ロープを知る

The Official Blog of Model Ship Builder's Club "The ROPE"

2016年04月

IMG_3780xxP1080173xx
41-21 ロイヤル・キャロライン Royal Caroline 製作者:岩本 和明
1749年英国デットフォードで建造されジョージ二世が愛用した3本マストの王室専用ヨット。装飾を楽しむつもりが船体の彫刻だけで2年も掛ってしまった。装飾はツゲを彫刻し、同じ形は低溶融金属で複製した。艦尾には海神・女神・女王などが、舷側はいろいろな人物や動植物が配置されている。色彩は王室ヨットなので“アナトミー”の解説を参考に華やかにし、艦尾の居室の床材はマホガニーとエリマキの寄木細工にした。

IMG_3774x
P1080178x
41-13 HMS ミネルバ HMS Minerva 製作者: 土屋 勝司
英国海軍の38門フリゲート艦で他に3隻の姉妹艦がある。1790年、海軍省は軍艦の装飾の簡素化を定めたため、後の艦にはフリーズ(舷側や.船尾にペイントされた天使・動植物・幕などの模様)が無い。アナポリスの米国海軍兵学校博物館にあるこの船の模型に魅せられて製作したが、彼我の技術の隔たりを痛切に感じた。

IMG_3775x
P1080112x
41-03 日本丸 Nippon-Maru 製作者: 長崎 景
「太平洋の白鳥」と呼ばれる練習船。設計から製作まで総て一貫して我が国で行った。帆走性能は初代日本丸をはるかにしのぐ世界でも有数の高速帆船。

IMG_3776x
41-14 チャールズ ヨット Charles Royal Yacht 製作者:田中 嘉明
昨年の帆船模型教室で、講師を務めたときに教材として製作したものだ。このキットは帆船模型造りの基本ノウハウが網羅され、作り易さとともに受講生を飽きさせない華麗さと豪華さを備えている。

IMG_3777x
41-16 ビーバー Beaver 製作者:佐藤 憲史
Hudson's Bay Co.が北米西岸の探査のためロンドンで建造した小型外輪船。蒸気機関が船体の40%を占めるため、乗員居住区や貨物室が著しく制限された。

IMG_3778x
41-11 フェア・アメリカン Fair American 製作者:三上 裕久
アメリカ独立戦争当時の私掠船。

IMG_3779x
41-19 ゴールデン・ハインド Golden Hind 製作者:菊池 幸雄
イングランドのガレオン船で1577年に建造された。当初は「ペリカン」という名がついていたが、フランシス・ドレークの乗艦となり、世界周航を行なった際の出資者であるクリストファー・ハットン卿の紋章にちなんで、「ゴールデン・ハインド」と改名された。

IMG_3782x
41-22 HMS ベローナ HMS Bellona 製作者:清水 謙一
1760年に建造の英国の74門艦。その後50有余年にわたりフランス、オランダ、スペインに対する海上作戦に従事し、北海や西インド諸島まで遠征した。1814年9月に解体された。船の美しさに魅かれて製作を始めたものの船首・船尾の複雑な工作に閉口し、数度の中断を経てやっと完成した。甲板上の艤装やロープ類は自己満足ではあるが見ていて時間を忘れる。

IMG_3783x
41-23 HMS フライ HMS Fly 製作者: 篠崎 精一
1776~1780年にかけて建造されたスワン級フリゲートの5番目の艦で、1776年に進水した。FLYの原図面は存在しており、このクラス艦としては端正な船体ライン、また装飾・彫刻に富んでおり魅力的である。

IMG_3784x
41-24 バウンティ Bounty 製作者: 福島 一
全長27.7m幅7.4m定員46人の小型だが3本マストの全帆装船(full rigged ship)である。ミッションのパンの木をタヒチから西インド諸島へ運ぶ途中で反乱が起きる。武装船としては4ポンド砲4門、小型旋回砲10門のカッターに分類される小型の帆船であるが、全帆装で模型としては存在感がある。5回も映画化されており“バウンティ物語”は興味が尽きない。

IMG_3785x
41-25 レディ・ネルソン Lady Nelson 製作者:肴倉 忠
18世紀後半~19世紀初頭の典型的な英国海軍のカッターをモデルにしている。このようなカッターは英国南部のフォークストン港とその周辺の密輸業者を取り締まるため、英海軍が採用した。

IMG_3786x
41-26 HMS ホットスパー HMS Hotspur 製作者:佐々木 高行
セシル S. フォレスターの海洋冒険小説 “海の男:ホーンブロワー・シリーズ”に登場し、大活躍したホーンブロワー艦長のスループ艦である。実在した船ではないが当時の特徴を全て備えている。ホーンブロワーの物語は、英仏戦争を題材にした海洋小説であり、それを思い起こしながら製作して行く過程は、来るべきフランス海軍との対決を主人公と一緒に準備している気持ちになれ、充実した時間であった。

IMG_3787x
41-31 ボンバルダ Bombarda 製作者:山口 桂一郎
前マストを取り外したような船体に極めて大きな炸裂弾を発射する臼砲を搭載した特殊艦。喫水の浅い船体のため、陸に接近し高い弾道の炸裂弾を発射し、要塞を攻撃する任務に用いられた。

IMG_3788x
41-32 ル・セール Le Cerf 製作者: 田中 武敏
フランスで1779-1780年に活躍した18門のブリガンティンカッター。船体はクリンカー張りだが1780年以降はその上が銅板張りとなった。ブードリオの図面による2隻目の構造模型だが、構造模型の図面ではない為フレーム図を引き直すなど多面にわたり、土屋会員に指導を頂いたことに謝意を表したい。

12
P1080219x
41-15 シャペロン Chaperon 製作者: 肥田 純
1884年、オハイオで建造された外輪船。ケンタッキー州グリーンリバーで運行されていた。楽しい模型にしたいので、乗客を乗せ、室内照明を点灯(LED)し、フォスター作曲「スワニー河」のオルゴールを組み込んだ。河の船旅の雰囲気を感じて戴ければ良いのですが。

作品に近づいてよく見ると小さなフィギュアがあちこちに。それぞれ作者が仕立てたストーリーを物語っている。そんなジオラマ模型を特集してみました。オルゴールの音楽を奏でるものあり、光るもの、動くもの・・・どうぞ会場でじっくりお楽しみください。

P1080237x
P1080238x
41-02 ワンダー Wonder 製作者: 青木 武
ダブリン・ドックヤード製52フィートクラスのトローラー・ヨットを改装した完全なクルージング・ヨット。地勢上、帆は意外に小型。地球温暖化のため、南極の氷が減少し氷山の中から出現したガレオン船を、クルージング船で見学中というストーリーに仕立てたジオラマ。

P1080194x
P1080192x
41-05 マリ・ジャンヌ Marie-Jeanne 製作者: 三木 克哉
ビスケー湾の漁港コンカルノの“びんちょうマグロ漁船”。乗員12名で50~60tの大型帆装漁船。初心者向けキットであるが、船体フレーム以外はAAMMの図面を使ってスクラッチビルドになった。船員やマグロは古い写真を参考に再現した。

P1080235x
41-08 キング・オブ・ミシシッピ King of the Mississippi 製作者: 志村 健次
19~20世紀にかけてアメリカのミシシッピ川で主に物資の輸送や観光船として就航した外輪船。このような外輪船は道路が未整備だった当時のアメリカ国内の大河川で、各地を結びアメリカの発展に大きく貢献した。アメリカの古き良き時代を彷彿させる夢のある船です。

11
41-16 ビーバー Beaver  製作者:佐藤 憲史
Hudson's Bay Co.が北米西岸の探査のためロンドンで建造した小型外輪船。初期の蒸気船はコストの掛る石炭か、石炭がない場合、行く先々で伐採する薪を燃料としたため帆船より運航コストは掛った。1836年には乗員17名、木こり (woodcutter) 13名の総員30名で運行した。

P1080243x
41-01 アルフレッド・ウォリスへのオマージュ Hommage to Alfred Warris 製作者: 松本 善文
1900年頃のコンウォール地方の港町、セント・アイブス漁港の風景をベースとし、4隻の漁船とセント・アイブス東突堤の灯台(1883年)、南突堤の灯台(1896年)を組み込んだジオラマ。2007年、東京都庭園美術館で開催された「アルフレッド・ウォリス展」の図録を参照に、そこに描かれた漁港の風景をジオラマに仕立てた。2009年の出品では灯台一基が未完成であったが、今回は完成した状態で出品することができた。

ax
41-37 浪華丸 Naniwa Maru 製作者: 松原 滿 
菱垣廻船は江戸時代の大阪・江戸航路に就航した弁才型の船である。キットの元になった復元船「浪華丸」は帆走実験の結果、向かい風でも60~70度で切り上がることができた。西洋船とは全く異なる構造に興味を覚えて製作した。

DSC_1382xz
P1080201x
41-04 スタークリッパー Star Clipper 製作者: 塩谷 敏夫
2008年、この船がプーケット(タイ)から島々を巡るクルーズに、ザ・ロープの会員と共に参加した。乗船の思い出に製作したが、既に同船を製作した先輩に製作技術を教わった。昨年は製作途中の展示であったが、今年はマスト、帆、リギングを作り出品できた。近代帆船の自作は、塗装、ハンダ付け、帆の製作などのノウハウが多く、製作時間より考えている時間が多かった。

IMG_3723
左から筆者、屋鋪さん、牛堂さん、石川さん。

ザ・ロープ展オープン初日の昨日(17日)、19時の閉場前に思いがけない方の来訪を受けました。

昨年9月、ザ・ロープの40周年記念行事の一環でイギリス南部旅行をしたときにガイドでお世話になった牛堂さんです。実家に戻られて、明日の午前4時には北京に行かれる多忙なスケジュールとのこと。

「事前に連絡をしたかったのだけれど、予定が立たずに連絡出来なかった。今日は有楽町の近くで用事が有り、急に空き時間が出来たので立ち寄ったとのこと。皆さんにくれぐれもよろしく」との伝言でした。

牛堂さんといえば、福田正彦会員 書き下ろしの旅行記『サザン・イングランドを旅して』に以下のくだりがある。
9時過ぎにバスはブリストルへ向けて出発。今日から世話を焼いてくれるのは初めに紹介した牛堂さんだ。色が黒いのでマレーシア人とよく間違えられんですがちゃ んとした日本人です、と笑わせる。30数年も英国で暮らしていて、若くは見えるがもう50歳をとうに越しているという。大変な知識の持ち主で、その独特な 解説はとても参考になった。ミキツーリストの現地駐在のベテランだろう。・・・(以下省略)

当番幹事の中にイギリス旅行に行った屋鋪さんと石川さんがおられたので、短時間でしたがウェルカムしました。その後、屋鋪・石川両名の一杯に合流されました。私は用事が有ったので失礼しました。
(田中武敏記)

IMG_6897df
オープン直後の会場。あいにくの天気にもかかわらずまずまずの出だし。

ザ・ロープ第41回展の初日となった17日(日)は全国各地で強風が吹き荒れた。瞬間風速は35㍍を超えたところもあったという。

東京も例外ではなく、朝から時折雨もまじるあいにくの天気。そんな外の天気とは関係がない会場の東京交通会館の地下では、朝8時過ぎから展示会の設営作業が始まった。

有楽町のこの場所で展示会を開催するようになって6年目。会場の設営も手慣れたもので、会員の協力で机の陳列、壁面やショーウィンドーの飾り付けが手際よく進められ、予定時刻の11時前には無事オープンを迎えることができた。

IMG_6886x
制作期間6年10ヶ月をかけた栗田会員のチャールズ・モルガンも搬入据え付け。

展示作品は、会員の製作した帆船模型数十点のほか、横浜帆船模型同好会とマイシップクラブからの友情出品、一般の方、帆船模型教室の受講生の出品などで53点が勢揃いした。

CIMG9372
CIMG9366x
CIMG9346x


今年も会場内には毎回好評を博している実際に工作しているところをお見せする製作実演コーナーや帆船模型教室の受付も設けた。会期は23日(土)までの一週間。
この機会に是非足を運んで、こだわりの作品をご覧いただきたい。

*出品リストと作品の画像はこちら(ザ・ロープHP>ギャラリー)を参照ください。

このページのトップヘ