2014年 アメリカ映画
 
サントラ含め秀逸なスペースオペラの名作

 あらすじ……幼少期に地球から宇宙へ連れ去られた少年、ピーター・クイルは青年へと成長。亡き母の形見であるカセットテープを聴きながら、銀河を又に翔けるアウトローのスター・ロードとして気ままな生活を送っていた。そんな中、金稼ぎの為に銀河を滅ぼしかねない危ない代物“オーブ”を手に入れたクイルは狂信的なクリー人のロナンに命を狙われる事になる。クイルは道中で知り合った暗殺者ガモーラ、賞金稼ぎのアライグマであるロケット、その相棒の木、グルート、そしてロナンに復讐を誓う男ドラックスの4人と手を組み、オーブの力で惑星ノバの破壊をもくろむロナンに立ち向かっていく。

 2014年製作のマーベルコミックスの実写映画。マーベルと言えばお馴染みキャプテン・アメリカやアイアンマンやソーなどが有名であるが、やたらめったら映画でクロスオーバーしたりするので、律儀な人なら「どっから見ていいのかサッパリ解らん」という敷居の高さ(実際は言うほどそんなに高くはないが)がネック気味なのだが、今作は殆ど独立作になっているので基礎知識なしでも楽しめる親切設計になっている。
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(画像上 クリス・プラットの魅力が爆発するハマり役ピーター・クイル) 
 とは言え、いざ見てみてると結構「?」となる描写があったりもする。序盤は結構なワードや人名がぽんぽんと飛び出してくるので、ここらへんはやや駆け足気味と言った所で、個人的に感じる今作唯一の引っ掛かりどころなのだが、劇中の説明で関係をある程度飲み込めれば後は空前絶後の娯楽を思う存分堪能できる。実際かなり面白い娯楽SFアクション映画に仕上っているし、敷居の高いスペースオペラものとしてはハードルをガツンと飛び越えて見せた良作だ。
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(画像上 キャラクターが合流しチームが出来上がる展開、好き)
 シンプルに「悪い事が起こるし人がいっぱい死にそうだから、阻止しなくちゃ!」と銀河の曲者たちが手を組んで巨大な悪と戦う……というストーリーだが、余計なスパイスも盛り込まずに一発勝負に出る潔いストーリーが見ていて心地よいし、それなりに尺はあるものの見せ場やギミック等が多くて見ていて飽きさせない作りをしっかりやっていたりする。キャラクター達が合流していきチームが結成され、仲間同士の衝突や過去が明らかになりながら、団結して巨悪へと立ち向かっていく王道娯楽作品の流れを上手く時間の中に纏めているのが良い。今思えば公開当時の「これは宇宙版ワンピースだ!」という宣伝に何だとテメーこの野郎とか思ったが、実際見てるとあながち間違いでもないかも。
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(画像上 喋る凶暴アライグマと相棒の木 凄いキャラだなホント)
 またキャラクターも痛快で、確り作られた映画なんだなと見ていて実感できる。主人公スター・ロードはクリス・プラットも演技も相まって凄いちゃらんぽらんな兄ちゃんなのだが、いざと言う時はキメるし、根底にある正義の心や口八丁手八丁で状況を打破していく部分など実に心地よいし、ウジウジ悩んだり無駄にキメる事もしない好感キャラ。暗殺者ガモーラの非道なようでその実常識人で芯の通った女というキャラや、暴れ者のアライグマとその相棒の木という存在自体が強烈すぎるキャラクターや、灰色の筋肉マッチョで凶暴な人だけどナイーブな一面も垣間見せるドラックスなど、どいつこいつも良いキャラしている。もちろん、悪役や脇役なども印象的な俳優やバックグラウンドを用意させて深みを付けている。ここも実に心地よい。
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(画像上 インパクト大なビジュアルもいっぱいで実に良い)
 ヴィジュアル面も素晴らしく、廃墟の惑星、美しく綺麗な惑星ノバ、宇宙監獄、頭蓋骨の中にある掃き溜めのような星などロケーションが豊富に用意されているし、宇宙船同士のチェイスや格闘に銃撃戦など、アクション面も適度に盛りこめられている。ラストバトルに至っては山盛りの戦闘が展開されているので比率的にもちょうどいい感じに仕上がっている。それくらい文句のつけようがない純然たる考えられた娯楽アクション作に仕上がっていてよく出来た映画でため息が出る。流石は「ドーン・オブ・ザ・デッド(2004)」の脚本、そして「スーパー!」「スリザー」のジェームズ・ガン監督と言うべきか。てかそんな本数撮ってないのに凄い才能じゃないのかこの人。
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(画像上 終盤の大決戦は見事、娯楽映画の手本みたいなノリだ)
 とにもかくにも、爽快なスペースオペラの快作である。あとサントラも最高!!!