2009年04月27日

とうとう

友人夫婦は飛行機でパリに帰っていった。 僕等も電車で銚子に着いた。 まだ、彼らが日本に来ていたのが嘘みたいに感じている。 材木座京都を離れて、逗子マリーナで一晩を明かし、鎌倉から新宿へ向かう。 都庁の展望ラウンジで下界を眺め、友人の中古レコード漁り、ゴールデン街に世界中の映画監督が集まる酒場を訪ねた。 湘南新宿線








もう十数年の付き合いになる。 七年程前にはプロヴァンスの夏の家へ招かれて、一緒にヴァカンスを過ごした。 それがこうして十数日、日本を一緒に回ってきた。 確かにレコードが取り持つ縁だが、彼はディーラーではない。 成田エクスプレス車中で、音楽の話をした。 『先月、シャンゼリゼ劇場でね、ドビュッシィの前奏曲集を聴いたんだよ。 チッコリーニが素晴らしかった(extraordinaire) 』 音楽の話は、この時が最初で最後だった。 見馴れているはずの日本なのに、彼らと一緒だと発見の連続、外国を旅行しているような気がしていた。 このうつくしい国がどのように漂っているのかも見えていた。 今回、彼らには、できるだけ普段着の友人たちや、ナマの姿の日本人にダイレクトで会ってもらえたように思う。 初めて直に接することのできた方々、友人たちにくれぐれもよろしく、と、言い残して帰っていった。 住之江旅館















桜の季節とゴールデンウィークの硲だったせいか、どこも空いていた。 
瀬戸田や尾道の旅館は素晴らしかったのに、他に客はおらず貸切状態。 大浴場に入り、浴衣に身を包み、庭を眺めて、カンパーイのあと、先付けに箸を運ぶとき。 由緒ある建物の空間、気のきいた女将との会話、こころの贅沢。 瀬戸内海に点在する隠れ家の開放感、旅館自体が宝石のように思えた。 囲まれる風景に、建物の造作に、そして料理に、彼らは『オ・ラ・ラ』と歓声をあげた。 いつのまにか、自分たちの旅を Oh! La! La! Voyage と呼んでいた。 山本リンダのウララ・ウララ・ウラウララはこのフランス語から来たんじゃないか?

posted at

2009年04月

2009年04月26日

2009年04月25日

2009年04月23日

2009年04月22日

2009年04月21日

2009年04月20日

2009年04月19日

2009年04月18日

2009年04月10日

2009年04月09日

2009年04月08日

2009年04月07日

2009年04月06日

2009年04月04日

2009年04月02日

2009年04月01日