THE SHAMPOO HAT の ブログ

THE SHAMPOO HAT 劇団員のブログです。

◆◆次回公演◆◆
 THE SHAMPOO HAT第29回公演『風の吹く夢』
 2014年9月10日〜23日 下北沢ザ・スズナリ
 作・演出・出演:赤堀雅秋
 出演:野中隆光 児玉貴志 日比大介 滝沢恵 遠藤留奈 勢古尚行/
    池田成志  黒沢あすか 駒木根隆介  銀粉蝶 

◆◆2007年本公演『その夜の侍』上演戯曲の映画化◆◆ 
 『その夜の侍』 2012年全国公開 
 監督・脚本:赤堀雅秋
 出演:堺雅人 山田孝之
    綾野 剛 谷村美月 高橋 努 山田キヌヲ/
    でんでん 木南晴夏  峯村リエ 黒田大輔 小林勝也 三谷昇/
    坂井真紀 安藤サクラ  田口トモロヲ 新井浩文
 主題歌:UA「星影の小径」

・第56回ロンドン映画祭
 ファースト・フィーチャー・コンペティション部門正式出品
・第36回モントリオール世界映画祭
 [ファースト フィルムズ ワールドコンペティション部門]出品 
・2012年度新藤兼人賞金賞受賞
・第34回ヨコハマ映画祭
 森田芳光メモリアル新人監督賞受賞

殺風景日記14

休演日。
本当に、本当に久しぶりの休息。
全力で休もうと、ソファで寝そべっていたが、「あ、昨夜のダメ出しをチェックしておこう」と台本をパラパラめくっていたら、何となく火がついてしまい、挙げ句の果てにはプロデューサーに電話して「明日稽古させてくれ」と頼む始末。
ま、当たり前か。まだまだこんなものではない。
いや、中途のものを観客に提示してるつもりはなく、その時その時は全力で最良のもののつもりだが、どうも客席で本番を観ていると「やはりこうした方が…」「あ、こういうやり方もあるかもしれない」などという欲というか、ま、『あがき』というか。

この芝居は、いわばバトンリレーのようなもので、冒頭から各場面が蓄積して蓄積して、ラストシーンに理屈ではないカタルシスが起こるのを期待している。
もっと、もっと、自分が想像し得ないカタルシスに己がまみれてみたい。
だからこそ、演劇なんぞやっているのだ。
だからこそ、最後の最後まであがき続けるのだ。

頑張る。

そして今日は全力でぼーっとする。
晩飯、何にしよう。白いご飯が食いたい。

殺風景日記13

昨夜、無事開幕。
とても良い初日でした。
やはり八乙女のファンであろう若い女性の観客層に、正直不安を感じたが、終わってみたら、本当に素直な反応の良い客席で嬉しかった。
終演後にロビーで初日乾杯。
何だか千秋楽の打ち上げのような感慨。
演劇界を牽引するベテランのスタッフたち、そしてキャストの皆さんに触発され、ようやく開幕に辿り着いた。
八乙女の挨拶に感心。あいつ立派な男だな…。

さて、実はまだ闘いは始まったばかりだ。
たった一行のセリフを加えるだけで劇的に面白くなる可能性はある。
たった一つの動きの変化で観客の感動が倍増するかもしれない。

模索は続く。

殺風景日記12

唐揚げ弁当を食っていたら奥歯の被せものがとれてしまった。
昨年の劇団の公演の時も唐揚げ弁当を食っていたら、別の奥歯の被せものがとれてしまった。
シダの群れでは東京千秋楽の本番中に、あたりめを舞台上で噛んでいたら前歯が折れてしまった。

もう……歯っ!

頑張ります。
頑張ってます。

明日、いよいよ幕を開ける。

殺風景日記11

小屋入りして、場当たりの日々。
稽古場で平面的な作品が、どんどん立体的になっていく。
それは稽古場同様に本当にしんどい作業だが、本当に楽しい。いや、正確に言うと、楽しもうとあがいている。
己の拙さにうちひしがれる毎日だが、悲劇のヒーローに酔っている暇は1ミリもない。
「どうしたらいいんだ?」「どうしたらもっと伝わるんだ?」「どうしたらもっと面白くなるんだ?」と毎秒過ごして作業終わり、明るい場所へ行くと、何やら瞳孔が開きっ放しらしく苦笑される。
場当たりの最中、コクーンで打ち合わせだった岩松さんが覗きに来て、ニヤニヤして、気がついたらいなくなっていた。
なんか、まぁ、デパートで迷子になった子供が、ようやく親と会えたような、安堵と憤りに似た感慨だが、ま、そんな感慨に浸る暇もなく。

とにかく、とにかく頑張る。
馬鹿の一つ覚え。

頑張る。

殺風景日記10

今日も通し稽古。
通し稽古が終わり、演出家の仕事としてはダメ出しをするのですが、その場に集まったフラフラで虚脱状態の皆さんを見る度に言葉に詰まる。
本当に頭が下がる思い。
心身共に、これ程疲れる芝居もなかなかないと思う。
明日(実質今日)が稽古場での最後の稽古。
僕が演じるわけではないが、「早く劇場に行きたい」「この閉鎖された空間から早く飛び出したい」などと思ったのは、20年近く演劇を続けてきて初めての感覚。
なんというか、この重苦しい鎧を脱ぎ捨てて、自由に走り回りたいというか。呪縛のようなものから解き放たれたいというか。
通し稽古を観た関係者から「面白かった」と言われたが、まだまだこんなものではない。
僕は役者の皆さんを信じてる。
コクーンの舞台に立った時、観客を目の当たりにした時、あの人たちはきっと、こんな閉鎖された稽古場とは段違いの芝居をするはずだ。
いや、変なプレッシャーを与えてるのではなく、素直にそう思う。
荻野目慶子さん、キムラ緑子さん、西岡徳馬さんの大人たち三人に触発され、今に至る。迎合したわけではない。
より野太い作品にするために全力で彼らから学んだ。あ、大倉君の姿勢からも。
そして八乙女は、もう完全に役者だと素直に思う。
まだ幕も開いてないのに、こんな事を言うのも何だが。本当に嬉しい限り。
もちろん他のキャストの皆さんも素晴らしい。
頑張ろう。頑張ろう。頑張ろう。

殺風景日記9

日々猛烈に稽古。
巨大なジグソーパズルをキャスト、スタッフと共に「ああでもない」「こうでもない」言いながら、脂汗かきながら必死にパズルのピースをはめて行き、時には本当は違う形であっても強引にはめ込んだり、血眼になってある形を探してもそんな形のピースはどこにもなく途方に暮れ、泣いたり喚いたり、嫌気がさしてせっかく半分くらいあてはめたパズルを「もうええわ!」と偽関西弁で星一徹がちゃぶ台をひっくり返すかのように投げ出しそうにもなるが、そうも行かず、地道に、一つずつ、汗だくでピースを置いていき、昨日あたり、ようやくうっすらと「このジグソーパズルが何の絵か」わかり始めたような気がして、恥ずかしながら高揚する。
当たり前だが、一人では発狂してる。
13名のキャストと、スタッフの皆さんと共に作っている。
約10年前に、ある舞台のあるスタッフに「赤堀さん一人で作っているんじゃないですからね」と強く憤慨された事を思い出す。
若者(馬鹿者)はどうしても悲劇のヒーローになりたがり、建設的に遅々とした前進を放棄して、部屋の隅で膝を抱えたがる。
膝を抱えていても何も解決しない。
約10年前よりかは、1ミリくらいは進歩したのではないか。

殺風景。
まだまだやれる事はある。
頑張る。

殺風景日記8

佳境。
本番まであと約2週間あるというのに、なんだ、この佳境っぷりは(笑)
いや、嫌な意味で言ってるんじゃなく。
稽古が終わると、矢吹ジョーのごとく真っ白に、いやぷすぷすくすぶりながら、うなだれ煙草を吸う。
スタッフ、キャスト、さまざまな人間が集い、さまざまな人間が集うという事は、さまざまな価値観、人生観が集うという事で、それはそれなりの苦労やら葛藤はあるにはあるが、それでも全ての人々が「良い作品にしたい」という目的は合致しているのだから、こんなに健全な稽古場はない。

この芝居、さまざまに凄惨な場面が続くが、それでも、それでも喜劇に昇華させるんだ。
もちろん痛みを伴いながら。
自分に強く言い聞かせてるんです(笑)
自問自答日記。

当たり前ですが、全力で面白くなるよう努める日々です。
皆さん、是非、観に来て下さい。
よろしくお願い致します!!!

殺風景日記7

稽古中盤。
物凄く大変だが、物凄く楽しい。でもやはり物凄く疲労困憊。
キャストの皆さんも、ぼちぼち心身共に疲弊のピークだと思う。

照明、音響、衣裳、メイク、それから振り付け、アクションなど、あらゆるプロのプランナー達が、稽古場に入り、更に熱を帯びる。
本当に心強い。

昨夜はキャスト全員で稽古後に懇親会。
なんというか、ようやく座組が同じ温度で同じ方向を歩みつつある。
八乙女君も、最近ようやく役者の顔になりつつある。偉そうな言い草だが。
本番まであと約三週間。
もっと柔軟に自由に作品を深化させたい。

あ、最近は八乙女君を、「八乙女」と呼び捨てにしてます。
ま、40を過ぎたオッサンが何を言ってんだという話だが。

ちなみに昨日の稽古、ある場面で、八乙女の芝居で、稽古場の皆が泣いた。
もちろん彼だけの芝居ではないが。
そんな奇跡の瞬間を本番でも再現出来るよう努める。
頑張る。
この日記、馬鹿の一つ覚えのように「頑張る」「頑張る」ばかり。

頑張る。

殺風景日記6

日々猛烈に稽古。
今回、転換スタッフならびにエキストラとして参加している若い俳優が四人。
誰よりも早く稽古場に来て、隅っこで地味に柔軟体操し、丸一日出番がなく、ひたすら椅子に座ったまま稽古が終わることも多々ある。
帰り際、コソコソとケータリングにあるインスタントラーメンを鞄に押し込み、逃げるように帰る姿を目撃。
ちょっと泣きそうになる。

ケータリングといえば、有り難いのが、手作りの握り飯。
コクーンの社長が差し入れてくれた米を毎日毎日制作スタッフが炊いて、大牟田に行った際のお土産の明太子を具にした握り飯。
わずかな休憩に次の準備をしながら歩きながら食う。美味いっす。

当たり前だが、キャスト、主要スタッフと共に、むしろ彼等に支えられながら物を作っている。

まだまだ面白くなる。まだまだやれる事はある。
高校生みたいな言い草だが、無我夢中で頑張る。

殺風景日記5

今回の物語の舞台である福岡県大牟田市へ弾丸ツアーを決行。
今回、方言指導で入っている林田氏のアテンドで。
稽古後、夜に大牟田に着き、林田氏の知り合いの小料理屋へ。80歳を過ぎた女将さん、小夜さん。
真っ黒なおでん、焼き魚、筍、茄子の煮浸し、全てが絶品で、こんな店が渋谷にあったら通うに決まってる。
カウンターの奥の棚に、石炭でできた炭鉱マンの像。
物語に炭鉱の描写があると伝えると、「じゃあ持って行きなさい」と飄々と言う。「いや…」と尻込みするが、「持って行きなさい」とあっけらかん。
なんというか、胸が締め付けられる思い。有り難く頂戴し、店を後にする。
稽古中も本番中も、絶えず自戒のために傍に置きます。

で、その後、劇中に出てくる埋め立て地へ。
まさに思い描いてたような場所に鳥肌が立つ。
真っ黒な有明海に月明かりが海面に筋を作り。
「海が臭か」というセリフを自分で書いておきながら、初めて「ああ、こういう匂いか」と実感。
うまく言語化出来ない独特の匂い。
背後に工場の煙突が煙を吐く。
皆、しばし無言で佇む。

で、これまた劇中に出てくるような小さなスナックへ。
常連客の元炭鉱夫のエピソード、海苔業者の豪快なエピソード。リンゴ入りのスパゲッティサラダ。

二日目。林田氏の知り合いの市役所の方に案内され炭鉱跡地や三池港をまわり、これまた劇中に出てくるショッピングモール、そして臭い豚骨ラーメンを堪能し、あ、石炭博物館にも行き、夕方に大牟田を発つ。

本当はもっともっと書きたいエピソードで満載だったが、ま、それは作品に染み込ませたい。

とにかく、小料理屋の女将さん、タクシーの運転手さん、スナックのママ、炭鉱などを案内してくれた方々、林田氏のお母さん、お婆ちゃん、全ての方々の人柄に胸が熱くなる。

何がどう具体的に作品に反映されるかは定かではないが、とにかく、生身の人間を描くんだという当たり前の覚悟というか思いというか…。

とにかく、頑張ります!
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