今度はタレント・エージェンシー・アクトの日本語版。
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タレント・エージェンシー法――ライセンスなくして斡旋するべからず

http://www.agentassociation.com/frontdoor/news_detail.cfm?id=306

この10年の間、カリフォルニア労働委員会とカリフォルニア控訴裁判所はエンターテイメント業界に1つの一貫したメッセージを発信し続けてきました。すなわち、それは「ライセンスなくしてクライアントに代わって斡旋するべからず。もし、そうするならば、委任状を失うことになる」ということです。 マネ−ジャーが思い出す必要があるなら、控訴裁判所はそれをYoo v. Robiにおいて規定しています。
 Yooはライセンスなしのセレブなクライアントの労働斡旋は、いくら回数が少なく、小規模であっても、タレント・エージェンシー法に違反すると判決を下しています。その上に違反すると、契約によって稼いだ手数料を失うことになります。この判決に至って、法廷はこの法律の条文の背後にある目的を確約しました。すなわち、アーティストのキャリア、あるいは個人的な安全への影響を顧みないでアーティストを食い物にしようとする不届きな個人からアーティストを守ることです。
 タレント・エージェンシー法は1913年のカリフォルニア私的雇用エージェンシー法から進化したとはいえども、州議会がアーティストへの雇用斡旋が多くの複雑さをはらんでいるということを認識し、従ってタレント・エージェントに独自の規則を与えるようになったのは1959年になってからでした。
 現在、同法はカリフォルニア労働法1700から1700・46までの条項で定義され、アーティストを非倫理的ビジネスマンから守ることを目的とする2つのセーフガードを含んでいます。
 第一に同法は、モラル的に問題のある人格を持つ個人をアーティストから排除するための詳細なライセンス要件を含んでいる。第二に同法は必要なライセンスを持たずにタレント・エージェントとして活動する者を厳しく罰します。
 カリフォルニア最高裁判所が示すように、労働委員会とカリフォルニアの裁判所はライセンスを持たないパーソナル・マネージャーがアーティストのために雇用を斡旋すると契約を無効にします。Styne v. Stevens、26、第4、42、55(2001年)を参照。同法の1年制限法令を前提として、両者ともライセンスなしの雇用斡旋によってマネージャーに支払われた全額を吐き出させさえしました。Cuomo v. Atlas/Third Rail Management, Inc., TAC No. 21-01; Wachs v. Curry, 13 Cal. App. 4th 616, 626 (1993).を参照。
 同法はタレント・エージェンシーを斡旋、契約、アーティストのための雇用や雇用契約の斡旋の企画の業務に従事する個人や法人として定義しています。同法においてライセンスを取得するためには、個人は道徳的な人格や身元保証人や経歴確認に基づいた社会的立場について広範な調査を受けなければなりません。申請者は手数料を払うのに加え、違反があった場合、被害を受けたアーティストがある程度の弁済を受けられるように1万ドルの供託金も労働委員会に払わなくてはならない。
 いったんライセンスを受けたら、エージェントはアーティストとのすべての契約書を委員に提出し、承認を求めなければならない。委員は不公正であったりアーティストに対して過酷だと思われる契約の承認を保留する権限がある。承認が得られれば、エージェントはアーティストに代わって集めたすべての資金を信託口座に預けなければならない。エージェントは資金を受け取ってからエージェントの手数料を控除して15日以内に資金をアーティストに分配しなくてはならない。アーティストの収入の詳細な記録が維持され、公正な求めに応じて労働委員会が閲覧できるようにしておかなければならない。
 エージェントが雇用される目的、つまり雇用の斡旋になると、エージェントはさらなる制限を受けます。エージェントは誤っていたり詐欺的だったり、ミスリードさせるような情報、あるいは広告を発表してはなりません。エージェントは、アーティストを危険な場所に送り込んだり、雇用者と手数料を分けたり、手紙の作成やアーティストの写真を送るようなサービスのための「登録手数料」をアーティストに請求したりすることも禁じられています。
 これらの面倒な必要条件に加え、エージェントの手数料は様々にあるエンターテイメント業界の組合や団体との合意に従って10%から20%の間に制限されている。
 一方でパーソナル・マネージャーはタレント・エージェンシー法の規制からはおおよそ解き放たれている。マネージャーはライセンスによる制限からは自由で、彼らの契約において取り分を交渉するのはより柔軟で、アーティストの稼ぎの25%まで受け取れるかもしれない。マネージャーたちは彼らのクライアントが行う企画をプロデュースすることによってアーティストから追加して収入を得られるかもしれない。
 しかし、まだある。同法はマネージャーが積極的に雇用を斡旋できないようになっているのだ。通常、これからレコーディングをしようという歌手はレコーディング契約なしでは、エージェントのサービスを手に入れることができないということを認識しているので、同法はライセンスを持たない個人が「アーティストのための雇用斡旋や契約、レコーディング契約の斡旋」に従事することを認める。さらにマネージャーはマネージャーが「ライセンスを持つタレントエージェントと共同、そして要請に基づいて」行動する限りは、顧客のための雇用契約について交渉してもよい。
 エージェントに似た方法でマネージャーを規制する唯一のメカニズムは、仕事の違法斡旋の結果、稼いだお金を失うという脅しです。このアプローチは、20年近くにわたって強調されてきました。
 1985年、カリフォルニア・エンタテイメント委員会(1982年にタレント・エージェンシー法によって設立)は、「タレント・エージェントとしてライセンスを受けていない人は、いかなる事情、または環境に関わらずアーティストのために仕事を斡旋することを許されない」と報告しました。しかしながら、この政策勧告は、Waisbren v. Peppercorn Productions, Inc., 41 Cal. App. 4th 246 (1995)の歴史的決定に至るまで留意されなかった。ワイズブレンにおいて、控訴裁判所は、それの先の判決であるWachs v. Curry, 13 Cal. App. 4th 616 (1993)をひっくり返し、委員会の報告を踏まえて、これらの活動に対してマネージャーの時間の「些細な」あるいは「偶発的な」一部分であるときであっても、マネージャーが単独で仕事を斡旋することを禁じることを規定しました。
 4年後、Park v. Deftones, 71 Cal. App. 4th 1465 (1999)における法廷は、委員会の報告の基となる政策議論と、タレントエージェンシー法の条項を補強しました。音楽グループ、デフトーンは、労働委員会にマネージャーであるデイブ・パークとのマネージメント契約を無効にするよう申し立てました。その背景には、パークがタレント・エージェントのライセンスを所有せずに84の別々の場合に、グループに対して出演を求める契約を獲得していたということがあったのです。
 ミュージカル・アクトと並んでパークの裁判は、パークがデフトーンへの仕事の斡旋で依頼を受けていないという事実を退け、そして、「同法の補強目的、および長期間にわたってみられる酷使からアーティストを保護する法定目的」が雇用が法的に斡旋される前ににライセンスの所有を必要とすると強調した。
 Yooはワイズブレンとパークの判決に横たわっている政策は変わっておらず、同法が最初に施行されたときと同様、今日も有効であると示した。
 Yooはマネージャーとアーティストの間の典型的な手数料紛争も関わってくる。かつてのポール・ロビのマネージャーであり、プラターズのオリジナルメンバーの一人であるハワード・ウルフはロビを個人マネージャー契約から生じる未払いの手数料を求めて告訴した。契約の下で、ウルフは「娯楽および出版業」におけるロビの活動の結果ロビが受け取るすべてのお金の中から一部を得ることになっていた。契約はさらにウルフが「ただ一人のパーソナルマネージャー」として活動することを規定していた。なぜなら、契約によれば、ウルフはロビ「のために雇用を探したり獲得したり、契約を結ぶことを許可されていない」ためだった。
 Yoo法定は、ウルフのロビとの契約全体を無効にし、従って契約に基づいたいかなる回復も禁じる、ロビに対する第一審の裁定を支持した。
 そうすることで、法廷はエージェントの役割はアーティストの他の個人的代理人のそれとはまったく違うとして上訴を棄却した。裁判所が説明するには、エージェントの「第一の役割」は、「アーティストの才能をエンタテイメント業界の買い手に」届け、「雇用の個々の条項」を取り決めることであり、エージェントは他の個人的な代理人とは区別されるということだ。
 裁判所はこう結論づける。エージェントは個性に基づいて評価されるアーティストの唯一の代理人であるならば、エージェントだけがアーティストにアーティストの安寧を害さないような仕事をアーティストに供給することを任せられる。この論理的根拠は同法の発効から45年あまり変わっていないことを知ると、裁判所はエージェントの信頼性は「エージェントの人格を調査し身元を突き止めること、保証金の供託、タレント・エージェンシー契約に対する労働委員会の承認、タレントエージェントに安全でない場所にアーティストを送ったり、未成年者を酒場に送ったりすることを禁ずる(ルール)、娼婦ややギャンブラー、酔っぱらい、ポン引きがタレントエージェントが業務を行う場所に頻繁に立ち寄ったり、雇用してはならないとする(ルール)」に従っていることにより起因すると言明している。
 Yooは、ライセンスを持たない代理人はアーティストのための仕事を斡旋してはならないと再度、言明する。再び言う。マネージャーたちよ、あなた自身が事前に警告されていると心得よ。