2008年12月31日

The DEEP THORENS  序文 6

プラッターとセンタースピンドルのダンピングファクターはどうか?

TD124のダンピングファクター効果を例えると、銀行預金のような物だと思って貰えば良いのです。 必要なときに必要な分だけ引き出す事が出来るわけですが、それにはカードが必要になります。 そのカードがエディカレント機構であるとお考え下さい。 銀行口座に入金すれば利子が生じ、引き出せば手数料が発生します。 この利子をユーザーに利する稔り豊かな音楽性の獲得とすれば、手数料はユーザー自身が行うメンテナンスです。 TD124は高利回りなので僅かな手数料は問題にはならないと思います。 

TD124














ではTD124のダンピングファクター効果にとって重要な働きをするエディカレント部から、その力を引き継いだメインプラッター部やセンタースピンドル部は、果たしてどの様な働きを成しているのでしょうか。 様々なヒアリングテストを通じて検証してみましたが、結論からいえばそれほど効果的な働き方はしていないのです。 エディカレント部を構成する3つのパーツ、すなわちモーター、ステップドプーリー、アイドラーはいずれも何かしらの調整部を有し、大変デリケートな扱いをしなければなりません。 一方メインプラッターは、ただ乗せるだけで充分実用になりますし、スピンドル部も三本のネジをシンプルに締め込めば良いだけです。 材質で見ると、メインプラッターは鉄とアルミ製、センタースピンドル軸受け部はプラスチック製とメタル製のものがありますが、エディカレント部の材質は絶対無二です。 動作で見ると、エディカレント部が能動的なものであるのに対して、プラッター部やスピンドル部は受動的な立場にあると見てとれます。 これを是とする理由は、質量的な相違にあります。 エディカレント部の回転部位の全質量、モーター内ローター部、プーリーステップドプーリー、アイドラーの質量値に対し、プラッター部やセンタースピンドル部の質量値は格段に大きいものです。 仮にこのような大質量の物体が強力なダンピングファクターを発生してしまうと、エディカレント部の働きはかき消されてしまうことになります。 このようにさまざまな要素を吟味していくと、メインプラッター部とセンタースピンドル部におけるダンピングファクターのあり方が見えてきます。 つまり、この部分では固有のダンピングファクターを有しないのです。 それは逆に大きなメリットを持つ事を意味します。 エディカレント部の働きを損なわず、シンプルかつダイレクトに効果を発揮させる、ということです。 又鉄製、アルミ製という素材の違うプラッターにおいてもダンピングファクターをほとんどもたないので、基本的に変わりません。 働かずして働くと言うのが、メインプラッター部とセンタースピンドル部の役割と言えるでしょう。 しかしこれはダンピングファクター的側面から見た場合においてであって、この部位の本当の働き、ダンプ力と振動の伝達制御、ノイズ成分の変調減衰という問題には、構造機構的なものですから、ここでは言及しません。  来年につづく
以上T氏

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