Keep On Thinking

少しでも日本の医療を良くして、多くの人々が健康な生活を送ることができる世の中にしたい。このブログは自分の思考の軌跡を綴る場であり、少しでも多くの人々に「気づき」を与える場でもある。医療、社会全般、科学にも視野を広げ、リハビリテーションや神経科学などの分野も紹介します。「必要なのは、信じる心ではなく、それとは正反対の、知ろうとする心である。-バートランド•ラッセル」

4月から作業療法士になる君へ

新年度になりました。4月から作業療法士になる君へ

1. 毎日コツコツ勉強しよう。論文1本、教科書1ページでも毎日読み、勉強することが、未来で出会う患者さんを救うことにつながる。目の前の患者さんを救うためには、そのときまでに準備してきたことがものいう。

2. 人が面倒臭いと思うこと、つまらないと思うこと、嫌がることに全力で取り組もう。君の頑張りは、必ず誰かが見ており、将来困ったときに手を差し伸べてくれる。

3. どのような患者さんにも真摯に全力で向き合おう。患者さんとの一瞬一瞬を大事にし、「今、自分が持っている知識と技術でこの人に何ができるのか」を考えよう。

作業療法に止まらず、医療を極めて欲しい。自分の知識と技術で目の前の患者さんを救えることは嬉しく、楽しいことです。小さな努力を積み重ねて欲しい。そして何より、医療は、”自分自身”が武器になるため、仕事だけでなく、遊びや恋愛も頑張って欲しい。

ブログについて

紹介したい論文はたくさんありますが、ブログは休止中です。

すぐにブログが再開できればと思っています。

よろしくお願いします。

慢性期脳卒中患者に対して神経幹細胞を移植して機能改善を検証した研究(Lancetから)

Kalladka D, Sinden J, Pollock K, Haig C, McLean J, Smith W, McConnachie A, Santosh C, Bath PM, Dunn L, Muir KW.
Human neural stem cells in patients with chronic ischaemic stroke (PISCES): a phase 1, first-in-man study.
Lancet. 2016 Aug 20;388(10046):787-96. PMID: 27497862


英国で行われた、ヒトの神経幹細胞を初めて慢性脳卒中患者に移植して、機能改善を調査した、open-label、単一施設の研究。平均69歳(range 60-82)の男性であり、慢性期脳卒中患者(NIHSSの中央値7、発症から12ヶ月から51ヶ月が経過)11名を対象にして、ヒト由来の神経幹細胞(CTX-DP)を損傷半球の被殻に移植し、2年間追跡調査した。その結果、移植に伴う有害事象はみられなかった。5名の対象者で、MRIのFLAIR画像で移植した部分の高信号化がみられた。移植から2年の時点で、NIHSSの改善は、中央値で2ポイント(range 0-5)みられた。下の図のグラフの中で、AがNIHSSの推移を示している。

私見。脳卒中患者に対する神経幹細胞移植は非常に楽しみな治療法。今後、比較試験が実施されると思われる。今回は、神経幹細胞移植のみの効果を検証したものであり、他の治療法は併用されていない。やはり、神経幹細胞移植のみの治療ではなく、運動療法を併用していく方が、効果的なような気がする。

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図は論文から引用

心理面に配慮したリハビリテーションの基本原則



どの文献に書いてあったのかは忘れてしまったが、私の大学時代の先生が、以下のように述べてあった。英国の療法士さんが、日本のリハビリテーションの現場を見学するために、日本の病院に訪問していた。私の大学時代の先生が、英国の療法士さんを連れて病院の中を案内していると、英国の療法士さんが、「日本の病院には、臨床心理士はどこにいるんですか。」と質問してきた。その質問を受けた先生は、欧米圏では病院のなかに必ずといっていいほど臨床心理士が常駐しているが、日本の病院の大半はそうではなく、日本では患者さんの精神・心理面に対するケアは臨床心理士ではない他の職種が関わっていかなければならない現状となっている、と感想を述べていた。

私が勤めている病院も臨床心理士がいないため、脳卒中に罹患して、身もこころも傷ついた患者さんの精神・心理面のケアは、医師や看護師、そして療法士が担わなければならない。私は、臨床に従事してから、患者さんの精神・心理面のケアを先輩方から教えていただいたり、臨床で関わった患者さんから教えていただいたりした。こういった分野は、臨床のなかで試行錯誤しながら時間をかけて学ぶものであった。しかし、若い療法士さんたちが、私と同じ時間をかけて、この分野を学ぶ必要はない。

そこで、矢崎章先生の精神医学・心理学的対応リハビリテーションは、この分野を学ぶ良いテキストである。このテキストの第2章を参考・引用して作成した勉強会のスライドを示し、心理面に配慮したリハビリテーションの基本原則を述べたいと思う。

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脳卒中後急性期、亜急性期リハビリテーションにおける麻痺側上肢の活動量のシステマティックレビュー(Clin Rehabilから)

Hayward KS, Brauer SG.
Dose of arm activity training during acute and subacute rehabilitation post stroke: a systematic review of the literature.
Clin Rehabil. 2015 Dec;29(12):1234-43. PMID: 25568073


脳卒中後急性期、亜急性期リハビリテーションにおける麻痺側上肢の活動量を調べたシステマティックレビュー。10の観察研究を取り込んでいる。

急性期で調査した研究論文は2つ存在した。1つ目の研究論文では、練習中の麻痺側上肢の活動量は、理学療法で4.1分、作業療法で11.2分であった。作業療法での麻痺側上肢の活動量は、練習時間の49%を占めていた。2つ目の論文は、理学療法で5.7分であった。

亜急性期で調査した研究論文では、練習中の麻痺側上肢の活動量は、理学療法で平均4分(0.9分から7.9分、研究論文は4つ)、作業療法で平均17分(9.3分から28.9分、研究論文は3つ)であった。

私見。作業療法の目標や練習内容の優先度(例:上肢機能練習 vs ADL練習)、麻痺側上肢の重症度などによって、麻痺側上肢の活動量は変わってくると思われる。しかし、それにしても練習中の麻痺側上肢の活動量が少ないのではないだろうか。麻痺側上肢の活動量が増えるとどのような効果が得られるのかは、今後の研究が必要であるが(精確な活動量の計測方法も含めて)、私の印象としては、麻痺側上肢の活動量が増えれば、ADL能力にも良い効果を及ぼすと考えている。

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図は論文から引用

米国の85歳以上の脳卒中患者のリハビリテーション病棟の入院期間と機能予後

Suzanne R. O'Brien and Ying Xue. Inpatient Rehabilitation Outcomes in Patients With Stroke Aged 85 Years or Older. PHYS THER. 2016; 96:1381-1388. PMID: 26916929

2002年から5.5年間の米国のデータベースを用いた横断研究。71652名の85歳以上の脳卒中患者においてリハビリテーション病棟入棟、退院後の機能的な予後を調査した。

私見。この研究の結果の1つが以下の図である。日本と米国の医療制度には差異があるのは分かっているが、それにしても、米国では脳卒中患者のリハビリテーション病棟での入院期間が短い。85歳以上の各年代で、入院期間はだいたい15日前後。ちなみに、この研究では除外基準の1つとして、リハビリテーション病棟での入院期間が90日以上としているが、それで除外になった患者さんは652人であり、1%以下であった。

さらに、85歳以上のそれぞれの年代においてFIMが改善している。FIMが運動項目と認知項目で分けて分析されていないので、それぞれの項目がどの程度改善したのかは分からないが。

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図は論文から引用

脳卒中患者の他者との関わりを記録するウェアラブルカメラ(J Stroke Cerebrovasc Disから)

Dhand A, Dalton AE, Luke DA, Gage BF, Lee JM. Accuracy of Wearable Cameras to Track Social Interactions in Stroke Survivors. J Stroke Cerebrovasc Dis. 2016 Sep 9. PMID: 27622865

Autographerと呼ばれるウェアラブルデジタルカメラを用いて、脳卒中患者さんの他者との関わりをどの程度正確に記録できるかどうか検討した研究。社会的孤立は、脳卒中発症後の予後の悪さに起因すると報告されており、こういう研究が拡がっていくと面白いな。

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図は論文から引用


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脳卒中リハビリテーションの必読書

↑現在進行形で、こつこつ読んでいます。

↑日本語訳が出たみたいです。

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↑原著3版の日本語版が出ました!

↑英語ですけど、神経疾患に対する効果的なリハビリテーションを学ぶことができます。

↑上の日本語版です。

↑作業療法士は、一読あれ。

↑高次脳機能障害に対するリハビリテーション、作業療法に関する書籍ではNo1だと思っています。

↑高次脳機能障害を学ぶなら、まずこれでしょう。

↑面白くて良書ですが、残念ながら絶版です。

↑第2版が出ました。改訂されて第6章に注意と注意障害が加筆されています。

↑症例が豊富で面白いです。英語の文献もたくさん紹介している。

↑読みやすくて臨床に活かせます。

↑高次脳機能障害に対する検査と評価の入門書。

↑ニューロリハビリテーションの入門書と言えば、これ。

↑ニューロリハビリテーションの入門書Part2。脳卒中に関わる療法士は、必読です。

↑学習と脳の関係を知らずして臨床ができるか。いやできない。

↑運動と脳の関係を知らずして、臨床ができるか。いやできない。

↑認知、注意、運動、思考など様々なトピックを面白く学べます。

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↑ハーバードの学生と教師が作り上げた教科書。心臓病の病態生理や治療を知ることができる良書です。

↑心電図の教科書がたくさんありますが、この本が一番わかりやすくて、臨床に活かせると思います。

↑脳卒中リハビリテーションでは、呼吸・循環の知識と技術も必要です。

↑リスク管理を学ぶなら、とりあえずこれ。

↑合わせて読みたいリスク管理本

↑上のケーススタディ本で、応用編。

↑栄養管理を学ぶための入門書。内容は歯ごたえがあります。

運動療法のための 機能解剖学的触診技術 上肢

運動療法のための 機能解剖学的触診技術 下肢・体幹
↑触診技術を学ぶなら、私はこのテキストを選びます。

筋骨格系のキネシオロジー カラー版
↑やっと出ました第2版。生体力学を学ぶならこれしかない。

↑基本動作の動作分析の教科書では、これが第一選択だろう。

コツさえわかればあなたも読める リハに役立つ脳画像
↑脳画像の入門書。おすすめです。

よくわかる脳MRI 第3版 (画像診断別冊KEY BOOKシリーズ)
↑第3版出ました!脳MRIの参考書では上位を争う。脳卒中だけではなく、脳疾患全般の画像が学べます。


↑神経疾患を学ぶなら、最高の入門書。

↑18版が出たみたいです。僕が学生時代は青だったな。神経疾患に対する検査と評価は、これがあればとりあえず大丈夫。

神経内科ハンドブック 第4版―鑑別診療と治療
↑神経内科は全般的におさえておきたい。

神経内科ケース・スタディ―病変部位決定の仕方
↑これ読んでから、ハンマー振る頻度増えました。


活動分析アプローチ-中枢神経系障害の評価と治療-【第2版】
↑第2版でました。ADLへの介入には大変参考になります。

↑第2版出ました!一般向けに書かれた脳卒中で失われた機能を回復するための戦略。

↑第2版の日本語訳です!
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