2007年02月28日

ボーヤの好きなカステラだよ

カステラ焼きたて銚子に”さま”のつくのは2つだけ。 観音さまと玄蕃さま。 久しぶりに観音さまにやってきた。 固くてなかなか溶けない佐倉屋のアイスクリームはすでになく、大仏さまもいつの間にか移動しておられる。 
子供が大勢わいわい走り回り、浮浪者が本堂の縁の下にいたのが嘘のようだ。 観音さまの前に、一軒の菓子屋がある。 ここはなんといってもカステラだ。 僕にとっては、カステラといえば、文明堂でも福砂屋でもない、ここのお店の味なのだ。 理由は単純。 初めて食べたのがこれだから。 以前話したように、ケミカルではないカステラが食べられるのは幸せだ。 ましては、小さい時から食べてる味を一生食べられるなんて、この上ない贅沢と思う。 上の写真は焼きたてで、まだ、食べてはいけない。 硝子箱の扉を閉めて一日蒸らす。 一日たつと、下の写真にあるように、ふっくらした菓子が出来る。出来上がり古典的なよろこびの味。 しっかりした甘みと香ばしさ、それと底のざら目の舌触り。 いまとなっては辛口スタイルのどっしりした味わい。 底のざら目の甘みと上のケーキ自体の甘みをうまく調和させるのが、秘密だそうだ。 カステラづくりは息子さんが受け継いでいらっしゃるが、先代は87歳でも、饅頭づくりに励んでお元気だとか。 うちの親がここのきんつばが好きだと言ったら、今でも浅間さま(夏のお祭り)の時だけ店の前で焼くそうだ。 どのくらい前から、と聞けば、『よく知らないけど、慶長のあたりからですよ』 ちいさな町で百年以上もカステラを作っているなんて、近所の僕も知らなかった。


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