TD124 配電板部及び電源スイッチ部の接点不良と電圧の関係−3
モーター及びステッププーリー、アイドラー等がある程度の状態である事を前提として、センタースピンドルはモーターに供給される電圧、電流とどの様に関係するかについてはまず、センタースピンドル自体の働きについてお話します。 結論から言えば、センタースピンドルはモーターの電圧、電流とは何ら関係を持たないと言う事です。 完全に調整されたという但し書きは付きますが、センタースピンドルはさまざまな働きがあり、単に機能として見た場合、回転力を保持するのが役割です。 これを可能にするにはスピンドルとスピンドルボックス内部のギャップが重要な役割を果たしており、オイルにより半密閉された内部圧力が抵抗値となり、回転力に対して緩やかな制動をかけています。 従ってモーターやミッション部に不具合があっても、センタースピンドルが健康であれば、あえて干渉することはありません。 しかしセンタースピンドル自体に不具合がある場合となると話は別で、本来の力である緩やかな抵抗体としては働かず、回転力に対してブレーキとして働いてしまいます。 この様な状態ではモーターに対して必要以上の抵抗負荷を与えてしまい、モーターはトルク力を減衰させてしまいます。 メタルタイプではそれ程ではないのですが、初期型モデルのプラスチックスピンドルとなると甚だしく変形した場合、強力なブレーキとなりモーターがいくら頑張っても定回転にはなりません。 もしこの様な状態のTD124に電圧を加え続け定回転を得ようとすれば、モーター負荷は増大し発熱し、やがて断線を引き起こしてしまいます。 TD124のセンタースピンドルは、回転力に作用しトルクとはあまり関係無いのですが、もし回転力をスピンドル自体の不調により押しとめるような現象を引き起こせば、回転力はその力の源であるモータートルクに作用して、モーターを変調させてしまいます。 この様な事態になったなら100V〜120Vの電圧値の是非は何ら意味を持たず、TD124自体にストレスを発生させてしまいます。 センタースピンドルが健康であってこそ電圧値の問題を問う事が出来るのです。 以上T氏