2007年01月

2007年01月16日

Google本社潜入レポート!

That's Google!!Google、皆さんよくご存知のGoogleですが、本社が実はうちの会社のカリフォルニア州サニーベル(Sunnyvale, CA)事務所から車で10分の距離とは知りませんでした。そして、実は去年のあるイベント(TopCoder Open 2006)がきっかけでGoogleに就職した知り合いができました。彼はそのイベントがきっかけでGoogleに転職し、当時はもう自分のことのようにわくわくしてたんですが、嬉しいことに今回の出張で彼と(当然Gmailで)連絡が取れたので、今日Google本社にお邪魔してきました!

あらかじめ述べておきますが、彼に「建物内で写真とっていいですか?」と聞いてみたら、「Googleロゴの入った写真でないとNG」とのこと。彼自身の立場を悪くしたくないので、おとなしく心のカメラだけに収めました。全然レポートになっていない気がしますが・・・ご勘弁。

まずは、Google本社「見た感じ」レポート!
  1. Biker多し
    Googleビルの周りの道路にはBIKE(自転車)レーンがあるくらい、昼でも何人か自転車(マウンテンバイク)に乗っている人がいました。彼も自転車通勤だし。

  2. 緑多し
    ごみごみした感じではなくて、緑の中を散歩する場所がいたるところに。建物に篭ってないで、リフレッシュして新しいアイデアをバンバン出して欲しい、そんな感じがひしひしと伝わる。

  3. 雰囲気は「公園のある近代的な図書館」
    建物自体がそびえ立つ感じではなく低く横に広い、白を基調とした閉塞感の無い造りになっている。恐竜の化石があったり、ロビーに航空機があったり、近代的な図書館や博物館といった雰囲気。でも中庭には砂場でビーチバレーをしている人達がいたり、いたるところにベンチがあったり、公園の用でもある。「仕事しろーっ!」って圧迫感が全然ない、奇跡のオフィス。

  4. 特にセキュリティが厳しいわけでもなく、心地よい雰囲気
    セキュリティはやたら厳しいのではとびくびくしていたが、逆に拍子抜けするほど単純でアナログ。当然、最低限のカードキーの入館チェックとかはありましたが、必要以上に警戒心を与えない感じでした。敷地の入り口にいる警備員さんも交通整理が仕事。ガンなんか飛ばしていません。受付はロビーでPCに名前と会社と引率者の名前を自分で入力してシールに印刷するだけ。1日に1500人ものレジュメが送られる会社だから、さぞかし近寄りがたいのかと思ったら、お客様や従業員候補はどんどんウェルカム、逆におもてなしの雰囲気が心地よい。

  5. 食堂は各国の料理、そして無料
    世界中から優秀な人材を連れてきているだけあって、食堂には各地域の料理がビュッフェ形式で並んでいました。彼が言うに、「自分の国の料理さえ選ばなければ結構いけますよ」とか。そのとおり。確かに、日本料理が恋しくなりそうだけど、お昼だけなら毎日食堂で食べよう、と思うくらい充実した味と種類。そして何より「無料」。外に食べに行く時間を少しでも仕事に回してもらえれば、そして社内で色々な人と意思疎通する機会を持って欲しい、そういう気概をビシビシ感じました。うーん、ご馳走様でした(Googleさんのおごり!)。

  6. ロビーにはGoogle Master Planチックなホワイトボードが!
    なんだ、こういうGoogleの愉快なホワイボードって公開されているのね。Masterプランじゃないけど、従業員の皆さんのマインドをマッピングした面白い内容でした。こういうマインドマップを作れるような会談の場を仕事の中で作るというのは、創造的な仕事をする上で非常に大切なこと。大学の研究室が廊下に机と椅子を置いて、研究者同士の語り場を作っていたのを思い出しました。

  7. いたるところにGoogleカラー
    食堂のお皿やテラスのパラソル、廊下の床の模様など色々なところがGoogleカラー・・・って言ってもあの原色の何色かなんだけど。自然と会社への親しみがわいてくる感じ。自社ビルってだけでもうらやましいんだけど。

結局、彼の忙しい時間を邪魔して2時間もお昼をとってしまいました(ごめんなさい!)。私の関心は「Googleでの仕事の仕方」。自分の会社でも大きな問題ですが、いくら優秀な人材を集めても100人力を100人集めても10,000人力にはならず、得てして10人力くらいになってしまうもんです(減っとるがな!)。個人のモチベーションを上げつつ有効に情報を集積して100×100を1,000,000にするのがGoogle(と勝手に決め付ける)。

まず、彼と話していて感じたのは、Googleの大前提ですが、超優秀な人材が集まっているということ。彼自身も勿論その一人ですが、ふと隣りを見るとある言語の生みの親が歩いていたり、TopCoderの超カリスマ的存在も同じビルにいたりするそうです。ある狭い分野で先っぽの先っぽにいる人達の集団。仕事の仕方云々の大前提になるGoogleパワーです。

そして、有名な「仕事時間の80%は本来の仕事に使って、20%は『必ず』自分のプロジェクトに費やさなければならない」というルール。20%で生まれた逸材プロジェクトは、後に多くの人の80%側の仕事になって、その中から世の中の日の目を見るサービスが生まれる、という仕組み。自分のやりたいことを「必ず」やらなければいけないというのが、非常に面白いところ。実際、そうやって仕事をしているそうです。それらの作業は逐一中央DBから全社員に公開され、全員が全員何をやっているかを知ることが出来るわけです。雑誌などでもよく掲載されている有名なGoogleの仕事の仕方。

しかし、こんなんでサボったりする人いないんかいな?とか、何か生み出さなければというプレッシャーに押しつぶされたりしないのか?と不思議に思ってしまうのですが、彼曰く、

「いやぁ、プレッシャーとかは感じないけど、誰かが面白いこと始めていると、『何っ!?こいつこんな事を?ぬぅ・・・俺の方が!』と素直に悔しいんですよね」

とか。なるほど、技術云々の前に、そういう気概のある人を集めるところに、Google式の秘密がありそうですな。実際、管理者という意味での幹部社員は、非幹部社員の数に比べて圧倒的に少ないそうです(当たり前なんだけど、うちの会社なんかさ・・・)。皆がお互いの仕事を見てモチベートされる、それらの流れを優秀な幹部社員が正しい方向に向けて会社の利益にする、そういう流れですか。

それこそ、社内は超専門家の集まりですから、面白いアイデアがあれば、それを実現するために必要な人材は集まってしまうわけで。逆に人材も、いくつも面白いアイデアがあれば、一番面白いものに一番多く時間を割くわけで。こうして、一番面白いアイデアに一番優秀な人材が集まって、Googleの素敵なサービスが生まれるわけです。

・・・このシステムを是非我が社でもって・・・


無理!


やり方はもっと考えないと・・・でも、究極の理想系は究極の人材を集めれば実現可能という希望が見えました。


それにしても、帰りの車の中でふと気付いたのですが、この2時間、実は


私の方がたくさん喋っているっ!


彼が無口なのではなくて、彼の会話の誘導の仕方がとてもうまい。彼が私から得たいと思っているSI業や日本/アメリカの市場・仕事の違いなど、私の口から出る言葉なんてその辺の雑誌にいくらでも載っている事なのですが、それでも巧みに質問を選んでくる。

初めてアカデミックな環境から旅立ち、見知らぬ国で慣れない英語を使っていきなり高度な仕事をしなければならない状況で、一番大事なのは「必要な情報を効率的に集める」ということ。やっぱりGoogleが雇うだけのコミュニケーション力です。そういう力が一番求められるSEがこんなこと言ってちゃだめなんだけど。車の中で意味不明気味にギャーと叫んでいました。

あと、プログラマーという定義も今回ちょっと真剣に考えざるを得ませんでした。我々SI業がいうプログラムっていうのは、情報工学的には全然難しくない、きわめて簡単で単純なものです。ただ、量が膨大なので、簡単なものを効率よく精度欲作ることに命を懸けるわけです。しかし、彼の場合は純粋にプログラムを記述する技術そのものが高度。同じ処理を如何に高速に効率よく実装するか、単品勝負訳です・・・だから、きっと彼のプログラムが野のSIerに降りてきても、逆に高度すぎて訳分からんでメンテなどに困るでしょうね。まぁあと、「アイデアやデザイン勝負」で、その表現のためにプログラムを書く人、という人種もいます(彼もそちらと半々なんだとおもう)。自分は今どこにいて、何を目指したいのか。どれが優秀とかそういうわけではなく、別々のものをしっかりと認識して目指していかないと中途半端に終わってしまうということ。

今更こんなこと言っている俺様って・・・orz

That was Google!!
2時間と少しでしたが、色々考えさせられたGoogle訪問でした。去り際に看板だけでもと携帯で写真を撮ってみたりして。

ホント、Googleの友人に感謝!




2007年01月15日

最近の車の押したくなるボタン

カリフォルニア州サニーベル(Sunnyvale, CA)、いわゆるシリコンバレーに日曜日から出張に来ています。サニーベル事務所にあるうちの会社の研究所のアメリカ本部とミーティングをするためです。やっぱり新しいネタを仕入れるには、新しいことを専門にやっている人達と話すに限ります。餅は餅屋ですよ。

Saturn (ION)いつもサニーベル事務所に行くときは、実は車で10分なんですが、サンホゼ(San Jose)空港でレンタカーを借りて車で移動します。今回はSatanという会社のIONという車だったんですが、なんかちょっと新しいモデルになったみたい。

Audio Jackということは・・・探してみたらやっぱりありました。音声入力端子・・・だとおもうな。出力端子ってことは無いよね。これで持ってきたiPodを車内スピーカーに直接流せるぜっ!と思いきや

両端が端子のコードがない!


そうだねぇ。普通もって無いよねぇ。イヤホンじゃだめだもんねぇ。なんだ、ちぇっ。残念。しかし、


On Star Emergency Service

???


代わりにバックミラーについている変なボタンを3つ発見。何これ?

ボタンがあるとついつい押してしまう私。まず電話のマークのボタン。もしかして・・・押すと「プー」とスピーカーから電話の発信音。すごい、電話かけられるんだ!で、どうやって電話番号入力するの?しばらく探していると「認識できません」といった声がする。もしかして音声入力?「ワン」とか「ツー」とか色々喋ってみたんですがダメでした。俺様の発音じゃ気に食わないそうで。

しようがないので、次の「On*」というボタン。押してみる。なんか電話をかけている音。そして唐突に女性の声。


On Star エマージェンシー コールサービスです

どうされましたか?


しばらく、テープの声だと自分で自分を騙していたのですが、


どう考えてもオペレーターさんです

本当にありがとうございました


なにこれ、どっかのサービスセンターに電話がかかるんだ!?しかもエマージェンシー(緊急事態)サービスですよ。かなりあわてたんですが、「レンタカー借りて、思わず押してしまいました、ごめんなさい」と謝ったら


よくあることですから

それより、本当に何も異常はありませんか?


と優しく、というか、「まただよ」といった感じで、対応してくれました。本当によくあるんだ、といった対応振りでした。。ごめんなさい・・・でも、やっぱり気になる3つ目の十字のボタン。十字ってことはさ、やっぱりアレだよね。やるまでも無いんだけど、というかやっちゃいけないんだけど・・・ポチ。


On Star エマージェンシー コールサービスです

どうされましたか?


ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。


とっても便利な機能だけど、レンタカーにつけてて説明無かったら絶対みんな押すと思うなぁ・・・まぁ定額契約だと思うから押されたって構わないんだろうけどね。

最近の車、おもしろいなぁ〜



2007年01月14日

CD Stripper and DVD Stripper ($19.99)

CD Stripper & DVD Stripper

えー、アメリカのコマーシャルでこんなの見つけました。


「The Revolutionary」 CD Stripper & DVD Stripper


これに買ったばかりのビニール包装されたCDやDVDを差し込めば、あら不思議ビニール包装が切れてはがしやすくなってる!って


あふぉか!


何故にCDやDVDの包装を破くのに道具がいるんですかっ!って・・・


・・・要るなぁ・・・


要るんですよ、アメリカでは。日本ではCDやDVDでも、ビニール包装には開け口、あの赤い紐がピロッと出てますよね?アレを引っ張れば誰でも簡単にはさみやカッターナイフを使わずに開ける。っていうか、イチイチはさみやカッターナイフ使ってたら中身に傷が付きますし。私も当然だと思っていたのですが、アメリカの製品にはそういう気遣いはありません。「何で密封するのが目的なのにあけやすくするのか?」といわんばかりにびっしり封じられています。動画を見れば分かっていただけると思いますが・・・

ピロって出てたらお店で中身だけ盗まれちゃうんですかね?まぁ開けて中身を見るなんてことはよくありそうですが。でもつめで引っかけば密封しても一緒ですよね・・・

やっぱり単にお国柄ですか?


2007年01月13日

iPhone Unboxed

Apple社がついに「iPhone」を発表しましたね!Appleが出した携帯電話(PDA)ですよ、奥さん。2007年1月8日〜12日のMacworld2007で発表されました。動画レポートみましたが、Safariフル搭載をアピールするためにスターバックスをGoogle Mapで検索して電話をかけ、「ラテ4000人分」なんていたずら電話してしまうところがさすが。こういうカンファレンスのプレゼンは本当に映画並みに楽しいです。天才だ。

さて、まぁ、iPhone凄そうですが、中身は他の人に任せて、こんなページを紹介。


iPhone Unboxed
http://www.iphoneunboxed.com/
100 SHIKIにて紹介)


えっ!?もうiPhone発売されてるの!?と思いきや・・・

上記サイトをじっくり楽しんでから続きをどうぞ。
続きを読む

2007年01月12日

姉さん、地球がピンチです![3/3] 地球に返そう

炭素は光を運ぶ生命の電池なのだっさて、ここまで2話にわたって(二酸化)炭素が太陽エネルギーを蓄積する「電池」として生物間、あるいは地球と生物の間を循環していることをお話しました。そして、地球は長い長い年月をかけて生物という形の電池にエネルギーを蓄積し、同時に二酸化炭素を化石燃料として圧縮して地下に貯蔵してきました。よって化石燃料を燃焼するという事は太古からの蓄積してきた二酸化炭素を大量に空中に解き放つことを意味し、且つその二酸化炭素は現在の地上の植物達が作るサイクルでは扱いきれないことも分かってきました。

勿論、植物を増やすのは重要なことです(後でも出てきます)。ただ、植物は二酸化炭素を「分解し続ける」わけではなく「自分の体に蓄積する」だけですから、我々が化石燃料という外部電池から二酸化炭素を供給し続ければ、植物は食べられたり腐ったりせずに「増え続けなければいけない」ということになります。それは無理ですよね。

それどころか逆に緑は減る一方、更に太古の昔の備蓄を使い倒して使用済み電池は増える一方。地球は本当にピンチなのです。

 
では、我々はどうしたらよいのか?考えて見ましょう、大急ぎで。

 
まず、容易に分かることは、直ちに化石燃料を燃やすことを止めるという事です。化石燃料を燃やすということは原始の地球へと戻すこと。化石燃料は人類が十分に賢くなるまでの間、地球が貸してくれた「予備燃料」なのです。決して無料で「与えてくれた」物ではないということを理解しなければいけません。返さなければいけないものだということです。

我々がしなければいけないのは
  1. 化石燃料の使用を止め、代替燃料を使用する
    • 過去のではなく、現在の二酸化炭素を固定して作った燃料を使う
    • (二酸化)炭素以外の「太陽光エネルギー電池」か
    • 「星のエネルギー」を利用する
  2. 今までに化石燃料を使って排出した二酸化炭素を回収して固定する
・・・アメリカ人に言わせたら「(二酸化)炭素を地球から捨てる!」とかいいそうで怖いのですが・・・生命の電池である炭素を地球のサイクルから永久に消し去ることは危険です。あくまで「貯蔵する」という方向で考えたいものです。

 
1.化石燃料の使用を止め、代替燃料を使用する

現在化石燃料が何に使われているかを考えると
  • 自動車
  • 船、飛行機などの大型の機械
  • 火力発電所
などでしょうか。

実は一番簡単なのが自動車です。自動車に限っては、実は「二酸化炭素排気量ゼロの液体燃料」がすでに何十年も前に開発され、現在もある国では広く普及しているのです。それは・・・


酒!

 
つまり、バイオエタノールです。炭素を液体にするという意味では、人間にも扱える圧縮方法があったわけですね。昔、車はアルコールで走っていましたし、ブラジルではサトウキビから作られたアルコールで走る車が広く普及しています。アメリカも10%アルコールを混ぜたE-10というガソリンがよく売られていますし(私も前に取り上げました)、ブラジルでは実質100%アルコールに近い形で使われています。エタノール用にエンジンを作れば問題なく動くし、パワーもガソリンと同じかそれ以上です(炭素密度からしてガソリンは80%、エタノールは50%ですから、同じ量の燃料で走れる距離はガソリンの方が長い)。そして何より、二酸化炭素排気量がゼロ

このゼロというのは当然、燃焼の化学反応を直接指しているわけではありません。つまり、燃焼して発生する二酸化炭素は、その燃料が作られたときに大気から取り出した二酸化炭素であるため、二酸化炭素は増えるわけではなく収支ゼロだということです。これをカーボンニュートラルと言うそうです。

様々なアルコール燃料に関するページには「成分に酸素を含むため二酸化炭素の排出量が少ない」とか「硫黄分が少ないので排気ガスが綺麗」などといった内容を強調していますが、「合成でなく生物アルコールを用いれば、二酸化炭素排出量の収支はゼロ」ということが大事なのです。京都議定書でもバイオ燃料の二酸化炭素排気量はゼロとされています。だから、勿論食べ物を食べて呼吸をする私達や牛達の二酸化炭素排気量はゼロのはず。息をとめなくったっていいんですよ。

逆に言えば、このアルコールを供給するためには二酸化炭素を吸収する充電器、つまりとうもろこし畑やサトウキビ畑が必要なわけです。ブラジルはサトウキビからアルコールを作っていますが、全国にアルコール燃料を供給できるだけの広大な畑と低コストに抑えられる人件費の安さがあるからこそアルコール自動車の普及や燃料用エタノールの輸出に成功しているわけです。日本ではちょっと無理でしょうね、土地も小さいしコストも高い。しかし、一旦人類がこのビジネスに注目すれば、他にも燃料用エタノールを作り出せる植物や生成方法、さらにはそういった植物を砂漠などで栽培する方法もきっと生まれるはずです。

ではどうしてブラジルでは普及してアメリカや日本では聞かない話なのか?インフラが・・・コストが・・・と色々いわれていますが、結局政策なんだと思います。今のガソリン会社や石油輸出国との関係はどうするの?といわれると踏み切れないし、代替そういった団体は現在非常に大きな力を持っていますので・・・といった話は、ゴルゴ13やルパン三世などでも出てきたお話です。でも、そこを仲良くしながらGive & Takeで進めていくのが政策ってものじゃないんですかね?

しかし、じゃあこれで発電所も飛行機も全部全部「酒」パワーで解決すればいいかというと、そうはいきません。人類がなぜ化石燃料に手をつけたかを考えてみてください。それは、地表で充電できる量以上のエネルギーを今すぐ欲しいからです。化石燃料が現在の地上の緑ではカバーできない量のエネルギーを持っているのだから、逆に化石燃料を全て「地上の植物」を原料とする燃料で賄うことは出来ないということです。つまり、単純に畑が、地表面積が足りないということ。酒が足りんぞっ!というわけです。

ただ、自動車が二酸化炭素排気量に大きく貢献しているのは確か。車は日常品ですから、どちらかというと技術というより普及が問題。電気自動車とか水素自動車とかのようにガラっと変えるよりは、ほぼ今のままに近い形のエタノール自動車の方が断然現実的、というわけです。世界の自動車台数は5億3千万台だそうです。1台月に10リッター走るとして、全部バイオエタノール車にしたら月1億5000万トンの二酸化炭素が削減されるわけですよ。勿論、その分畑が必要ですが、車産業とリンクするわけですから、農業国がどんどん元気になるわけで、私は好きです。物理的にどれだけのガソリン自動車を地上の植物が賄えるかは計算していませんが、できる限りやってみたいものです。

まぁしかし、人間の使う電力はもう想像を絶しています。さすがに火力発電を酒パワーでカバーするのは無理でしょう。こればっかりは新技術に期待ですが、逆に局所的な最先端技術の利用で押し切れるところです。上記で植物を使った充電の余地はなくなってしまったので、炭素系以外の電池で。

太陽光発電(砂漠や宇宙空間)、風力発電、地熱発電、上記の条件のみで言えば原子力発電、などなど。炭素系以外では水素などを用いた燃料電池も注目です。850℃程度の熱で水を水素と酸素に熱分解できる仕組みがあるそうですし。太陽電池もそうですが、電池系は直接電力に変換できるのでよいですね。つまり電力の輸送技術の開発を進めないといけないということですが・・・

最終的に一番成功して欲しいのは核融合炉。(第二世代のD-D反応ならば)水(正確には海水から抽出した三重水や重水から取り出した三重水素重水素)から化学反応では得られない莫大なエネルギーを得られ(1グラムの燃料から8万トンの石油に相当するエネルギーが!)、原子力発電とは違って制御可能(核融合炉は燃料供給を止めれば停まるが、原子炉は常時止めようとしていないと暴走する・・・)、放射線も低速中性子か出ない。ただしまだまだまだまだ遠い遠い話ですけど・・・(スパイダーマン2でも失敗していたしね・・・)でもやっぱりがんばって欲しい。

ここのページが、意見も書かれていておもしろいです
http://members.at.infoseek.co.jp/s_kawada/nf.html

あるいは発想の転換で、化石燃料を使わせていただく代わりに、出した二酸化炭素は回収するという方法。これは、後で説明する「今まで出した二酸化炭素を回収・固定する」につながります。が、化石燃料は有限ですから、これも一時的といわざるを得ませんけど。



2.今までに化石燃料を使って排出した二酸化炭素を回収して固定する

排出されてしまった二酸化炭素は、その格納方法が問題であることは述べました。生物を介して化石燃料として地中に格納するのは地球のナイスアイデア。我々は所詮酒を作って酒蔵一杯作るしかないのですが、酒を造るための植物を育てる場所が無いのも述べました。

要するに、気体である二酸化炭素ガスを何とかして液体か固体にしたいわけです。

炭素が最も高密度に集積された状態といえば、比重3.52であるダイヤモンド。人工的に高温高圧にすることで炭素から人口ダイヤモンドを作ることができます。とりあえず1000万トンくらいダイヤモンドを作れば・・・世界中の女性が喜びますか。まぁ、無理ですな。

一番単純なのは、二酸化炭素そのもの。つまり、液体二酸化炭素や固体二酸化炭素(ドライアイス)。二酸化炭素は常圧でマイナス78.5℃にしないと固体にならないので、ドライアイスで大量保存するには生成も保存も大変です。南極に置いてもちょっとむりですか。しかし、液体にするには20℃で60気圧にすればよいそうですから、まず作るのは楽そう。

どちらにせよ問題は置き場所です。地上において畑を作る場所を占領してはいけませんし、二酸化炭素は猛毒です。しかし、現在世界が注目し、実験を進めているのが


 
あるいは




といった技術。どちらも地表から下に潜れば高圧なので、ある程度深いところに収めれば液体状態を保つのにエネルギーを消費しません。特に、穴に戻すというのは元あった場所に戻すという意味でも気分がいいですし、残り少なくなった石油を圧力で押し上げることにもなります。頭のいい人はいるものです。石油があるような地層の上には空気や水を通さない層があるので、きちんと蓋もされるそうです。実際、新潟に実験施設があり、3年間で1万トンを地中に埋めたとか。中越地震でも二酸化炭素が噴出すことは無かったし、日本だけでも900億トンは貯蔵スペースがあるそうです。化石燃料の利用を止めて今までの分だけ貯蔵するようにすれば十分なスペース。そうでなくても70年ほど格納できる計算だそうです。

海洋の場合は都合がよくて、600メートルほど沈めれば60気圧となり、液体状態を保持することができますし、液体二酸化炭素は水より重いので断熱して放り込めば沈んでいきます。ただ、海洋まで持っていくのは大変ですし、突然沸騰されると近くにいる生物は死んでしまいます(シャンパン現象というそうで、自然界でも起こるそうです)。

問題は二酸化炭素の回収ですが、現在は火力発電所などあからさまに一箇所で二酸化炭素を出し続ける施設がターゲットでしょうか。これでも十分効果はあると思います。が、実はアメリカで「水酸化ナトリウムに二酸化炭素を吸わせて回収すればよい」と提言している教授がいます。この人が言うに、水酸化ナトリウムは二酸化炭素を吸わせた後、炭酸カルシウムを経由させて再び水酸化ナトリウムを回収できるというのです。

二酸化炭素を集める仕組み


この人はこれしか言っていなかったので、「じゃぁ最後に回収した二酸化炭素はどうするの?」と呆れていたのですが、二酸化炭素を回収して運送する方法としては有効。上記の方法で二酸化炭素を地中に埋めつつ回収すればOK。


というように、二酸化炭素の問題は結構技術的ではなく政治的な問題。やるかやらないか。以下に危機感を持つかということのような気がします。

「自然が本来の姿でなくなる」ということ自体に危機感を感じるのは日本人のよい習性です。他の人々は「それで人間がどんな被害を被るか」によって初めて危機感を感じます。そして「では被害を少なくするために更に地球を改造しよう!」と言い始めます・・・困ったもんだ。日本人は誰よりも早く動き始める危機感と、動くのに十分な資金と技術を持っています。あとは動き始めるための大胆さと政治力。ここでリーダーシップをとらないでどうする、日本!

地球から科学のために借りたツケ、きちんと科学で返したいものです。


追記:
ガソリン車を使うぐらいなら走っていくわ!自転車で行くわ!キックボードで行くわ!というのも解決策の一つですね。100万人が年に50km、ガソリン車の代わりに自転車などで移動すれば年に1万トンの二酸化炭素を削減できます!

まささん作成のジョギングシミュレーターは本来ジョギングコースとタイムから色々な数値を計算してくれる優れものですが、Version1.41から車で走ったときの二酸化炭素排出量(つまりジョギングに置き換えたときの二酸化炭素削減量)を計算してくれます。便利&凄いっすね!

ジョギングシミュレーター:
http://42.195km.net/jogsim/

まささんのブログ ジョギングシミュレーターで地球温暖化を考える:
http://masa.moto84.com/blog/?itemid=611


2007年01月11日

姉さん、地球がピンチです![2/3] 太陽と地球のエネルギー

前回は、地球上の炭素が増えも減りもせず生命の間を、生命と地球の間をぐるぐる循環していることを説明しました。今回は、ちょっと本題の二酸化炭素の話から外れますが、エネルギーについて考えて見ます。

そもそも、循環する炭素はどんな役目をしているのか?それは電池、太陽光エネルギー電池なのです。

 炭素は太陽光エネルギー電池

植物が光合成を行い、水と二酸化炭素からブドウ糖を作るという作業は、二酸化炭素というエネルギーの低い炭素(充電前)から光エネルギーを使ってブドウ糖というエネルギーの高い炭素(充電後)に作り変える事を意味します。そして、人間がブドウ糖を摂取して生命活動を維持するという作業は、ブドウ糖を水と二酸化炭素に分解(燃焼)する、つまり充電された「光」エネルギーを消費することを意味します。

炭素に注目すれば、ブドウ糖に限らず生命を構成する有機物は全て光エネルギー電池というわけです。そして、その生物の死骸が変化してできた化石燃料も、そういう意味では元は太陽の光エネルギーということになります。


お日様を浴びないプログラマーも、お日様を浴びれない吸血鬼も、生き物全ては太陽の光で生きているという事実。♪太陽はおぉ命の星さ〜幸せをおぉ守る炎さぁ〜、というサンバルカンの歌は正に真実!Follow the Sun ! Catch the Sun! 太陽戦隊サンバルカン!


もう少し考えると、実は地球上で我々が使っているエネルギーは全て「太陽光エネルギー」か地球が生まれた頃から持っている「星のエネルギー」のどちらかに集約されます。

例えば水力発電はどうだ?アレは水が落ちる重力がエネルギー源だ、と言う人もいるかも知れません。しかし、水を「落ちることができる高さ」まで持ち上げたのは、水を蒸発させた「太陽光」です。同じように風力発電もそうです。上記の光エネルギー電池を考えれば、火力発電や人力・馬力も元は太陽光であることが分かります。

 後者の「星のエネルギー」は、地熱発電や原子力発電を指します。原子力はウラニウムなどの「重い(エネルギーの高い)原子核」を幾つかの「軽い(エネルギーの低い)原子核」の集団に分解することで安定させる「原子核崩壊反応」を利用し、余まったエネルギーを取り出して利用します。誰がこの重い原子核を作ったかと言うと、地球が形成されるときからあったか、そのときのエネルギーで地殻内部の原子核反応を持続させて作られたか。どちらにせよ地球がガスから形成されるときにそのガスが持っていたエネルギーと重力が元であることは確かです。実は地熱も、地球の中核で起こる原子核崩壊によるエネルギーが源とされていますので、原子力と同じです。

 ちなみに、まだ実用化されていませんが原子核融合でエネルギーを得る場合、太陽エネルギー(太陽放射線)が源と言えると思います。スパイダーマン2でも出てきたトリチウム(三重水素)デューテリウム(二重水素、重水素)が原子核融合の燃料ですが、これは水を構成する水素と宇宙(太陽)からの放射線との核反応によって地球上に定常的に一定量存在します。よって、核融合はやはり太陽からのエネルギーと言えるでしょう。

つまるところ、地球は46億年前に形成されたときから持っているエネルギーと、太陽から降り注ぐ光エネルギーで運営されている、というわけです。勿論、エネルギーは地球から外へ逃げていくものもありますから、溜まる一方ではありません。特に一旦蓄えられた光エネルギーが消費されて熱に変換されると再び宇宙へと放出され、逃げていきます。それが滞るのが地球温暖化です。

 
ところが、この「電池」という「蓄える」機能が、我々の足し算を狂わせます。太古の昔から少しずつ蓄積されてきた太陽光エネルギー、つまり化石燃料です。石油などの化石名燃料は、半永久的に降り注ぐ太陽光を何億年もかけて「貯蓄」してきた超高密度電池、いわば「時間」をエネルギーにしたような存在です。我々は車を運転する数時間の間に、地球が何億年もかけて蓄積してきた太陽光エネルギーを、凄い勢いで消費できるわけです。

さて、このような話をすると「石油がなくなる!」「蓄えていたエネルギーがなくなる!」という心配をしたくなります。他の惑星と違って太陽の光を大量に蓄積できる地球、その備蓄がなくなっていくのは甚だ心配ではありますが、化石燃料という意味では地球の32億年(光合成を行う生物が生まれたのは32億年前だそうです)にわたる蓄積は膨大で、石炭などはまだ数千年分あるそうです。

問題は「使用済み電池」、つまり二酸化炭素の存在。エネルギーを貯めていただけでなく二酸化炭素も地中に「固定」していたのですが、それがどんどん放出されるわけです。再び充電して固定すればよいのですが、現行の植物達による充電放電のサイクルに入っていない「化石燃料」という秘蔵電池は、今のところ充電する仕組みが無いのです。また何億年も待つわけには行かないし・・・

じゃぁ、光合成を行う植物、つまり充電器をたくさん作ればいいじゃないかと思うかもしれませんが、ここが「時間エネルギー」のミソです。化石燃料は植物などの死骸が長い年月の間、高圧高温化でゆっくりと変質してできたものと言われています。ということは、生きている植物よりもかなり高密度で炭素を凝縮しているといえます。そして何より安定です。

植物は育つのに土地が必要ですし、例えばジャガイモのように貯蓄しておくことができたとしても、いずれは腐りあるいは動物や微生物に食べられ、やはり二酸化炭素(やメタン)へと変わっていきます。つまり、生物は電池としては管理しづらく、また効率が悪いと言えるわけです(だから人類は化石燃料を使いたがるわけですが)。そして、化石燃料は地下という絶好の、邪魔にならない格納庫に収められていました。我々は、地球が何十億年という「時間(エントロピー)」をかけて圧縮し地下深くへ収納してきた「二酸化炭素格納庫」を空中に散らかしているわけです。

よって、地球上に存在してきた30億年間分の植物を圧縮してきた超高性能電池である化石燃料を使ってしまえば、今この地上を植物で一杯に満たしたところで生体という「非圧縮」な電池では到底まかない切れない量の二酸化炭素が放出されるわけです。つまり、例え繁殖が可能であっても化石燃料の元となった30億年分の全植物を一度に地上において置くには「土地」がないのです。化石燃料を取り出した跡地は地下、利用のしようもありません。
 

実は私もこれを書いているときにふと疑問に思ったのですが

それならば、地球が貯蔵を始める前、つまり光合成を行える植物が誕生する32億年以上前には二酸化炭素が山ほどあったことになりますよね。現在、折角貯めた化石燃料を燃やすことで二酸化炭素濃度はその時代に逆行しているということです。32億年前と言うと、案外綺麗な空気だったりするんじゃないか、全部二酸化炭素になっても大丈夫なんじゃないか、と一瞬思ったのですが、なんと、その当時の二酸化炭素濃度は現在の10万倍もあったそうです!(石油は生物の死骸からではなく地殻内部の炭素と水素が結合して生成されたという説もあり、この場合は現在の大気と同程度の二酸化炭素濃度だったことになります)。現在の大気中の二酸化炭素濃度は0.037%だそうですから、10万倍と言えば3700%、100%を越えてしまっていますが、そもそも当時は気圧も1気圧じゃなかった(少なくとも37気圧)!それを何億年もかけて少しずつ植物が自らに取り込んで地中に埋め、代わりに酸素を吐き出してきたわけです。そしてその酸素も生物だけでなく様々な元素と化合し、今の大気に落ち着いたわけです。我々は地球温暖化などといっていますが、少しずつですが急速に、そんな地獄絵のような大気へと地球を戻しているわけです。ぞぞぞ〜

どうにかならないんでしょうか?どうにかしましょう!というわけで、人類の希望は明日へ持ち越し。



2007年01月07日

姉さん、地球がピンチです![1/3] 炭素の循環

真冬の摂氏20度!結構このブログではおなじみになりましたが、我が家の温度計です。室内においてありますが、温度計自身はベランダ、つまり屋外においてあって、電波で情報を送信しています。

よってこの写真は本日1月7日の室外気温。


20.4℃


真冬ですよ!?去年とかマイナス10℃とかだった時期に。なんとこの日、セントラルパークは最高気温22.2℃を記録、これは記録を塗り替えたと(日本の)ニュースでやってました。こちらのラジオでも「ウィンタースポーツは無理ですが、海で泳げます」とか言ってました。エルニーニョ現象のためとかなんとか言っているようですが、明らかに


地球が何やらおかしい


です。地球温暖化と関係ないとは思えないのですが。

そこで、今日から3日間、エネルギーと二酸化炭素(CO)について考えてみましょう。いいから、黙って考えるんですっ!


今日は炭素の循環の話。

私が子供の頃は「地球温暖化」とかいう単語は一般的ではありませんでした。ただ、私も「木を切り倒して石油を燃やすと酸素が減って二酸化炭素が増える」ということは知っていましたので、「石油を燃やす分、ジャガイモを一杯栽培して二酸化炭素からでんぷんと酸素を作らなければ!」と思ったものです。まぁ、これは間違ってはいませんが、最近何かの記事を読んで


化石燃料を消費することで増える二酸化炭素を

植物を植えることでカバーはできない


ことを悟りました。勿論、植物を植えることは二酸化炭素を減らすことに貢献はするのですが、子供の頃考えたほど、抜本的な解決にはならないということです。これは結構自分でもショックでした。森を蘇らせても石油を燃やし続ける限り二酸化炭素は増え続ける・・・何故でしょうか?


小学生の頃、光合成って習いましたね。「ジャガイモは葉っぱでお日様の光と水と二酸化炭素で光合成をしてでんぷんを作り、地中に蓄えます」ってやつです。 そのジャガイモを人間が食べ、それを呼吸によって生きるエネルギーに変え、二酸化炭素が呼気として排出されるわけです。その二酸化炭素をまたジャガイモ が・・・というように。これは短いサイクル。つまり、炭素は植物の葉緑体を介して生物と二酸化炭素の間を行ったりきたりするわけです。

炭素のサイクル

一方、鋼の錬金術師というアニメではガキどもも悟っていましたが、「植物が草食動物に食べられ、草食動物が肉食動物に食べられ、肉食動物もやがて死んで微生物に分解されて植物の肥料になる、その植物をまた草食動物が食べ・・・」という循環サイクルもあります。これはどちらかというと窒素化合物の循環や命の循環ですね。というのも、これは有機物で閉じた循環だからです。短い上記のサイクルでは二酸化炭素という無機物を一度経由しています。

興味深いのは、この動物や植物の死骸は全て分解されて植物の養分になるわけではなく、分解されずに残った死骸が命のサイクルを離れ、長い年月をかけて泥炭(ピート)や石油、石炭といった形で地中に蓄積されていく場合もあるということです。実はこの「サイクルの終点」が非常に重要で、地球が私達の生きていける大気を維持するための秘密でもあるわけです。


窒素化合物のサイクル(命のサイクル)


そしてもう一つ、炭素は地球外から降って来ることも地球外へ逃げていくことも無いということです。上記2つのサイクルをぐるぐる繰り返しているだけ。宇宙空間には殆ど炭素は存在せず、恒星や惑星など十分核融合が進んでコアが形成された星(水素の核融合が進んでヘリウム原子核が十分存在している状態で3×ヘリウム原子核→炭素原子核によって作られると思われる)にわずかに存在するだけです。だから、降って来ることもめったにありません。

地球外へ逃げていく炭素はありそうな気がします、例えばオゾン(O3)は二酸化炭素(CO2)よりも重いけどかなり上空に層が存在するんだから二酸化炭素がその上まで昇っていって宇宙へ逃げていくことはないのか、という意見もあるでしょう。しかし、仮に逃げていく二酸化炭素があったとすると、二酸化炭素は地球形成時から存在するので、この数十億年の間にずっと逃げ続けているはずで、炭素系生物の惑星である地球にとっては生命の元が減り続けている由々しき問題です。まだこの星に十分生命がいる事から見ても、逃げていく炭素の量は無視できるほどといえるでしょう。


つまり、地球が生まれてからずっと地球がもつ炭素の量は一定で、その炭素を主に上記2つのサイクルで生物間を、そして生物と地球の間をぐるぐると回っているだけなのです。

そして、地球に存在する炭素は、Wikipediaによると
  1. 地殻内部(化石燃料や石灰など)・・・9割(!!!)
    • 炭素粒、石油、石炭、天然ガス・・・9割のうち75%
    • 岩石・・・9割のうち25%
  2. 海洋に溶けた炭酸(二酸化炭素)
  3. 陸棲生物の構成要素
  4. 大気中の二酸化炭素
  5. 海棲生物の構成要素
で、実際上記のサイクルに参加しているのは実は地球上の炭素の10%未満ということになります(多く見積もっても2〜5の合計)。

が、しかし、人間の登場でもう一つ、上記の2サイクルに割り込む道ができてしまいました。それは


化石燃料の採掘とその燃焼


です。これにより、上記サイクルで発生する以外の二酸化炭素が発生し、逆に植物の量がどんどん減っていますからサイクル自身は縮小、よって余剰の二酸化炭素が大気・海洋中に蓄積されるというわけです。そして、化石燃料は地球上の6割ほどの炭素を担っており、しかも地表ではなく地殻に埋まっています。化石燃料を消費したところで地表に動植物が繁栄する土地が増えるわけではなく、ただ二酸化炭素へと変わっていく、つまり地中から大気へと炭素が逃げるわけです。化石燃料を燃やすという行為はサイクルではなく、片道切符なわけです。

ちょっと分かってきましたね。化石燃料の燃焼で生じる二酸化炭素は、本来閉じたサイクルには収まっていないのです。でもがんばって木を植えれば、化石燃料から生じる二酸化炭素を吸収できるのではないか・・・まだそんな気がします。ではどれくらい植えればいいのか?それをもう少し、地球サイズで、エネルギーに着目してイメージを広げて見ましょう。

(明日へ続く)





2007年01月06日

Nike + iPod Sports kit ゲット〜 そして 領収書

ついに私も購入しました!
  • iPod Nano 2G (どうせ30GBのiPodにも2Gしか入っていない・・・)
  • Nike + iPod Sports kit
  • Nike Sport Armband for iPod nano
iPod Nano 2GSports Kit

Arm Band

近くのショッピングモールのApple Storeがあったので、購入してきました。

なにそれ?ってひとは私の記事まささんのブログ
を参照。でもまだ私は使ってません・・・今日は使用報告ではなくて、別のびっくりした話。買い物から帰ってくると、家内が意外なものを発見しました。なんと


Appleから

領収書がメールで来ている!



買った上記三点の商品の詳細や料金などが記載されています。

なんで!?メールアドレスが分かる情報は何も渡していないのに・・・200ドル近い買い物して一言も喋らず説明すらなく30秒ほどで「邪魔っ」って感じで商品渡された位のに・・・

勿論、何も渡していないわけではありません。そう、クレジットカードです。家内のメールアドレスに領収書が来たことなどから総合するに、iTune Storeで音楽を購入したときに作って使ったアカウントとクレジットカードが連動して、クレジットカード情報からメールアドレスと(家内のではなく私の)名前を引っ張ってきたんでしょうね。

しかも、メールはAppleからで、CCにそのショッピングモールのApple Storeのメールアドレスが入っていました。iTune StoreとApple Storeは別のお店(まぁ前者はバーチャルですが)ですから、Apple本社(?)が一元管理していなければこういうことはできません。


家内も私も結構ぞっとしました。クレジットカードで支払っただけで、色々な情報(勿論Appleに提供している情報)をつなげて何も言わずにそっとメールを送る・・・びっくりです。

私は日本では余りクレジットカードは使わなかったのですが(渡米する直前にICチップ付きクレジットカードが会社の自販機や売店で使えるようになったので使ってましたが・・・)、こちらに来てから、結構クレジットカードがIDカード代わりに使われることにびっくりしました。

例えば、航空チケットをWebで予約して、当日に空港で受け取るときには、専用端末にクレジットカードを差し込むと、自動的に自分が予約してあるチケットのリストを表示してくれて、そこから選んでチケットを印刷します(実は予約の時に使ったカードでなくても個人を認識してくれたように思う・・・)。勿論料金は予約時に払っていますから、これは完全にIDとして使っています。

免許が無かった頃は、米国の銀行のATMカードやクレジットカードをID代わりにしていましたしね。逆に言うと、日本からアメリカに来て米国の銀行口座やクレジットカードを作るのはちょっと大変です(日本の企業情報などを参照してくれる銀行やクレジットカード会社を当たらなければいけません)。


まぁ確かに、運転免許証には磁気情報とか付いていないから、クレジットカードは常時携帯していて且つ簡単に読み込ませられるIDというわけです。商売をしている相手ならば、クレジットカード情報と登録してもらった顧客情報をマッチさせるのは容易ですし。

でも、気持ち悪いなぁと思うのは我が家だけでしょうか・・・技術的にも全然難しいことでも無いし、新しいことでも無いし、便利なことなんだけど・・・なんだかね。

皆さんも、銀行のATMやクレジットカード支払いのときに、モニターにあなたの名前がでて、「○○さん、ご利用ありがとうございました」なんてでたら、ちょっと気持ち悪くないですか?


ところで、これって要するに、俺が内緒でApple Storeで買い物しても、全部家内に筒抜けってことなの?そういうこと?(どうせカードの明細は毎日しているだろうけど)。


2007年01月05日

[くりテク] 女王のポッドキャスト ロイヤルポッドキャスト

2006年12月31日放送 くりらじテクノロジーニュースより。

私なんかがポッドキャストを聞き始めたとおり、昨年はポッドキャスティングが一般にも普及してきた年でした。個人も放送業界も等しくブロードキャストできるのがポッドキャストのいいところ。

そんなポッドキャストですが、なんとイギリスにはエリザベス女王のポッドキャスティングがあるとか。

BRITISH MONARCHY MEDIA CENTER
THE ROYAL PODCAST
http://www.royal.gov.uk/output/Page5323.asp

毎年クリスマスの午後3時に女王陛下のスピーチがあるそうですが、これもポッドキャスティングされています(UK Style http://ukstyle.exblog.jp/4904202)。

別に技術がどうこうとか言うわけではなく(スピーチを録音してMP3に変換してサイトにおいて、できればRSS配信するだけ)、国が王室・皇室がITに対して前向きだという部分が素晴らしいと思います。たとえ背伸びでもいいから。

なぜなら、「情報は力」だから。ITはInformation Technologyの略だから。そして、たちの悪いことに今や「誰もが持ちえる力」だから。

想像してみてください。子供達が皆「フォース」を使える「ジェダイの騎士」で、学校では生徒全員がライトセーバーを携帯、でも先生や警察といった大人たちは光線銃(それでも強そうだけど)しか持っていなくて、戦ったらどんな攻撃も子供達には効かない。街では店の商品がまるでハトのように空を飛び交い、魔法のように子供達の手の中に納まっていく、大人達は何がおきているのか訳もわからず、何も出来ずにただ見ているだけ。

この「力」を「魔法」だと恐れて無闇に排除すれば、まるで昔の魔女裁判。ところが今は魔女の方がメジャー集団、どんな暴動が起きるか分かりはしない。

日本政府も、今は背伸びでもいいから、一歩前に踏み出してほしい、そう思います。Winny対策に10億円?・・・えーと、うん、それでもいいからさ。でも、ほら、お金じゃなくてさ、その・・・対策の方をさ。うん、まぁそうね、少しずつ。一歩ずつね。

我々、SEとかコンサルタントとか、なんか力になれないですかね?


2007年01月04日

ランカスター風ビーフジャーキー 8oz. 22ドル(送料込み)

ランカスター風ビーフジャーキー去年のサンクスギビングにアーミッシュ村に行ったとき、ビーフジャーキーをお土産に買ってきましたが、実は余り匂いしかったのでWebでもう8oz注文してました。本日ようやくゲット。


今回はばら売りじゃないのでちゃんとラベルが貼ってあります。この異様に美味い「ランカスター風」の味付けの秘密を盗んでやる!何々・・・Beef、!!!?


Soy Sauce(醤油)!?


・・・ちょっとまて、この伝統の味付けっぽい「ランカスター風」って醤油味なの!?いや、確かに醤油だ、想像もしてなかったけどよく考えれば醤油だ。通りで懐かしい味だと思った・・・いいのか?いいのか。まぁ、いいか。美味しいし。それより気になったのは


Smoke Flavor (liquid)


まぁ・・・これもいいか。うん。美味しいし。


ところでこのビーフジャーキー、11月に頼んで12月初旬に着くはずだったのですが・・・


ロストしました


もうちょっと早く連絡を取ればよかったんですが、お店に連絡すると、UPS(宅急便)のトラッキング番号を教えてくれました。そして追跡すると


一ヶ月前にアパートまで届いている


まぢで。フロントに届けばメールで連絡してくれるはずなんですが。フロントに行って調べてもらってもありません。1ヶ月前ですし。

トラッキング情報に受取人のサインもあります。個人情報保護のため、町の名前までしか住所が無いので部屋番号まではわからないのですが。受け取ってくれた人のシフトに合わせてもう一度聞いてみましたが、「無いもんは無いです」と言われる始末。トラッキング情報が示す受取日の記録を見ても私の部屋番号は無い。

諦めてトボトボ帰ったんですが、ふと次の日思い出してもう一度その人のシフトに合わせて尋ねてみる。当日の記録に、私の部屋番号1120は無いんですが


その、部屋番号112って怪しくない?


手書きだし・・・でも、やっぱり倉庫には112宛てもありませんでした。

更に次の日、やっぱり同じ人にもう一度だけお願いしました。「112の人が受け取りに来て、自分のじゃないからって返しに来たことない?」と聞くと、どうやら前日112の人に聞いていてくれて、やっぱり返した記憶があると。・・・でも、返した物自体が無い・・・どうやらそのまま送り元に返信してしまったようです。


22ドルのビーフジャーキーが・・・そこで、返品されたみたいだが届いていないか、とお店に問い合わせると・・・


店の記録にある住所は正しいのですが

UPSに発注した住所が間違っていました

来月の便で再送します


まぢで!ごめん、フロントのオジサン!初めからお店に確認させればよかったね!ごめんよ・・・っていうか、これだけシステム化されててどうして2箇所も手入力があるの・・・よく分からん。まぁ、以後うちのフロントは部屋番号だけでなく宛先の名字も記録するようになったらしいですが(当然でしょう)。





2007年01月03日

[ヴォイニッチ] 生命体の細胞内部の構造を保つ新たな仕組みを発見

2006年12月30日放送 ヴォイニッチの科学書「生命体の細胞内部の構造を保つ新たな仕組みを発見」より。

JST(科学技術振興機構)と三菱化学生命科学研究所の共同研究チームは、細胞内小器官の維持に働く細胞内膜の融合のための重要因子を探索し、その結果、 p37と名付けられたタンパク質を発見したそうです。このp37が働かないように細工した細胞では小胞体の網状の形やゴルジ体の平たいディスク状の膜が幾層にも積み重なった形は失われたそうです。

元ネタはこちらですね。
生命体の細胞内部の構造を保つ新たな仕組みを発見

この発見自体興味深いのですが、生物学の素人である私には、そもそも細胞分裂の際の細胞内小器官の振る舞いに驚きです。

(図: Wikipedia 細胞 よりhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%B0%E8%83%9E

細胞は図のように細胞核(2の白い玉)や小胞体(5のピンクの帯)、ゴルジ体(6の黄色い帯)などからできています。

細胞分裂の際、細胞核が分裂する様子は「染色体が・・・」云々でよく知られていますが、残りの細胞質、つまり核以外の部分が分裂するってことをちょっと忘れがちです。

というのも、真ん中の核が2つに分かれて、それぞれの周りの細胞質がそれぞれの新しい2つの細胞の細胞質になる・・・うん、分かる。でも、細胞質といってもただの液体ではなくて、ゴルジ体や小胞体といった形のあるものがあって、それぞれも2つにわかれて、且つそれぞれが2つに分かれた核のそれぞれについていかなければならない。

それぞれの部品の片割れが両極に寄り添って、その真ん中にまるでモーゼの十戒のように裂け目が出来て細胞が2つに分かれる・・・よく考えると凄く不自然。もともと1つの部品が2つに分かれ、それぞれが自分の居場所を知っているなんて。更にそれぞれの種類の部品がやはり示し合わせてそれぞれの細胞に納まる?


答えはゴルジ体のWikipediaページにも載っていましたが、なんと細胞分裂の際にこれらの部品、ゴルジ体や小胞体は数百という「泡」状に分解されて均一に細胞内に散らばるそうです。そして核が分裂するとおもむろにその間に細胞膜が現れ、均等に分散されたそれぞれの部品の泡も「ほぼ」均等に分割され、新しい細胞内でそれぞれの部品の泡が再結合して元のゴルジ体や小胞体が形成されるというわけです。


凄い生命の神秘!!


ヴォイニッチの科学書放送内では面白い例を挙げていました。例えばケーキ、特にまん丸ではないケーキやイチゴが人数分無いケーキを平等に複数人で分けたいとき、人数分均等に切るのは難しいですが、いっそコマ切りにしてしまえば人数分に分けるのも簡単です。

ところが、ケーキの場合、人数で分けてもその後ケーキの形に戻すのは不可能です(よって美味しく食べる解決策にはなり得ません・・・)。ところが、細胞分裂の場合、このケーキが、スポンジはスポンジ、クリームはクリーム、イチゴはイチゴで元の形・・・分裂前より小さいが同じ形・・・に戻るわけです。決して「イチゴクリーム味のスポンジ」にはならないのです。不思議ではないですか?

未だにこの仕組みはよく分かっていないそうですが、どうやら各部品の泡の表面の油膜のたんぱく質構造に秘密があるのではないかといわれており、今回発見されたp37だとかいうたんぱく質もそういった「形や種類を決める元になる鍵」の一つだということが分かったわけです。


パーソナリティの人も言っていましたが、この設計図を作った人(人じゃないけど)は本当に凄いですね。変異と淘汰だけでこんな仕組みができあがるのか、と思ってしまいますね。こういったミクロの仕組みにマクロが学ぶことは色々ありそうです。例えば、データのバックアップとかね。


thomastt at 23:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

2007年01月02日

Christmas Pudding

Christmas Pudding 箱去年の11月にイギリスから来た友人が、Chiristmas Puddingなるものをお土産にくれました。いろいろあってクリスマスには食べられなかったので、お客様がいるこの機会に食べよう、ということになりました。

そもそも、今Wikipediaを見るまでクリスマスプリンというものが何なのか知らなかったんですが、イギリスの、というよりもキリスト教由来の食べ物なんですね。火をつけるとか、知りませんでしたよ。

ためらっていた理由は、彼自身が残していった注意なんですが

1時間茹でなければいけない

Christmas Pudding 説明書ということです。

説明書にも書いてありますね。何でまたこんなに長く茹でるんだろう、と思うのですが、少なくとも理由が何であれ

『1年前に作られた2年間保つ食べ物』


をそのまま食べるのはちょっと気が引けます。だって賞味期限も2007年11月って書いてあるし・・・一応、生ものじゃないの?

Christmas Pudding ボウルAnyway、イギリスの有名なお店のプリン。美味しく頂きましょう!まずは箱を開けてみます。ラップに包まれたボウルが出てきます。このラップをはがして、1時間茹でるわけですな。OK。

Christmas Pudding 茹で中このプラスチックのボウルは熱湯に耐えられるのかとちょっと心配もしましたが・・・深く考えずにボイル。1時間タイマーをかけて放置。そして、10分間そのままにせよと書いてありましたので、おっしゃるとおりに。

Christmas Pudding プッチンChristmas Pudding ご開帳で、待望の「プッチン」(ゆすったら落ちてきました)!そしてご開帳!

・・・Puddingってカスタードプリンではないのは分かるんですが、この茶色くて硬い物体をプリンと呼ぶには0.5秒くらいためらいました。そして・・・


凄い香り・・・匂い

・・・臭い(におい)?



えーと、よく嗅ぐとブランデーの香りなんですが、なにやら苦い匂いが混じってます。えーと、とりあえず頂いてみます。3人同時に一口。


・・・


いや、そういわずにもう一口食べてみよう、今度はイギリスを思い浮かべて。


イギリスの味がします


うーん、これがChiristmas Pudding。凄くたっぷりのブランデーにレーズン。もぅわっとブランデーの匂いと、なんか苦い感じが。確かに火をつけるべきだったかも。アルコールが飛べばブランデーの匂いも味も収まるし。そうか、


火をつけるべきだったのか!


しまった、今気が付いたよ。フランベってやつか!説明書もそう書いてくれないと!私が取り扱いを間違えたということで。

というわけで、3人で2時間ワイワイ楽しみました。ありがとう、Goshi

参考までに聞くんだけど、やっぱり俺達、食べ方間違ってる?






2007年01月01日

2007年 ThomasTT 本年の抱負

えー、挨拶だけではなんなので、抱負も書いてみます。自分でこんなこと書いているので、ちょっとよく考えて・・・

大目標: 毎日、笑う

昨年、私が会社で最も尊敬していたアメリカ人が退職しました。その時にくれた最後のメールに、こんなことが書いてありました。
It has been a great honor to have worked, drank, ate, swapped lies, suffered, and most of all SUCCEEDED with you. It is time for me to go back and start small again (I get the itch about every 10 years) and focus on some of the simpler things in life. Keep the momentum going, and remember to Learn, Live, Love, and Laugh every day. These are the key ingredients to finding the patch to happiness...

皆さんと一緒に仕事をし、飲み、食べ、時には嘘をつきあい、苦しんだこと、そして殆ど全てといっていい成功の数々をとても光栄に思っています。しかし、そろそろ初心に立ち戻り、小さなことからやり直す時が(私はどうも10年置きにこんな疼きが芽生えるのです)、そして人生においてよりシンプルな物事に従事する時がやってきたようです。常に前進する、そして毎日学び、生き、愛し、笑うことを思い出す。これらが幸せになるためのちょっとしたコツをつかむ重要なポイントなのです。
彼は技術者としてとても優秀で、幹部社員でありながらも常に最新の技術に興味を持ち、またそれらをお客様に提案するのが大好きな人です。また部下が作業に躓いていると「あぁ〜、そんなの俺は100万回やってきたよ!どれ、俺にかしてみろ!」と言ってしまう、下積みの長い、そしてそのこと自体が大好きな人です。そういう人なので、社内でもどんどん出世してしまい、「俺はNo1ってタイプじゃないんだ、いつもNo2でいたい」という彼の性格と立場の不一致、そして体力の限界から、別の会社へと去っていきました。

そんな彼だからこそ、「毎日ちょっとした幸せのために、小さなことからやり直そう」という言葉に、そして行動に感銘を受けました。

もう既にこの大目標は果たせていない感じですが、この目標が達成できないならば、この会社でこの仕事をしている意味って何?と、常に自問自答したい。逆に言うならば、何をしていようとこの目標さえ達成できていれば幸せなんだ、ということを想い出したい。そんな想いをこめた目標です。


小目標 その1:

 フルマラソンを4時間以内で走る


今年は少なくとも東京マラソンとNYCマラソンの参加を予定しています。この目標が達成できれば、その過程で日頃ランニングもするだろうし、健康にも気を配るし、多くの人と交流ももてるでしょう。健康でないと笑えないですから(マラソンを走ると健康になるというわけではない・・・むしろ逆だったりする・・・この心がけで健康になるほうが優る、という意味)。何より、分かりやすいですしね。


小目標 その2:

自分の作ったモノで

延べ100人に「すごい!」と言わせる


我ながら自分の行動原理に忠実、かつ秀逸な目標。これを達成するにはまず「創る」ことが必要。そしてそれを多くの人に「見せる」ことが必要。更に、それらの人から「すごい!」の言葉をもらわなければならない。他の人を巻き込んで応援してもらえる、成功すれば仕事も成功する、何より大目標を達成できる!具体的だし。多分その「モノ」は、料理、ブログ、小説(エッセイ)、アプリ、構想、組織、いろいろです。何でもいいから、誰でもいいから多くの人に「すごい!」と言わせる、これが毎日の「笑い」の素でなくてなんであろう!

というわけで、今年は(お世辞抜きで!)「すごい!」のコメント、大募集です。



2007年、今年もよろしくお願いいたします

マンハッタンのタイムズスクウェアでクリスタルボールが落ちていくのを・・・テレビでみてました。花火は窓から見てました。

2006年、色々お世話になりました。
2007年、今年もよろしくお願いいたします。

ThomasTT


thomastt at 00:53|PermalinkComments(3)TrackBack(0)clip!