THE ANOTHER SIDE

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イギリス・ロンドン留学記

もしも英語が話せたら、一体何が変わるのか

No.70 reformer

April.27

「グッモーニング!恐ろしき我が生徒達よ!
 今日は美しい日だな!ああ?違うか!?」
晴れてようが雨だろうが、
恐ろしき我が教師のいつもの挨拶だ。

最初はいまいち合わなかった、フーリガン先生とも、
「ただうるさいだけだ。気にしないで楽しめよ、な!」
との、メキシカンの一言で、
最近はようやく慣れてきたと思いきや、、、

「TOM!おまえ好きなスポーツはなんだ!?」
とっさに、野球だと答えると、
「ああ!?なんてこった、野球だって?恐ろしい!
 あのクリケットに似たやつだろ?」
クリケットが野球に似ているんじゃ、、、なんて
間違っても言ってはいけない。
「あれは退屈だぜ!野球もバスケットも、
 俺には恐ろしいスポーツだ、、、」
と、震えて見せるフーリガン先生は大のアメリカ嫌い。
次からサッカーと言っておこう、、、

またある日、
「俺はチョコレートに目が無いんだよ!TOMは?」
虫歯が恐いので嫌いだと答えたら、
「あぁ!!出て行けー!!
 と、その前に俺の歯を見ろ!こんなに綺麗じゃないか?大丈夫!」
ニヤリと可愛く笑うフーリガン。いや恐いから、、、

またまたある日、一覧の単語から空欄を埋める問題があったが、
みんな同じところを間違えた。彼は鼻をつまみ、
「えー、お客様。そのまま単語を入れるのは止めてください。
 考えることを止めるないでください。
 時制にはいつも気を付けて、、、Mind the gap!」
と、ロンドンの地下鉄アナウンスを見事、真似て見せた。
さすがは新感覚教師。持ちネタは豊富だ。

フーリガン先生の掟は、授業を休まない事。
そしてもう一つ、質問は必ず先生にする事。
台湾・セイラが韓国・ヒーヤンに、この単語知ってる?と質問した時、
「こら、セイラ!質問があったら俺にしろ!
 知ってるか? 俺は英語めちゃくちゃ得意なんだぞ!
 お前達は高い金を払って、ここに来ているのだろう?
 だったら俺に聞かなきゃ損だろ?」
タトゥーの先にある人差し指で、己の頬を指すフーリガン。恐え、、、

しかし、やかましい怒号の中に、
意外と筋の通った、彼なりの教育指針が見れ隠れする。
王道で安定した授業を進める、保守派・ヘレン先生に対し、
ノリと芸でエキセントリックな授業を進める、革新派・フーリガン先生。
アクが強く、ちょっと疲れるけど、たまにはこんな先生も良いかも。