岡本: 次は、プラン以外の外観デザインやインテリアについてお話を聞かせて下さい。
大川: 最近、全く別件なんですが建売りを買おうかと悩んでいる方の相談にのっていたんですが、値段
も予算内だし、出来上がっていて、実際のものも確認できているので決めてしまおうかなと思い
つつも、やっぱり“建売りっぽくてイヤ”だと言うんです。
最近の人たちは良いものも沢山見ているので、見る目が研ぎ澄まされているんですね。
岡本: 一般の建売りとそうじゃないもののデザインの差って、言葉にして説明しようとすると難しいん
ですが、でも見ると全然違うんですよね。
大川: 外壁のサイディングにしても一般的な建売りで良しとされるものと、私たちが良いと思って選ぶ
ものは全然違いますし、サッシと外壁の取り合いとか、屋根の形状…これは外観の印象を大きく
左右しますね。それと余計な要素が無いこと…一般の建売りは上と下で色を切り替えてみたり、
装飾があったり、例えばレンガ風に見える材料を使ってみたりしますがあえてシンプルにつくる
ことで、そこに質の良さを感じていただければと思います。
岡本: 建売り事業を専門にしている会社というのは、年間に何100棟と供給して行かなければなりませ
んので効率的、合理的にものをつくらざるを得ない…どうしても大量生産品っぽくなってしまう
のかなと思います。それに対して注文住宅は、ひとつひとつ手作り感覚でつくって行くのでそれ
が結果的に見た目の違いにも表れるんでしょうね。
「せりがやパークサイドハウス」は、アクロスにとって初めての建売り事業ですから、当然大量
生産ではなく大川さんと一緒に手作り感覚でつくってきましたので、きっと出来上がったものは
建売りらしくないものになるんだろうなと思っています。
大川: 図面の枚数も、一般の建売り住宅ではありえないくらいの枚数を描いています。もっと少ない枚
数の図面でも、家を建てようと思えば建つんですが、例えば、この窓から外がどういう風に見え
るか…とか、部屋のこの位置に建つと部屋全体がどう見るか…とか、色々なことについてベスト
の選択をするためには、図面を沢山描いて検討することが必要です。
岡本: 確かにうちの社内でも、「建売り住宅で、普通はこんなに図面描かないだろ…」と話題になって
ましたよ。
大川: なおかつ工事が始まってからも、どうやったらきれいに収まるかどうすると一番きれいに見える
かを、常に現場と相談、指示しながら進めていますので工務店も建売りをつくっている感覚じゃ
ないでしょうね。
岡本: 先ほどの話に近いですが、大量生産の建売りは施工の仕方もパターンが決まっていますよね。
一般の建売りでも設計者がいないわけではないですが、工事が始まってから、施工者と設計者が
密に打合せをするということはあまり無いんじゃないでしょうか。
大川: そうだと思います。
岡本: 次に、インテリアについてはいかがですか?
大川: 特に個性を主張したり、奇をてらうこと無く、無垢材の床に白い壁を組み合わせて、家具もシン
プルにつくっています。後は住む人がご自身で壁の色を変えたり、棚を付けたり、自分の個性に
合わせて家を育てていただくのがいちばんだと思っています。DIYがしやすいよう、クギやビス
が打ちやすく下地も広めに入れています。
岡本: そういった入居後のD.I.Yにも、大川さんがお手伝いいただけるんですよね?
大川: はい。私たちがいちばん喜びにも楽しみにもしているところで、D.I.Yは、なかなかご自身で全部
やろうとしても難しいので、ご相談いただければ色々とアドバイスさせていただきます。それを
DIO!(ディオ)、’’Do It Ourselves !’’と呼んでいます。
岡本: 家は育てるものという話をしましたが、大川さんが産みの親で、入居者さんが育ての親で、でも
産みの親もずっと可愛い我が子を見守っているという感じですね。
大川: 「お母さん、また見にきたんですかァ」と言われないようにします…
岡本: 最後にこの建物の性能やスペックについてご説明下さい。
大川: 認定低炭素住宅(二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物で、都道府県、市、又は区が認定
を行うもの)」を取得しており、フラット35S A金利の利用も可能です。
事前に申請を行い、基準に沿った施工と現場監理を厳正に行って認定されるものなので、設計・
施工段階ではコストも手間も掛かるのですが、長く住み続けていただくためには大切なことだと
思い採用を決めました。
また構造についてですが、この規模の木造建築の場合、必ずしも構造計算を必要としないのです
が、今回は構造事務所に計算をお願いして通常の建築基準法の1.5倍の地震力に対抗できること
を基準に設計し、「耐震等級3相当」の建物としています。
岡本: なるほど。売ってしまって終わりでは無く、長く安心してお住まいいただくための性能を確保し
たということですね。
大川さん、今日はありがとうございました。
…ということで、3回にわたり「せりがやパークサイドハウス」のものづくりについて、設計を担当した建築家・大川三枝子さんと、企画・プロデュースを担当したシー・アンド・スタイル岡本美都夫の対談をご紹介しました。
私たちの込めた思い、こだわりがどのようにカタチになったかを確かめに、4月2日・3日に開催予定の現地販売会&植栽ワークショップにぜひ気軽にご参加ください。
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