2012年05月30日

また夜歩く

僕が棲む銚子は太平洋に突き出た半島で風が強く、
T氏が言うには「物の怪など吹っ飛ばされて居つけもしないところ」。 
小さな町は空襲で散々な目にあい、
古い港町は木っ端微塵に吹き飛ばされてしまった。
それなのにこの古い都、あんなにいろいろなことがあったのに、
こうして廃れることもなく、青い柳もどこ吹く風で残っている。

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ダビュシ小組曲にあるメヌエットが、耳の中で鳴り始める。

RIMG0050暗い丸太町をバスで行く、
呑み屋のちょうちん、
骨董カメラ屋の看板、寺の門、
残像になって過ぎていく。
夜のめまいが待っている
気配ってなんだろう。
そこに入り込んだ僕を外から見ていることだろうか。
だけど目に見えないからずっと気になっていた。
ちょっとした隙間のようなもの。
ひとの気配、忍び寄る気配、ただならぬ気配

北山の料理屋に連れて行ってもらう。
初めてお会いしたのに、話ばかりしてしまい、明石の鯛とキャベツの花は憶えている。
優しい人たちとの時間はすぐに過ぎた。

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次の日の朝は金環蝕だったから、天邪鬼はゆっくり寝て過ごして夜が来るのを待った。

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暗い暗い丸太町を西に向かってゆっくり歩いた。
O君と40年前に一緒に歩いた道だった。

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