THE ANOTHER SIDE

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イギリス・ロンドン留学記

もしも英語が話せたら、一体何が変わるのか

No.60 nakatana

April.03

韓国人大学生コンビ、ジサンとユンジュンの関係は
母子の関係に近い。
小柄でおとなしく、引っ込み思案のジサンに対し、
大柄で声が大きく、意見をハッキリと言うユンジュン。
二人はいつでも一緒で、ジサンを見るとユンジュンの背中があり、
たまにユンジュンだけと思いきや、
その後ろにジサンが隠れていたりするのだ。
遠い異国で慣れない環境の中、
ジサンを守って生きるユンジュン母さん。
仮想親子は僕らにとても友好的で、イエッツPUBにもよく行くのだが、
でも、どうもユンジュンだけは、心の奥底に反日を宿していると、
僕らは漠然と感じていた。

言葉となって現れたのは、
NOVとユンジュン率いる上級の会話クラスでのこと。
授業も終わりに近づき、
フリートーク中にサッカーの中田の話題になった時だ。

「ああ、知っているわ。韓国でも有名よ。
 タ、、ナカ?あれ?カタ、、ナ? ウフフ、なんだっけ?」
自分のおかしな発音に笑い出すユンジュン。しかし、、、
「カタナは、こっちだよ」
と、刀を振りかぶる真似をした日本人生徒。
それがユンジュンの心の奥底に火をつけた。
「私はあれが大嫌い!!私達はあれで沢山殺されたわ!
 絶対にあれは見たくもない!」
と言って驚かせてしまい、気まずくなったユンジュンは、
「だって、、、ほら!その、、、、ナ、、カタとカタナって似てるじゃない?
 だから嫌いなのよ!そうよ。ウフフ、、、」
と、かなり苦しいコメントを残して終わったと、
授業後に語るNOV。

これだけ多くの国から人が集まると、
誰がどんなことで火がつくか一瞬では把握しづらく、
多人数での発言の可否は非常に複雑だ。

でもユンジュンの友達は日本人が多いみたい。
うーん、、、やっぱり人は複雑だ。