左から加藤さん、筆者、吉田会長JPG
左から加藤さん、筆者、吉田会長

11月2日の午前中に福島市内で開催中の展示会を訪問しました。
今年の作品は、模型が20隻、ペン画1式の21点で、仙台帆船同好会より9隻が応援出品されていました。

今年の案内葉書の模型は大沼さん製作のH.M.Sビクトリー(ディアゴスティーニ、縮尺1/86)ですが、展示会では洋上ジオラマ仕上げになっているとともに、信号旗をつけており、この信号旗は新鮮でした。1805年のトラファルガー海戦で、ネルソン提督が船隊を鼓舞するために「英国は各員がその義務を尽くすことを期待する」との趣旨でビクトリー号に「信号旗“U・T・Yと終信符号”」を掲げました。模型の信号旗はこの構成となってはいなかったのがいかにも惜しい。

大沼さんビクトリー 信号旗装着の様子
大沼さんビクトリー 信号旗装着の様子

吉田会長は、得意技の梨材ワールドで、ル・グラン・サン・ルイ(1626, フランス、縮尺1/70、スクラッチ)、ヴァーサ(1628, スウェーデン、縮尺1/75、コーレルキット)、プリンス・ウィレム(1651, オランダ、縮尺1/100、コーレルキット)の3隻を出展されてました。

吉田会長の梨材ワールド3隻
吉田会長の梨材ワールド3隻

ル・グラン・サン・ルイは、ビョールン・ランドストローム著の戦艦ヴァーサの本(*)にあるイラストを参考にしており、甲板上の大きなグレーチングに惹かれて製作されたとのことです。本のイラストでは船尾の装飾のイメージがないことから、想像力を働かせて仕上げたそうです。金属部品は手持ちの余り物を使うとともに、不足分は木材で作成し、うるし金粉で仕上げています。

吉田会長のル・グラン・サン・ルイ
吉田会長のル・グラン・サン・ルイル・グラン・サン・ルイ グレーチング
ル・グラン・サン・ルイ 船尾装飾
(上)吉田会長のル・グラン・サン・ルイ(中)同グレーチング(下)同船尾装飾

加藤さんの縮尺1/192の世界は今年も健在、トルネーズ(1823、フランス、縮尺1/75、コーレルキット)とともに、縮尺1/192のトルネーズのスクラッチビルドを並列して展示されてました。滑車作りとリギングに苦戦されたとのことです。

加藤さんのラ・トルネーズの並列展示
加藤さんのラ・トルネーズの並列展示

仙台帆船同好会よりの作品では、川村さんのH.M.S.ベローナ(1760、イギリス、縮尺1/100、スクラッチ)がケースに入れられて展示されて良い雰囲気を出していました。当初はマストも建てる予定でしたが、製作途中で気が変わり船体模型としたそうです。

仙台川村さんのベローナ、ケース入り
仙台川村さんのベローナ、ケース入り

仙台帆船同好会より9隻出展
仙台帆船同好会より9隻出展

福島帆船同好会は、会員数も少なく新作を手がける会員も次第に限られてきている中で、吉田会長のリーダーシップで年次の展示会開催を志向されています。今年は仙台帆船同好会からの出展もあり、福島での展示会を盛り上げる努力が伝わりました。フレフレ福島・仙台!

*「戦艦ヴァーサ」ビョーン・ランドストローム、ノーベル書房、1985年3月、ケース入り大型本。(ル・グラン・サン・ルイの解説とイラストは、本書34?45ページに詳しい。)

(栗田正樹)