2012年のPhysical Therapyに、慢性期脳卒中におけるFugl-Meyer scaleの臨床的に有意な変化量[CID]をStephen J. Page氏が報告している。

Stephen J. Page, George D. Fulk and Pierce Boyne. Clinically Important Differences for the Upper-Extremity Fugl-Meyer Scale in People With Minimal to Moderate Impairment Due to Chronic Stroke. Physical Therapy 2012 ;92 (6): 791-798.

146名の慢性期脳卒中患者(発症後平均59.37ヶ月)で、軽度から中等度の上肢麻痺を呈した患者を対象にしている。上肢麻痺に対する介入を実施する前後で、FMAを用いて上肢機能を評価した。FMAのCIDを算出するために、アンカーとしてglobal rating of change(GROC)を用いて、セラピストが上肢機能の改善(把持、離す[release]、麻痺手の運動、COPMにおける個々の患者の最も重要な5つの活動の遂行度合い、上肢と手指の全体的な機能))を評価した。

結論として、慢性期脳卒中患者におけるFMAの臨床的に有意な変化量は、4.25〜7.25ポイントであると算出された。

考察のなかでStephen J. Page氏は、当研究の慢性期脳卒中患者におけるFMAの臨床的に有意な変化率として、7.2%〜11.0%であったと述べている。考察のなかでは他の研究論文も引用され、FMAを含めて、上肢機能を表す検査の得点に10%の変化がみられた場合は、臨床的に有意な変化量であると言われている。

前回の記事で亜急性期脳卒中患者におけるFMAのMCIDを紹介した。亜急性期ではFMAのスコアが9〜10ポイントの上昇が臨床的に有意な最小変化量であると言われている。私が調べた限り、FMAに関しては以下のように、

脳卒中患者におけるFMAの臨床的に有意な変化量
亜急性期:9〜10ポイント
慢性期:4.25〜7.25ポイント

であることがわかる。