THE ANOTHER SIDE

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イギリス・ロンドン留学記

もしも英語が話せたら、一体何が変わるのか

No.39 stupid

February.17

STUPID(まぬけ、愚か)は人を馬鹿にする言葉。
だが彼女はこの言葉が好きらしく、挨拶代わりに使うので、
いつしか言われても笑って受け入れるようになった、まぬけな自分。

その台湾人が初級部屋に迷い込んだのは、
かつての南極の寒さが、冷凍庫くらいにまで暖かくなった2月上旬。
初日から遅刻してくる、なめくさった黄色い髪と大きな瞳と小さな体は
遅れたイングランドのバスがまぬけだと、名前はアッシュリーだと、
結局、遅刻した自分がまぬけでしたと、シンディー先生に言い放った。
この時、奴の言葉は文句とSTUPIDが多いことに気付かなかったのは
ロンドン生活も3ヶ月を過ぎようとしていて、
緊張感と集中力が無くなってきてたせいかもしれない。

対台湾戦だけは、なぜか相性の良い僕らは、
いつの間にか一緒にロンドンへ遊びに行くことになっていた。

ロンドンアイ(入場料2200円のSTUPID観覧車)に乗りたいらしいので、
行ってみたら人の海。
「なんでこんなに人が多いのよ!ロンドンは人が多すぎる!」
あなたもその一人でしょう、、、
で、その人の海が今日の分のチケットを全て飲み込んでしまったらしく
見事に売り切れ。週末は予約が必要だったと分かるや否や、
「なんで予約しておかなかったの?」
今、知りましたが、、、
「もうロンドンは寒い!外にはいたくないわ!」
おまえはロンドンの本当の冬を知らないんだ。

近くのカフェに行っても彼女の勢いはとどまる事を知らない。
「コーヒー買ってきて!私は自分で注文が出来ないの!」
だんだん腹が立ってきたが、結局買って来てやる馬鹿正直な自分。
「ありがとう〜感謝するわ。」
お礼は出来るみたいだ。

しばらくして彼女は両親が恋しいらしく、携帯で電話を掛け出した。
が、話すうちにアクセントが強い台湾語がヒートアップして行き、
大きな瞳を朱色に変え、薄い化粧を崩してゆく。
外人って泣くんだ、、、
それを見るまで外人といえば別の生き物だった。

「あなたは両親が恋しくないの?」
「日本の男はあまりそうは思わないよ。」
「あなた達ってまぬけね。」
なんでやねん、、、
いち日本男児として、日本の家庭事情における文化やら
何やらかんやらの違いを話したつもりだったが結果は、
「でもやっぱり、あなた達ってまぬけよ。」
ああ、、、日本男児の皆様に謝りたい。

観覧車に乗る必要なんてなかったくらい、振り回された日から、
アッシュリーはイエッツ・PUBにも迷い込むようになった。
どうやら、うるさいPUB仲間が一人増えたようだ。