9』のストーリー進行そっちのけで、すれちがい通信やWi-Fiショッピングや、推奨されえない物語的な手順に打ち興じている。

おかげさまでWi-Fiショッピングで赤いアフロのヅラをふたつ入手した。
主人公と女魔法使いにアフロを装着させた。戦闘シーンで、主人公と女魔法使い(姪に似せてキャラメイクを行った。)の見分けがつかなくなってしまった。やれやれ・・・

すれちがい通信は、リッカの宿屋の来客数が、今日でのべ二百人を超えた。二百人を超えたら何かあるかと期待していた(百人の時には称号をもらえた)が、何もないらしい。

今朝、JR東海道線ですれちがい通信をした人の称号が“すれちがいヒーロー”だった。ヒーローのすれちがい来客数は千三百人を超えていた。
千人超えってスゴイな・・・
そりゃあヒーローにだってなれるさ。

I wanna take you to the sky high
ほとんど夢でも
I wanna take you to tha sky high
いつかはなりたい すれちがいヒーロー

いまはまだ“嵐の呼び込み師”に過ぎないけれど。
今朝すれちがったアンタは俺のヒーローだぜ。


thanks_dude at 22:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0) ドラクエIX 

2009/07/28

【ドラクエIX日記】そのニ、物語がさっぱり進行しやがらねえ

Wi-Fi通信機能を利用してインターネットとニンテンドーDSを接続すると、一日に一回Wi-Fiショップなるお店に新しい商品が供給される。

物語が進行すると、そんなことも出来るようになる。

Wi-Fiショップに見たこともない高価な商品が毎日並ぶので、僕はお金を溜めてはそのお店に走る。
あぶない水着上・下を揃えて、女僧侶に着せたりしながら、「こんなの少しもあぶなくねぇや」とつぶやく。むしろ白いTシャツに青いブルマっぽい装備の方が、こういうの見ながら“ぐひぐひ・・・”言ってそうなやつがいて、別の意味であぶないよ。
まあどうでもいいや。

そんなわけで、本日も砂漠でゴールドマン・サックス狩りといろいろなところで錬金素材集め。まあ電車の中でしかプレイしていないけれど。


thanks_dude at 23:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0) RPG 

出来上がってみればお茶漬けパスタ

晩飯に冷たいスープパスタを作ろうと思った。

パスタを茹でる間に、冷蔵庫の中の野菜を細かく斬った。
鞘いんげん、人参、玉葱、椎茸。
食器を洗いながら、パスタが茹で上がるのを待つ。
少し短めに茹でたパスタは、ざるで水気を切ってそのまま冷凍庫にぶち込んで冷ます。
パスタを冷ます間に、野菜を茹でて野菜スープを作る。
スープは少なめ。

器に細かく斬ったわかめ、包丁で叩いた梅肉、ごま油、煎りごま、きざみ海苔を投入して、野菜がちょうどよく柔らかくなったスープを投入。
氷をたくさんいれて攪拌し急速に冷やす。
氷が溶けた分の水分で、スープの量と塩加減がちょうどよくなるくらいがベスト。ジョージ・ベスト。

最後に冷めたパスタとスープを混ぜ混ぜして完了。

出来上がって食べてみたら、お茶漬けみたいな雰囲気のパスタが出来上がった。これはこれで旨かった。


thanks_dude at 22:55|Permalink 料理 | 気が狂う程まともな日常

2009/07/25

【ドラクエIX日記】その一、星屑のさすらい人(ネタバレあり?)

僕が『ドラクエIX』(たまにXIと入力してしまうのは、某『ファイナルファンタジーXI』の影響だ。今はもうヴァナ・ディールには棲んではいないが、あの世界は未だ僕に大きな影響を与えている。)を購入したのは二週間前のこと、あれからいろいろと忙しくて、“守り人”の物語は遅々として進まない。
昨晩ようやくダーマ神殿にたどり着いた。
ダーマ神殿で情報収集した僕は、次に目指すべき場所はダーマの塔だということを悟った。だが、僕はダーマの塔の一階を巡って、フィールドマップに戻り、世界の探索を続けることにした。そして僕はツォの浜という漁師町を見つけた。そこで情報収集をすると、ダーマの神殿とはまた異なる事件が勃発していた。誘(いざな)われるまま僕は、その事件に巻き込まれて、その事件の核心へと至った。ある程度製作者の意図を外れた風変わりな冒険者の行動を受け止めて、自由に遊ばせてくれる『ドラクエ』というゲームの懐の深さを僕は感じていた。
普通に冒険をしていれば、ダーマの塔の後に闘うはずのモンスターたちとのバトルはなかなか厳しいものがあった。正直、資金が足りなくてまともな装備も揃っていない。洞窟の奥で待ち受けていた“ぬし様”との戦いはそれまでの道のりで疲弊したパーティにとっては苦しいものだった。今まで溜めこんだ薬草と、魔法使いの必殺コマンド(魔力の泉:一定時間MPを消費せずに魔法を使うことが可能)のおかげで、何とか撃退することができた。いつも思うのだけど、『ドラクエ』の物語には『ファイナルファンタジー』にはない寓話的な面白さがある。浜辺における物語の前に、ベクセリアという小さな村で語られた物語も胸を打つものがあった。
青山テルマみたいな妖精と一緒に僕は、また旅を続ける。
このままダーマの塔攻略を無視したまま、まだまだ先へと進めそうな気がする。どこまでダーマを黙殺し続けることができるか、ちょっと試してみたい気がする。
今日出先で、すれ違い通信をした人たちの人数が百人を超えた。
百人を突破しても、ティーンエイジャーの若女将リッカさんの切り盛りする世界宿屋協会認定のセントシュタインの宿屋に変化はなかった。
もうこれ以上規模が大きくなることはないのか・・・
新しい称号が貰えたし、まあいいや。

そういえばフットサル仲間も、この冒険を始めたらしい。
今度一緒に冒険ができたらいいな。

(つづく?)


thanks_dude at 21:29|PermalinkComments(0)TrackBack(0) RPG 

2009/07/23

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破3

『新世紀エヴァンゲリオン』が装いも新たに新劇場版として復活、これはその二作目。

一作目は二年前の秋に公開された。
一作目はテレビシリーズをなぞっただけの、何の冒険もない作品だった。

本作は少しアグレッシブに物語をシフトさせた印象だ。
新たなキャスト、新たなシチュエーション、新たな使途のデザイン。
(使途のデザインは秀逸だ。その姿に美しささえ感じる。 )

何よりも変わったのは、旧作から登場している登場人物の心模様。
ほとんどの登場人物が、自らの人生に対して前向きな姿勢で臨んでいる。それは作品全体から旧作にあった灰汁(アク)の強さを取り去ってしまって、私としては残念は変更点だった。
だってさ、息子との接し方がよく分からなくて、いつも冷たい態度を取っていた碇ゲンドウが息子に対して歩み寄りを見せて、弱虫の碇シンジが正当な理由もなく逃げたりしないで、綾波レイは人造人間のくせに人間らしい心の動きを見せ、式波(旧姓惣流)・アスカ・ラングレーに至ってはATフィールドを放棄して仲間を思いやるやさしさをを見せるんだぜ。

物語に深く入り込むことが出来なかったせいか、実際の上映時間よりも時間が長く感じた。
それでもエヴァンゲリオンによる使途との戦闘シーンは素晴らしい。けして出来の悪くなかった旧劇場版と比べてもそれをはるかに凌駕していたと思うし、総合的に見ても充分に面白い作品だった。
特に四号機のくだりは旧作でも大好きなシーケンス(当時、関西弁が死ねばいいと思った。関西弁のことが嫌いだったわけじゃないが、関西弁が死んだ方が物語が引き締まると思った。)なので、さらにエグいシーンになっていて満足した。

ただ、場違いな挿入歌には辟易した。
古いフォークソングが物語を阻害するくらいの音量で流される。
その歌は確かに語り継がれるべき名曲なのだろうが、綾波レイの声優でもある林原めぐみの歌は、お世辞にも上手いとは思えない。そんな代物を挿入するくらいなら無音でもいいと思った。

前作は二年前、次回作がいつ完成するのかは私の知ったことではないが、次もまた劇場で鑑賞することにしよう。



thanks_dude at 23:15|Permalink アニメ | 映画

2009/07/22

三十周年記念上映 『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』5

ガンダム生誕三十周年記念上映を鑑賞。

二十数年前の私は、劇場版『ガンダム』三部作の完結編の公開を心から待ち望んでいた。
私はまだ劇場にひとりで赴いて映画を観ることが出来るほど成熟してはいなかったので、四つ上の兄に連れられて鑑賞する筈だった。
中学生だった兄は、すでに前売り券を購入していた。
もうすぐ公開されるという頃になって、ある事件が起こった。
兄が隣街のディスカウントストアで釣具のルアーを万引きして店員に取り押さえられたのだ。そして兄は両親から謹慎を言い渡された。その影響で、私が劇場で『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』を鑑賞する機会は失われた。
その時に私は悟ったのかも知れない。
犯罪は割りに合わないものだということを。

あれから二十数年の刻を越えて、ようやく私はこの映画を劇場で観る機会を得た。

“こんなに嬉しいことはない”

正直にそう思う。

さて、映画の話をしよう。

『めぐりあい宇宙編』は、テレビシリーズをドダイとして大幅に新作カットを加えたリニューアルバージョンである。一作目、二作目と大きな興行収入を上げて、関連商品が社会現象すら巻き起こすほどのムーブメントを起していたので、新作カットはテレビ版に比べると遥かに美麗なものになっている。(さすがに今の技術には及ぶべくもないが)

そして物語は終幕へと向かう。
第十三独立部隊は、寄せ集めの人員(軍属すらない)でサイド7を出向してから大きな成長を遂げ、部隊としての練度を飛躍的に向上させていた。そして物語はソロモン攻略戦、ア・バオア・クー攻略戦へと続いていく。

久しぶりに『めぐりあい宇宙』を鑑賞して、私は思う。
私の印象よりも、(やはり少しだけ性急な嫌いはあるが、) 物語のプロットはしっかりしている。
たしかにあれから二十数年が経過して、すでに現実がSFを凌駕してしまっている部分があることは認めざるを得ないが、この物語はとても私の心を惹きつける要素を孕んでいる。

この物語を、少年の頃はアムロ・レイの視点で見ていたが、大人になった今では、皮肉屋のカイ・シデンや、人生を斜に構えて生きているスレッガー・ロウに魅力を感じている。

“あなたはなぜ闘うの?
誰も愛してはいないのに。”

ララァ・スンは、アムロ・レイにといかける。
そのといかけは私の胸に響く。

だけど、きっと私にも帰るべき場所はある筈だ。

“解ってくれるよね。
 ララァにはいつでも逢いに行けるから”

そんな言葉に胸を打たれながら、私は心を震わせていた。
数多の戦士たちが撃滅させられた“連邦の白い悪魔”を中破(直後ソロモン陥落による爆発により大破)せしめた赤い彗星のシャア・アズナブル大佐に敬意を表して、私は劇場を後にした。

【おまけ】
劇場版ではマ・クベは五木ひろしみたいな顔をしたギャンというモビルスーツには乗らないんだね。まあ、赤い彗星にも言えることだが、佐官がモビルスーツに乗って実戦で戦うなんて現実ではあり得ないだろうけどね。そんなこと言ったら、ファーストネームに階級をつけて呼ぶのもおかしな話だけど。

thanks_dude at 23:10|Permalink アニメ | 映画

2009/07/19

三十周年記念上映 『機動戦士ガンダム II 哀 戦士編』3

劇場版『機動戦士ガンダム』の二作目は、一作目の半年後に上映された。
当時まだ小学生だった私は、四つ年上の兄とその友人に連れられて、小田急線本厚木駅の近くにあった鄙びた映画館(オリオン座だとかミラノ座だとかいう名前だったと思う)へと赴いた。
あれから二十数年の刻を越えて、私は『ガンダム』の物語を追体験していた。

旧世紀二〇〇九年七月、人類はガンダム生誕三十周年の記念興行として、限定されたスクリーンに劇場版『機動戦士ガンダム』三部作の物語を映し出す暴挙に出た。
そして劇場に集った人々は、自らの行為に恐怖した・・・

『機動戦士ガンダムII 哀 戦士編』は、長大なテレビシリーズを再編集し若干の新作カットを追加して、二時間十数分の劇場公開サイズに圧縮した作品である。
テレビシリーズの総集編的な色合いが濃いので、どうしてもストーリー展開は駆け足になってしまって、重要なシーンや印象的なシーンも削ぎ落とされてしまいがちである。
だが、しっかりとそのエッセンスは詰め込まれている。
特にジオン軍大尉ランバ・ラルと、主人公アムロ・レイとの対決は、二十数年経過した今も、充分に面白い。
ランバ・ラルの物語はもう少し時間をかけて語られるべきだと思うが、アムロ・レイの呟く言葉は単なるジュブナイルとして片付けることの出来ない力強さを持っている。
「僕はあの人に、勝ちたい・・・」
アムロ・レイにとって、ランバ・ラルは戦士として超えなければならない存在であり、ある種指標となり得る強さを持った士官だった。父親に深く愛された記憶を持たないアムロ・レイにとって、それは息子が父親を超えるという意味合いを持っていたのかもしれない。
そして、ニュータイプとしてその能力を急速に覚醒させつつあるアムロ・レイはランバ・ラルをいとも容易く打ち砕いた。
少し性急な嫌いはあるが、物語として重要なエッセンスは、充分は内包されていた。
ただし普通に考えたら、軍の最新鋭機(おそらくは想像もつかないくらいの大金が注がれている)をパクッて出奔なんかしたら、営巣入りくらいでは済まないだろう。
宇宙世紀0083年(一年戦争終結の三年後)に勃発したジオン軍残党によるデラーズ紛争の際、連邦軍ペガサス級強襲揚陸艦アルビオン艦長エイパー・シナプス大佐は、試作モビルスーツGP-03(ガンダム三号機サイサリスとその外部ユニットデンドロビウム)を軍機を犯してまで持ち出して、デラーズ・フリートの暴挙を阻止するべく実戦で運用した。
その行動に我欲はなかったし、いわば若者たちの暴走を抑えきれない形で、その行動を幇助したに過ぎない。
だが、シナプス大佐は紛争後、その積を問われて極刑に処された。
「脱走兵は銃殺刑」とカイ・シデンあたりが話していたと思う。シナプス大佐の判例から考えても、いくらアムロ・レイが十六歳の少年兵であっても赦免される筈はない。

まあ、これだけ記述しておきながら、そんなことはどうでもいいのだが。

thanks_dude at 23:03|Permalink アニメ | 映画

2009/07/17

【機動戦士ガンダム2009 ポケットの中の戦争】最終話 ポケットの中の戦争

僕は逃げ出すことにした。
あいつを倒すことは難しい。

逃げ出す準備を始めた僕は、連邦の新型の起動を確認する。
こいつ、うごくぞ!
 
 
 
 
 
 

(こいつ、動くぞ)

バーニアや姿勢制御スラスターから廃棄煙を吐いて、白いMSは呼吸を開始した。
やるな、モビルス−ツ






(やるな、モビルスーツ)
稼動テストか?






しかし、程なくしてMSは起動を停止した。
稼動テストだったのかもしれない。

一七〇〇時、僕はルビコン作戦の終了を決意した。

僕のもたらした情報は、今後の軍事行動に大きな影響をあたえるだろうか。いやそんなことは一介の下級兵士にはどうでもいい。与えられた任務を忠実に実行する。それだけで充分なんだ。
連邦の白い悪魔






そして亀戸に舞い戻って、もうひとつのオペレーションに参加することにした。

今回は逃げ出してしまったが、もう一度お台場にあるファクトリーには潜入してみようかと思う。僕は来週から東京駅某所にある拠点への配属を任命された。東京駅からお台場まではそれほど遠くはない。赴任先での一日の任務が終了した夜に、お台場まで潜入することは容易いはずだ。いつかまた、連邦の新型と対峙しなければならない。死んでいった者たちの仇を討ちたいとか、連邦が憎いとか言うんじゃない。うまく言えないけれど、そうしないと自分が自分じゃなくなってしまうような気がするんだ。それはたぶん僕が兵士だからなのかもしれない。

そして、あいつと決着を付けるんだ。
それが僕にどのような結末をもたらすとしても。

(おしまい?)


thanks_dude at 23:40|Permalink 機動戦士ガンダムXXX 

2009/07/16

【機動戦士ガンダム2009 ポケットの中の戦争】第三話 茶色の瞳に映るもの

白いMSの周囲には技術士官や作業員、さらには民間人が密集していて、容易には近づけなかったが、僕は何とか新型の脚元にたどり着いた。
新型の脚元
 






見上げた空は遠いけど抱えきれない夢がある





 

思った以上にこいつは、高い性能を有しているのかもしれない。
コアブロックシステムか?






あのコクピットブロックはコアブロックシステムを採用しているんじゃないのか?
ランドセル
 
 
 
 
 
 
 
背部に設置された通称ランドセルと呼ばれるスラスターは、我が軍の主力MSザクIIと比してみても、見るからに高性能だと判断出来る。
僕はまだ起動もしていないこのMSに少なからず脅威を覚えた。
かつてジオン脅威のメカニズムと賞賛された我が軍のMS開発技術も、豊富な資金源を持つ連邦軍の資金に糸目を付けない半ば強引な開発計画によって、逆に脅かされようとしている。
バストアップ
 
 
 
 
 


見上げた白いMSは腐りきった連邦の手によるものにしては、美しい造形をしていた。だが、我らジオンの誇るザクとて無骨であるがゆえの美しさを誇っている。
ザクII “赤い彗星”ことシャア・アズナブル少佐専用機
 




 

だが、戦闘は造形美でするものじゃない。
第一、このMSは造形にこだわり過ぎている。
ましてや、こんなカラーリングのMSが戦場をウロチョロしていたら、きっと一番の的にされてしまうだろう。

そんな思いを振り払って、僕は偵察任務を続行した。
だが、余りにも周囲の監視が厳しい為、鹵獲や破壊は不可能だった。
僕は不可能を可能に出来るほど有能な工作員じゃない。
背面






結局のところ、百枚あまりの偵察画像と、数分に及ぶ偵察映像を撮影することしか出来なかった。

偵察任務を終えて、僕は上層部への手土産として、新型MSの1/144スケールのミニチュアモデルを入手した。

ジオン独立戦争の戦局は、大きな転機を迎えようとしていた。
僕はそれを直感的に悟っていた。
工作員のくせに記念撮影





thanks_dude at 23:32|Permalink 機動戦士ガンダムXXX 

【機動戦士ガンダム2009 ポケットの中の戦争】第ニ話 河を渡って木立を抜けて

新交通システムを連邦のファクトリー近くの駅で降りた僕は、あくまで一般市民に紛れて、潜入ポイントを目指した。公園に偽装された木立を抜けようとしたところで、僕の目は連邦の新型MSの存在を確認した。木々の隙間から様子を窺う。
見えた!!






すごい。
こいつは本物だ。
連邦はついにMS開発にまで漕ぎつけたのだ。
こいつが量産されてしまったら、ジオンの優位性は危うくなるのかもしれない。
夢中でカメラのシャッターを切りながら、僕の中で大きな野心が芽生えていた。
(こいつを破壊するか、もしくは鹵獲すれば、ジオン十字勲章ものの功績であろう)
連邦の新型






何とかしてあの白いMSの懐まで侵入できないものだろうか。

僕はさらに注意深く周囲を見回していた。
背面





thanks_dude at 23:03|Permalink 機動戦士ガンダムXXX 

2009/07/15

【機動戦士ガンダム2009 ポケットの中の戦争】第一話 戦場までは何マイル?

七月一四日、午後。
ジオン軍の一介の下級兵士に過ぎない僕は、伝説の歌姫に関するオペレーションに従事していた。東京都にある亀戸という場所で、僕は歌姫と言葉を交わし、握手をして彼女の元を辞した。
時刻は一五〇〇時を回ったところだった。
そのオペレーションの第二幕は、一九〇〇時に決行される。
次のオペレーションが幕を開けるまでには、あと四時間の猶予がある。
そして僕の元には新たなミッションの辞令が降りた。
連邦のV作戦というオペレーションを捕捉した軍上層部は、V作戦偵察の適任者を探していた。そして、僕に白羽の矢が立ったのだ。実際のところ、なぜ僕なのかよくわからない。実戦経験の乏しい、将校ですらない志願兵の僕がなぜえらばれたのだろうか? たまたま台場の近くに潜伏していただけなのかもしれない。連邦軍第十三独立部隊に、民間人の女性工作員を送り込んだという事例は確かにあるが、ミハルという名のその女性工作員の消息は以後知れない。

お台場で建造中の連邦軍の試作モビルスーツ(以下MS)は、電撃的な先制攻撃とMSの実戦投入によって、軍事的優位に立った我が軍にとっては、看過することの出来ない案件なのだろう。 上層部も必死なのだ。これは少し本腰を入れて挑まないといけないのかも知れない。

一五〇五時、サンストリート亀戸という商業施設の二階にあるカフェで、僕はビールを呑みながら、脳内でブリーフィングを開始した。
すぐにオペレーションを開始すれば、サイド7お台場ファクトリーには一六〇〇時に到着することが出来る。

そして偵察任務を終えて、一八〇〇時にお台場を撤収すれば、再びこの場所に戻ることは不可能ではない。けして無理なスケジュールではない。

こうして、単独潜入任務“ルビコン計画”は決行された。

亀戸から公共交通機関を乗り継ぎ、僕は新橋から新交通システムに乗り込んだ。
新交通システム




新交通システムの車窓から、お台場ファクトリーの方向を注意深く観察する。
 
!?

戦場までは何マイル?






あの場所まで5〜6マイルといったところだろうか?
海を隔てた陸地にモビルスーツらしき影を発見した。
木立によって偽装はされているが、肉眼でもはっきりとそのシルエットが見て取れる。
間違いない。
あれはモビルスーツだ。

僕はあくまで一般市民を装って、情報部より指示されたポイントを目指していた。
僕の心は功名心と作戦前の興奮で、浮き足立っていた・・・


thanks_dude at 22:59|Permalink 機動戦士ガンダムXXX 

2009/07/14

奥華子『BIRTHDAY』リリース記念ライブ@サンストリート亀戸5

BIRTHDAY








いつからだろう?
僕はライブの前にアルコールを摂取するようになっていた。
だからここ最近の僕は、奥華子と言葉を交わすときに、いつも血走った白目と落ち窪んだ眼窩を向けて、奥華子と対峙していた。

僕はささやかな決意をしていた。
この日は奥華子と話をするまでは、アルコールを一滴も呑まない。
もう十四時間以上アルコールを摂取してはないが、大丈夫、僕の手はまだ震えてはいない。
---------------------------------------

午前六時過ぎ、いつもの時間に目が醒めた。
いつもより遅い時間に家を出て、亀戸という街を目指した。
亀戸までは、問題集を解いて過ごした。問題集に飽きた僕は、アメリカ人作家レイモンド・カーヴァーの遺稿を村上春樹が訳出した『必要になったら電話をかけて』という短編集を取り出して、読み始めた。序文で知ったのだが、ロバート・アルトマン監督の『ショート・カッツ』という映画は、カーヴァーの短編小説群を原作としているらしい。ご存知のように(なわけない・・・)、アルトマンの映画は尺が長い。ゆえに劇場で観ないかぎり、その作品を一気に鑑賞することは難しい。僕の家にも旧世紀に衛星放送で流れていた『ショート・カッツ』を録画したビデオテープが、どこかにあるはずだが、未だにそれは再生されることなくどこかに眠り続けている。

僕は『必要になったら電話をかけて』を読みながら、亀戸で時を過ごした。奥華子のライブまでは、まだだいぶ時間がある。仮眠を取ったり、ショッピングモールで商品を物色したりしつつ、本を読み進めた。
開演予定時間三〇分ほど前に、奥華子はステージに現れて、サウンドチェックを行っていた。僕はその心地よい音に身をゆだねながら、レイモンド・カーヴァーの短編集を読了した。
とてもよい短編集だった。

この日、関東は雨季から脱し、押し付けがましい夏の太陽は容赦なく僕の身体を照り付けていた。
ふと思う。
僕は何度か、この場所に奥華子の歌を聴きに来たのだが、一度だって天気が悪かったことはない。午前中には雨が降っていたしても、不思議とライブの時間になると、快晴になってしまうのだ。
サンストリート亀戸・ステージ






奥華子の新譜『BIRTHDAY』の正式なリリースの日は、明日である。
だけど、奥華子がこの場所でリリース日の前日にライブを行うことは、もはや恒例となっている。

一四時を少し回って、奥華子は登場した。
新譜のリリースイベントということもあって、新譜に収録されている曲をメインに演奏した。
いつものように、奥華子の声は時として抑制を失うが、とても素敵な世界を晴れた蒼空の下に展開させていた。

1stステージ
01.笑って笑って
02.チョコレート
03.最後の恋
04.灯-ともしび-
05.Barthday

1stステージ終了後、僕は奥華子と幾度目かの邂逅を果たす。
先月この場所で奥華子と対面したとき、僕は語るべきこともなくて、ただ静かに立ち尽くしていた。この日、僕は僕の方から奥華子に語りかける。
僕「こんにちは」
奥「こんにちは」
僕「本当は今月18日のビナウォークのライブに行きたかったのですが、その日はどうしても都合が悪くて行けないので、有給を取って来てしまいました」
奥「そんな・・・、ありがとうございます。そういえばあちらの方が(住まいが)近いんですよね?」
僕「近いです。自転車で十五分。」
奥「近ッ!」
奥・僕(笑)
僕「来月の音霊、楽しみにしています。あそこはいいです(最高のロケーションです、と言いたかったようだ。)」
そんな会話を交わしていたら、奇妙にテンションがあがってしまった。
何度も何度も「あそこはいい・・・」と繰り返してしまった。
やれやれ、今日はまだ一滴もアルコールを摂取していないというのに、僕はアルコールよりも強く、奥華子に酔ってしまったようだ。

奥華子との邂逅を終えた僕は、サンストリートの二階にあるいつものカフェのいつもの席でハイネケンビールを呑むことにした。
華子とレイとハイネケン





数分でジョッキを空にして、僕は亀戸からお台場へと密かに潜入して、連邦軍のV作戦に関する偵察任務に赴くことにした。
その任務については、後日詳細なレポートを提出しようと考えている。

十八時過ぎ、お台場でのスニーキングミッションを終えた僕は、再び亀戸に降り立ち、駅前のダイナーでピザとビールをオーダーしていた。
そういえば、朝飯を喰ってから、1stステージ後のカフェでビールのつまみにサービスで出されたナッツしか口にしていない。それでも僕の腹は不満を訴えてはくれない。それが正しいことなのか間違っていることなのか、僕にはよく分からないが。
ピッツァ&ビール(タバスコは使いません)
 
 
 
 


結局生ビールを中ジョッキで二杯ほど煽って、サンストリート亀戸に戻った。

2ndステージ
01.あなたに好きと言われたい
02.Barthday
03.最後の恋
04.一番星
05.灯火-ともしび-

僕は奥華子の世界を堪能するために、何度も目を閉じて、その音を心に沁み込ませた。こうすることで視覚情報が遮断され、音と言葉をより深く理解することが出来るのだ。

---------------------------------------

この日もまたサイン会は敢行された。
きっと奥華子と言葉を交わし、ジャケットにサインをしてもらって、ささやかな幸せを手に入れる人たちは夜遅くなるまで、列を為して待ち続けるのだろう。巡礼者は自ら望んで、奥華子と対面するときを待つ。
だが、奥華子はどうだろう?
ひとりひとりと対面をして、サインを書くことはとても骨の折れる行為だと思う。もしかしたら腱鞘炎になってしまうかもしれない。
でも、このサイン会は奥華子自身の強い希望によって開催されているという。奥華子は語る。自分の曲を聴いてくれる人の顔や名前を、少しでも多く心に留めておきたい、と。
そんな奥華子の姿勢を、僕はとても素敵なことだと思い、そして彼女に感謝を捧げる。

帰宅して、鮭の切り身を焼き、味噌汁を作り、冷や奴にみょうがを添え、余ったみょうがを味噌につけて食べる。この程度の簡単な料理ならば一〇分くらいで済ますことは出来る。

とてもあたたかな世界に包まれて、僕の心はこの日もまた大きな充足感を得ることが出来た。

次回は八月四日、逗子海岸の音霊 SEA STUDIO。


thanks_dude at 22:26|Permalink 奥華子 | 音楽

2009/07/12

奥華子 CONCERT TOUR '09 〜3rd Letter〜@C.C.LEMONホール5

15時15分、僕はJR渋谷駅を降りて、井の頭線渋谷駅の近くに存在するダイナーでカールスバーグビールをオーダーしていた。
カールスバーグ




村上春樹翻訳によるレイモンド・カーヴァーの短編小説集『僕が電話をかけている場所』は電車の中で読了した。続けて『ドランゴンクエストIX 星空の守り人』を取り出し、ようやくオープニングイベントが終わって、主人公が天使としての頸木(くびき)から解き放たれて、自由に動けるようになった。

僕はジョッキに注がれたビールをそれほど急がずに呑み乾して、会計を済ませてそのダイナーを後にした。

まだ少し喉が渇いていたので、C.C.LEMONホールへ続く坂道の途中にあるコンビニエンスストアで、コークとヴォトカとコークをブレンドしたジュースを購入してホールの前で呑んでいた。コンビニエンスストアが非常に混雑していたので、ホールに入場したのは開演ギリギリになってしまった。
C.C.LEMONホール





-------------------------------------

(ネタバレありのライブレポート)

奥華子は、“会場に訪れる一人ひとりに対して、まるで手紙を書くように音楽を届けたい”と思いを述べている。
必然、奥華子のステージは奥華子単独によるピアノ弾き語りというスタイルが主流になっている。

僕は奥華子と彼女の所属事務所の、拝金主義的ないやらしさを感じさせない姿勢に常々感謝している。例えばコンサートツアーの先行予約ひとつを取って見ても、ファンに余計な負担をかけないような選択肢を常に選んでいる。この業界で商売をやっていく以上は、様々なしがらみから大手チケットサイトを介して、ファンから手数料を吸い取るという選択肢を取らざるを得ないこともある。それは僕にも理解できるし、それが正しいことかは別にしても、そういうシステムの中で、社会が成り立っていることは仕方のないことだと思う。
取り敢えずのまともな仕事を持っている社会人(学生さんはまた違うのかもしれないが)の僕にとっては、手数料なんて微々たるもので、実際痛くも痒くもないが、そういう奥華子サイドの姿勢を、僕は高く評価するのだ。

まあ、そんなことはどうでもいい。

奥華子は7月15日に新しいアルバムをリリースする。『Birthday』、それが新譜のタイトルだ。どんな人も毎日毎日生まれ変わるチャンスはあって、実際の誕生日なんかではなくても、新しい誕生日を迎えることが出来るのだ。そんな思いが込められているらしい。

『Birthday』は、ライブですら演奏したことのない未発表曲九曲を含む、全十四曲入りのアルバムである。本日はその新曲をすべて演奏するという。

聴いたことのない楽曲を中心としたセットリストは、正直に言ってどうなるのだろう?とドキドキするが、考えてみれば、初めて僕が奥華子に出会った二〇〇七年の神奈川県厚木市の夏祭りのライブの時は、奥華子の曲は『ガーネット』くらいしか知らなかったんだ。そして、その夏のライブで僕は奥華子の表現する世界に魅入られたのだ。

結果、僕は新しい奥華子の世界を心から堪能した。
相変わらず奥華子の声は、時々抑制を失って、激しくバーストしてしまう。だが、それも奥華子の個性なんだと思う。

アンコールでは、なんと奥華子はニ階席の扉から登場して、二階席の客席の合間を駆け抜けていた。これまでも、奥華子はステージを降りて、客席の合間を駆け抜けて、聴衆をアジテートしてきた。だけど二階席から登場するミュージシャンなんて初めて見たよ。それはもしかしたら、表現者としては邪道なのかもしれないけれど、その行為は確実にステージと観客との隔たりを埋めていく。二階席から一階席を駆け抜ける奥華子を見ながら、僕はとても親密なものを感じていたんだ。

いつものように少し不器用さを感じさせるステップで、奥華子は跳ねて、そして僕たちは奥華子と一緒に歌を歌った。『HAPPY DAYS』のハミングパートを一緒に歌った。

ラストは新譜の収録順も最後の曲である『灯-ともしび-』を演奏してライブは終了。
BIRTHDAY








セットリスト
01.蛍火(G)
02.花火(G)
03.夕立ち(E)
04.僕たちにできること(G)
-MC-
05.ガーネット(G)
06.楔-くさび-(G)
-MC-
07.チョコレート(E)
CMソングメドレー
TEPCO光〜いまのりくん〜お部屋探しMAST〜ガスト
-MC-
08.最後の恋(E)
09.アネモネ(E)
-MC-
10.青い部屋(G)
11.あなたに好きと言われたい(G)
12.他人の涙(G)
-MC-
13.Birthday(E)
-MC-
14.笑って笑って(G)
-MC-
15.一番星(E)

encore
16.HAPPY DAYS(E)
17.灯-ともしび-


帰りに自宅最寄駅にある居酒屋で、酒を煽って帰宅した。
酒と音楽に塗れた僕の終末はこうして幕を閉じた。

七月十八日に隣街のビナウォークと言う商業施設で開かれるリリース記念ライブには、どうしても参加出来ないので、明後日のサンストリート亀戸のライブにも会社をサボタージュして(有給休暇です。)、参加させてもらうことにしよう。


thanks_dude at 23:42|Permalink 奥華子 | 音楽

猛乳シンガー@川崎ラゾーナ

きっと何かのついででもなければ、谷村奈南のフリーライブなどに訪れることなど永遠になかっただろう。

ある物語の登場人物に倣って、私は谷村奈南を猛乳シンガーと呼ぶことにしよう。
猛乳シンガーのフリーライブを捉えようと、メディアのクルーが川崎ラゾーナ、ルーファ広場の一段高くなったスペースで待ち構えていた。
メディア





私は少し不思議に思う。
たしかにそれなりの聴衆は集まっているが、メディアのカメラクルーが集まるほどの数ではない。ということは、猛乳シンガーは、少なくとも一般的にはそれほど指示されてはいない筈だ。
私は思うのだが、メディアというものは受け手側の需要などお構いなしに、自分たちの都合でニュースバリューを格付けして、放送すべきか否かを意図的に操作している。
そんなことを考えながら、私はとても胡散臭い空気を感じていた。

女性ファンが思ったよりも多かったのは意外だった。

ライブの前に、キャンキャン(?)というどこかで見たことのある芸人がマエセツをしていた。髪の毛をパカパカするネタと、国民的アニメーション『サザエさん』の登場人物マスオさんの、お世辞にも似ているとは言い難い物真似は少しだけ面白かった。

ライブはダンサー六人を迎えた、とてもダンサブルなものだった。
後方だったので、あまりよくは見えなかったが、きっと、‘ダンスパフォーマンスは’素晴らしかったのだろう。音楽に関しては、私は特に語るべき言葉を持たない。

ただ残念なことがひとつ。
猛乳姫のパフォーマンスがそれほど悪くはなかったこと。
歌も曲も悪くは無い。その猛乳ほど神がかり的ではないしろ、“ただ乳がデカいだけのシンガー”などという皮肉を吐くことを躊躇わせるくらいのものは見せてくれた。本当は、皮肉でこの記事を締めくくりたかったのだが、それは断念せざるを得ない。ただし、私がもう一度、猛乳シンガーのライブを体感したいと思うことはないだろう。

この猛乳プリンセスは、きっとエイベックスが何とか売り出したいと思っている人なんだろうなと感じた。

ライブが終わったので、即座に渋谷へと向かった。


thanks_dude at 23:37|Permalink 気が狂う程まともな日常 

2009/07/11

【ライブレポート】GO!5! KAELAND@横浜赤レンガパーク 野外特設ステージ

開演時間を約十五分ほど過ぎて、サポートメンバーが登場した。
編成はBs.、Key.、Dr.、Gt.、Gt.。
続いて木村カエラの登場。
私は木村カエラのライブを甘く見ていた。
聴衆はおとなしめで、それほど激しいものではないだろうと思っていた。だからそれほど大きくはないショルダーバッグを会場に持ち込んでいた。だが、聴衆は一曲目から激しく興奮して飛び跳ね、他者を圧し、それぞれのパトスを解放する。完全に油断した。だが、すぐに私は気持ちを切り替えて、この状況を受け容れる。荷物は邪魔になってしまうが、多少は仕方がない。そして自らの魂を心のままに解放することにした。
最初の方はどんな曲が演奏されたのか、よく覚えていない。1stアルバムは『happiness!!!』という楽曲以外はそれほど心を惹かれなかったので、余り聴いていない。だからほとんど知らない楽曲も演奏されたと思う。
やがて木村カエラは語り始めて、私はこのライブのチケットが二万枚も捌かれていることを知る。私は正直に感心する。木村カエラはこんなことも話していた。このライブに先立ってインターネットで聴きたい曲の投票を募ったが、五千件しか応募されなかったと。「みんな投票した?」と聴く木村カエラに、大多数の群集が手を挙げる。そして木村カエラはすかさず突っ込みを入れる。「おかしいだろ!お前ら!!」たしかにおかしな話だ。ノリで手を挙げている人がたくさん居るのだろう。
私は木村カエラのパフォーマンスや仕種や立ち居振る舞いをこの目で見、この耳で聴いて、彼女が本物のポップスターであることを確信した。
ずっとまえにスガシカオが脱サラをしてメジャーデビューした時に、何かのインタビューで話していた。
“本当に才能がある人は、周りが放って置かない。(だからそういう人は結果として世に出ることになるのだ)”
木村カエラの姿を見ながら、私はそんな言葉を思い出していた。
スガシカオの言葉を木村カエラに置き換えて考えれば、彼女がサディスティック・ミカバンドのボーカルとしてベテラン・ミュージシャンたちに迎え入れられたり、奥田民生に可愛がられていたりすることが、“周りが放って置かない”ということなのかもしれない。
木村カエラの才能を多くの人が認め、そして木村カエラはデビュー五周年を迎えて、二万人の群集が彼女の紡ぐ音楽を求めてこの場所に集まった。その中のひとりとして、私も木村カエラの世界を心から楽しんだ。

中盤はしっとりと聴かせるナンバーを展開。
イルカの歌を聴きながら、私の精神は遥か南の海へと飛んだ。
こんな横浜の薄汚れた海(一応私も生まれは横浜なので、横浜は大好きですが。)じゃなくて、南国の透き通った海をイメージしながら、その歌を聴いていた。
そして不意に木村カエラは「この時期には相応しくない曲行っちゃっていい?」と言う。その言葉を聴いて私は心が震えるのを感じた。大好きな『snowdome』だ。しっとり系の歌でありながら、とてもエレキギターのアクセントが効いていて、とても素晴らしい仕上がりのナンバーだ。正直、パフォーマンスはイルカの歌の方がよかった気がするが、この曲をライブで聴けて感無量だ。
さらに木村カエラは「私の好きな曲を歌ってもいい?」と言う。
どの曲を演奏するのだろうと聞き耳を立てていると、ワニと小鳥の歌だった。この曲の物語は、とても私の想像力を刺激する。旋律もアレンジも見事な楽曲だと思う。CD音源では最後に喰っているような音がするけれど。
そして『Butterfly』。この楽曲は、木村カエラの新譜の中でも出色の出来だと思う。少なくとも私は、『POCUS HOCUS』の中ではこの曲が一番好きだ。途中で木村カエラは感極まって歌えなくなってしまった。彼女の泣き顔を肉眼で捉えながら、私は少しだけもらい泣きをしそうになってしまった。そして木村カエラと一緒にハミングをして、また心が震えた。

終盤は再び盛り上がる楽曲群を演奏。
最後は万歳で幕を閉じた。

幕が降りても群集は、木村カエラの名を呼び続ける。
群集はアンコールを要求している。
だが、5分ほど経過しても木村カエラがステージに戻ってくることは無かった。すると、モニタに映像が映し出された。モニタにはワゴン車から降りてくる木村カエラの姿が・・・
ん?
みつばちダンスの衣裳を着用している。
そしてCブロックとファミリーブロック(五歳以下のお子様は保護者の同伴で無料となるブロック)の間に設置されたサブステージで、みつばちダンスを歌い踊る。木村カエラお姉さんによる子どもたちへのちょっとしたサプライズだったのかもしれない。
みつばちダンス終了後は、木村カエラがサブステージに乗っかったまま移動して『リルラ リルハ』を演奏。サポート陣はみつばちダンスの演奏中から、メインステージでスタンバイしていて、一緒にみつばちダンスを少しおどけた様子で踊っていた。
アンコールラストは『Jasper』。
この曲も嫌いじゃないし、むしろ好きだけど、もっと大好きな『happiness!!!』は演奏されないのか・・・
私は少し残念に思っていた。
だがアンコールの後も、群集は帰ろうとはしない。ステージ上ではスタッフが楽器のチューニングをしている。
もしかして・・・
そう、もしかしてのダブルアンコールである。
一曲めは『Circle』。皆でタオルを回しながら盛り上がる。
会場の「ありがとう」という声に、木村カエラは「こちらこそどうもありがとう」と言う。そんなやり取りがあって、私は“本当の最後の曲は何なのだろう?”と内心ドキドキしていた。心の声は何度も何度も「happiness!!!」と叫んでいる。だけど私は木村カエラの熱心なファンじゃない。『happiness!!!』がファンと木村カエラにとって、どんな位置に存在していて、どんな意味を持っているのか、私には分からない。だけどそれは、木村カエラの楽曲の中でも一番最初に私の心に響いたナンバーなんだ。だからどうしても聴きたかった。
そして私の願いは受け入れられた。
私は声に出さずに『happiness!!!』の歌詞をトレースしながら、深い感動に身を委ねた。私が激しく心を揺さぶられていると、ステージ後方から打ち上げ花火が上がり、木村カエラのデビュー五周年を祝った。

すべてのパフォーマンスを終えた木村カエラは、沸き立つ群集を鎮めて、マイクを使わずに肉声で群集に語りかける。

「今日は、」
「みんな、」
「どうも、」
「ありがとー!!」

一語一語確かめるように言葉を吐き出し、木村カエラは群集に深々とお辞儀をして、舞台袖に消えた。
二時間三〇分を超えるステージはこうして幕を閉じた。

終了後、モニタには

“今日は来てくれて
 本当にどうもありがとう。
 みんな愛してるぜ!!!”

という木村カエラ自身の筆によると思われる文字とイラストが表示されていた。

この素晴らしい体験をその心に焼き付けながら、私は夜の赤レンガ倉庫から横浜駅までの道を歩いて帰った。

横浜駅北口にある立ち呑み屋で生ビールを二盃煽って帰った。
ライブの前に呑んだ缶ビールを最後に、私はひとしずくの水分も摂っていない。
とても喉が渇いていたので、一盃めを呑み乾すのに六〇秒とかからなかった。

これからも機会があったら木村カエラのライブに参加してみようと思った。ファンクラブに入ったりするのは、私の趣味じゃないから、次の機会がいつのことになるのかは分からないけれど。


セットリスト(某所より引用)
01.Magic Music
02.Level 42
03.You know you love me?
04.L.drunk
05.はやる気持ち的 My World
06.TREE CLIMBERS
07.マスタッシュ
08.dolphin
09.You
10.どこ
11.Snowdome
12.What ever are you looking for?
13.Samantha
14.Ground Control
15.ワニと小鳥
16.Butterfly
17.STARs
18.1115
19.BEAT
20.Yellow
21.BANZAI

-encore-
22.Honey B 〜みつばちダンス
23.リルラ リルハ
24.Jasper

-encore2-
25.Circle
26.happiness!!!



thanks_dude at 23:31|Permalink 音楽 | 木村カエラ

【前置き2(開演まで)】GO!5! KAELAND@横浜赤レンガパーク 野外特設ステージ

私は割高な缶ビールを会場で購入して、それを呑んでいた。
考えてみれば、午前十時くらいから、本日補給した水分はすべてビールだった。
やれやれ。
会場にはさまざまなオブジェや記念撮影用のパネルやお祝いの花環などが配置されていた。オブジェはきっと熱心な木村カエラファンにとっては、とても有難いものなのだろう。
私にはよくは解らなかったが。
花のオブジェ





sakusakuスタッフや、リリー・フランキー&スチャダラパー(連名)や、Perfumeなどから花が届けられていたようだ。
お祝いの花 from Perfume




二十分ほどの散策を終えて、私はレジャーシートの場所に戻り、バッグからレイモンド・カーヴァーの短編集『僕が電話をかけている場所』を読み始めた。夫とその友人達が釣りに出かけた山の中の川で若い女の遺体を見つけたことが特異点となって、“私”の人生に微かな軋みを生じさせていくというような物語。まだ最後まで読んでいないが、とても面白い短編だ。村上春樹の翻訳もまた味わい深い。
本を読んでいたら、周囲の群衆が立ち上がって前に詰めだしたので、私もそれに倣った。ステージからはかなり近い。おそらく10mと離れていないかもしれない。
やがてステージに設置された巨大モニタにJ-WAVEのアナウンサーが映し出されて、木村カエラの5年間の足跡を振り返る。合間に木村カエラに関わりのあるミュージシャンのコメントなどを挿入して、その時を待つ聴衆たちを飽きさせない。コメントを寄せてくれたのは、奥田民生、Perfume、Christal Kay、チャットモンチー、スチャダラパーくらいだったか?
そういえば木村カエラはずっと前に『カスタムメイド10.30』という映画に女優として主演していたような気がする。奥田民生が出ていて、広島球場のライブの映像が劇中に使われていたのはよく覚えているが、木村カエラの印象はすでに私の記憶から薄れている。(たしか私はその映画を劇場観たように記憶している。)
最後に、木村カエラ自身が録音したこのライブの10日前からの音声日記が流れて、ラジオ番組形式のマエセツは終了した。

時刻は午後五時三〇分。
聴衆は、木村カエラの登場を心から待ち望んでいた。


thanks_dude at 23:22|Permalink 音楽 | 木村カエラ

【前置き1(入場まで)】GO!5! KAELAND@横浜赤レンガパーク 野外特設ステージ

“KAELA KIMURA 5th ANNIVERSARY LIVE GO!5! KAELAND”という長いタイトルのライブに参加してきた。
赤レンガ倉庫




私は会場に着くまで、このライブが木村カエラのデビュー五周年を記念したものだということを知らなかった。なぜならこのライブのことを知ったのは、つい先週のことだったし、チケットを手にしたのは、ほんの数日前のことだったからだ。

午後三時、私は通い慣れた横浜の街を歩いていた。
横浜BLITZを左手に通り過ぎ、ランドマークプラザを抜けて、クイーンズスクエアへと侵入する。そこからコスモワールドのアトラクションを眺めながら、ワールドポーターズの脇を歩いていく。環状の歩道橋の下を進めば、赤レンガ倉庫はもう目の前だ。コスモワールド周辺あたりから歩く人の渋滞に巻き込まれたせいで、横浜駅から赤レンガ倉庫まで三〇分以上費やしてしまった。

午後三時ニ三分、すでに会場にはたくさんの人たちが詰め掛けていて、ひとりの歌うたいが紡ぐ世界を享受するべく、その時を待っていた。木村カエラのことを私はよく知らないが、身長わずか160cmにも満たない(推定)とても小柄な歌うたいは、自身の抱える内面世界を横浜の淀んだ海に面したステージで、体いっぱいで体言してくれることだろう。
そして私は詰め掛けた群衆の最後尾に並び、巡礼者の列に加わった。
開場が三〇分からなので、ほどなく入場出来るだろう。
カエランド、入り口はこちら





私は、木村カエラのライブに参戦するのは初めてなので、少し早めに入場して、様子を窺おうと思っていた。
だが巡礼者の列は遅々として進まず、私が入場したのは午後四時を回った頃だった。口唇の装飾が施されたゲートをくぐり、私はAブロックを目指した。Aブロック後方にレジャーシートを敷いて、開演時間までゆっくり過ごそうかと思っていたが、思い直して、もう少しステージに近い位置に移動した。まだほとんどの人が座っていたので、そこにレジャーシートを敷いて、とりあえずの居場所を確保して、会場内を散策することにした。


thanks_dude at 23:15|Permalink 音楽 | 木村カエラ

昼ごはん

『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』は、オープニングイベントの後に訪れる拠点が、いきなり広すぎて情報収集をしているうちに眠くなってしまった。正直に言って、最初の拠点はもうちょっと狭い世界にして欲しい。

小一時間ほどひるねをして、私は昼食を調理することにした。

本日十七時三〇分から開催される木村カエラのライブが終わったら、すぐに家に帰って、風呂に入って、晩飯を喰い、午前零時の回の『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』を観に行かないといけない。このタイミングを逃すと、私が『哀・戦士編』を再びスクリーンで観る機会はずっと先のことになってしまうかもしれない。

昼食と晩飯は同じメニュー。
別にそれで構わない。
どうせ、昼食なんか摂らなくても、ライブの前にビールでも呑めば空腹感なんか感じない。私は人よりも燃費がよく出来ているのだ。(いやそれは訓練の賜物なのかもしれない。)
だから昼飯と晩飯が同じメニューでも一向に構わないのだ。

人参、大根、みょうがを膾斬りにして、なますを作成する。
胡瓜を千斬りにして胡瓜とわかめの酢の物を作成する。
その合間に西京味噌に漬けられたさわらの斬り身を焼き、玉葱としめじの味噌汁を作る。

人参、大根、みょうがは塩もみして、水気を絞る。
きゅうりも水気を絞る。

だし汁、砂糖(みりんの方がベスト)、醤油を適当にブレンドして、鍋で煮込んで甘酢を作成。
甘酢を冷まし、冷めたら膾斬りにした野菜と混ぜて完成。

胡瓜は水でもどした乾燥わかめと酢と醤油で和えれば完成。
昼飯






中々旨い飯が完成した。
さわらとなますが旨いので、思わず缶ビールをもう一本空けてしまった。

やれやれ。

thanks_dude at 14:05|Permalink 気が狂う程まともな日常 | 料理

長い一日の始まり。

午前6時に目が醒めた。

目覚めて私は思う。
今日は長い一日になりそうだ、と。

『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』と木村カエラと奥華子のことで頭がいっぱいの私は、休日であるにもかかわらず、五時間三〇分しか眠り続けることが出来なかった。
きっと脳が興奮してしまっているのだろう。
午前七時に洗濯機を回し、一週間の衣服を洗う。
軽い朝食を摂って、片手にニンテンドーDSを持ち、『世界樹の迷宮』というソフトウェアで遊ぶ。もうすぐこの物語も終焉を向かえそうだが、『ドラクエ9』の影響で、しばらくはプレイできないかもしれない。

午前八時十五分に家を出て、10キロメートル以上の道のりを自転車で走る。
すでにお気に入りになってしまった木村カエラの『happines!!』『リルハ リルラ』『snowdome』、ワニと小鳥の歌やイルカの歌などを聴きながら、全力で自転車を漕ぐ。今日明日とライブなので、いつもの終末のように夕刻にジョギングをすることが出来ない。だからトレーニングを兼ねて、ギアは最大の7に設定し、最大戦速でアスファルト駆け抜けた。黒鉄色の躯体を持つ愛機“ズワウス”の調子は頗るよい。
ワニの小鳥の歌を聴いて、ふと思ったのだが、何だか感情の昂ぶりにまかせて恋人を殺してしまったサイコパスが自責の念に駆られて述懐しているような歌詞だな・・・そんな映画の主題歌に使うと丁度いい。
まあ、どうでもいいことだが。

三十分でその街にたどり着いて、『ドラクエ9』を購入。
ドラクエやファイナルファンタジーくらいのある程度の収益が見込める大作の発売日には、大手量販店は朝の七時に店を開ける。おまけで『ドラクエ9』のイラストが印刷された団扇を貰った。
そしてその脚で二ヵ月間放置してた髪の毛をカットしてもらいにカットサロンへ移動。

帰宅したのがまだ午前10時。
シャワーで汗を流し、缶ビールを呑みながら少しだけ新しい世界を覗いてみる。

ドラクエのことはここで語ることはやめておこう。


thanks_dude at 14:02|Permalink 気が狂う程まともな日常 

長い一日の始まり。

午前6時に目が醒めた。

目覚めて私は思う。
今日は長い一日になりそうだ、と。

『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』と木村カエラと奥華子のことで頭がいっぱいの私は、休日であるにもかかわらず、五時間三〇分しか眠り続けることが出来なかった。
きっと脳が興奮してしまっているのだろう。
木村カエラと奥華子のことは、ここで語るのはやめておこう。
午前七時に洗濯機を回し、一週間の衣服を洗う。
軽い朝食を摂って、片手にニンテンドーDSを持ち、『世界樹の迷宮』というソフトウェアで遊ぶ。もうすぐこの物語も終焉を向かえそうだが、『ドラクエ9』の影響で、しばらくはプレイできないかもしれない。

午前八時十五分に家を出て、10キロメートル以上の道のりを自転車で走る。

三十分でその街にたどり着いて、『ドラクエ9』を購入。
ドラクエやファイナルファンタジーくらいのある程度の収益が見込める大作の発売日には、大手量販店は朝の七時に店を開ける。おまけで『ドラクエ9』のイラストが印刷された団扇を貰った。
そしてその脚で二ヵ月間放置してた髪の毛をカットしてもらいにカットサロンへ移動。

帰宅てもまだ朝の10時。
シャワーで汗を流し、缶ビールを呑みながら少しだけ新しい世界を覗いてみる。

今回のドラクエは、主人公の容姿をある程度の範囲内でカスタマイズできる。ヘアースタイルにもう少しバリエーションが欲しいところだが、まあこんなものでいいだろうというところで手を打った。
しかしキャラクターメイキングによっては、クリリンとかも作れそうだな・・・

今回の主人公は守護天使らしい。
主人公が天使であるという設定は、これまでの勇者による冒険譚とはあまりにも異なるので、少し戸惑ってしまった。だがその戸惑いもまた心地よい。さて、ドラゴンクエストの新しい物語は、私に何をもたらすのだろう。
じっくりと新しい世界を堪能することにしよう。

思うに、ドラクエの新作が現行の据え置き型の最新鋭機ではなくてよかったと思う。ドラクエに高度なグラフィックなど要らない。そんなものでせっかくのゲーム性が損なわれて、大切なものが失われていくのは見るに忍びない。
くだらないやり込み要素や過剰すぎる演出で、ゲームがどんどんつまらなくなっていく現状で、製作者サイドが下した決断を、私は評価したい。
だが、本編はまだ始まったばかり。
本編をどう評価するのかは、それはまた別の話だ。


thanks_dude at 12:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0) RPG 

2009/07/09

木村カエラ

私は特に強く木村カエラの音楽に心惹かれているというわけではないのだが、機会があれば一度彼女の演奏をライブを体感してみたいと考えていた。
木村カエラの楽曲で、私の心を捉え得るものは、これまでの経験則から言って一枚のアルバムに一曲か二曲程度しかなかった。だから木村カエラの楽曲を何度も繰り返し聴く気にはなれなかった。
だが、その一曲か二曲のナンバーは、確実に心に残って長く留まり続けるだけの力を持っていた。例えばそれは『happiness!!』だったり、『リルラ リルハ』だったり、『snowdome』だったり、『Butterfly』だったりするのだ。特に『snowdome』はお気に入りで、これ一発で私にとってのキラーチューンとなり得る存在だった。

これまで木村カエラのライブチケットを積極的に求めたりはしなかった。少し前(先週くらいか)に、七月十一日に木村カエラが赤レンガパークでライブを行うという事実を知った。オークションサイトや、某SNSのコミュニティを覗いてみたら、市場ではまだチケットが余っているらしく、定価よりもほんの少しだけ安く手に入れることが出来た。本日、そのチケットが手元に届いた。
ここ数日は、近作を中心に木村カエラの楽曲を聴いている。だんだん木村カエラの音楽が好きになってきた。
なんだかとてもわくわくする。

最初は、先にあげた私にとってのキラーチューンだけ聴ければいいやと思っていたが、少し欲も出てきたようだ。他にもライブで聴いて見たい楽曲が増えてきた。だが季節柄、大好きな『snowdome』は演奏しないだろうな・・・

さて、木村カエラは私にどんな世界を見せてくれるのだろうか?
今から楽しみだ。


thanks_dude at 23:56|Permalink 音楽 

2009/07/08

味噌汁は日本人の心

昨晩鑑賞した『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:破』の劇中で、碇シンジが自分で作った味噌汁を綾波レイに差し出していた。
その味噌汁がやけに美味そうだったので、俺は味噌汁が作りたくなった。だが、仕事は捗らずどツボに嵌まり、昨晩『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:破』を鑑賞した後に乗ったのと同じ時間の電車に乗って帰った。
やれやれ。
この時間になると、買い物をする店を選ぶことはできない。
この時間に開いているのは、俺がいつも食材を調達している店と比べると、ほとんどの品物が少しずつ値段の高い駅前のスーパーマーケットだけだ。少し割高のスーパーマーケットで水でもどす乾燥わかめと豆腐と出来合いの物を購入して、帰宅した。
風呂に入り、味噌汁を作る。
わかめをもどし過ぎたので、半分はわかめと人参(本当はきゅうりがよかったのだが今は切れている。)で、かぼす汁の酢のものを作った。人参とわかめを軽く塩もみして、かぼすの絞り汁と醤油を少々加えてまぜるだけ。旨い。
味噌汁の具はわかめと豆腐だけ。
あとは出来合いの物を喰って晩飯とした。
やはり、味噌汁は日本人の心だぜ。


thanks_dude at 23:55|Permalink 気が狂う程まともな日常 | 料理

2009/07/05

無性にオムライスが食べたくなることってないか?

オムライスが食べたくなった。
夕飯はオムライスにしようと思った。

夕刻、眠気を覚えて私は午睡を楽しんでいた。

ふと先日読了した『吾輩は猫である』の一説を思い出す。

“午睡(ひるね)も支那人の詩に出てくると風流だが、苦沙弥君(吾輩の御主人)の様に日課としてやるのは少々俗気がありますね。何の事あない毎日少しずつ死んでみる様なものですぜ”

私は少しずつ死んでみながら、惰眠を貪った。
とても心地よい午睡だった。

午睡を終えて、水分を補給して、外が充分に暗くなるのを待って、私は夜の街へと駆け出した。

夜の街を駆け抜けて、私は螢の住む森を目指した。
螢はその繁殖活動を終えようとしている。
もはや、広大な森林公演をたゆたう螢のひかりは一条か二条しか確認できない。来年もまた螢の放つ儚い光を目視できることを願って、私は夜の林道を走り、家路に就いた。
夜の林道は、木々の梢から月光を微かに覗かせていて、淡い光とともに私をこの森の一部として受け容れようと試みる。
だが、この森はどのような人物であれ、分け隔てなく受け容れる公共の公演である。幾組かの家族が、林道を必要以上に明るい携帯型の照明で照らして、私の儀式を阻害する。この静謐な森に、必要以上に人工的な光を持ち込む人々と私はけして相容れることはないだろう。
無意味に煌く人工的な光に集中力を阻害されて、私はその森を後にした。
オムライス





帰宅して、風呂に入り、オムライスを作った。
微塵斬りにした人参、玉葱、ピーマン、椎茸と挽き肉(別にチキンでなくてもいい)を炒めて、塩とブラックペッパーで下味を付けて、おろしにんにくと酒で香りをつける。
野菜が炒まったら、ライスを加えてケチャップを投入して、塩で味を調整する。
赤いケチャップライスを皿に盛って、その上から半熟にしたオムレツを乗せて、固まっている外殻にスプーンで裂け目を入れる。
さらに上からケチャップをかけて完成。

なかなかに旨かった。

thanks_dude at 23:37|Permalink 気が狂う程まともな日常 | 料理

30周年記念上映 劇場版『機動戦士ガンダム』 

あれはたしか、私がまだ小学校五年生だったころのことだ。
当時中学生だった兄が帰宅して、テレビのチャンネルを10に合わせた。
そのアニメーションが、学校で話題になっているというとことだ。
テレビ画面の中では人型のロボットがドッグファイトを繰り広げていた。
それが私と『機動戦士ガンダム』との出会いである。
ちょうど、大気圏突入の場面で、緑色の機体が大気圏突入の際の摩擦熱で焼け落ちていくところだった記憶している。
それ以来、私は『ガンダム』の虜になった。
『ガンダム』が私の人生に与えた影響は少なくはない。
あれから二十数年の時を得て、『ガンダム』は生誕三十周年(※)を迎えた。
そして三十周年を記念して、初代『ガンダム』の劇場三部作がデジタルリマスター版で公開されるという。

(※)私がはじめて『ガンダム』と邂逅したのは再放送である。そして『ガンダム』は再放送から火が点いて、日本全土を巻き込むほどのブームに発展した。1989年放送時には、あまり視聴率を取れなくて、打ち切りになったくらいなのだ。最も、その打ち切りのおかげで、アムロは戦死することもなく、一年戦争のあの感動的な結末へと至るわけだが。

私は劇場へと赴いた。

1981年に私は、兄に連れられて劇場でこの作品を鑑賞した。
今となっては兄と会話を交わすことも少なくなってしまったが、当時の私たちは『ガンダム』の映画を一緒に鑑賞するくらい良好な関係を保っていたんだな。

そんなことはどうでもいい。

まず驚いたのが、いわゆるシネマスコープサイズではなく、テレビサイズ(4:3)だったこと。
劇場版第一作はテレビ版を再編集しただけの作品なので、それも選択肢としては正しかったのかもしれない。
次に驚いたのはナレーションの永井一郎の声が若い。(当たり前だ)
最初にやられ雑魚(ザク)パイロットのジーンさんを若本規夫が演じているのにも驚いた。
さらにオムルをこっそりと塩沢兼人が演じているのも驚いた。(後にマ・クベも兼任)

さすがに三十年前の作画はとても荒いし、世界設定も細かい演出もとても古臭い。
“えっ!?そこ手動??”
とか、
“スペースコロニーの隔壁、脆ッ!!”
(シャアに手榴弾で突破されていた)
などと、ときどき突っ込みを入れたくなる。

十年以上ぶりとはいえ、もう何度も観ているので新鮮味も無いし、私が小学生だった頃のように物語に引き込まれることもない。
だがやはりアニメーション史上に残る名台詞は、随所に散りばめられていて、とても懐かしくてとても興味深い。

来週は『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』を観に行こう。

お台場に建造されているという18メートルの等身大ガンダムも撤去される前に見にいかなくちゃな。

帰りにメモリアルパンフレットを購入した。
しかし、このショボイ内容で1300円はあまりにも暴利を貪り過ぎだろう?
映画本編がレイトショー料金で1200円だった。
別に豪華でもないのに、本編よりも高いパンフレットというのは如何なものか?
まったくもって拝金主義化している昨今の日本の状況には憂いを感じざるを得ない。


thanks_dude at 22:05|Permalink アニメ | 映画

2009/07/04

『The Wrestler』

映画を観に行った。
『The Wrestler』という映画を。

先週僕は莫迦みたいに大金を注ぎ込んで製作されたくだらない娯楽映画を鑑賞した。
それはそれで面白い体験を僕にもたらしてくれたのだけれど、その娯楽映画を観なかったところで、僕の人生には何の変化ももたらさないだろう。その帰りに僕はシネマストアで松本仁志の第二回監督作品『しんぼる』の前売り券を購入して、何だかシンボルチックな販促グッズを女性店員から受け取った。きっと『シンボル』も松本仁志第一回監督作品と同じように、クソ面白くもない作品に仕上がることだろう。前売り券を購入した時に、僕の前にシネマストアに並んでいた人が『レスラー』のパンフレットを購入していた。そして僕はその映画に興味を持った。その時は、長嶋一茂がマスクマンを演じるような、そんなどうでもよい映画なのだろうと思っていた。家に帰ってインターネットで調べてみると、ミッキー・ローク主演のインディペンデント系の映画らしい。評判も悪くない。そして僕はこの映画を観ることに決めた。

夜の街を駆け抜けて、僕は隣街を目指した。

『レスラー』は、かつて絶大な人気を誇っていたランディ・ラムという名のレスラーが、年老いてもなお闘うことをやめずに生きていく。
そんな物語である。
前半は年老いたレスラーが身を削りながら、魂をすり減らしながらも、闘っていく姿を終始抑え目の演出で描き出し、中盤は彼の痛みに満ちた人生を絡めて紡がれる。そして大きな余韻を残す結末に、僕はため息をひとつ付いてしまった。

主演男優のミッキー・ロークの人生とオーバーラップするような物語は、とても切なくて哀しい。
主演女優のマリサ・トメイもまた体当たりの演技を見せて、とても素晴らしい味わいを見せる。
マリサ・トメイは、『いとこのビニー』といういつだったかの映画でアカデミー主演女優を獲得したキャリアを持つ女優である。『いとこのビニー』はラルフ・マッチオ(『ベスト・キッド』の主演俳優)演じる若者が殺人だか何だかの容疑にかけれて、ジョー・ペシ演じる胡散臭いながらも弁護士をしている“いとこのビニー”に助けを求めるというコメディ映画だ。マリサ・トメイはビニーの助手で、事件解決に重要な役割を果たす女性を好演していた。だが、それ以降マリサ・トメイはヒット作には恵まれていない。
そんな背景も含めて、ロークとトメイのキャスティングに唸り、ふたりの演技に脱帽した。

先日プロレスラー三沢光晴がリング上でその生命を散らしたことは記憶に新しい。


Have you ever seen a one-legged dog making its way down the street?
If you've ever seen a one-legged dog then you've seen me
片脚の犬が通りを歩いて行くのを見たことがあるかい?
見たことがあるというのなら、それは俺を見たということだ。

bet I can make you smile when the blood, it hits the floor
Tell me, friend, can you ask for anything more?
俺の血がマットに滴る時に、俺はお前に微笑みをもたらすだろう。
教えてくれ、友よ。
これ以上何を望むというんだ?

Have you ever seen a scarecrow filled with nothing but dust and wheat?
If you've ever seen that scarecrow then you've seen me
埃と小麦以外何も詰め込まれていない案山子(かかし)を見たことがあるかい?
見たことがあるというのなら、それは俺を見たということだ。

These things that have comforted me, I drive away
This place that is my home I cannot stay
My only faith's in the broken bones and bruises I display
慰めだったものごとを、俺は自ら追い払っちまった。
ここは俺が留まることの許されない我が家。
俺が信じることの出来るのは、砕かれた俺の骨と俺自身に刻まれた傷痕だけなんだ。

Have you ever seen a one-legged man trying to dance his way free?
If you've ever seen a one-legged man then you've seen me
片脚の男が思いのままにダンスを踊ろうとしているのを見たことがあるかい?
見たことがあるというのなら、それは俺を見たということだ。


この映画のために書き下ろされたというブルース・スプリングスティーンの『The Wrestler』を聴きながら、故三沢光晴のことを思って、少しだけ泣いた。


thanks_dude at 23:36|Permalink 映画 | ドラマ

アンリミテッド:サガ

94a1326c.jpg


メーカー:スクウェア・エニックス(2002)
ジャンル:RPG
プラットフォーム:PS2

個人的評価:★★★★★
思い入れ :★★★★

レビュー 私が何かを書いている時に、よく言われる言葉がある。
「よく左手で、そんなに綺麗に書けますね。」
そう、私は左利きである。彼らの投げかける言葉に深い意味は無いのかもしれない。
ただ間を埋めるだけの言葉なのかもしれない。
でも私は思う。
「私の立場から言わせれば、あなた方の持つ、右手で物を書けるというスキルの方が、驚きに値するものである」と。
故に、必ずしも多数派の見解や意見が正しいとは思わない。
昔からそう考えていた。
しかし、議会制民主主義と高度資本主義経済の支配する社会では、少数派は黙殺される。
それが私を取り巻く社会が選択したシステムである。

さて、私は「アンリミテッド:サガ」という名のRPGが好きだ。
このRPGをやりこんだ。
全7名の主人公すべてでエンディングを迎えた。
私が少数派なのは、発売当時から理解している。

だが、私は思う。
多くの人が変革を嫌い、保守的なゲームシステムを望んだ結果、「アンリミテッド」後のSaGaの続編は、SFC版「Romancing SaGa」の完全リメイク作となってしまった。その完全リメイク作「ミンストレルソング」は、非常によく出来ていた。それは認める。
が、「アンリミテッド」が持っていたエポックメイキング的な精神は微塵もない。
昨今、大作のリメイクや関連作品にばかりに頼っているスクウェア・エニックス社の経営方針は、保守的なユーザーたちが作り上げてしまったものなのかもしれない。


thanks_dude at 09:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) RPG 

2009/07/03

【ささやかなキセキ】植村花菜@duo music exchange5

7月2日の植村花菜のワンマンライブにタイトルは無い。
公演名はずばり【植村花菜】。
言うなれば、タイトルなど記号に過ぎない。
出演者と会場と日付さえ判別していれば、それは絶対に必要なものではないのだ。
『春の空』植村花菜





私は、duo music exchangeというそれほど大きくはないライブハウスのドリンクバーで、ドリンクチケットに100円を添えて、生ビールをオーダーしていた。どこのライブハウスでも言えることだが、ライブハウスのビールは不味い。不味いビールをちびちびと呑みながら、私はレイモンド・カーヴァーの短編集『僕が電話をかけている場所』を読んでいた。周囲のざわめきや、ライブ前の落ち着かない気持のせいで、読書に集中できなかったので、読書をやめて周囲の音に耳をすませることにした。バッググラウンドミュージックにアリシア・キーズのナンバーが聴こえてきた。そういえばいつだっかのワンマンライブで植村花菜はアリシア・キーズの『If I Ain't Got You』を歌っていた。

静かにその時を待つ私の目が、サポートメンバーの登場を捉える。
編成は、植村花菜、Gt.、Dr.(Perc.)、Key.、Bs.(骨だけのW.Bs.正式名称知らん)。
サポートが『Darlin』のイントロを奏で始め、そして喝采とともに、植村花菜がステージに姿を現す。植村はギターを抱えて楽しそうに飛び跳ねる。
私は思う。
植村はいままでこんな風に飛び跳ねたりしていただろうか?
激しく髪を振り乱したり、泣きそうな表情で歌を唄う印象はあっても、飛び跳ねる印象はない。
だがとても楽しそうだ。
その植村の姿を見、その音を聴いて、私は奇声をあげる。
軽いMCをはさみ、三曲目は『恋の魔法』をハンドマイクで。
この楽曲は1stアルバムからの選曲。
やはりシンガーソングライターが初期衝動で作り上げた楽曲というものは、どこかしら胸を打つものがある。この日も演奏されるであろうあの曲を思い浮かべて、私は期待感を膨らませていた。
四曲目は『ラストランゲージ』。植村は髪を振り乱して、アパッショネートにギターを掻き鳴らす。
さらにMCをはさんで、六曲目は『神ヒコーキ』を、サポートGt.とふたりでアコースティックに演奏。
七曲目は『メロディー』。
これもまた初期の楽曲。
とても好きな楽曲だ。
Gt.に加え、Perc.、Key.が加入。
植村はギターを置いてVo.とタンバリン。
さらにMCをはさみ、八曲目『一番星と三日月』。
もともとジャジーなアレンジの楽曲なので、Bs.担当の人(Dr.の人と双子らしい)がW.Bs.の骨だけの楽器で加入した。
植村はVo.とマラカス。
九曲目の『神様につながる時』の前にMCで植村花菜は、この楽曲が1970年代から1980年代にかけてヒット曲を世に送り出していた都倉俊一という作曲家が、ジャニス・イアンという米国のシンガーに提供した楽曲であると話していた。ジャニス・イアンによる音源化は果たされず、お蔵入りとなっていた楽曲を植村花菜のスタッフが掘り起こして植村が唄うことになったという。都倉俊一のことを調べてみたら、たしかに彼の作曲したうたかたのような数々のヒット曲は私の心に今も根付いている。ジャニスのこともよく知らなかったので、調べてみた。ジャニスといえばジョプリンがメリンをまっさきに思い出すが、イアンの歌うテレビドラマ『岸辺のアルバム』の主題歌になった『will you dance?』という楽曲は、私にも聴き覚えがある。そういえばいつかのライブでアンジェラ・アキがジャニス・イアンのことを話していたかもしれないな。(アンジェラは『will you dance?』をカヴァーしている。)
十曲目『BLESS』で再び植村はGt.を抱えて演奏。
そして十二曲目は『ミルクティー』。
植村の中でもおそらくファンにもっとも指示されている楽曲なのだろう。私にとっての最高のキラーチューンは『キセキ』だが、やはりライブでは『ミルクティー』を聴くことが多い。そして当然の如くその楽曲は強く私の心を捉える。
続く十四曲目に『キセキ』。
私にとって『キセキ』といえば、Greeeen(eを何個記述すればよいのかも判らない。)の『キセキ』ではなく、植村花菜の『キセキ』なのだ。
やっとこの大好きな曲が聴けた。
あの時、不意に耳にした楽曲に、時はその流れを止めて、私は心を奪われた。それは私の身に起こったささやかな奇跡。深い思い入れもあって、植村の演奏はとても心に響いた。
十五曲目は『光と影』。
速い!!
CD音源よりも遥かに超速チューンに仕上がっている。
あまりにも超速過ぎて、植村が二度、ピックを取り落としていた。
終いには植村はピックを使うこと諦めたようだ。
十六曲目は本ステージ最後の楽曲。
『春にして君を想う』、ハンドマイクで熱唱。

アンコールは、グッズの紹介と宣伝から。
ライブ後にグッズ購入者には直筆サイン色紙をプレゼントされるらしいが、色紙など貰っても結局は飾ったりもしないし、邪魔になるだけなので、私がグッズの購入をすることはなかった。CDジャケットにサインしてくれるなら考えぬでもないが、3月にリリースされた植村の新譜はすでに購入している。二枚目を購入するほど私は物好きじゃない。

アンコール一曲目は数日前に完成したという『僕が守るもの』をギター一本で弾き語り。
「難しいコードがあるから失敗したらゴメンな」と植村は上方の言葉で軽口を叩く。
二曲目はバンドメンバーを呼び込んで『シャララ』。
この楽曲は、本当に晴れた休日に聴くと心地のよい楽曲だ。
最後に植村と私たちは、ハミングパートをともに歌った。
植村が時々フェイクやらアドリブやらを入れてくれるので、とても楽しかった。
この楽曲を演奏して、サポート陣と植村花菜は聴衆に一礼をして、舞台袖に消えた。
いつもは聴衆に深々とお辞儀をする植村もあっさりと手を振りながら退場していった。まあ、キャリアを重ねていけば、こんな風にあっさりとした幕引きを行うこともあるだろう。そう思って喝采を送っていたら、聴衆はその喝采を止めることをしなかった。
もしかして・・・
ステージではスタッフが、キーボードをステージ前面に移動させている。
まさか・・・
そして植村はまたステージへと舞い戻る。
熱心なファンにとっては、これは予定調和に過ぎないのかもしれないが、私にとってはとても有難いサプライズだった。
キーボードの弾き語りはあまり得意ではないと語って、『Only You』を唄い始める。そしてその楽曲をしっとりと歌い上げた。

そうして舞台の幕は下りた。
そして、植村花菜は聴衆にその想いを伝えるかのように、深々と一礼をして退場した。

正直な感想として、植村の声の調子はそれほどよくはないと感じた。
以前の植村ならば、もっと私を圧倒してくれたと思う。
だが、時折みせる輝きは、私を満足させるには充分だった。

植村の歌に“あなたが好きで やっぱり好きで 上手く言えないけれど 愛しい気持ちどうか まっすぐ届くように”なんていう歌詞があるけれど、やっぱり私は植村の紡いだ『キセキ』や『ミルクティー』に代表される楽曲を愛している。それが植村自身に届くかどうかはいささか疑問ではある(また届く必要もないと私は思う)が、その思いを深く心に刻み込んで、渋谷の街を後にした。
52000efd.jpg






セットリスト
01.Darlin
02.sky high
-MC-
03.恋の魔法
04.ラストランゲージ
05.太陽
-MC-
06.紙ヒコーキ(Acoustic Ver.)
07.メロディー
-MC-
08.一番星と三日月
09.神様につながる時
-MC-
10.BLESS
11.あなたのその笑顔はいいヒントになる
12.ミルクティー
13.ありがと。
14.キセキ
15.光と影(超速Ver.)
16.春にして君を想う

Encore
01.僕が守るもの(Gt.弾き語り)
02.シャララ

W.Encore
01.Only You(Key.弾き語り)



thanks_dude at 23:52|Permalink 植村花菜 | 音楽

スウィート・ホーム

スウィート・ホーム

メーカー:カプコン(1989)
ジャンル:RPG
プラットフォーム:FC

個人的評価:★★★★☆
思い入れ :★★★

故伊丹十三製作によるホラー映画をカプコン社がゲーム化。
ホラー映画をRPGとして製作する。
無茶な企画である。
まだまだバブリーだった時代、カプコン社は「マルサの女」などもゲーム化していた記憶がある。

謎解きとトラップが絶妙に織り込まれたゲームバランスは、今プレイしても充分楽しめると思う。

数年後、初めて「バイオハザード」をプレイした時に感じた既視感は、本作によるものらしい。


thanks_dude at 21:07|PermalinkComments(0)TrackBack(1) RPG 

2009/07/02

【長い前置き】植村花菜@duo music exchange

登録していたチケット販売サイトからE-メールが届いた。
七月二日に植村花菜が渋谷のduo music exchangeというライブハウスでワンマンライブを行うという。
植村花菜はこの一年、数枚のシングルと一枚のミニアルバムをリリースしたものの、このタイミングでワンマンというのは、少し意外な気がした。だが、確かに私が前回植村花菜のワンマンライブに参戦したのは、もう18ヶ月も前のこと。とても寒い一月の夜のことだった。そろそろワンマンライブを行ってもよい時期かもしれない。
『春の空』植村花菜






正直なところ、ライブが平日の木曜日ということもあって、少し迷っていた。加えて、昨年一月のツアー以降に私が体感した植村のライブも、それ以降に発売されたレコードも、及第点には達していても、私の期待を大きく上回るほどのものではなかった。

はじめて植村の歌う『キセキ』を聴いたのは、もう何年も前のこと。
インターネットのオンデマンド配信のライブ映像で『キセキ』聴いた瞬間に、私の心は急速にその世界に惹き込まれて行った。あの時、私が『キセキ』という楽曲に出逢えたことは、偶然なんかじゃない。そうやって私は出逢うべき音楽へと導かれていく。そうしてささやかな“奇跡”は紡がれていくのだ。

あの時の衝撃が強すぎて、私はいつも植村花菜に過度の期待を抱いてしまう。本当は私にだって解っている。あのような出来事は、人生において、それほど頻繁には訪れることがないのだということを。

それでも私は渋谷を目指した。
たしかに30分程度のイベントライブでは満足はできなかったが、植村はいつもワンマンライブでは私の期待を裏切ることはなかった。
特に2007年の1月4日、植村自身の誕生日に開催されたワンマンライブでは、あたたかいステージに大きく心を揺さぶられたのを覚えている。

渋谷に降り立った私は、井の頭線の改札をくぐって、生ビールの呑めそうな店を探した。京王井の頭線の周辺には数店の立ち呑み屋が軒を連ねている。私はそのひとつ、少し若者向け風の立ち呑み屋で生ビールを一盃注文した。そして、二分でそれを呑み乾して、三分後には会計を済ませて店を出た。カウンターのお姉さんが一瞬だけ見せた怪訝そうな表情を私は見逃さなかったが、その表情の理由も、その気持も理解は出来るので、自嘲気味に微笑んで会計を済ませた。
“僕はただ生ビールが呑みたかったんだ。ただそれだけなんだ。”
僕はただ生ビールが呑みたかっただけなんだ。




生ビール一盃程度ではほろ酔いにもならないので、そのまま早足で道玄坂を登ってduo music exchangeを目指した。

(ライブレポートに続く。)


thanks_dude at 23:54|Permalink 植村花菜 | 音楽

2009/07/01

路上

昨晩、私はその身に扱いきれないくらいのアルコールを呑み乾していた。
ダーツバーで会社の送別会があり、そこで私はビールニ盃とアマレットと珈琲のカクテル、梅酒とミルクのカクテルと立て続けにのんで、“ゴッドファーザー”というカクテルを注文した。“ゴッドファーザー”はウィスキーとアマレットのカクテル。甘い飲み口ながら、とても強いカクテルだ。最近私はアマレットというリキュールが気に入ってよく飲んでいる。そして昨晩も私はそれを呑んだ。後輩が自分も飲みたいと言って、何故か三盃もオーダーして、結局そいつは“ゴッドファーザー”をほとんど飲まなかった。だから私が二盃も呑むことになっってしまった。

仲間たちと打ち興じたダーツは、不思議なことに酔うほどに調子を上げていった。まるでジャッキー・チェンの酔拳みたいだと思った。

帰りの電車の中でほとんど眠りこけていた。
どこも乗り過ごすことなく、無事に乗り換えをして、自宅最寄駅で降りた。まともに歩けそうもなかったので、駅のベンチで鞄を枕にして20分ほど眠った。
立ち上がって家路に就いた。
傘を差すほどではないが、弱い雨がアスファルトを濡らせている。
200メートルほど歩いた辺りで、もう歩いていることが辛くなってきた。まっすぐ歩けないし、とにかく眠い。
私はパチンコ店の廂のしたで横になって眠ることにした。
どれくらい眠っていたのかは分からないが、その間に道行く人に「大丈夫ですか?」と尋ねられた。私は静かに眠らせて欲しいと思いながら、丁重に「大丈夫です」と答えた。そしてまた眠った。合計で二人の人に声を掛けられたと記憶している。

目を醒まして小高い丘を登りきった私は、またしても前に進むことが出来なくなってしまった。通りの脇にある携帯電話会社の直営ショップの軒下でまた眠った。
どれくらい眠ったのかは、もはやどうでもよかった。

まだふらつく足取りで丘を降りて、もうひとつの丘を登り、漸く家にたどり着いた。
時刻は午前1時50分を回っていた。
電車を降りてから、2時間30分近く経過していた。

つぐづく自分が駄目な人間だと思った。

酔いはまだ醒めない。
風呂に入って、眠ろうと思ったが、まったく眠れなくなってしまった。
結局夜明けまでほとんど眠れなかった。
胡乱な瞳で梅雨空を見上げながら、いつもの時間に出社した。

今にして思うと、シーフとかローグとかバーグラーとかに貴重品を奪われなくてよかったと思う。酩酊した酔っ払いが、深夜に眠っていても安全に過ごせるというのは、この国がとても安全である証拠なのだと思った。


現在私はMicro Soft社のACCESSというアプリケーションソフトを使って、VBAで動くツールを作成している。現段階で手をつけられそうな部分のコーディングはほぼ完了した。今日はその動作検証とコードの修正を行っているから、それほど眠くはならなかった。午前中はすこしきつかったが、何とかやり過ごした。午後は好調だった。二日酔いなどの症状もない。(私はあまり二日酔いというものをしない体質らしい。)

帰りの電車でレイモンド・カーヴァー著、村上春樹訳の『僕が電話をかけている場所』を読み始めた。まだこの短編集に対してとやかく言うほどは読み進んでいない。

帰宅して晩飯を作成した。
今日は、鮎の塩焼きと、ししゃもの干物と、玉葱の味噌汁と、茄子の小鉢。
鮎は包丁で軽く鱗とぬめりを取って、各種ヒレ部分に多めに塩をまぶして、全体的に塩を振って、串を通して焼く。
茄子は一口大に斬って、オリーブオイルで軽く炒めて、豆板醤、おろししょうが、めんつゆ、ごま油と一緒に和える。

和を堪能した。
昨晩しこたま呑んだので、晩酌はハイボール一盃だけにしておいた。鮎と和風御膳?


thanks_dude at 21:34|Permalink 気が狂う程まともな日常 | 料理
記事検索
Categories
Archives
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: