2009年01月27日

Have a Guess

グレイ レコードリストNo.67 は今週発送します

例えば、今度のリストにこんなレコードを載せています。

ATL4026 ショパン ピアノソナタ2番 3番  A.デュ・モーリア(Pf)
1962年初出  赤に銀のfidelioレーベル(オリジナル) 重量盤 
【葬送ソナタがとても味わいのある演奏。太くて暗い響きは北国ワルシャワのショパンを想わせる。力強い男性的な演奏だが、豪快に弾ききってしまうのではなく、随所でアゴーギクを効かせて見栄を切る。これが見事に小生のツボに嵌るので、聴いていてうれしくなる。オールドファッションなのかもしれないが、こういう演奏は好きだなあ。第3楽章の中間部では、一音一音が星のきらめきになっている。第3ソナタでも重い打音と太くて暗い響きは変わらないが、刹那刹那の感傷描写を重視した表現で、男性的と言うより柔らかで女性的な演奏になっている。ただし、葬送ソナタとは比べ物にならないくらい構成感がメルトダウンしているので、好みが分かれるだろう。第3楽章ではしっとりと夢幻的で、どこか寂しげな雰囲気をうまく表している。RIAAで聴きました。 (ご近所のSiさん記)】 

AXL4026














録音エンジニアでありプロデューサーでもあった、ウィリアム・バリントン・クーペという英国人が興したDelta/Summit/Lyriqueという妖しげなレーベルは怪奇の宝庫。 Delta傘下のfidelioレーベルもそのひとつ。 ピアノを弾く Auguste du Maurier、なんともクサイ、『レベッカ』を書いたダフネ・デュ・モーリアの兄みたいな名は真っ赤な嘘。 実は鉄のカーテンの向こうの放送録音を失敬してきた音源だと、まことしやかな噂が流れている。 彼が創り上げた源氏名には、フェリックス・ハイス、オットー・シュトラウス、ヴィルヘルム・ハヴァゲス(Have a guess 想像してみよう、をもじった名)といった指揮者や、ピアニストではマリウス・ウーベンドルフ、それにヘルダ・ヴォッベルというソプラノがある。 バリントン・クーペは1966年香港からラジオを輸入し、通信販売で荒稼ぎした折、当局に84000ポンドを脱税した容疑で逮捕され、刑務所で一年過ごした。 彼のレコード会社もいつともなく消えた。 今、デュ・モーリアのピアノをうっとりしながら聴いている、魅惑的なショパン。 これは断じて東側のピアニストではない、と僕は思っている。 ひょっとして、彼の夫人で『現存する、誰も知らない最高のピアニスト』(Richard Dyer)と称賛されたジョイス・ハット!! が弾いて録音させていたのではないか、と妄想してみたりもしている。 バリントン・クーペは確かに小悪人だったかもしれないが、音楽の趣味は良かったに違いない。  
盤ほとんど美品  ジャケットほとんど美品  イギリスプレス  ¥9000

グレイレコード 阿部昌和
288-0048 千葉県銚子市双葉町4−1
tel 0479-25-1140 fax 0479-25-3895
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