2009年12月22日

ガラード301完全ダンピングファクター帰還型キャビネット

以前からガラード301の販売を行わない旨を皆様にお知らせしていましたが、TD124とガラード301の電圧変化による動作テストに使用する為に購入したものを2台そのままお蔵入りするのは、当世のガラード301のビンテージオーディオ市場を鑑みると残念なことであり、面倒でも特性キャビネットを制作し、ガラード301の愛好家の方々に使っていただこうと2台限定販売する事にしました。 幸いにも2台とも大変状態も良く、部品もすべて純正であり、昨今のガラード301の2ケ1とか3ケ1等(二台から部品を取って一台を完成する邪法)の問題もなく、皆様に安心して使っていただく事が出来る品です。 2台共色調は異なりますが、構造は同じです。 今回アームは別で、お持ちのアーム、又はこちらでご用意する事になりますが、キャビネットの制作にあたって私が選んだアームは、SME3012で、このアームに合わせてチューニングしています。 国産のアームははっきり言って、相性は良くありません。PC180217
アームボードは交換式で寸法はヨコ57.5cm×奥行49 cm×高さ17 cm、重量は、15kgです。いずれも、アームボードは2枚付属し、グレイタイプはトップボード黒色塗装、側板はマホガニー色(オイルステン仕上げ) アイボリータイプ(グリース軸受け)はトップボード、側板とも外側はマホガニー色(オイルステン仕上げ)となっています

[本制作のねらい]
PC190245ダンピングファクター完全帰還型キャビネットを用いてガラード301のオーバオールの特性をコントロールしていますが、以前製作したものは301の特長を最大限の発揮させる事を目的としたものでしたが、今回のキャビネットは、301から可能な限りのグッドリプロダクションを引き出す事に主きを置いて作りました。 構造的な働きは、キャビネット本体のみでダンピングファクターの帰還を行わず、敷板を含め全体で帰還率の向上を図っています。 本体部トップ部を支えるコイルバネはテンションを下げ、高さ調整よりもトッププレートのスムーズな振動の流出と可変を行えるようにしました。 トップボードの高さ調整は、アルミL金具で外側MDF部にネジで固定する事により水平を保つようになっており、かつ直接外側キャビネットには触れていません。 このコイルには内部にダンピングファクターの帰還用の返しバネが入っており、大変重要な役目を果たしています トップボードの構造は上部は桐の集成材にオーク板を貼ったものを使用し、その下には5mmのアクリル板があり、その下に15mmのMDFと三重になっています。 MDFからは5mmもボルトが6本伸ばされ外側からせり出された受け台に設けられた穴に差し込まれ上下にコイルバネがかけられ、テンションがかけられています。 。PC190241コイルバネは、直接キャビネット本体に触れておらず座金に乗るようなっています。 外側は二重になって、内部はMDF15mm、外側が14mmの単板仕様のものを使用、外板は内側のMDFからダンピングコントロールされた木ネジで固定されます。 キャビネット底板は敷板に完全に組み込みまれる構造にしておき、底板に設けられた木製のピンによって敷板と接合するようになっています。 接合部は底板側に5mmのフェルトリングを取り付け、敷板にある円型の設置用の台座に乗るようになっています。 これにより、キャビネット本体と敷板のズレが無くなり、安定したものになります。 敷板は、キャビネット本体のダンピングファクターの帰還率を弛めた為、その強化をはかろうと大変複雑なものになりました。 基本的には、TD124専用敷板の思想の流用ですが、形はかなり異なっており、特に中央のダンピングリングは十字型の支えを持っていますが、押え板の中にもコイルバネが仕込んであり、上部金板からの下方への圧力に対して応力を持たせてあります。 奥の金具は、地震の際の落下防止用です。 本キャビネットはこの様に多くのパーツからなっており、その制作時間も調整を含めて50日程かかり、さすがに、ガラード301用キャビネット製作は今回で本当に終了とさせていただきます。 以上T氏

詳しくはこちらから http://www.thorens-td124.jp/

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