2016年04月18日

2016.4.8/まつもと市民芸術館/地人会新社「海の風景」 at シアタートラム

[作]エドワード・オールビー
1975年 米初演

作者二度目のピューリッツァー賞受賞作。 
序盤はうららかな浜辺に佇む熟年夫婦の心のすれ違いをさらりと描く。突如背後から一組の巨大トカゲのカップルが出現。二組のカップルのぎごちないやり取りを経て、終盤にかけて生物や人間の本質を問うていく。巧みなストーリーと軽妙な会話で観客を物語に引き込む。
巨大トカゲの着ぐるみのインパクトが強烈で笑ってしまった。真面目な会話劇にああいったキャラクターが登場するギャップは大きく、半ば反則技(笑)。トカゲの動きを模した池田鉄洋と小島聖の演技もうまい。

観劇後に、「エドワード・オールビー全集」所収の本作戯曲を読む。上演台本と訳者は一緒(鳴海四郎)だが、台詞はかなり変わっていた。上演に際して現場で変更したと思われる。 

妻ナンシーを演じる草笛光子が素晴らしい。流れるような台詞が耳に心地よい。演者の台詞の呼吸と劇を観ている自分の呼吸が合う瞬間は快感。戯曲を読む限り、串田和美演じる夫チャーリーとの関係はどこかぎくしゃくしたものを感じさせるが、草笛の演技は終始朗らかで、幸せな夫婦生活を送ってきたことを観客に感じさせるものだった。

全体として大変質の高い芝居。劇場に足を運ぶたびにいつもこれぐらいの水準の作品を観ることができたら、本当に幸せだと思う。 

theatergoer_review at 15:49│Comments(0)TrackBack(0)

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