マースクは世界最大のコンテナ輸送会社として、毎年1200万個を超えるコンテナを地球上のありとあらゆる場所に輸送しています。従って、使用する燃料も莫大な量。それだけに、ECOに対する意識が非常に高く、先進的な取り組みを行っているようです。

具体的には、バイオマス燃料を積極的に使用するとともに、超低燃費で従来の船舶(旧モデル・マースクE級)に比べて燃料消費を37%削減、二酸化炭素排出量を50%削減できる新しいコンテナ船、マースク・トリプルE に、ものすごいペースで切り替えています。00032011年、韓国の大宇造船海洋(2019年より現代重工業グループ傘下)に一気に20隻の建造を発注し、船舶業界、造船業界は話題騒然。2015年には15隻が就役したとのことなので、現在は20隻すべて世界中の海を航海しているでしょう。

名前の"トリプルE"とは"Economy of scale", "Energy efficient", "Environmentally improved"3つのEからとったもの。スケール・メリット・低燃費・環境性能というコンセプトで設計された世界最大級(全長400m、幅59m)の高効率のコンテナ船です。エンジン出力は109,000馬力。ちなみにアメリカ空母は概ね65,000馬力ですから、このコンテナ運搬船はとんでもないパワーの持ち主。一説によると27ノット(時速約50km)くらい出せると言われていますが、船の場合、スピードが2倍になると燃料は4倍、3倍になれば9倍という具合に恐ろしく燃料を消費するので、実際の航行は15ノットくらいではないかと思われます。0001 (1)

さて、この船舶がどのくらい燃料を消費するのか?詳しいことは分かりませんが、パナマックス(パナマ運河を通過できる最大船舶 全長366m×全幅49m)の場合、航海中の1日の燃料消費量は200ℓのドラム缶 約500本前後。従って、それよりもっと大量の燃料を消費すると考えられます(燃費は天候、積荷や速度によって大きく左右されます)。

仮に、200ℓ×500本と設定した場合、1日当たりでドラム缶185本分の燃料を節約することができるわけです。船舶の年間稼働日数がどれくらいなのか分かりませんが、一般のサラリーマンと同等120/年の休日があるという前提で換算すると1隻あたり年間でドラム缶45,325本分の節約。20隻でなんとドラム缶906,500本分の燃料節約となるわけです。0004 (1)

マースクは大小さまざまなタイプを合わせて715隻のコンテナ船を保有しています(2017年時点)。これらすべての船舶を超低燃費タイプに切り替えたとしたら、とんでもない利益に置き換わることでしょう。バイオマス燃料のお値段が従来の船舶燃料であるC重油より少々高くとも、この未来収益はデカイはずです!