ロープを知る

The Official Blog of Model Ship Builder's Club "The ROPE"

カテゴリ: 国内同好会との交流

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会場正面の入り口左右には大型模型が可動ショーケース内に展示

東広島市芸術文化ホールの1階にある市民ギャラリーで開催されている展示会に、初日の3月21日午後訪問しました。このホールは2015年11月に竣工し、延べ床面積13,000平米を誇る近代的な建物です。会場の市民ギャラリーは総面積119平米、長方形で高さ3mの壁面3面も利用ができ、使い勝手が良さそうな会場です。ホールの1階の正面立地で来訪者の導線も良く、また会場の使用料は入場料無料の場合は1日当たり1,000円と非常に安価とのことです。

多田会長のお話によれば、これまで広島市内での定期展示会開催でしたが、近年東広島市在住の会員が増えたこと、また風評では、東広島市に帆船模型製作に興味がありながら入会のきっかけが不足していたり、敷居の高さを感じている人が多いようなので、新規入会勧誘のアピールとして今回初めて東広島市西条でデモ開催としたとのことです。

展示模型は60隻、内新作は40隻ですが、展示内容はバラエティーに富み、帆船模型工作趣味の楽しさを発信する工夫が随所に見られました。初日には450名ほどの来訪者があり盛況であったとのことです。3月25日の日曜日には「子供みらいフェスタ」のイベントで500名の子供達を迎えるそうです。大人から子供まで楽しませる展示企画内容となっていたのは印象的でした。

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会場東広島市芸術文化ホールの1階にある市民ギャラリーと展示場風景

会場正面の入り口左右には大型模型が可動ショーケース内に展示されていました。存在感を出していた模型を2点ほど紹介します。まず、随行さんの縮尺1/30のスクラッチビルトの遣唐使船。主材料はヒノキ、竹。作者は、さる2010年5月に上海万博を記念して行われた「遣唐使船再現プロジェクト」の一環で呉市倉橋島に復元船が寄港した際に乗船し、復元船を取材調査して船内の塗装や船荷、船上で作業する船員の姿を再現しています。製作時間は1,050時間で、帆の製作や船上での神事に威厳を持たせることに苦労したとのことです。じっくり見ると随所に楽しませる工夫がある模型です。

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随行さんの縮尺1/30のスクラッチビルトの遣唐使船。主材料はヒノキ、竹。

住元さんの日本丸はイマイ科学の縮尺1/80のキットをベースにしたほぼスクラッチの作品。1980年頃にこのキットを購入し製作を進めたが物足りずに30年ほど放置したそうです。実船の写真や図面を参考に細かい部分を自作し忠実に仕上げたとのことで、仕上がりの良さに加えて帆船の美しさもアピールしている作品です。

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住元さんの日本丸は仕上がりの良さに加えて帆船の美しさもアピールしている

会場で実演を行なっていた田島さんは多くの力作を展示されていました。2点ほど紹介します。まず、縮尺1/35スクラッチビルトの弁才船両社丸です。岡山県立図書館企画展の依頼を受けて製作した模型で、材料は、桜、黒壇、銅板、真鍮でチークオイル仕上げ、帆は一枚布で糸抜きで表現をしています。製作に際しては、安達裕之著『船の科学館叢書雛形からみた弁才船』にある船の断面図より図面を起こしています。

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縮尺1/35スクラッチビルトの弁才船両社丸は岡山県立図書館企画展の依頼を受けて製作した

田島さんの作品スタイルはチークオイル仕上げで、いずれもが木製帆船模型の雰囲気を良く出しています。その一つがギリシャの三段櫂船OLYMPIAS復元船で、見所がある模型です。縮尺1/35スクラッチビルトで、材料はサクラ、カバのチークオイル仕上げ。ネットから復元船の縮尺1/10の図面を取り出しパソコンで作図されたとのことです。模型の片面下部は外板を貼っておらず、また内部の様子を見せる構造模型です。

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Olympias内部x
ギリシャの三段櫂船OLYMPIAS復元船

藤原さんは御座船を2隻展示されてました。高松藩飛龍丸と天地丸でいずれもスクラッチビルトです。飛龍丸では、高松市の公民館で明細切絵図を参考にしたとのことです。天地丸では将軍の威厳を示す船の外観を再現されていました。近年の帆船模型展示会では和船の展示も増えてきましたが、御座船の模型はフレッシュな印象です。

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御座船天地丸x
藤原さんは御座船 高松藩飛龍丸と天地丸

「子供みらいフェスタ」の為に準備された展示品の一つがカティーサークのキール、フレームや船尾の加工を示すデモ模型です。随行さんが準備した縮尺1/50のものですが、ウッディジョーのキット縮尺1/100図面を拡大して製作したもので、基となった原図や製作の様子を示す写真など好展示です。

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カティーサークのキール、フレームや船尾の加工を示すデモ模型

田島さんの会場実演では、アルミ材を使ったボートの工作手法が紹介されていました。会場には製作に使用する各種治具や、関連図書なども展示されており、帆船模型工作の世界をアピールする展示となっていました。

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田島さんによる実演

また、展示会は船舶模型も対象としており、艦艇の大型模型も展示されていました。随行さんが製作中の重巡洋艦高雄の大型模型では、ユニークな艦橋や煙突に加えて、内部のボイラーの様子を見せる工夫がされていました。

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随行さんが製作中の重巡洋艦高雄の大型模型

ザ・ロープ・ヒロシマは現在会員数20名弱の規模で、月例会や会報を発行しています。帆船模型製作に関する技術交流、情報交換の活動に加えて、大人の趣味として船舶模型工作の楽しさの啓蒙に勤められています。

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ザ・ロープ・ヒロシマの皆さん。現在会員数は20名弱で月例会や会報を発行

(ID144 栗田正樹)

造船工房看板と材料倉庫x
 造船工房看板と材料倉庫

福島市内で開催された第24回展示会訪問を終えた足で、吉田会長に吉田造船工房をご案内いただいた。都内のマンションの狭い一室を使って工作をしている私にとっては、この工房はまさに「モデラーの天国」。吉田会長のナシへの愛着と、展示会のリーダーシップを例年なぜ発揮できているのかが良く理解できた工房見学となった。大変な刺激を受けた。

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 工房風景1 作業机は二つ

工房は15坪の部屋に、大工仲間が造作した作業机、模型展示棚ケースなどが配置されている。工具類等の収納引き出しも数多く配置されており、効率的な作業ができるようになっている。室内には、自作の製材電動工具類が配置され、大型工具などはキャスター付きの専用台に装着されて使いやすいように工夫されている。木片の大型吸引機もオリジナルの電動工具に接続できるようにしている。

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ナシの材料の加工製材実演

ナシの材料の加工も実演いただいた。製作途中で必要な材料を都度製材されているとのことで、いとも簡単にナシ棒の加工が奇麗に仕上がる様子には感嘆した。工房前の庭には、ナシ材や電動工具類の倉庫があった。ナシ材は、切り出してトラックに積んで製材業者で適当な大きさに加工し、工房前の倉庫に保管をしている。

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 工房風景2 帆船収納棚、資料、材料棚

工房内の棚ケースには多くの模型が保管され、一覧性とともに埃や損傷対策が確保されている。関連書籍棚も併設されており、今では入手できない書籍を含めて背表紙が見えるようになっている。一時期蔵書に番号シールを貼って管理をされていたとのことだが、時とともに散逸してしまったとのことだ。

工房本棚 資料の一部は番号を付して整理
 工房本棚 資料の一部は番号を付して整理

モデラーの本棚を覗くのはその人の世界を想像できて楽しい。また、工房内には音楽CDや大型スピーカーも設置され、吉田会長が工房にこもって工作を楽しむ姿も想像ができた。

(栗田正樹 記)












みらいへ大型模型
みらいへ大型模型

7月4日から8月6日まで、企画展「大帆船展」が神戸海洋博物館の1階エントランスホールで開催中。また、神戸港開港150年記念イベントとして7月15日から17日まで「神戸帆船フェスティバル」が開催され、日本丸、海王丸、パラダ(ロシア)、コリアナ(韓国)、みらいへ(元大阪市の「あこがれ」)が入港しイベントを盛り上げていた。

練習帆船模型展示
練習帆船模型展示

大帆船展で目立ったのは練習帆船に焦点をあてた展示であった。模型では、初代日本丸、初代新徳丸、新日本丸、ダンマルク、エスメラルダが展示されていた。これらを一同にかいする機会はそうあるのもでもない。「みらいへ」の大型模型も存在感を出していた。

月島丸、大成丸、進徳丸のパネル解説や、練習帆船関連の記念はがきなどのメモラビリアも展示されていたが、練習船の記念はがきの種類の多さには驚いた。

神戸帆船模型の会作品展示
神戸帆船模型の会作品展示

会場の一角には神戸帆船模型の会の会員が製作した作品がずらりと展示され、会場の雰囲気を盛り上げていた。

(栗田正樹 記)

会場風景
会場風景

7月16日に、大阪梅田阪急ターミナルビル内で開催中の展示会を訪問。

中島さんのHMSヴィクトリー、金岡さんのHMSナイアッド、早川さんのベルプール、中谷さんのHMSイプスウィッチなど、細部を鑑賞するとその凝りようと製作技倆のレベルの高さに圧倒されました。ザ・ロープニュース第97号(2017年9月発行)にてレポートをしたいと思います。

中島氏製作HMS ビクトリー
中島氏製作HMS ビクトリー

金岡氏製作 HMSナイアッド
金岡氏製作 HMSナイアッド

早川氏製作ベルプール
早川氏製作ベルプール

阪急ターミナルビルでの展示会も今回が最後とことで、来年からは新会場での開催となるとのことです。懇親パーティーにお招きいただき、また二次会での情報交換など友好を深めることができました。どうもありがとうございました。

集合写真
集合写真(敬称略)前列左から:金岡、大槻、大森、早川、後列左から:安藤、田中、土屋、坪井、中島、栗田

(栗田正樹 記)

採光が良い会場風景x
美術館らしく採光が工夫されており、展示室内は明るくスペースもゆったりしている

6月15日の昼前、砧公園にある世田谷美術館内で開催中の展示会を訪ねた。砧公園は東京ドーム建築面積の約8倍の広さを誇る。かつてはゴルフ場であった土地を公園として再整備した場所だが、東京が梅雨入りしたとはいえ、新緑がまだまだ美しい。落ち着いた雰囲気の公園の一角に美術館がある。展示会は、美術館内の市民ギャラリーの一室で開催されているが、美術館らしく採光が工夫されており、展示室内は明るくスペースもゆったりしており展示品を鑑賞しても眼が疲れない。

世田谷帆船模型同好会は現在会員が28名(女性2名を含む)で、この内21名が作品を展示していた。この中にはザ・ロープ会員を兼ねる会員6名が作品を出展していた。

先ずは、近年のザ・ロープ展示会でお馴染みの福田正彦さんのポーツマス港の監獄船。ザ・ロープ第42回展のカタログで「1/143の縮尺で多数の捕虜と海兵隊をどう作るか大変で、また面白みもある」と解説されている。その進捗度合いを見ることができた。フィギャはまだ粘土でイメージをつかむ段階であろうと思われるが、乗船する囚人など顔や服装を含めて作り込んで行くのは確かに大変な工作になりそう。

監獄船ジオラマ
福田正彦さんのポーツマス港の監獄船

当会会員の霞崇さんは、佐渡の宿根木をモデルに、建造中の和船のジオラマを縮尺1/150で表現している。ジオラマにはNゲージ鉄道模型用の材料を使っている。建造中なのに、なぜか帆柱が表車立に据えられているとはご本人の弁だが、家の前で船や海を見ている人も表現するなど、ジオラマの雰囲気作りを工夫していることが伝わってくる。

和船建造風景ジオラマ
佐渡の宿根木をモデルに、縮尺1/150で表現している霞崇さんの建造中の和船のジオラマ

壁のデコレーションでは、髙橋昌代さんのエスメラルダの刺繍が雰囲気を出していた。糸はいつのまにか40色になったそうだ。また、すっきりとした船体線図が5枚ほど額装されて掲示されていた。船の船形の美しさをアピールしている。

エスメラルダ刺繍x
髙橋昌代さんのエスメラルダの刺繍

キット内容壁展開
パナルトのロイヤルキャロラインのキットの中身の掲示

キットの中身の解説では、パナルトのロイヤルキャロラインの材料が展開掲示されていた。木材に加えて、船体装飾用の金属部品があるぞと上手に壁展示をしている。
展示会は6月18日まで開催中。

(ID144 栗田正樹)







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