第40回記念企画ジオラマq
第40回記念企画ジオラマ

横浜みなと博物館の特別展示室において、9月8日から9月17日まで第40回記念の模型展が開催中です。出品目録による展示総数は89点で、バラエティーに富む展示会となっていましたが、節目の展示会でハイライトとなっていた2点をご紹介します。

まず、第40回記念企画のジオラマ。タイトルは「ペリー艦隊(黒船)と横浜村」で、このジオラマは2年をかけて製作されました。製作に際してはプロジェクトチームが組成され、郷原会長の企画総指揮のもと、ザ・ロープ会員でもある肥田さんが「デザイン総括」と、「ベースフレーム、海面、陸地」を製作、「樹木・集落」「黒船」「和船」「展示パネル」の各チームが製作を分担、延べ22名の会員が参画されてます。

ジオラマは1854年日米和親条約が締結された当時の横濱村の風景を想定しており、製作にあたっては横浜開港資料館の西川館長の監修を受けています。最大の特徴とも言えるのは、遠近法を取り入れた製作です。正面から見て手前は大きく、視線が奥に向かうのにしたがって小さく見える手法です。手前の黒船艦隊の模型の縮尺は1/400、陸地に近くに従って模型の縮尺が1/500、1/800、1/1000と変化するようにしています。

遠近法の効果が分かるアングルからのスナップ
遠近法の効果が分かるアングルからのスナップ

我が国においてこのような手法を取り入れたジオラマ製作展示は初めての試みと思います。記念展示はジオラマにとどまらず、例えば1854年当時の横濱村の周辺地域の地形と現在の海外線を示すパネル解説や、当時の文書記録の現代訳も展示されるなど、関連情報も取り入れた中身が濃いものとなっていました。

ジオラマの和船風景
ジオラマ御座船風景
(上)ジオラマの和船風景 (下)ジオラマ御座船風景

蒸気外輪フリゲートPowhatan模型縮尺1_400
来航黒船艦隊模型の解説
(上)蒸気外輪フリゲートPowhatan模型縮尺1_400 (下)来航黒船艦隊模型の解説

次に構造模型に関する展示に力が入ってたのも今回の展示会の特徴と思いました。特に「構造模型用図面のレーザーカットへの展開」と題する展示では、レーザーカットや3Dプリンター用のデーター化で試行錯誤を重ねた結果、フレームモデル用の部品加工など、これまで難易度が高いと思われていた構造模型のスクラッチビルドが中級者にも手が出しやすい世界になりつつあることを感じさせました。帆船模型工作の楽しみ方も時代の変化を取り入れながら進化して行きそうな予感がします。

レーザーカットのサンプル展示
構造模型用図面のレーザーカットへの展開
3Dプリント部品のサンプル展示
(上)レーザーカットのサンプル展示 (中)構造模型用図面のレーザーカットへの展開 (下)3Dプリント部品のサンプル展示

9日夕刻には、展示会会場近くのホテル「ナビオス横浜」で横浜帆船模型同好会創立40周年記念パーティーが開催されました。パーティーには総勢82名が参加し、JSMCCのメンバーでは、仙台帆船同好会、福島帆船同好会、マイ・シップ・クラブ、ザ・ロープ、ザ・ロープ・ナゴヤの代表者や関係者が馳せ参じ、創立40周年を祝うとともに当会の益々の発展と会員の健勝を祈念しました。

(栗田正樹)