2011年07月24日

よーいよいやせ

鳥のさえずり、台風一過の海鳴り、電車のがったんごっとん、そうしてお囃子が風に乗って聞こえてきた。 朝の散歩は音もご馳走だ。 夏祭りは、子供の頃はなんと言ってもお神輿が盛んで、店屋に突っ込んでけが人が出たり、酷いときには毎年のように死者がでるほど、お祭りというより、酔っ払いとストレス解消の場のような威勢の良さだった。 さすがに規制がはいってからは、静かなお神輿の行列と化した。 IMG_0619それでも、昔のよすがは残っており、各町内でそれぞれお囃子があり、今頃になるとそこら中で御みこしが練り歩く。 この町で生まれたお囃子は大漁節とはまた違う主題から出来ており、浮き浮きするアレグロ・アパッシオナートが共通のモチーフとなり、クライマックスには強烈なアッチェランドがかかって、大漁の町の恍惚感が伝わってくる。 そもそもここは、狭い島のようなところに漁師、お百姓、商売人、勤め人、療養者などがまだらになって棲んでおり、同じお囃子でもそれぞれに調子が違うところが面白い。 IMG_0617ということは、長いことかかって、それぞれの調子が念を押されて出来上がってきたのだろう。 練り歩いている大漁囃子が海から風の中を途切れ途切れに回っている。 ときどき掛け声があがり、おみこしをモンで煽り立てる。 ああ、生まれたときから、ここに住んでいるんだなあ、というのがこみ上げてくる。 「よーいよいやせ」 他では聞いたことがない掛け声。 
盆踊りになると、今度はこの町が生んだ旋律、「大漁節」が大活躍する番だ。 

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