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レプリカのフリゲート艦エルミオーヌ


「ロシュフォール」という地名を聞くと、1967年に公開されたミュージカル映画「ロシュフォールの恋人たち」を思い出される方も多いのではないだろうか。展示会場がある「ロシュフォール」は、大西洋のビスケー湾のシャラント川河口から約30㎞内陸に入った港町で、17世紀半ばルイ14世の時代に、ロシュフォール城の遺構を取り壊した後に、避難・防衛・武器調達の面で三拍子そろった海軍工廠として建設された。

その後、この造船所では多くのフリゲート艦が建造されて活躍しているが、その一部の縮尺模型を海事博物館で見ることができる。また川岸にある我々が宿泊したホテルの窓からは、王立ロ-プ工場やレプリカのフリゲート艦エルミオーヌ、そして乾ドックなどを眺めることができた。我々が見学した代表的な諸施設を紹介しよう。

カラフルで造形美に溢れたフリゲート艦エルミオーヌのレプリカ

造船所の立派な門を入ると17世紀以降に建造された古い乾ドックが複数あり、その一つのドックにこの町の象徴ともなっている「エルミオーヌ」の美しい容姿を眺める事が出来る。「エルミオーヌ」は3本マスト、全長44mの32門艦で1778年にロシュフォールで建造された。1781年にはアメリカ独立戦争の帰趨を決したヨークタウンの戦いに参戦して勝利に貢献したフリゲート艦としても有名である。

この復元プロジェクトは1997年に始まったが、18世紀の造船技術で船の復元を目指したこともあり17年の歳月を要して2015年に竣工した。就航後、大西洋を横断してヨークタウン→ニューヨークなどに処女航海し、各地で歓迎を受ける。この時の様子は動画(Youtube)をご覧いただきたい。

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"FRÉGATE L'HERMIONE” The Hermione frigate, from 2012 to September 2014
(クリックでYoutubeへリンク)

博物館入口を入るとまず同船の精巧に出来た大きな模型が展示されており、更に進むと作業現場をそのまま残した製作工房や、ロープ、帆や大砲、船内外の装飾品などが実物展示されていて大変迫力がある。

船内に入るとカラフルで美しい造形美に圧倒される。この船が数々の海戦に勝利した復元船かと思うと当時を想像して、ある種の感慨を覚える。

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国立海事博物館

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フランスの国立海事博物館は5館あり、ロシュフォールのほかには、パリ、ブレスト、ツーロン、ポート・ルイにある。門を入ると中には、メヂュース号の筏のレプリカが無造作に展示されている。中に入ると同市のジオラマがあり、更に3階建ての奥の各部屋には精巧な大型模型(縮尺は大半が1/48以下)が2隻~4隻づつ、ずらりと展示されていて圧倒される。何れも製作年は相当古い。

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(上・中)1/12で製作された1710年代の Le Royal 70門艦(下)90門艦アンフィクシブル Inflexible

模型の多くは18~19世紀に建造された1級から4級艦が多い。中でも目を引くのは1/12で製作された1710年代の Le Royal 70門艦である。当時製作された大型模型であろうが製作年は記載がない。この他にも同造船所で建造された90門艦アンフィクシブル Inflexible(1/40)など多数の大型模型があって、何時間見ても見飽きることがなく、結局2回見学に行った。(その3につづく)

(田中 武敏記)