マスメディアの選挙過熱報道が自民圧勝の要
因にも関わらず「独裁政治」の影に怯える愚か
さが可笑しい。
新聞・テレビなどのマスメディアの反応が可笑しい。民意を問えと言っておきながら、民意が「自民党の歴史的大勝利」となった途端、「この国の民主主義は死んだ。」(日刊ゲンダイ)とか「改革選挙の弾みと怖さ」(朝日新聞)と来た。
昨日の「朝日新聞」朝刊の<天声人語>は特に笑えた。「圧勝するさまを見て『独』という字を思い浮かべた、独特な党首の独断による独り勝ち。今後国政は小泉自民党の独壇場になって、独走や独善にまで陥る・・・・」いやはや、よくもこう多くの『独』という文字を並べて見せてくれたものだ。
これは「小泉独裁政治」を連想させ、それを悪いものであるとの認識をマスコミが持つからだ。仮に民主的な選挙において、国民が独裁政治を選択したとしたら、どうなるか。
実はそれほどそれは遠い話ではない。日本の政治家の中でこの点に言及した人が一人だけいる。それは中曽根元総理である。中曽根先生は今から7・8年前の『産経新聞』紙上でそれを語っている。
「国家の形態を考えると、民主主義が広がるとは限らず、いろんなタイプとなるだろう。一部にはファッショ国家、独裁型国家も出る。独裁型には哲人型と暴力型がありうる。高度情報化して人知を積んだ場合、意外にも哲人型独裁者が出てくる可能性がないとも言えない。」
これは2100年の国家の未来を予言しての言葉であった。私も全く同意見だ。ただし私はその時期を2020年と予言する。せめて自分の生きている間にそれを目にしたいからだ。
では何故、中曽根先生はこの点に言及されたのか。それはインターネットの急速な普及で、投票行動は「ボタン社会」になると予測しているからである。投票所に行かずに自宅でパソコンから投票する時代になる。もしこうなると国民の多くが投票することになり、国民のリーダーを直接自分の手で選べるようになる。
政策も国民投票によって、直接その是非を国民に問う事になる。直接民主主義時代の到来であり、これまでのような地域の代表を選ぶような間接民主主義は古臭いものになってしまう。
ここまで読み終えた皆さんは、「はぁっ!」と気付かれたのではないか。まさに今回の選挙はある種その傾向を示していた。得票率はこれまで以上に高かった。それだけ政治に新しい人達が注目した。
小泉首相は「郵政民営化は是か非か」直接国民に聞いて見たいと発言し続けた。選挙区の地域には縁もゆかりもない候補をたくさん擁立した。まだ直接リーダーを選ぶシステムは出来てはいなかったが、マスコミを協力させることによって、それを上手に演出した。
中曽根先生は若い頃から「首相公選論者」であった。この国民が直接指導者を選ぶようになると、意外にも独裁者が誕生するというのは、何も目新しい論ではない。しかし、それを堂々と言え、しかも肯定できるかどうかなのである。
今回の小泉首相の圧勝の最大の功労者はマスコミである。そのマスコミがこぞって独裁政治誕生の恐怖に怯えている。何とも笑える話ではないか。
しかし、マスコミが恐怖するはまだまだ先のことである。真の哲人型独裁政治家は、今ようやく祖国の何処かで目覚め始めたに過ぎない。今回の選挙が教えたものは多い。それをじっくりと明日から取り上げて行きたい。
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