そういえば、曇り空の日が少なくなっていた。
その空の下、乾くことが無い石畳がたまに乾燥していた。
その道を、マフラーとニット帽子で学校へ行くと少々暑く感じる。
その学校の授業は最近、窓を開けて行われるようになった。
その窓から、フーリガン先生の怒号が街に降り注ぎ、
その先のイエッツ・PUBは最近、野外席を備えだし、
その席で、いつの間にか英語が定着し始めた僕らは、
いつも通り、他愛も無い話をする。
全てが受け入れ難く、捨て難いイギリス生活も、
様々なものが過ぎていくうちに、
いつしか生活に慣れ、雪が解け、草木は芽吹き、
僕らの英語もようやく発芽を迎えたみたいだ。
つぼみが成る4月に、
さらに頑張って咲かせるか、だらけて枯らすか、
どちらにせよ、春はすぐそこだ。