前回のブログでは、マースクがバイオ燃料の積極的な利用と超低燃費の船舶への投資していることを書きましたが、営業的な狙いはどのようなものなのでしょうか?

完全なカーボンニュートラルをめざして地球環境へのダメージをできるだけ抑え込むというのは、強烈に燃料を消費する海運会社にとって、もはや義務と言っても過言ではないでしょう。ちなみに、カーボンニュートラル (carbon neutral、炭素中立) とは環境化学の用語で、何かを生産したり、一連の人為的活動を行った際に排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ量である、という概念。すなわち地球環境に負荷を与えない生産活動という意味です。0001カーボンニュートラル

マースクに輸送を依頼しますと、輸送業務完了後、依頼主には請求書と共にカーボンニュートラル証明書が届きます。これは、RSBRoundtable on Sustainable Biomaterials:持続可能なバイオ燃料に関するラウンドテーブル運営委員会という組織で本部はジュネーブにあるようです)標準に基づいて計算され、 第三者によって監査された炭素削減量が記載された証明書です。そして、依頼主は自社の荷物がRSBが認めた輸送手段を利用していること、そして炭素削減に寄与していることを社会に対してアピールすることが認められる。単純なことを言うと、‟広告に使ってもいいよ!“ということです。もちろん、貨物輸送を担うマースクの船舶はISCCInternational Safe Community Certifying Centre:国際セーフコミュニティーセンター)によって持続可能な燃料として認定されたバイオ燃料を使用しています。マースクは、この特別な輸送システムをMaersk ECO Delivery として商品化。従来の船舶による輸送とECO Deliveryどちらを選ぶかは依頼主の判断としているようで、地球環境の保護に積極的な企業はこぞってMaersk ECO Delivery を指定します。

私の調べた限りにおいてMaersk ECO Delivery を積極的に利用しているのは、ドイツの自動車メーカーBMW、そしてスウェーデンのアパレルメーカーH&Mです。特にH&Mは、地球温暖化の副産物として氷の面積が縮小することにより開通するであろう北極海航路(これにより輸送費が大幅に安くなるだろうということ、海底に眠っている膨大な量の資源が世界の注目を集めている)を、デリケートで豊かな自然環境を持つ北極海を通過することは環境破壊に通じるとして一切利用しないことまで宣言しています。eco

このMaersk ECO Deliveryという環境性能に優れた輸送システムは、企業姿勢や思想に共感する取引先企業を加速度的に拡大させていくでしょう。それに伴って、マースクは成長しつづけるでしょう。Maersk ECO Deliveryとは、言わばマースクのサスティナビリティ戦略の源泉なのです。

昨年、SDGsのセミナーを受講する機会がありました。その時は、活動にはかなり予算が必要となりますし、それが未来収益につながることだと言われても今一つピンときませんでした。しかし、今回マースクの企業活動を調べてみてはじめて「SDGsというのはブランディングやマーケティングに通じる最強の武器でもあるんだ!これが未来収益かぁ!」と実感。SDGsについておぼろげながらではありますが、分かってきたような気になってまいりました。SDGs-662x435 (1)

SDGsは、日本国内において様々な取り組みがなされています。そろそろ当社においても真剣に取り組まなければならない時期が到来したようです。いや、「遅いよ!」と指摘されるかもしれないくらいです。

Maruyama ECO Delivery 実現させてみたいですね。

そうすれば、売り込む会社ではなく、選ばれる会社になるはずです。

それがSDGsの醍醐味!