城門前広場です。
広場の正面には参加者の入場口の一つ、「赤口」があります。
赤口は基本的には前回の試合での勝者や、実力者の為の入り口です。
もちろん、闘技場で戦うのは人同士だけではなく、
闘技場の用意したモンスターや獣などもこちら側から入場させられます。
反対側の「青口」が挑戦者用となっています。
広場のすぐ隣にあるのが鍛冶屋「イーグルロック」。
連合一の鍛冶屋であり、同時に連合一古い鍛冶屋でもあります。
古い石造りの工房からは今日も多くの弟子たちの打つ鉄の音が聞こえてきます。
この工房の名の由来でもある、城壁から突き出た石造りのワシの顔からは、
地下からくみ上げた灼熱の溶岩が絶えずこぼれ出ています。
どういった仕組みなのかはもはや誰も覚えてはいません。
しかしエリノールからきたハイエルフの学者「ロノロンカ」が
石像に魔石が埋め込まれていることを突き止めました。
なぜ魔石が力を失わないのかは依然わからないままですが……。
最近、工房長の「ゼム・スレッジ」は炉に何か異変を感じているようです。
工房と店舗。
大陸中から教えを請いにやってくる者たちの多くは困窮しており、
そういった弟子たちの為の大きな家です。
2Fには多くの部屋があり、弟子たちは基本的にここに住み込みます。
街の北側は居住区になっています。
住居の多さからも、この都市がかなり大きい規模であることが解ります。
実際、連合の中では2番目に大きい街になります。
居住区の反対側には商館が並びます。
商会の相手は基本的には商人であって、市民や旅人ではありません。
物を横へと流すことで富を得ています。
連合の主要勢力は元々、自由な商売と新たな交易を求めてきた商人たちです。
その為、商会は昔から大きな力を持ち続けています。
建物の大きさがその力の象徴でもあります。
商会の一つ、レイン河商会です。
街の中にも流れている運河を一手に取り仕切っている商会です。
運河の使用両の他にも、運ばれてくる小物などを取り扱っています。
街のうわさでは、商会の小僧「リギル」が
そわそわした様子でよく街の外に出かけているのが目撃されています。
数日前、商会の小船が橋の先で転覆したことと何か関係があるのでしょうか。
荷卸場のある大きな商会。土地から建物、家具にいたるまでを網羅する大きな商会です。
街の北門。
北門には地下教会への入り口があります。
教会と言っても小さなもので、その役割は死者への手向けのみと言ってもいいでしょう。
神父ですらもはや何に祈っているのかも定かではありません。
連合の国々が深い信仰を捨てたのは遠い昔のことです。
連合では人も道具も溢れており、冒険者たちが教会の世話になることは少ないでしょう。
もっとも、死ななければ、の話ですが。
次回は城門の先、この街のお城へと向かいます。
