窓辺の聴き手
さっき、久しぶりに自宅でミルシテインの小品集をかけたら、リーンリーンとのんびり聞こえてきた。 ハハーン、今年も鳴いてくれました。 窓辺でヴァイオリンに調子を合わせてためらいがちに。 レコードの針をあげると鳴き止んでしまうから、ミルシテインの音色に誘いをかけているとしか思えない。 去年も、おととしも、秋の前になると、家の庭では虫一匹ヴァイオリンに誘われて秘めやかに鳴く。 ミルシテインでなければリーンリーンとかすかに聞こえてこないから、彼なりのお気に入りがあるのだろう。 今年の秋、もっともっと聴いて、松虫さん。