image001x
展示会場風景

ロシュホール市コンベンションホールで5日間開催された第1回世界船舶模型展にザ・ロープのツアーで参加した。会場に展示された作品は約130点あり、素晴らしい展示作品群とハイレベルなテクニックに圧倒された。

今までアメリカ、フランス、日本など国別展示会が開催されているが、世界規模の展示会は今回が初めてと思われる。展示会期間中に海事文献資料や模型修復などの講演会が3日間あり、言葉が理解出来ないのでパスして、会場には搬入出を含め3日間滞在、2日間は観光地巡りをした。

模型展の国別展示数はフランス81、スペイン16、ベルギー11、日本(ザ・ロープ)10、ドイツ6、イタリー6、アメリカ1他で地元フランスが6割を占めていた。作品のジャンルは帆船がメインで、素材仕上げの構造模型が多くを占めていたが、その外に近代船や潜水艦など船舶全般にわたっている。

潜水艦は木造の初代艦から第二次大戦のものまで展示、中でもドイツのUボートは人気があるようで真鍮板版の叩き出しで作られた超精密な工芸品から、ジオラマ仕上げのものまで幾つか展示していた。

展示作品の写真は主催者から会に送られてきた写真集をザ・ロープのホームページに掲載しているので、開けば全貌をつぶさに閲覧出来る。


素晴らしい帆船模型群の中で、特に印象に残ったのは究極の構造模型はブードリオの図面から制作中の縮尺1/24のル・フルーロン(Le Fleuron)である。この模型は大きさもすごいが船体の素材仕上げ、艤装、彫刻の何れも超絶の仕上がりで、ある。究極の模型に思える。 

image007x
2018年のスターンの彫刻

特にスターンとフィギヤーの彫刻はすごいの一言。展示状態はリギングのラットライン取付前やフォアマスト、ミズンマストのヤード取付前で、製作中であるが、製作開始から現在までに18年近くが経過している。

image009x
image003x
(上)2006年サンマロ展出品時の状態(下)今回出品時の状態

左の2018年ロシュホール展の展示写真と2006年にサンマロでクラブAAMM主催により開催された展示会の時と較べると今回のロシュホール展でも製作途中にあり、作者の意気込みと根気に脱帽である。

作者はマリエール・ジャック氏(Mailliere Jacques)で、氏のホームページを視ると沢山の帆船模型とそれらの彫刻が掲載されている。フランスの誇れる帆船模型モデラーである。

image005x
フィギャーヘッドは2006年には完成

Pierre and Jacques MAILLIÈRE
マリエール・ジャック氏(Mailliere Jacques)のホームページ

あと一点ではイギリスのマクレォド・マグナス氏(McLeod Magnus)の縮尺1/48 ローヤル・オークの彫刻部品(Royal Oak accessoires) がある。

氏のローヤル・オークは1769年イギリスの74門鑑で縮尺1/48で製作中。完成するとこの模型も大型の超絶作品になると想像している。模型に取り付ける彫刻はで、まるでコインの彫刻並みの出来映えである。

image011x
ローヤル・オークの彫刻部品

展示作品は各国では選りすぐりの作品と思われ、何れも綺麗にスマートに作られていた。今回の展示会ツアー参加は帆船模型モデラーには代え難い至福の時間であった。
(その2につづく)


(安藤 雅浩記)


(*)本稿はザ・ロープニュース第102号(2018年12月31日発行)に掲載された記事を再掲したものです。