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物流に関連する四方山話を書いています。

タグ:横浜港

江戸幕府が安政5年(1858年)にアメリカ合衆国、ロシア、オランダ、イギリス、フランスと結んだ通商条約は、外国に領事裁判権を認め、外国人犯罪に日本の法律や裁判が適用されないこと、日本に関税自主権(輸入品にかかる関税を自由にきめる権限)がなく、外国との協定税率にしばられていること。無条件かつ片務的(契約当事者の一方だけが債務を負担する契約)な最恵国待遇条款を承認したこと等々、国際的条約としては、はちゃめちゃな不平等条約でありました。2y0427この条約が改正されるまで締結から25年近くを要したわけですが、その間に日本が千年間かけて蓄えてきた金銀のほとんどすべてを外国に流出させてしまったと言われています。いったいいくらなんだろう? ああ、もったいない!

この頃の列強各国は、神戸を中心として密輸や脱税などやりたい放題だったようで、そのことに危機感を抱く政治家や役人もずいぶんいたのです。考えてみれば、当時の政治家や役人の皆さんは、ちょっと前まで刀を振り回して尊王攘夷だ!と暴れまわっていたのですから当然ですよね。

その中の一人に佐賀藩出身の大蔵卿・大隈重信(早稲田大学の創設者)がおりました。大隈は、密輸・脱税を取り締まる規則の制定を政府に求めたのですが、取り締まりには相手国の了承が必要であるとの姿勢を崩すことはありませんでした。大隈に真っ向から対立したのが第4代外務卿・寺島宗則。江戸時代、彼は薩摩の下級武士でしたから藩閥(出身藩の派閥)と個人的コンプレックスがあったのかもしれません。結局、大隈がどれほど食い下がっても政府としての見解が覆ることはありませんでした。

さらに大隈は「横浜港大波戸場新築之儀ニ付伺」という提案書を提出します。その背景には、横浜港において増え続ける貿易量に付焼刃的な艀の増築で対応している無策への憤りがあり、大桟橋の建設によって抜本的な対策をとる必要性を説いたわけです。大隈さんです

しかし、冒頭で述べた事情に加えて佐賀の乱、台湾出兵による出費が加わり絶望的な窮状に陥っていた明治政府は、大隈プランを握り潰したのです。一説によると握り潰した張本人は、薩摩藩出身の内務卿・大久保利通だと囁かれています。大久保はその頃「東日本7大プロジェクト構想」なるものを思い描いて、そちらを優先させるために大隈プラン退けたらしいのです。そのプロジェクトの一つに、大失敗に終わった宮城県野蒜港の築港も含まれていました。
http://the080.re-cruit.info/blog/detail/96 (港の話1:野蒜港はこちらから)

ところで、派閥の存在を身近に感じたことはありませんか?こういうのイヤですよね!当社に不平等条約はありません。CREDOをしっかり守っていますからご安心ください。
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横浜のシンボル的な存在といえば赤レンガ倉庫。その目の前に、ぱしふぃっくびいなす、飛鳥Ⅱ、ダイヤモンド・プリンセス、にっぽん丸など日本を代表する豪華客船が着岸する大桟橋があります。DSC_0112横浜港の築港は、この大桟橋からスタートしました。明治27年のことです。

当時、江藤新平をリーダーとした佐賀の乱(明治7年)の鎮圧や西郷従道が勝手に台湾に出兵(明治7年)してしまったことにより、明治政府の台所は火の車。とても港湾整備などできない窮状ではありましたが、そこに降って湧いたように米国から巨額の予算が届いたのです。

このお金、幕末に長州藩vsイギリス・フランス・オランダ・アメリカ、列強四国との間に起きた二度にわたる武力衝突の賠償金として幕府がアメリカに支払ったもの。長州藩
当時、アメリカは南北戦争の真っ最中で遥か彼方の日本にかまってる余裕はなく、4か国の連合艦隊には適当な船をチャーターしてわずかな大砲を積み込み日本に向けて出港させました。実は、国際的な対面を維持するための形ばかりの参戦だったようです。その後、南北戦争が終戦を迎え、国内が落ち着いた段階になると、そこはピューリタン、熱血&正直なんですね。『いったい我が国にあんな莫大な賠償金を請求する資格があるのか…』という議論が沸き起こり、じゃ日本にお金を返そうということになりました。そんなわけありのお金だったのです。

この予算によって、かろうじて大型船が着岸できる鉄の桟橋が完成。ここから横浜港の発展がスタートしたのです。現在では、年間300TEUを超えるコンテナ取扱量を誇る国際戦略港湾となった横浜港には、こんなドラマがあったのですね。Trafficnews_78444_9ba3_1

この大桟橋、かつては『メリケン波止場』と呼ばれていたことがありますが、このような事情を反映した愛称だったのかもしれません。



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