門司港駅風景_現在は修復工事中1
門司港駅舎(重要文化財)_現在は修復工事中
関門トンネルが開通するまで九州の鉄道の玄関口で、鹿児島本線の起点。対岸の下関駅との間に就航した関門連絡船との連絡中継駅で賑わった。現在は修復工事途上で、8月2日訪問時点では駅舎の覆いが外され、その姿がフェンス越しに見れるようになってました。

この8月2日、門司港レトロの旧大連航路上屋内の多目的室にて、7月14日から8月11日まで開催中の「夢とロマンの帆船模型展」を訪問しました。この展示会は、関門海峡ミュージアム(海峡ドラマシップ)が主催しており、JSMCC会員であるKIGS帆船模型クラブ「セーリング・シップ」と下関帆船模型クラブ海峡が展示協力をしています。

セーリング・シップの濱中会長、林副会長、八坂事務局長、また海峡の義宮会長にご案内をいただきました。今回の展示会は、同じ門司港レトロにある関門海峡ミュージアムがリニューアル工事で休館中のため道を挟んだ旧大連航路上屋の多目的会議室での開催となり、開催期間中6千人の来場者を見込んでいるとのことです。

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(上)会場の旧大連航路上屋(下)訪問記念スナップと会場風景

展示作品数は、セーリング・シップから66点、海峡から12点の合計作品78点、内約半数が新作とのことで、室内に所狭しと展示された模型の展示風景には迫力がありました。展示会のカタログはA3両面のカラー刷りで、裏面の作品リストにはずらりと作品の写真と解説が掲載されています。模型の縮尺の記載はありませんが、このカタログは主催者が8千部を準備し、また会場利用料も無料とのことで、模型クラブへの厚遇ぶりなどのお話を伺うと誠に羨ましい限りです。

セーリング・シップの名前にあるKIGSとは、当会の活動拠点となっている八幡東区の北九州イノベーションギャラリー(KIGS)(注*)のことで、ここでは工具類、レーザー加工機などの設備が利用可能で、会員も自製の治具工具類などを持ち込み工作を楽しんでいるとのことです。

この恵まれた環境もあるのでしょう。展示では、レーザーカットの部品類や、レーザー加工部品で組み立てられた模型も参考展示されていました。趣味としての帆船模型工作への導入や、若年層の潜在的関心の掘り起こしには有効策だと感じました。

作品の銘板のレーザー加工例もご紹介いただきました。宮島さんのブルーノーズの銘板は木製板を加工しておりきっちりと彫り込んだ出来栄え、また平安さんの屋形船の銘板は、レーザー加工した板に厚めのアクリル板を貼り付けています。レーザー加工の精度や威力を感じました。

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宮島さんブルーノーズ銘板(上)平安さん屋形船銘板(下)

壁面での掲示では、今年の1月の朝日新聞掲載記事のクリッピングが額装されていました。セーリング・シップが愛媛県の国立弓削商船高等専門学校向けに初代の海王丸の模型(縮尺1/75)を製作して寄贈した時の記事です。模型は教材としても利用されるとのことで、実船を忠実に再現する必要があることに加えて、100年は展示に耐えられるようにと頑丈な模型にするべく、3年半をかけて製作されたそうです。

模型をいくつかご紹介します。
セーリングシップでは、まず今村さんのエンデバー、縮尺1/60のキットベース。これは2作目の作品だそうですが、船体の作り込みが丁寧です。林さんが”うるさく”指導をされたそうです。

今村さんエンデバー(1)
 今村さんエンデバー

小林さんは、サンタマリアを同じ縮尺で2隻展示、1隻はキットを組み立て、もう1隻はキットと併行してスクラッチで製作したそうです。よく見ると、セールのデザインや色調を変えたりして楽しまれた様子が目に浮かびます。

小林さんサンタマリア2隻(1)
 小林さんサンタマリア2隻

青木さんのワサは、キットながら金属部品の加工装着が非常に丁寧で、また綺麗に仕上げていました。青木さんはお歳が90歳とのことです。数多くの作品を手がけてきておりここまで細かく仕上げることができるとのことですが、仕上がり振りには正直驚きでした。

青木さんワサ(1)
 青木さんワサ

濱中さんは小ぶりの作品を多数展示されていました。ご自宅での保管スペースや奥様のご理解も得るために縮尺を落としているのだそうです。製作毎に増える模型の自宅保管は楽しみとともに悩みにもなることは同好者共通です。

濱中さんの作品群
 濱中さんの作品群

海峡の展示では、邑本さんの関船がきっちりと仕上がり、義宮さんの遣唐使船は縮尺1/50で余った部材を利用して製作、また帆の表現も工夫されていました。八尾さんのボトルシップでは、珍しくイカ釣り漁船の古い舶用電球を利用していました。

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(上左)邑本さん関船_船首毛利家家紋(上右)義宮さん遣唐使船義宮さん遣唐使船(下)八尾さんボトルシップ日本丸

門司港レトロは、博多駅から新幹線小倉駅経由で1時間以内の距離にあり、海峡の眺めとともに雰囲気のある街並みでアトラクションが多くあります。この環境下で帆船模型展を開催できることは羨ましいとつくづく感じた訪問になりました。



★参考情報:
八幡東区の北九州イノベーションギャラリー(KIGS)
https://www.kigs.jp/information/
門司港レトロ観光情報
http://www.mojiko.info

(2018年8月 栗田正樹)