2017年06月20日

良質なTD124には良質なアームボードを

TD124がせっかく優れた能力を備えていても、アームボードが良質でなければ音楽含有量をたっぷり含んだ再生はできません。 良質というのはなにも銘木を指してはいません。 オーディオでの良質とはプレイヤに寄り添い再生音を単なるサウンドから音楽として成り立つようにする木材のことを指します。 良質のアームボードはキャビネット同様にTD124には欠かせないものです。 うわべの姿かたちより内なる働きを示すアームボードこそ私たちが目指している製品です。 数十年前に製作されたオリジナルアームボード以外で、現在市場に出回っている品を、私は使う気はありません。 はっきり言ってそれらは氏素性がはっきりしていないからです。 このボードを使うとどういう音が出るのか、どういう効果があるのか、どれもこれもまったく明記していません。 こうしたボードをTD124に取り付けて私がフルレストアしたTD124に備わっている本来の能力をダメにしてしまっては、なんのためのフルレストアなのか解らないのです。
そういうことで、良質なアームボードを製作することにしました。 一口にTD124といっても個体の数だけ個性があるといってもいいほど、いろいろな性格のTD124があるので、大きく2種類のタイプにして、そのうちの一つ20年ほど乾燥してあった桐のラミネイトボードを3種類にして製作してみました。 

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写真左から柾目、板柾目(柾目に板目がからんだもの)、板目、サンドウィッチ構造という順に並べてあります。 柾目は再生において直線性に優れアームの振動がまっすぐな木目に添って早く流れて消えてくれます。 結果、すっきりとした音で再生されます。 板目は音持ちが良く、ハーモニクスが豊かに伸びるように再生されます。 板柾目は両者の特長を併せもつものになります。 これらをフルレストアされたTD124それぞれに取り付けて試聴してどれにするか決定します。 こうしてTD124は精度の高い 再生音に仕上がっていきます。 

もう一種類はオリジナルアームボードと同じ構造で三層のサンドウィッチ構造にしてみました。 5.5亳に削った欧州松を真ん中に上面下面は3亳のシナ合板で挟んで接着します。 RIMG0181これで厚みはオリジナルと同じ11.5个任后 接着してから冶具で挟み込んで一年半ほど寝かせています。 このボード、ちょっと面白い音がします。 材木でありながら、木の音がしない。 オリジナルとはまた別の音なのです。 原因はプレスに関係していると推測します。 本品は一年も冶具に固定され、その後半年また別の冶具で軽くプレスして寝かせました。 接着剤が完全に乾くまでほとんど動かしませんでした。 それでボードそのもののアームに対する反応力にムラが無くなり、板そのものが均一な状態になったと思われます。 無個性さを感じさせて、かえってそれが個性と感じられるのはそこが原因なのでしょう。

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桐のラミネイト材に塗装するのは手間がかかります。 木そのものの木目が強く、それを平坦にするには下塗り、上塗り、仕上げと3回にわけてその都度ペーパーでこすって平らにしなければなりません。 それは大変な作業です。 今日市場に出回るボードが硬めの材質を使用しているのは、塗装にかかる手間が柔らかな木材よりずっと簡単にできるからであり、決してTD124にとっては適した材質ではないということを知っておいてほしいのです。 堅木一枚板のアームボードは振動がいつまでも消えずかつ張りが出てしまう性質があります。 市場に出ているほとんどのアームボードはこの類のもの、これではフルレストアされたTD124にして高い水準の再生音は望めません。以上T氏


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