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1985年 アメリカ映画 未DVD化作品 
マジギレ親父、黄金の三角地帯へ殴りこみ

 あらすじ……ベトナム戦争の英雄であるディーンは軍隊を去り、ベトナムで出会った妻と引き取った孤児の息子と3人で平穏な毎日を過ごしていた。だが、ディーンがガソリンスタンドを襲撃したチンピラの麻薬ギャングを倒した事が切欠で、報復としてディーンの息子と妻が殺されてしまう。復讐に燃えるディーンは、報復として麻薬ギャングを壊滅させるが、アメリカへ流入する麻薬の根源を経たねばならないと決意したディーンは、ベトナム戦争時代の戦友たちを集め、一路麻薬の供給源であるタイ・ミャンマー・ラオスの山岳地帯であるゴールデントライアングルへと乗り込んでいく!

 1985年のアメリカ映画。日本では劇場未公開だったがソフトは出ていた類のどうしょうもない、いわばレンタルビデオ黄金時代の負の一面である「棚を埋めるだけの搾りカス映画」だ。マッド・ウエポンと書かれているのだからリーサル・ウェポン的な危険なやつらが戦う映画なんだろ?と思ってしまいたくなるが、正直なところリーサルどころか画鋲程度の危険さしかない連中がテンポ悪く戦うだけの退屈極まりない愛すべきポンコツ映画の類だった。
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(画像上 息子は殺され妻は自殺……だが心に何も訴えてこないこの感じ) 
 冒頭はほとんどエクスターミネーターである。ベトナム帰還兵が大切な人を殺されたお陰で殺人マシーンと化して報復を始める……というものだが、名作エクスターミネーターの陰湿で暗いバイオレンスからバイオレンスを引いただけの退屈極まりない復讐劇が展開される序盤と中盤は見ていてかなりだるい。中途半端な主人公の強さや殺されてもたいして心に訴えてこない妻と息子の死だとか、テンポ悪く挟まれる在りし日の楽しい日常のシーンなどが眠気スイッチをいいタイミングで押してくるのが辛い。
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(画像上 エクスターミネーターではありません) 
 さらに、主人公が「悪の根源を経つには黄金の三角地帯にある麻薬組織をたたかねば!!」といきなり決意して黄金の三角地帯(麻薬栽培が行われている世界でも有数の危ない場所)へと乗り込んでいくシーンは「はああ?」と思ってしまう。劇中ではかなりアッサリと流されているが、行ったきりの特攻隊も同然な主人公の作戦に平然と元部下が乗っていく展開を見た時点でマッドなのはこいつらの頭の中なのではないかと疑ってしまう。
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(画像上 DIY秘密兵器感がMAXのぽんこつ装甲車) 
 で、麻薬組織との戦いになるのだがのどなアジアの田園地帯や山間の道路を舞台に、時化たせんべいでも齧っているかのような気持ちになるアクションが展開されていくのもすごい。主人公の必殺秘密兵器がグレーに塗装しただけの自称装甲車のおんぼろトラックで、そこからメガフォースよろしく武装バイクで飛び出すというギミックが展開されるが、ビジュアルのショボさに涙を禁じえない。銃撃戦も実に長閑だし、クライマックスの戦闘シーンはそこらへんの田んぼで戦争ごっこ遊びに興じる大人たちを見ているかのようだ。
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(画像上 妙に顔の濃い悪役) 
 ただまあ、たまにおっぱいが出てくるのでちょっとは目の保養になるし、ラスボスたる悪役がチリチリパーマの千葉真一に何かを足して割った感じのオッサンというインパクトの強さは心にしっかりと残ったりとまあまあ面白い部分もある。しかしながら、とって付けたようなドラマとアクションの波状攻撃は非常に辛い。そんな映画である。ポンコツ映画コレクター以外にはオススメできないな……