1月の来日公演では、プログレ・バンドとは思えないような”ロック”なパフォーマンスで我々を魅了してくれたハッセ・フレベリ(Hasse Froberg)。そのカッコ良さだけでなく、”歌上手すぎ!”とTwitterなどでも大評判だった。その彼の魅力に迫ってみよう。
2013/02/14 emailにて

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Q: こんにちは、Hasse。 まず最初にThere is Hope Recordsの日本の震災のためのコンピレーションCD「Strength」にHFMCの"Above"を提供してくださってありがとうございます。
さて、以前、ファンクラブがあなたとインタビューをした時、あなたは、THE FLOWER KINGS(以下TFK)は日本には必ず戻ってこないといけない、なぜならあの時メンバーの何人かは良い状態ではなかったから、と言っていました。そして、戻ってきてくれました。今回の日本公演をを振り返ってみて、どう感じていますか?


A: 日本に滞在したことは本当に満足しているよ。僕たちは素敵な時間を過ごして、ショウはとても良いものになったね、僕の意見では。組織のあらゆるものがとてもプロフェッショナルで、そして僕らには、長年TFKのサウンドエンジニアだったPetrus Konigssonを、PA卓に前であれこれ手伝ってもらうために連れてきたしね。僕たちはしばらくプレイしていなかったけど、すぐにうまく動き出したし、演奏は2日ともとても良かったと思うよ。
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Q: フェスの2日目、あなたは"Paradox Hotel"の前に"You Gotta Move"(Mississippi Fred McDowellの曲。The Rolling Stonesのカヴァーが有名)を歌いました。あれは即興だったんですか?

A: その通り。僕たちはTomasを待たなければいけなくて(彼はシンセのサウンドを変えていたんだ)、誰も何もしなかったんだよね。だから僕はちょっと慌ててしまって、思いついたものがあれだったんだ。正直、まったく計画されたものじゃなかった。本当のことを言うと、どうして僕はあの曲を選んだのか不思議なんだよ(今まで一度も歌ったことはなかったんだ)。それに実際、僕はあの時に歌えた、もっとふさわしかったであろう歌を何曲か知っていたと思うんだ。僕は謝るべきかな…?


Q: ステージ上では、あなたは観客を盛り上げる役割があるように思います。日本の観客はヨーロッパの観衆と比べて大人しいですが、やりにくくなかったですか?

A: 個人的には、役割としては見ていないよ。僕はいつもやっていることを、ただやっているだけなんだ。僕にとって、それは「儀式」の一部なんだよ。僕がショウの前にやることがあって、それは長いツアーがあったときに、他のバンドのメンバーをうんざりさせてしまうかもしれないんだけど。ステージ上の僕にもおなじことが言えるんだ、でも、プライベートな時の自分には当てはまらないよ。すべてのパフォーマンスをひとつの芸術形体として理解しているんだ。もちろん、音楽が一番重要なんだけど、僕はコンサートの視覚的な観点と、観客に送るエネルギーも、無視するには重要すぎることなんだよ。僕にとって、ステージ上のちょっと「ワイルドな」パフォーマンスを加えることは、音楽に集中し続けるための助けになっているし…さっき言ったように、僕にとって儀式みたいなものなんだ。
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Q: 昨年からヨーロッパなどをツアーしていますが、ファンのリアクションなどはどうですか?

A: はじめの幾つかのライブでは(オーディエンスは)懐疑的だったと思うよ。でもツアーが進むにつれて、ドンドン盛り上がっていった(それにオーディエンスの規模もドンドン大きくなっていったんだ)。


Q: あなたは自分のバンド(HASSE FROBERG & MUSICAL COMPANION)を持っています。HFMCで歌うのと、TFKで歌うのに何か違いはありますか?

A: HFMCではもっとたくさん歌っていること以外にはないなぁ。でも確かに、時々Roineは僕の声の使い方を、違う方向にもっていきたがるね。一番大きな違いは、(レコーディングでもギグでも)HFMCの曲は僕の声のために書かれていて、実際ほとんど「僕の声によって」書かれているんだけど、一方TFKの楽曲には、僕は自分の歌い方をちょっと調整しなければいけない。実際、「Paradox Hotel」までは、すごく合わせていたよ(Roineを喜ばそうとしてね、ハハハ…)。それ以来、僕はできる限り自分であろうとしてるよ。

Q: 「Banks of Eden」は、あなたがHFMCを立ち上げてから初めてのTFKのレコーディングですよね。今回「Banks of Eden」のレコーディングしてみて、プロダクションや作曲の面で学んだこととかありましたか?

A:人はいつも何かを学んでいると思うな。「Banks of Eden」の録音のやり方は、僕にとって新しい物だったよ(最初、僕はすごく懐疑的だったんだ)。つまり、スタジオに入る初日まで、僕たちはFelixに会ったことさえがなかったんだ。レコーディングを始めるまで、僕たちは5年くらい一緒に一音も演奏していなかったし、ましてや、新しい曲のリハーサルなんてね。RoineはTRANSATLANTICとやる、このやり方が大好きで、TFKでも試してみたかったんだ。まったく準備をしないで、直観に従って、幸運を祈るのさ。観客からの歓迎ぶりを考えると、僕たちは今回ラッキーだったと思うよ。
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Q: 今年(2013年)もTFKとしてツアーが続きますが、HFMCや他のプロジェクトのプランは決まってますか?

A: HFMCの新曲はすでに作り始めているよ。次の作品について、僕はこうとしか言えないな、「二度とTFKとぶつけるわけにはいかない」って。言い換えると、いつ僕たちがレコーディングとかリハーサルを始めるのか、言うことは難しいんだ(TFKは3月28日にスタジオに入るんだよ)。それから、もちろん「Crime of the Century」もある。このロック・ミュージカルを続けるために、解決しなければいけない実質的な問題がたくさんあるし、残念だけど、今は時間がないんだよね。それと、すべてが計画通りにいけば、SPELLBOUNDの80年代のアルバム「Breaking the Spell」('84)と「Rocking Reckless」('85)がリマスターされて、ボーナストラックと新しいブックレット、スウェディッシュ・ハードロックの教祖、Janne Stark(註:OVERDRIVE、LOCOMOTIVE BREATHのギタリスト。The Encyclopedia of Swedish Hard Rock and Heavy Metalの著者)による解説と一緒にリリースされるよ。アルバムは10月のどこかに発売される予定で、僕たちはそのアルバムの宣伝のために、ライブをやることを依頼されている。


Q: Facebookで、あなたは既にHFMCのメンバーとリハーサルをしていると書いていました。今のところ何曲書き上げているのですか?それらは「Future Past」や「Powerplay」の曲と同じような路線になりそうですか?

A: 5曲書いたよ(35分くらいだと思う)。Ola (Strandberg/Drums)は15分の長い曲を1曲書いていて、それを一番最近のリハーサルで制作し始めたんだ。だから、アルバム1枚分はあるね!それほど深刻なことではないけど、僕たちがスタジオに入る前に、もう少し曲が必要だな。僕たちの以前のアルバムと比べて、この曲は明らかに違うように聞こえるよ。今では、僕たちはずっと自信を持って演奏をしているし、それが音をよりパワフルにしているんだ。全体的に見れば、これらの曲は今のところ、もう少し「実験的」で、もうちょっとキーボード寄りかもしれない(もちろん、僕が大好きなツインリード・ギターも入ってるよ)、あとカッコいいリフもあるよ。
これは僕が現時点で漠然と思っていることで、わからないけど、次のプロダクションでは、他のメンバー達をもっと巻き込もうって計画があるよ。バッキング・ヴォーカルとか、アルバムのミックスをしている間に浮かんだアイデアとか。すべては「また同じアルバム」を録音するのを避けるためだよ。

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Q: 今のところ、ステージ上で一番「オレンジ度」が高いのがあなたですね。そして最近ずっと髭を生やしています。HFMCの時は髭は生やさずに、衣装は黒系統に統一していました。今、二つのバンドに関わっていますけど、各バンドでアピアランスを使い分けているのでしょうか?

A: そうだよ!観客にすべてを混同して欲しくないんだ、だから、HFMCをやっている間はある外見で、TFKでは違うルックスで自分を提示したいと強く思ったんだ。僕にとって、これは今回、ものすごく重要だったんだ、というのは、僕たちはほとんど同時にギグをしていたからね。(註:2012年の夏頃、HFMCのツアーとTFKのライブが重なる時期があり、ドイツのNight of The Progでは、HasseはHFMCとTFKの両方で出演した。)本当に、観客はそれほど混乱しなかったことを願うよ。


Q: ところで、Dutch Progressive Rock Pageの人気投票が発表されました(2013年2月)。あなたはHFMCのVo.として、TFKとしてより多く票を集めましたが、それについてどう思いますか?

A: もし君が僕の歌が好きなら、TFKのアルバムよりHFMCのアルバムでよりたくさん聴けるよね。この場合、僕は「Banks of Eden」より「Powerplay」で自分の声を引き立てて見せる可能性を持っている。それから、もちろん、一つのバンドに二人のリードシンガーがいると、同じように注目を受けないという事実もある。だからリスナーが「Banks of Eden」でより、「Powerplay」で、僕をよりよいシンガーであると思ったんだろうね…わからないけど、ちがうかな?

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Q: 最後に、来日を振り返って、何か面白いエピソード、印象深いシーンなどありましたら、教えてください。

A: 日曜日の(浅草での)ランチ、MOON SAFARIとのカラオケ・セッション、Club Cittaの素晴らしいスタッフ、観客の温かい歓迎と、もちろんファンのみんなと会えたこと。すべてに感謝するよ!!!

ありがとうございました。

Interview / Translation / Photos : The Flower Kings Fanclub Japan