ハッセ・フレベリ インタビュー part 2です。
part 1 はこちら

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2012/07/14 emailにて

English Version
Q: 今作で特に歌い方に苦心した曲は何ですか?

Hasse: 信じられないだろうけど、"White Butterfly"だよ。歌の間、僕は完全に取り乱してしまったんだ。実際、2番目のヴァースの始めで、僕がほとんど泣いているように聞こえるよ。この曲は僕にとても近いある人物についてのもので、深刻なアルコール依存症なんだ。僕がどれだけ助けようと何しようと関係なく、アルコールはいつも僕より強いんだよ。当時起こっていたいろいろなことのせいで、それについての自分の感情を整理することができていなかったんだ。最初のテイクの途中で、僕は涙があふれて泣き出してしまった。トライする度にもっと悲しくなって、ヴォーカル部分を終えるのはほとんど不可能だったな。Tomasは、これは「類いまれな」ヴォーカルテイクだと言っていた。彼はその曲の「気まずい」調子と、僕の声のはかない感じがとても好きなんだ。

Q: 歌い方とともに、アルバムで聞くことのできる音楽の幅も広がっていると思います。前作は大まかに言うと”Classic Rock”という言葉で表現できたと思うのですが、今作は音作りがもっとモダンで、DREAM THEATERを思わせるヘヴィなアレンジもあります。意識的に広い音楽をカバーするアルバムを作ろうとしたのでしょうか?自然と今作の方向になったのでしょうか?

Hasse: もう一度言うけど、僕は自分が何を書くか計画するのに苦労するんだ。出てきたものが思いついたものだよ。しばらくして、僕は「Powerplay」が「FuturePast」より若干ヘヴィになるだろうと感じ始めていた。でもそれがバンドに合っていると思ったんだ。なぜならメンバー達はあらゆるロックの経歴を持って来ているから。僕はアルバムはいまだにプログレかシンフォ・ロックの感触が大きくあると思っているよ、特に"The Final Hour"や"Waves"そして"The Chosen One"のような曲にはね。僕にとって、それがプログレだと思うのは、君が言ったように、曲のバラエティで、それがプログレの不可欠要素なんだ。君が望むものを書くことができるということ。15分もの長い曲とか、2分半のアコースティックギターの曲が同じアルバム入っている ―― それがプログレだよ!

Q: 前作は、ほとんどあなたが作り上げた物をメンバー達に聞かせたところから始めたと思うんですが、今回も同じような流れでアルバムを作ったのでしょうか?例えばスタジオでジャムをするとか、他のメンバーからのインプットを取り入れて曲を作ったりは?

Hasse: 君が聴いている「Powerplay」で、Kjellが書いた"The Final Hour"のキーボードと、メロトロンフルートのパート以外は、僕が全部書いたよ。とはいえ、このアルバムではみんなもっと意見をくれたんだ、というのは、前のアルバムに比べてずっと、彼らが感じたものをこのアルバムで演奏してもらう自由があったからね。実際「FuturePast」と比べて、「Powerplay」ではこのバンドに対する新しい自信が聴くことができると思うんだ。もちろん、ギグをやったからだよね。僕にとって、それがまさにバンドを作るということだよ…音楽をライブで演奏することさ!

Q: 「Future Past」のアルバム評が日本のヘヴィ・メタル雑誌に掲載された時、評者は「SPELLBOUNDデビュー当時は、彼がこんな音楽を作れるとは思わなかった」と書いていました。SPELLBOUNDがデビューしたのはもう30年近く昔です。当時、あなたはメタルミュージックを作ると共に、QUEENやYESのファンだったわけですが、そのころ今のHFMCのような音楽が作りたいと思っていましたか?それともTFK加入という出来事があなたを変えたのでしょうか?

Hasse: その通りだよ、それらのバンドは当時僕に影響を与えたし、もちろん他に(好きなバンドが)たくさんいたよ。SPELLBOUNDのメンバーみんながQUEENが大好きだったけど、思うにあの頃、僕がOla、Thomsson、J.J (Marsh)とAlf(Strandberg: Olaの兄)をYESファンにしたんだ。とにかく、「Breaking the Spell」を録音した時、僕たちは18歳から20歳の間で、それから突然、大きなLAシーンが僕らに覆い被さり、とても衝撃を受けた。数ヶ月でDEEP PURPLE/RAINBOW路線のロックから、もっと「80年代初期LAサウンド」に変わって、もちろん当時台頭してきたNew Wave of British Heavy Metalからの影響もいくらかあったね。正直に言うと、あの頃、僕はHFMCのアルバムに入っているような曲を書くスキルを持っていなかった。SPELLBOUND時代の終わりの頃、僕たちはたくさんリハーサルをして、ソングライターとしてもすごく成長した、だから多分、僕らがもし試そうとしたなら、(HFMCと)同じようなものを録音出来たんじゃないかなぁ?

Q: 今回のアートワークは、前作に比べるとシンプルでストレートですね。Dutch Progressive Rock Pageに批判されたことが影響されてますか?
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Hasse: それはないよ!!!実際、あの反応は僕が求めていたものなんだ。僕はメンバー達に、ブックレットに載っている類の写真は、多分プログレファンを怒らせるだろうと話していた。だから、あれはみんな計画の内だったんだよ。「Powerplay」のアルバムジャケットに関しては、僕は全然アイデアがなかった。BAD COMPANYの「Run with the Pack」やKISSの「Double Platinum」にとても影響を受けたような、この銀色のヤツを思いついたのは、デザイナーのJanne(Olander)なんだ。再度、僕はHFMCにふさわしいアルバムジャケットが欲しかった。それは「飛んでいるブタ」とか「浮かぶ島々」とか、プログレに典型的なものではない、という意味だよ。わからないけど、多分次回は、そういう(プログレ的な)アルバムジャケットのための準備ができると思うよ。

Q: このアルバムの宣伝写真を見た時、とても80年代的だと思ったのですけど、何か意図はありましたか?
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Hasse: 写真を撮る前に、僕がメンバー達に言ったことはこれだけだよ、「笑うな!!!!」。僕は「Future Past」のブックレットのものと反対のアプローチをした写真が欲しかったんだ、Thomssonがバンドにいると、それはタフなことだとしてもね。彼が周りにいると、いつも笑いがそこまで来てるってことなんだ。

(TFKについて)
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Q: 少しTFKについても触れたいと思います。TFKの新作「Banks of Eden」も慌ただしいスケジュールで録音されました。今年の一月の末、バンドと共にスタジオに入った時は、もうRoineは曲を書き終えていたのでしょうか?

Hasse: スタジオに入るまでに、曲は準備されていたよ、でも僕たちは実際、アイデアを整理するために何度か会っていたんだ。これらのミーティングはCosmic Lodge(Roineが所有するスタジオ)で行われて、僕たちはみんなアレンジに参加した。Jonasが"Rising the Imperial"と"Going Up"(限定盤ボーナスディスクに収録)に多くの責任を負っているのを忘れてはいけないよ、だからRoineだけが曲を書いたんじゃないんだ。もっと言えば、Tomasは"For the Love of Gold"で典型的なTFKらしいイントロを書いている。ともあれ、曲の体裁とアレンジは、僕たちがVarispeedスタジオに出かけるまでには全部できていたよ。

Q: 新しいドラマー、Felix Lehrmannのとバンドのコンビネーションはどうでしたか?過去のドラマーと比べて、彼が特に優れているところは何でしょうか?

Hasse: これまでで最高だよ!VAN HALENが彼の好きなバンドで、それがすべてを語っているよね。彼はまず「ロックンロール」ドラマーで、でも素晴らしいドラミングとナイスなグルーヴを持っているんだ。それは僕にはとても良いね。本当に、僕の好みなんだ。彼の演奏と姿勢は、僕らのキャリアのこの地点で、ちょうど必要としていたものなんだよ。

Q: すでにYouTubeでスタジオレポートがいくつかアップされています。冗談ばかり言っているようですが、実際のレコーディングもあんな感じなんですか?
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Hasse: TFKのメンバー達はスタジオにいることに慣れているから、いつもとてもリラックスした雰囲気なんだ。特に今は、バンドの中のケミストリーは頂点に戻ってきている。「Powerplay」と「Banks of Eden」の録音がまさに同時だったとしても、それは思い通りになったし、どちらの録音作業もずっと良い感じだったね。その後のミキシングとヴォーカル録りの間は、個人的にはてんやわんやの大騒ぎだったけど。

Q: 前作「The Sum of No Evil」がリリースされ、それに伴うツアーをやった後、TFKはバンド活動を休止し、各メンバーは自分たちのバンドを組んで活動していました。その経験が「Banks of Eden」に反映されてると思いますか?

Hasse: どうかな?「Banks of Eden」は多分、KARMAKANICやHFMC、 EGGS AND DOGSとか AOMがあってもなくても、同じような音になっていたと思うよ、僕の意見だけど。

Q: アルバムの中で、あなたのお気に入りの新曲を教えて下さい。

Hasse: 間違いなく"Numbers"だね!この曲は僕たちの他の大曲が持っていない、ある流れと「気やすさ」があるんだ。それにとても美しい曲だと思うことがあるよ。今や、僕たちは初めて、Night of the Progでこの曲をライブで演奏して、僕はますます好きになったよ。ライブ演奏をして決して飽きることがない曲の一つのような気がするな。

Q: 今までのツアーで、一番大規模なものになりそうですね。日本に来る予定はありませんか?
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Hasse: プラン通りに順調に行けば、これは今までの中でずっと大規模なツアーになるだろうね。日本は、僕らが訪ねることになっている国のリストにあるのは知ってるし、戻るのが待ちきれないよ。でも、それがいつかはわからないんだ。君が言うライブレコーディングについては、まったくわからないよ。僕たちがライブ演奏する時、Roineはたびたび「真剣な録音」をしているのを見ると、日本でライブレコーディングをすることになるのは不可能ではないよね。また言うけど…(日本に来るということは)まだ何も話し合っていないんだ。(個人的に)そうなるんじゃないかな、と僕が思っているだけで、間違っているかもしれない

Q: 今後、HFMCとしての活動はどう考えてますか?JonasのKARMAKANICのように、TFKと平行して活動を続けるつもりはありますか?

Hasse: これまで僕は、TFKとHFMCの両方のレコーディングとライブを同時にこなしてきて、それでも僕は以前と同じ人間なんだ。2012年は多忙な時期があって、これは間違いないね。今は、僕は7ヶ月近く困難を乗り切ってきたという感じで、いままでにそれを乗り切る方法を学んだと思う。最大の問題は、この7ヶ月間、寝る時間が足りないんだ。これがすべて終わったら、僕はしばらく、できるだけ最小限のことするように試みるよ。その後は、絶対HFMCの曲を作るだろうね!もし僕が好きな曲が思いつくことができて、僕らがもう一枚アルバムを作りたかったら、僕はまずRoineにうんと連絡を取るよ、6週間後に(また、ハハハ…)新しいTFKのレコーディングがないことを確かめるためにね。これをまた全部繰り返したくないな。

Q: ところで「Crime of the Century」は今どうなっていますか?

Hasse: 今は何もしてないよ。僕たちは、僕がHFMCをやりながら、同時にこの作業も出来るだろうと思っていたんだ。まったく突然、5年近く眠っていたTFKが再び目を覚まして、僕たちは「Crime of the Century」については休みを取らざるをえなくなったのさ。これまで僕らは8曲書いて、すべてはとてもスムースに運んでいたんだ。出来るだけ早く作業できる時間を見つけて、このプロジェクトを続けられたら嬉しいな。

Q: お勧めの"Song for July"を何曲か教えて下さい。

Hasse: 難しい質問だけど、今のところ、僕はFLYING COLORSの"Kayla"とBRYAN SCAREY AND THE SHREDDING TEARSの"Flight of the Knife"をよく聴いてるよ。今年早くの(HFMCの)New Jersey公演でオープニングを務めてくれたバンドなんだ。とても素晴らしいバンドで、彼らはクールで素敵だったよ。僕は最近、家に帰るとたくさんLP盤を流すんだけど、その中の1枚がStevie Wonderの「Innervisions」だね。その中の一曲と問うなら、"Visions"だな。大事なことを忘れてたけど、(Night of the Prog)フェスティバルから帰ってきてから、僕はSPOCK'S BEARDの「Day for Night」を手に取ったな。当時の彼らは、なんて素晴らしいバンドだったんだろう。お気に入りは"Day for Night"だよ。

Q: ありがとうございました。

Interview: The Flower Kings Fanclub Japan
Translation: Momo, T-Max, Yayoi, Izumi
Photos by: Momo (ライヴ写真は2012/06/08 Sweden Rock Festivalでのもの)